防災・危機管理情報


  国が提唱する「Society5.0」とは、デジタル技術を活用してあらゆる人・モノ・情報をつなぎ、新しい価値を生み出す社会のこと。技術革新によって誰もが豊かな暮らしを送ることができるよう、鳥取県ではデジタル技術の多分野での活用や行政手続きのオンライン化など、さまざまな取り組みを進めています。

技術革新で課題解決へ

 私たちの社会は、石器時代の狩猟社会(Society1.0)に始まり、農業中心の農耕社会(Society2.0)、機械化が進んだ工業社会(Society3.0)、情報に価値が生まれた情報社会(Society4.0)へと進化してきました。
 Society5.0は、目指すべき次の社会として、国が提唱する未来像です。情報社会ではバラバラに存在していた膨大なデータをサイバー空間で集積。AI(人工知能)が人間の能力を超えた高度な解析を行い、さまざまなシステムを機能させることで、車の自動走行や人に代わって働くロボットなど、これまで不可能だった技術革新を実現します。
 データの活用と最先端のテクノロジーで社会のあらゆる課題を解決し、私たちの暮らしをより豊かに進化させていく。それが、Society5.0の目指す新しい未来の姿です。

快適な暮らしをサポート

 Society5.0の土台となるのが、社会のさまざまな事柄をコンピューターで扱う形に置き換える「デジタル化」。近年話題の「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、デジタル化による社会変革を意味しています。
 現在、企業や行政などさまざまな分野でDXが進められていますが、大切なことは、DXは目的ではなく、企業の成長やより良いサービス、暮らしの実現に向けた手段であるということ。デジタル技術は、あらゆる人々の便利で快適な生活をサポートし、人と社会の豊かさや可能性を広げていくために活用されています。
 昨年9月に発足した「デジタル庁」のコンセプトは「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」。行政DXの司令塔として、一人一人の多様な幸せを実現する社会を目指し、マイナンバーカードの普及拡大や公共サービスの利便性向上などが進められています。

デジタル技術を積極活用

 DXは鳥取県の未来にどのような変化をもたらすでしょうか。今後、人口が継続的に減少し、2030年には3人に1人以上が65歳以上の高齢者となる鳥取県。地域コミュニティーや地場産業の衰退が懸念される一方、オンラインビジネスやリモートワークの普及により、場所に縛られない事業や働き方への関心も高まっています。
 このような状況を背景に、県では▽IoT(多種多様なモノがインターネットに接続され、相互に情報をやり取りすること。Internet of Thingsの略)やドローンなどを活用したスマート農業の実証▽県内企業へのDX支援▽行政手続きのオンライン化などを推進。時代の変化に対応しつつ、活力ある地域社会を維持するために、デジタル技術の積極的な活用を進めています。
 デジタル化は鳥取県の未来を創造するエンジン。県は、誰もが豊かさを実感し、安心して住み続けることのできるSociety5.0の実現を目指しています。

スマート農業の事例紹介

次世代に引き継ぐ新時代の農業を
有限会社田中農場(八頭町)
代表取締役
田中(たなか) 里志(さとし)さん

田中里志さんの写真

  農薬や化学肥料に頼らず、土地と作物の本来の力を生かした栽培に取り組む有限会社田中農場は、120ヘクタールの農地と20人の従業員を抱える県内屈指の大規模農家です。地域に貢献する循環型農業(畜産や農業から出る廃棄物などを地域の有機資源として有効に活用する、環境に配慮した持続性の高い農業のこと。田中農場では近隣の畜産農家から良質な牛ふんを仕入れ、独自の堆肥づくりを行っている)を実践し、食卓にこだわりのおいしさを届ける一方、代表の田中里志さんには農業の未来に対する懸念がありました。
  過疎化や高齢化で担い手が減少し、耕作放棄地は年々増加。きつい、休めない、不安定といったマイナスイメージ…。「それらを払拭(ふっしょく)し、若い世代の就農を促していくためには、ICT・IoTを活用した『スマート農業』への進化が必要」と考えました。
  田中さんはまず液肥のドローン散布を導入し、作業員を重労働から解放。またGPS直進アシスト田植機によって正確性と作業効率を大幅に改善させました。さらにドローンの空撮映像から生育状況や土壌肥沃(ひよく)度を解析。GPSと連動したブロードキャスタ(肥料散布装置)を使って、施肥量を自動制御する実証実験にも取り組んでいます。
  「スマート農業によって作業効率や正確性、安全性は格段に向上しました」と語る田中さん。労働時間の短縮や週休2日制の実施など、働き方改革の実現にもつながったようです。また「経験や勘頼みではなく、データに基づいた安定的な栽培が可能となることも大きなメリット」と指摘。若い人が夢や希望を抱ける持続可能な産業となるために、田中農場は農業の未来を切り(ひら)く挑戦を続けています。

