●知事
皆様、おはようございます。本日も距離を取りまして、聴覚障がい者のかたに口の動きが見えやすいためにマスクを外して会見に臨ませていただきます。私ども、今、予算編成作業、[令和4年度]当初予算に向けて動いているところでございます。今、県庁の各部局の考え方とすり合わせをしている真っ最中でございまして、まだちょっと成案にはとても至らないといいますか、整理が大分いる状況ではありますけれども、我々、これからポストコロナを見込んでいかなければなりません。現在、こうした[新型コロナウイルスの]オミクロン株の渦中にこの国はあるわけでありますが、いずれは、これは年度が明けて終わる時期は当然来ていると思いますし、今後も幾つか波があるでありましょうが、ウィズコロナ、ポストコロナ、そうした力強い対策をとっていかなければなりません。もう一度あのふるさと鳥取県を取り戻していく、そのための来年度予算にしなければならないということです。
もちろん感染対策をしっかりと予算上も計上したり、その、いわば弾込めをする必要ありますが、それと併せて未来志向のことも考えていかなければならないと考えております。現在、そういうような積極的姿勢で予算編成を進めているところでありますが、ざっと見て三千六百数十億円という規模になるだろうというふうに見ております。まだ、詳細、まだまだ詰めなければなりませんが、3,600[億円を]超えてくると、私も[任期が]4期、今15年経ちますが、この中で一番大きな額の当初予算ということになります。これもこうした時代の中にあるということなのかなと実感をしながら、今、予算編成作業を急いでいるというところであります。
また、その際に我々鳥取県として県民の皆様と財政を健全化すると約束をしております。財政誘導目標、例えば黒字プライマリーバランス(基礎的財政収支)、また、借金の残高を抑制をしていく、そうしたことがございますが、いずれの指標においても、貯金の額のことも含めて、その誘導目標と言われる目標達成を睨みながら予算編成を進めたいと思います。当初予算段階でこの財政誘導目標を達成できるような、今、やりくり算段を進めておりまして、何とか形を整えてまいりたいと思います。
この三千六百数十億円の予算を組むに当たりまして、いろいろとこれまでやってきたことで課題となる目の前のこともいろいろあります。例えば、鳥取港のプレジャーボート、それを撤去するための行政代執行であるとか、こまごまとしたことまで含めまして意欲的に対策を取ってまいりたいと思います。その編成作業の途上で少し疑問に思いますのは、せっかく政府が金看板でやっておられることなんですが、不妊治療の保険化、保険適用ということを[令和4年度]当初に向けて掲げられまして、今、その制度設計が初めて示されました。それで、我々、現場レベルで弾いてみるわけでございますけれども、非常に限定的に作ってありまして、それは着床前の検査が対象外であるとか、また、その人工授精等々いろいろな手法がありますけれども、それが一定の手法にかなり限定されていまして、本県で言うとほとんど適用がないということであります。せっかく保険で適用して不妊治療、子育て支援をやっていこうというふうに政府は踏み出されるのであれば、我々まだ今、予算編成作業中でありますけれども、これは単なる保険制度のちょっとした枠組みのことでありますので、これはやはりこども家庭庁を作ろうという政府の方針であるならば、こうした不妊治療問題、これで若い方々、未来のこどもたちというものに向き合っていけるようなそういう環境づくり、それにはやはり真っ当な対策を取るべきではないかと思います。適応させんがためのようなごく限定的な治療法だけを対象にした不妊治療であったら、これ、やっている意味がないのではないかと思います。
本県も結局新しい不妊治療の対策が国から出てきたので、拡充できる財源ができるかなと思いましたけれども、結局、県が出すお金は変わらないという状況でございまして、これ、多分、どこの県もそうだと思います。この不妊治療の保険適用の在り方についてはやはりまだ間に合うと思いますので、保険制度を最終的にフレームを作る前に決めていかれたらいいのではないかなと思います。いずれにいたしましても、政府のほうでも今、当初予算に向けて国会での審議が本格化してくるということになろうかと思いますが、ぜひ実りの多い新年度、コロナから脱却していく道筋が国、地方それぞれで作られるように念願をしているところでございます。
●知事
当面の課題はやはりオミクロン対策ということになりますが、どういうようなことが今、それぞれの現場で起きているのかというのをちょっと県民の皆様、記者の皆様にも見ていただく必要があるのかなと思います。いろいろと我々、今も保健所機能の充実をして、保健所機能だけは壊すまいと、縮小すまいということで、後ほど述べますが、いろいろな対策を取ります。そういうことでいろいろと分析も同時にしまして、本当に何が今、アプローチとしてこの感染が急拡大しているものを抑えるのに役立つのか、その実相を見ようと、いろいろとまず分析作業をしている中で見えてきた典型的な例を幾つか御紹介申し上げたいと思います。
こちらは家庭内で感染が発生をすると、家庭には外から入ってきたということであります。その家庭内での感染でお子さんがかかられると、それで、お子さんがかかられた中でその子が通われる児童福祉施設があると、それで、従来はこの子ども子ども間感染、これはそんなにはなかったですね、正直申し上げて。割と保育所で感染があったのは保育士さんだとか、スタッフからお子さんに感染させるというのが従来のアルファ株、デルタ株で見られた保育所の感染のクラスターでありました。しかし、今はいわゆるエアロゾル感染と言われるような、そういうことが起こったのかなと思われるようなことが児童福祉施設の中でも起きるようになってきていると。それで、こういうところが1つの核になるわけです。こういうところで仮に大きなクラスターが発生をしますとこれがいろんな家庭とつながっているわけです。それで、その御家庭の中で例えば兄弟にうつるとか、兄弟姉妹にうつるだとか、そういうことがあるということです。