ドローンを活用したスマート農業に取り組む田中農場の写真
ドローンを活用したスマート農業に取り組む田中農場(八頭町)。先進技術を活用し、農作業の効率化を推進している

空中から肥料を散布する農業用ドローンの写真

農業用ドローンの写真
空中から肥料を散布する農業用ドローン。中央に液肥の入ったタンクを載せている

企業DXの事例紹介

環境整えて仕事の質が向上
株式会社ウチダレック(米子市)
専務取締役
内田(うちだ) 光治(みつはる)さん

内田光治さんの写真

  株式会社ウチダレックは創業50年を超える老舗不動産店。IT企業から転職した3代目の内田光治さんは、自社の昔ながらの仕事の仕方に驚いたといいます。あらゆる業務は紙で行われ、仕事は属人的。情報やノウハウが共有されない状態でした。「人口減少で市場も縮小する中、このままでは生き残れない」。DXを決意した背景には、強い危機感がありました。
  まずはスケジュール管理のデジタル化から着手し、社員がITに慣れた段階で、全ての業務をシステム化し一元管理する大改革を断行。反発を受けつつも、効果を示すことで徐々に賛同者を増やし、5年間で「営業利益2倍、コスト40%減、週休3日実現」という驚くべき成果をあげました。
  内田さんは「DXの目的は大切な業務に注力できる環境を作ること」と語ります。「不動産業は人生の節目に立ち会える幸せな仕事。その喜びは書類作成ではなくお客様との関わりの中にあります」。また、デジタル化によってリモートワークが可能となり、多様な事情を抱える社員の活躍の場も広がりました。
  業務を効率化して働く環境を整えれば仕事の質を上げられる、仕事の質が上がればお客様の満足度も向上し、会社も成長することができる。DXによってそれらを実現した同社の改革は、地方発の成功事例として大きな注目を集めています。

ウチダレック店内の写真
明るくすっきりとした店内。

紙の書類からシステムでの管理に変わり仕事が大きく効率化
紙の書類で管理していたときの写真

          矢印
業務を一元管理するシステムの画面"
業務を一元管理するシステムの画面

もっと便利に!マイナンバーカード

  昨年10月から健康保険証としての利用が本格スタートし、マイナンバーカードがさらに便利になりました。窓口での受け付けが簡単、就職や引っ越しをしてもずっと使える、ウェブサイトで医療費の情報が確認できるなど、メリットはたくさん。利用できる医療機関や薬局も広がっていく予定です。
  保険証利用の申し込みはスマートフォンから手続き可能。詳しくは厚生労働省ウェブサイトをご覧ください。
マイナンバーカードの使い方イメージイラスト
(1)マイナンバーカードをカードリーダーに置く
  カードの顔写真を機器で確認します。(顔写真は機器に保存されません。)
(2)オンラインであなたの医療保険資格を確認!
 マイナンバーカードのICチップにある電子証明書により医療保険の資格をオンラインで確認します。 

厚生労働省ウェブサイト
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08277.html

オンライン行政手続支援窓口

  「オンライン手続きのやり方がわからない」「利用したい手続きが見つからない」そんな時は鳥取県オンライン行政手続支援窓口へ!皆さんのさまざまな困り事の解決をサポートします。

県庁情報政策課内
電話 0857‐26‐8319
メールアドレス jouhou@pref.tottori.lg.jp

【問い合わせ先】 県庁情報政策課(Society5.0に関すること)
電話 0857‐26‐8319 ファクシミリ 0857‐26‐8289
メールアドレス jouhou@pref.tottori.lg.jp

【問い合わせ先】 県庁経営支援課(スマート農業に関すること)
電話 0857‐26‐7327 ファクシミリ 0857‐26‐7294
メールアドレス keieishien@pref.tottori.lg.jp

【問い合わせ先】 県庁産業未来創造課(企業のDX支援に関すること)
電話 0857‐26‐7244 ファクシミリ 0857‐26‐8117
メールアドレス sangyoumirai@pref.tottori.lg.jp



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