ちょっとこの具体の例では御両親は陰性であるということはこれ、ちょっと不思議なんですけれども、この辺はちょっとまだ解明し尽くされていませんが、もしかするとやっぱり一定程度ワクチンの効果ってあるのかもしれませんね。その辺は長い時間かけて検討しなければいけない、分析しなければいけないことではありますが、我々もいろんな事例に今回も出会っていますけれども、やっぱり大人でもワクチンをしてない人が結構防御をしているはずのところでかかっていたりします。だから、やはりワクチンの効果というのはそうは言っても2回打っていることでもある程度の効果があるかもしれませんし、もちろん重症化[予防]の効果は、これはよく言われることであります。ただ、このケースはいずれにせよ、ちょっと両親が陰性だったということでちょっと不思議に思えるところもあるんですが、ただ、現実、そういうことで、これ、データ的にはあるということです。
それで、こんな形でこうした児童福祉施設、あるいは学校というものを核にしてウイルスは今、子どもを狙ってきているんですね。子どもさんのところは割とワクチンも打っていないということもありますし、何故か今回のオミクロン株はお子様にうつりやすい、そして、お子様もほかのお子さんに感染を広げたり、親に、あるいは大人に感染を伝える、そういう力がなぜか今回はあると思われます。そうでないと説明がつかないことがありまして、この辺が従来、専門家や政府なども十分認識していないじゃないかと思うんですね。それで相変わらず飲食店対策だけをこの国のコロナ対策だというふうにムードをつくっていると。それで、メディアもそうですけども、今、まん延防止対策が始まるということで皆さん取材に行かれるのもみんな飲食店。しかし、本当の感染現場はこういう児童福祉施設だとか学校、あるいはこういうスポーツ活動、こういうようなところが実は今のクラスターの中心であります。全然違うんですよね。
ところがその専門家の皆さんが4人だとか、5人だとか人数制限さえ守ればいいみたいなイメージを与えてしまっている。本人はそのおつもりはなくてもそういうイメージを与えてしまっている。それで結局、飲食店があれだから、飲食店さえ行かなければいいということで、学校とか保育所の対策を国全体で少し疎(おろそ)かにしているんではないか。少なくともまん延防止等重点措置の対策についていえば、これは飲食店に協力金を出すということしかその中に書いてないです。それで、それ以外の対策がないんです。これではこの児童福祉施設だとか、学校が中心でクラスターが起こっているという現状には立ち向かえないんですね。闘えないんです。だから、全国知事会でも度重ねてオミクロン対策にふさわしいまん延防止対策にしてくれと言っているんですが、なかなかここ動いていただけないというのが現状であります。
今日も午後に[全国]知事会[の新型コロナウイルス緊急対策本部]がありますけども、皆さんどうおっしゃるか分かりません、恐らくそんな話がどんどん出てくると思いますね。とにかく今の国がやっている専門家が主導している対策は全然効いてないということでありますので、これはやはり考えなきゃいけませんし、国全体のムードでとにかく飲食店を悪者にするかのようなそういうムードをあおって、それで飲食店対策さえやっとけばいいというふうにするから、肝心の学校とか保育所での対策がうまく動いていかないということもあるんではないかなと思うんですね。
それで、今のオミクロン[株]の癖は、こういう子どもたちのクラスターをつくりまして、ここから分散をさせて、これが各家庭に散っていくと、皆さんも御想像できると思うんですけども、そうすると面的に地域に広がっていくわけです。それで今、実際こうしたことが起きている地域でも、1つの保育所でかなり大きなクラスターがあると。そうするとそれが小学校とかにも及んでいくわけですね。それで小学校でも感染を広げると。それで、それが地域の近い学校にも感染を広げていくと。今度学校で広がると、今度またそれが持って帰って家庭にも広げていくと。それでこういうことが重なっていますんで、全国で急拡大している数字に見えるんですけど、その内容をきちんと分析していただければ、実は飲食店街で次々にお店に行った人がかかっていて、それで広がってきたという従来のデルタ株までとは違った広がり方をしているということは明らかに見えると思います。
それでその辺に基づいた対策をしないと、これ収まらないと思います。ただ、1つ救いなのは、我々は第5波まで経験していますから体感的に分かるんですが、必ずこの感染症というのは収まる時期が来るんです。それでこれはウイルスの都合で多分収まるんですよね。それで、それは飲食店対策がうまくいったから収まっているわけでは必ずしもないんです。それで、その辺をなかなか専門家の皆様が明らかにしてくれないと。だから、知事たちは結構ここに不満を持っているんですよね。それで、やはり本当に我々が闘う相手を我々知りたいし、できるだけ効率的にこうやって健康を脅かされる事態、それで、健康を脅かされるだけじゃなくって、言わば爆発的に広がっていますので、この感染拡大がもとでエッセンシャルワーカー(社会機能維持者)などに影響して社会機能まで脅かされようとしていると。ですから、やはり本質に向かっていかなければ多分いけないと思うんですね。それで、これは世間の認識も含めてやっぱり改めていく必要があるところであろうかと思います。それで、これは1つのケースなんですけども、これは家庭内の感染がありましたと。それでこの家庭内の感染で別の御家族メンバーに感染が広がりまして、これが高齢者の福祉施設に入っていったというような実際のケースもありました。
それで本県では割と高齢者の福祉施設、他県もそうだと思うんですけど、結構御高齢の方いらっしゃいます。本当で90歳、100歳という方は結構おられるんですよね。それで、そういうところに感染が広がるというのは、えらいリスクがあることは皆さんもお分かりになると思います。ですから、単純に重症化することは少ないというふうに言うだけでなくて、こういうことで、今、高齢者福祉施設にも実は全国で広がっているクラスターがあるということも忘れてはならないところであります。ですから、子どもたちを守り、それからお年寄りを守る、こうしたことをテーマにオミクロン株対策というのは本来やらなければいけないんではないかなと思うわけですね。
それからこのケースはかなり広がったケースでありますが、ある県外でのスポーツ活動がありました。それで、この県外でのスポーツ活動がもとで、それが各御家族に入り、その各御家族のうちの1つのケースですけど、通じて職場に入り、それで職場の中で家庭内に感染が広がり、それで家庭内でそのお子さんが通う児童福祉施設でクラスターが起きる、こんなようなケースもあります。それで、こうやってつながっていくんですよね。それでこれがだんだん世代を変えて、今、来ているわけです。
それで確かに専門家がおっしゃるように、これはスポーツ活動ですけども、オミクロン株の初期においては若い方々中心の皆さんよく聞くストーリーです。若い方々中心の成人式の後の2次会等々のことでクラスターがあったと、それでこれ確かに事実でして、本県でもそうしたことと言えるケースがあります。それで、そういうようなケースは、でも1月の頭ぐらいの話でありまして、その後ずっと世代が下りているわけですね、これだったらこういうふうに世代がだんだん下りてくるわけです。次の世代、次の世代というふうに徐々にこういうふうに感染が広がってきていると。それで、全国押しなべてこういう児童福祉施設だとか、学校だとか、そうしたところでクラスターが起きています。これ、いろんな知事に聞いても、皆さん同じことおっしゃいます。だから、今もう、対策の中心はそちらに移さなければいけないというのが現状であるわけであります。
●知事
これが本県での確認されたクラスター、全県でありまして、第6波初期のものから現在まで含めて足し算をしてみるというものでありますが、こういうような形で以前のデルタ株のときは確かに飲食店のクラスターというのが多かった。しかし、今回はそれを凌駕する、もっと多いぐらい、学校や保育所等のクラスターが多いということです。それで、これはようやくこのたびの厚生労働省の[新型コロナウイルス感染症対策]専門家会議でもクラスターの中で学校等が占める割合が上がっているっていうのがようやく出てきましたけども、これが現実なんですよね。
それで、本県なんかも典型的にそれが出ていまして、飲食店中心の従来の第5波、それでこれに基づく対策として多分協力金制度なども有効だったと思いますが、今回はこういうような形で学校や保育所等のほうに感染の中心が移っていまして、特に今、あるクラスターというのは事業所だとか、それから学校、保育所でありまして、飲食店でのクラスター、一生懸命我々ないかどうか心配をしながら検証しますけど、出てないというのは今現状です。以前の初期の頃にはありました、オミクロン[株]の。しかし、今はなくなってきているというのが現状であります。
●知事
それで、とにかく患者さんが増えてくるわけですね。それで、私たちの最終目標は、[感染の]波はこれ、いずれこう高くなります。それで、全国まだまだ高くなるでしょうと、いずれは下がってくる。その下がってくるときまで何とか持ちこたえて、1つにはその感染の波をできるだけ低くして、社会的インパクト、健康を守る、そういう観点でその感染の波を下げる努力というのが第1戦略であります。
それで、第2戦略としてはものすごい患者の数は今までになく増えてきますので、ただ、軽症者が幸い多いという状況がありますので、軽症者対策の医療的ケアも含む見守りということが2番目の戦略になると思います。それで、この点において各地で感染が、鳥取県は比較的まだこれでも抑えているほうの県ですけど、多くなった県ではなかなかそこは全部できないというようなことになり始めていますが、本県は何とかそこを守ろうということで在宅療養サポート体制っていうことを考えたところです。
これ、その後、進展がありまして、[1月]25日に、この一昨日、覚書のほうは締結を市町村とさせていただきました。鳥取市保健所管内は鳥取市とその東部4町で結んでいただきました。それで、従来やってきたこの保健所、訪問看護ステーションによる見守り、これは機能しています。現在も主流はこれで動いています。それから、それに加えまして鳥取方式の安心投薬システムと言われること、これも動き始めて現にやっていただいています。昨日も医師会側と協議をさせていただいておりますが、初期の段階で、自宅で療養されるときも対症療法的なものが中心になると思いますが、投薬を積極的にしていただきたいというふうにお願いをさせていただいております。結構熱が出たり、症状が出るのが今回でございますので、そういう意味でその投薬ということも、これも薬剤師会や医師会等の協力を得て、動き始めているところでございます。
それからこの一昨日から市町村と協定が結ばれまして、今後もういつでもできる体制になりましたので、今、こちらが機能している状況でありますけども、段々多くなってきた場合、こういう市町村での見守りということをお願いをしようと。それで、さらに県庁での[My]HER-SYS、これは[My]HER-SYSはそれぞれの患者さん、陽性者の方にナンバーをつけて、IDを取っていただいています。それで、この辺のお世話をした上でIDをお渡ししまして、それに基づいて自己管理もできますし、このデータ自身は今も県庁のほうのセンターで中を我々としてはフォローアップをさせていただき、異変があれば即座対応するということにしておりますが、これは昨日から運用を中西部で開始しております。
それで、東部につきましても鳥取市保健所さんと今、協議してきているところでありますが、忙しいのでやっぱり県庁のほうでやってくれないかというふうなこともありまして、恐らくこれ県庁のほうで、今後東部も含めて[My]HER-SYSをやっていくということにしたいと思います。今、そういう意味で、例えば家でじっとしていてくださいというようなことが、またこれも報道されてそのイメージがあると思いますが、本県の場合は家で、1人でぽつんとじっとしているという状態にはしないと、そういうことはしない、つまり誰かが見守りに関与していると。それでお薬なども必要ならば届けられるようにする。それからインターネットも通じまして、自己管理をしがてら全県的な見守りも受けると。こんなようなことを今、本県としても機能が今週から本格的に動いているということになりました。
まだ患者さん増えると思います。今日も196[人]という、大変多い数になっています。そういうようなことで、特に西部が多い状況がまだ続いておりまして、予断を許さないということだと思っております。
●知事
それから保健所が機能がだんだん低下するということにならないように、これも抜本的に本県の場合は、保健所は守るということをして、これによって調査能力、これが衰えることがないようにしようと。それで、ここが切れてしまいますと、要は天井が抜けるような形で感染が急拡大しっぱなしになりかねないということです。そこで我々としては小さな県庁ではありますけども、米子で60名、倉吉で15名、既に専任の職員を保健所に追加配置をさせていただき、そういうものを事務屋の総合事務所長もその対策本部長として常駐をさせるということにしました。そこで今、これ動き始めていますが、積極的疫学調査、例えば改良普及員さんなんか、結構今、聞き取りをするようになっています。このようなことをいろいろとさせていただくわけであります。
そういう中で、現在の感染状況が非常に特殊な状況でありますので、いろいろと現場とも日々、日夜話をしているんですが、とにかく初動が大事だと。それでオミクロン[株]の場合、1日放置しますとその間どんどん広がります。世代時間が短いので、次の世代へ、次の世代とつないでいきます。それだけ感染が早いもんですから、我々スピードが比較的早い鳥取県で今まで何とか食い止めてきたと。それで、残念ながらちょっと西部でそこから抜けていったものがあると、ひょっとすると見えないオミクロン株がいたのかもしれません。それで、いずれにせよ、今、市中に流れていっていることは間違いないと。それでこれを何とか抑制しようということで、今、不要不急の場合は自粛できませんかというお願いをさせていただいてるという心苦しい状況でございます。
しかし、それだけでなくて、出てきたいろんなクラスターがあります。結局その市中に潜ったりしていることもあるのか、面的にかなり広がった形で、あっちの学校、こっちの学校とクラスターや感染が出てきているんですね。それで大切なのはその学校の中に入ってくる、お子さんがかかられるということはあるかもしれませんが、そこから先に広がらないようにすることが大事です。ですから、できるだけ迅速に初動で陽性者が見つかったときに動かなきゃいけない。それで、これは保健所で全部やるのは結局手が回らなくなりまして、それが翌日延ばし、翌々日延ばしに仮になったとすると、そうするとその間に感染が広がりまして、さらに広がったところから次の感染へと広がっていくと。先ほど図を見ていただきましたが、あの連鎖がどんどんつながっていくわけですね。
だから、それを阻止するためには、初動で動こうということにさせていただきました。それで、子ども関係施設[等感染拡大防止]の特命チーム、それから学校[感染拡大防止]の特命チーム、それから社会福祉施設[感染拡大防止]の特命チーム、こういうものを設置をしまして、これをこうした保健所機能と連携させる、あるいは代替をさせるということにしようというものであります。
6 施設等における新型コロナ感染拡大防止対策の強化・実施
●知事
これは、具体的にはこの子ども関係施設、これは保育所とかでありますけども、感染拡大防止のチームをつくりまして、このまず初動対応、これは保育所のお子さんがこの子の濃厚接触者範囲はどこかな。それで、これは保健所が出ていって、今まで聞き取っているわけですね。それで、それを聞き取っていて、それで聞き取って出てきたところでPCR検査をどの範囲でやるかとか決めて、PCR検査の準備をして、それで陽性か陰性かを判定してということが必要です。
それで本県の場合、これを広めに、早めにやろうということで、これまで何とかクラスターの拡大を止めようとしてきました。この作業は続けなければいけない。ただ、保健所では、これだけたくさんの保育所などで発生してくると難しくなりますので、そうした作業を保育所の当事者の皆さんと一緒になって進めてしまおうということです。それでこれ必ずしも保健所職員でなくてもやれるんじゃないかということですね。それから実際に保育ができなくなった子、その預かり保育のお世話等もしなければなりません。それでこういうこともサポートしていくということでありまして、市町村だとか、現場の福祉局と連携をして進めていこうというものであります。それから学校については同じような作業ですね、これを県の教育委員会を1つキーにしまして、市町村教育委員会、それから各学校、ここがつながるネットワークの中で対処していこうということであります。これは学校で、例えば生徒の名簿がありますよね。それは学校が一番よく分かっているわけです。それで、その学校のほうでその生徒の名簿に基づいて、そういうものをPCR検査対象、これ回す必要がありますよっていうのを範囲を決めてもらうと、作業してもらうと。そこに番号をつけて、PCR検査の検体の容器と結びつけた上で、紐付けた上でそれを配布していくと。それを集め、回収してPCR検査に回していくと。単純な作業なんですけど、こういうのを一つ一つあらゆる学校に保健所だけでやるのは、もうなかなか手が回らなくなると。そこで学校と教育委員会というネットワークを使おうということですね。
それから社会福祉施設、例えば高齢者施設などは入り込むとややこしいです。先ほど申しましたように、重症化の危険などもあると。そこでそうした高齢者施設などについても、初動で動けるようにやっていこうと。これも福祉担当の我々のほうの部局と一緒になりまして、高齢者福祉施設等と共同してやっていこうということであります。
●知事
こういうようなイメージなんですけども、こうした特命チーム、保育所、幼稚園の場合でありますけども、この特命チームで検査対象者リストを作成すると。これは保健所の外と思っていただきたいと思います。保健所と連動している別部隊、こちらのほうで検査対象者リスト、検体採取の準備や調整等をやる。そういうのをこちらの保育園のほうでは聞き取りをしていただいてどういう活動をしていたのかな、それで、活動記録だとか、接触者こういう人がいますよ。これを検査対象者リストに持っていくわけですね。
この辺は全部保健所職員がやるんではなくて、地域ぐるみで保育施設にも御協力をいただいてやっていこうと。検体の採取だとか、保護者への御連絡などもこうした当事者である保育園等にお手伝いをいただこうと。それでこういうようなことでやっていこうと。それで、休業しなきゃいけないとか、いろんな相談事もこの感染拡大[防止]特命チームのほうで乗っていこうと、こういうようなことであります。こうした独自の仕組をちょっと鳥取県作ってみようと。全国でもここまでやるとこはあまりないと思いますけど、なぜここまでやるんだと言われるかもしれません。しかし、保健所の機能を守らないと、感染の拡大はなかなか抑える力がないんですね。それでここを最初にあきらめてしまうのではなくて、ここは担保をしながら片方で軽症者の見守りをやっていくと。この両面作戦をやっていけば、この波いつかは通り過ぎると思いますが、それまで持ちこたえる、そういうことになるんではないだろうか、そういう意味で戦略的に少し作戦を立てて今やり始めたところであります。
●知事
それから世情よく言われる抗原定性[検査]キットが[全国的に]足りないということです。これは今月中旬にも後藤[茂之厚生労働]大臣に[全国]知事会で要請する機会にも抗原定性[検査]キットが足りないという現場の声があると。PCR検査の試薬も足りないと言われているということを申し上げました。大臣そのときに増産をかけているというお話がありました。昨日大臣のほうからは重点配分をするということがぶら下がり会見で初めて示されたところであります。やっぱり不足をしているんですよね。そういうような状況であります。それで、我々も医師会などと話をしているんですけど、やはり医師会、クリニックで診断するときに、この[抗原]定性[検査]キットがないと言わば弾込め、弾がないという状況になります。それで判定をしないと、例えば、薬ですね、モルヌピラビルだとかそういうものの処方ということも、実情やれないということになります。
確かに診断すりゃあいいじゃないかということはあるかもしれませんが、厚[生]労[働]省が示しているものでも、結局、周りの家族で感染があるとか、そういうようなことがないとなかなか臨床で診断しにくいということがあります。そういうような意味で、何とかこの、抗原定性検査キットを確保しようと。そこで本県は、ちょっと裏技を使おうということです。医師会を通じまして、県のほうで備蓄をいたしておりました抗原定性検査キット、この910回分を医師会のほうに提供させていただきました。これは医師会のほうでないぞといった医療機関に当座回そうと。それから社会福祉施設のほうに、実は我々検査の都合もあるだろうということでお渡しをしていた分があります。これを融通してもらって優先度の高い医療機関のほうに提供させると。これで1290回分ということであります。これによりまして、2千回以上の分は取りあえず確保しようと。それで、そのうち増産が始まるとか、国のほうで供給の優先度をつけたということが機能してくれば回るようになるかもしれません。当座、これでやっていこうということであります。
また、販売業者さんとの斡旋、情報共有ということも医師会、医師の皆さんとやっていこうということです。それから、もう1つのこのPCRの検査試薬、あるいは抗原定量の検査試薬ということもありますが、特にPCRの検査試薬、これは県のほうの行政検査などでも必要なものですけども、この県の衛生環境研究所につきましては、今のところ1か月分試薬を確保いたしました。これによりまして今のオミクロン株の波ぐらいは乗り切れる、そういうだけの体制を取ったところでございます。
●知事
それから、ワクチン接種についてでありますけれども、これまでも申し上げているように、1月29、30[日]、それから、その後、2月の1~3日まで東部で行います。東部のほうは今日から予約の受付を開始します。現状を申し上げますと、この中部の分につきましては、この2日間で高齢者の方の前倒し分が300人、そのほか消防士さんだとか、保育士さんなど、こういうところで150人、合計450人ということであります。正直申し上げて3,000人分確保しています。だから、まだ2,500人分余裕がある状況です。
それで、やっぱりこういう状況ですので、ぜひ、これこちらの県の接種会場のほうを活用していただければと思います。当日までお電話を受け付けておりますので、御活用いただければというふうに思います。ちょっと担当部局のほうには言っていますが、もっと見境なく打つぐらいさっさとやったほうがいいんじゃないかと言っているんですが、なかなかちょっと難しい状況もあるようです。特に世上言われているように、やっぱりモデルナ[社製ワクチン]での接種に対する抵抗感ということもあるのかもしれません。その壁を感じることが多いです。したがいまして、その辺やはり国を挙げてこの接種必要だとか、安全性などについてPRもしていただきたいなと思っているところです。
●知事
それから、県立の集客施設につきましては、こういうオミクロン株の感染状況になってきまして、なかなか立ち行かないということもありますので、新型コロナウイルス感染症対応指定管理施設支援事業としてここに入居されているとか、あるいはイベントをやろうと思っていたというところの方々のキャンセル料などを徴収しないということで、円滑にこの時期をお過ごしいただけるようにお考えをいただきたいと思いますし、また、観光関係での遊覧船の係留料などについてもそうした配慮をしていきたいと思います。いずれにいたしましても、今、オミクロン株が猛威を振るっていまして、これを収めることにやはり全力を上げなければいけない、それで、それによって初めて町中に人が帰ってくる日がやって来ると思います。
11 県応援金、国支援金による事業者支援、相談窓口強化
●知事
まずはこれを収めることが重要課題であって、これが経済社会へのインパクトを減らすことにもなりますが、ただ、こういうことが一段落したら、新たなその経済社会支援、これも県として当然考えなければいけないだろうというふうに考えております。また、現在、1月の31日からこれは政府のほうでありますが、復活支援金というかなり大型の事業者支援が動き出します。これについて我々のほうでもその申請のお手伝いをさせていただく、相談窓口を設置をさせていただきます。また、県のほうでもそうしたコロナ禍再生応援金という新しい支援制度も今、動かしておりまして、既に8,000万[円]執行済みになってきております。こちらのほうはまだまだ受付も続きますので、こちらのほう御利用も可能であります。ベストを尽くしてそういう経済社会に対するフォローアップもやってまいりたいと思います。
●知事
それから、前回、御紹介申し上げました30人学級につきましては、このたび市町村長と膝を交えての行政懇談会[が]24日にありまして、最終合意となりました。2月[定例県]議会に関連の予算等を提案してまいりたいと思います。そのときに市町村長からいろんな疑問やお願いといった主旨が出ました。1つは学校の先生確保できるのかということでありました。これは[義務]標準法という法律がありまして、学級数というのは、実は法律の仕組で算定されます。ここに例えば40人をメルクマール(判断基準)して計算しなさいとか、30人をメルクマールして計算しなさいとかあるわけです。それで、その標準の学級数というのは、実はこれ[来年度の小学校3年生ですと]法律上[35人学級を標準とするもの]187[学級]というのが[予定として]あります。それで、我々が30人学級で今回上乗せをするというのは17学級分でありますので、先生の数で言ったら204人が必要教員ということであります。
ただ、実際はざっと200人ぐらいが現在、学校の先生、これ学級に張り付いているんです。それで、実は生徒数の減少がありまして、学級自体の数が全県で減ってきますから、差引をしますと数人レベルで増やせばいいということであります。もちろんこれからその採用に向けまして、例えば関西でも試験をやりますよなどなど、いろいろとプロモーションをかけて、このほうは補ってまいることになります。それから教員の資質向上を求める声も強かったですが、これについては研修会やエキスパート教員の活用、また学力向上につきましては、先般合意した学力向上の推進会議、これで機動的に県市町村一体となって進めていこうと、特に授業改善を図っていこうということを考えています。
また、そのほかICTの活用とか、そうしたことなども展開をしていこうということであります。なお、先般のこの24日の[県市町村行政懇談]会議を踏まえて末松[信介]文科大臣のほうでも我々の、鳥取県の少人数学級を評価していただくコメントが記者会見であったというふうに承知をいたしております。
13 星空がきれいだと思う都道府県はどこ?=鳥取県1位
●知事
先般、ヤフーのほうでニュースが流れまして、ねとらぼさんというところで、星空がきれいだと思う都道府県はどこかという全国調査をされたところ、何と鳥取県が第1位になりました。我々もびっくりしたんですが、例えば何年もかけて星が見えるという環境省の調査で鳥取市が何度も選ばれているとか、そういうようなことなど、そうした知識が大分全国にも伝わっているようでありまして、星空ということで評価をいただきました。
●知事
それで、こういうようなことで、星取県というコンセプトも展開が進んできたかなと。そこで新年度に向けまして鳥取砂丘月面化プロジェクトというのをやってみようかと。これはデジタル田園都市国家構想にも我々関わるのでないかと位置づけているんですが、いろんなデジタルの作業とか試みを通じまして、それで砂丘を舞台にした実証研究をやるとか、月面着陸したときの、それを想定した例えば商品開発等の実証研究をやるとか、そういうような場で使えないかというふうに思います。実はこのたび全国に向けて、鳥取でこういう宇宙関連産業の展開をしたいという企業さんあったら提案してくださいというのを募集していたんですが、3件この砂丘絡みで手が挙がっております。
こんなようなことで、やはり1つのモチーフにもなるのかなと。実は鳥取砂丘の砂は10万年かけてできていまして、すごくきめが細かいんですね、それで、きめの細かい状態は月面に近いのではないか。また、大事なのは起伏でありまして、月面も実はぼこぼこしています。それで上がったり下がったりという砂丘状態なんですね。それで、そこの起伏も実は、鳥取砂丘は第1列、第2列とこういうふうに砂丘列がありまして、年代をかけて、こういう山並みのように形成をされてきてるわけです。それでこうした地形というのも、また砂丘を利用した月面での実証研究などにも役立つんではないか。それで、そこに持ってきて、この砂丘というスペースを使って様々なICTを活用した産業振興もあるんではないか、そうしたことで組み合わせた事業をいろいろとやってみようじゃないかと。それで、鳥取砂丘を月面に見立てた実証フィールド。それで、さらに月面以外にもそういう例えば建設機械をICTで操作をすると、遠隔操作をすると。そういうとき、町中ではさすがにできませんけど、砂丘地を活用しながらそうしたことをやるとか、砂丘の新たな利活用ということにもなるのではないか。それで鳥取砂丘には鳥取大学さんの持っているスペ-スも乾燥地研究所もございます。また、かねて工学部さんと、我々そうしたICT関連での提携もしております。そういうことで大学さんだとかとも協議をしておりますし、この砂丘を活用できないかという企業さんは、またJAXA(宇宙航空研究開発機構)とかとも連携をされているところもありまして、こうした関係機関なども今後、いろいろと巻き込みながらこうした1つのポストコロナに向けた夢を我々としても考えていけないかということであります。
具体的にはこの地質のデータの解析であるとか、それから起伏の状況などもドローンを使って調べていく。そうしたことなどをいろいろとやりながら、言わば実証フィールドっていうのをつくっていく。それでこうした産業振興につながるような、そういう場としての活用ができないかということであります。
●知事
それから同じように、このたびデータが出てきてびっくりしたのが、コロナ前後において東京都から人口が移ってきたと。その人たちの増加率が鳥取県は23%で第1位ということになりました。長野県などよりも大分上回った形になったんですね。やはりコロナで我々のところ、比較的コロナ抑えているということのイメージがあったり、我々としても移住ターンだとか、副業などを進めてきているということもあったんだろうと思いますが、こんなようなことになりました。
これをさらに新年度に向けても、先ほど申し上げた三千六百数十億の予算の中でいろいろと展開していこうと、例えば兼業、副業活用して転職なき移住、こういうものをやっていく、その支援制度っていうものをつくってみようかと、あるいはファミリーワーケーション、ファミリーワーケーション、今もエアラインのチケットなどを支援する制度っていうのは動かしておりまして好評いただいているんですが、受皿となるような県内の施設、そちらのほうの環境整備も進めるような、そういうファミリーワーケーション支援っていうことも考えてもいいんではないだろうか等々、我々のほうでも対策をさらに新年度に向けて進めていきたいと思います。
16 ついに「青谷弥生人」そっくりさん&名前が決定
●知事
最後に、今月末、31日の日に青谷弥生人さんのそっくりさんコンテスト、それから名前募集、この結果発表ということになります。今、厳正な審査を進めています。この応募数841あったんですが、最近、皆さんも御存じかもしれん、AIアプリがありまして、これで、似ているかどうかっていうのを評価する、あのアプリあります。それで、まず1次審査はそれでやりました。それで、1次審査残った方20名、アプリのそっくり度が92.2%から高い人は98.6%という結果になりまして、随分似ている人がいるなというふうにも思ったところであります。その中から厳正な審査をして、そっくりさんとしての10名の入賞者を決めようということでありまして、YouTubeで中継をしますので、ぜひ、レコード大賞のように見ていただければというふうに思います。私のほうからは以上です。
○山陰中央テレビ 赤木優志 記者
ありがとうございます。幹事社TSKから1つだけ質問させてください。まん延防止について改めて伺いたいのですけれども、先ほど知事もまさに申し上げられていました、飲食店から協力金を求める声も上がっていると認識しております。この意味ですね、協力金という意味でまん延防止要請しないこと、その辺りについての知事のお考え、もう一度お聞かせください。
●知事
この辺がちょっと私も非常にこの国の状況、憂慮していますし、全国の知事もここが困っているところであります。現在のまん延防止等重点措置というのは、協力金の制度と直結していて、それだけの制度になっちゃっているんです。先ほど申しましたように感染状況は全く違いまして、今、学校、保育所などでございますので、飲食店で発生をしているわけではありません。ですから、[営業]時[間]短[縮]要請がいいことかのように、ここに来て急に報道されているのが不思議でしょうがないんですけれども、[営業]時[間]短[縮]要請というのは皆さんも、もう一度思い返していただいたらと思うんですが、そういうかわいそうなお願いを飲食店にかけるという権利制限なんですよね。それで、その権利制限をかけることが本質であって、協力金が本質ではないんです。ですから、その本当にそうした権利制限をかける必要があるのかなというところで、皆さん躊躇をしてまん延防止に進むのがいいのか、どうなのかということで皆さん立ち止まってしまっていると、私はまだ穏やかに言っていますが、愛媛県だとか、奈良県の知事などはかなり先鋭的に言葉を選ばずおっしゃっておられます。
それで、その辺が実は制度の矛盾があるんですよね。それで、本来はまん延防止等重点措置というもの、本気で有効な制度を考えるのであれば、こうした様々な現在の感染状況に即したその対策が取れるような、まん延防止等重点措置にしていただきたいというのが率直なところであります。それで、支援のためにまん延防止等重点措置をというのは、本来、主客転倒でありまして、先ほど申しましたように、非常に今、困難を味わっておられる、そういうところに対しては、私は支援を追加してもいいと思っています。
それで、それは飲食店だけではないはずです。タクシー代行の会社もあるでしょう。これ飲食店街がらみですけども、それから商店街の人たちだってあるはずです。ところが、今はそのまん延防止等重点措置をとにかく出してくれと、それで、出してもらえれば協力金がもらえると、それで、それは飲食店限りだと、それで、そこの落差がつきすぎていて、モラルハザード起こしているっていうのが現状なんですね。だから、やはりもう一度冷静に考える必要があるだろうと、それで、原因は国全体でこれまでつくってきたムードでありまして、とにかく飲食店がこのコロナだというイコールでつないでいるところに間違いがありまして、今、飲食店イコールコロナではないんです。
こういうように社会全体に広がってしまっていると、それで、ややこしいのはこの学校や保育所のクラスター、これ我々も必死で追いかけて抑え込みにかかる、多分鳥取県の実力なら一定程度で抑えられると思います。ただ、これがどうしても染み出すんですよね。もう面的に広がっていますので、そうした市中感染があることによって、恐らく急速に上がっていくという局面が生まれると。それで、これが今の日本の各地の状況だと思います。皆さんもデータとか数字を見ててすごく不思議に思われると思うんですけど、急に何か堰を切ったように上がる瞬間ってありますよね、この日を境にというような。それ多分市中感染だと思います。
それで、そういうのが起きかけたので、今回、両市長と相談をして市中感染を抑えるためには少しやっぱり接触機会というものを考えなきゃいけないと。それ以外に実は手がないんですよね、市中感染の場合は。それで、このときに飲食店だけ止めましょうということで解決するかって言ったら、常識で考えていただいたら分かると思うんですけど、ありえないです。だから、これは、今、日本の中でまん延防止等重点措置というのは違ったものになってしまっている。それがまたゆがんだ形で報道されるものですから話がどんどんと袋小路に入ってしまっている。我々は本当に向き合わなきゃいけないのはこの現実です。それで、クラスターが起きている現実、それから実際に子ども達が幼稚園や保育園にも行けなくなっている現実、それで、これを何とかしなきゃいけないというところを、本来、国全体でメディアも含めて問題関心を持って追いかけてもらう。それで、それに併せたそうした対策というものを国も考える。専門家の頭を切り替えてもらって、かつての4人だとか5人だとか、そういうところで何とかなると言っていたこの時代とは違うんです。今こっちですから、ここで4人、5人で確かにクラスターが小さくなって、これが小さくなるかもしれませんが、この飲食店の4人に制限して人数が減ったからといって、この中でしか縮まらないですよね。こっちがどんどん増えてますから、だから全然解決になってないわけです。
ところが、それがあたかも当たり前のように皆さんも含めて日本中が誤解しているから話がややこしくなって、今こうした感染のまん延状況、爆発状況を生んでいるということなわけであります。それが、私、本当に正直に語って、真実です。ただ、その上で事業者の方々の痛みに寄り添っていくということは、それは当然考えなければいけないかもしれないと。例えばまん延防止等重点措置を一部の地域でどうしても出せとおっしゃるのであれば、それは全県でやるべきです、支援策なら。だけど、それって本当に正しいのか僕もまだよう踏み切らんです。皆さんも私の立場に立たれたら分かると思うんですけど、本来の目的とちょっと違ったことになっていますので、その辺のちょっと納得がなかなかいかないし、真面目に感染対策をしている職員たちもそこはどうかなと思ってしまうというのが実情です。
本来そこは切り分けて、そうした事業者のところに要は人が行かなくなっています。それで正直な話を申し上げますと、[令和4年]1月から行ってないんです、頭から。それで別にこの自粛要請をしたから人が減ったわけではないんですよね。我々もデータ持っていますけど、それは米子[市]だけでなくて、鳥取[市]も減っているんです。ですから、そうしたら、じゃあ、鳥取[市]の人はどうするんですかということになるわけですよね。それで、そのようなことで島根県さんも大分悩まれたと思います。それで、本来であれば感染が広がっている地域を中心に島根県さんもされればよかったんでしょうけども、同じようなロジックで、こっちも、こっちもということになってくると。それで、これが今、中国地方の現実でして、広島[県]・山口[県]も含めてなぜか全県対象になっているということですね。
だから、やはりここは話がこんがらがっていて、表面上のきれい事の話と本音の本当の話とそこをやはりきちんと考えた上で、これやはり対策を考えていかなきゃいけないだろうと思います。それで、もちろんまん延防止等重点措置も一定の効果があると思いますし、特に予防的なことを考えるんであれば、現在ないですけどね、今後広がるということで予防的なことを考えるんであれば、まん延防止等重点措置をお願いをするっていうことはあり得るかもしれませんが、現状急ぐのは、この学校とか、保育所のクラスターであります。
18 本日の陽性者数の受け止めと県民への呼びかけ、今後想定される新たな措置
〇NHK 長山尚史 記者
NHK長山と申します。コロナ対策についてお伺いいたします。まず、本日196人の感染がまた新たに県内で確認されたと発表がありました。これに対する受け止めと県民の呼びかけをお願いしたいと思います。また、もう1点は、先ほどまん延防止等重点措置については政府の動きがまだ知事の要望に対して鈍いというお話がありましたけれども、現状のこの学校や保健所の関係、子どもの感染が広がっている現状の中で、今後想定される新たな措置ですとか、現状よりさらに強く何か県民、特に県西部に対して求めることはあるのかお伺いしたいと思います。
●知事
まず、今196名(1月27日確認分陽性者数)ということになりました。これ数字はそうなっておりますし、非常に我々も危機感を持っております。その内実のところもよく見てみなければいけません。分析が必要でありますが、196件その大方は西部にございます。それで130以上だったと思いますけども、その西部の中で経路不明の数というところは必ずしも急激には増えていない。何が増えているかというと、大きなクラスターが起きています。それでこういう学校、保育所というところがやはりございますし、それ以外にもございます。それで、そうしたクラスターだとか感染が広がっているところがありまして、それを我々追っかけるわけですね。
それで、鳥取県の場合、そこをかなりスピード感持って先回りをしながら追っかけるぐらい捕まえに行きますので、陽性者の数は他県よりもこの関連の連鎖ですね、関連の感染についてはかなりきゅっと上がります。ですから、きゅっと上がった面は確かにあると思います。だから、ちょっと冷静に今後の動向を見なければいけないと。それで、特に注目しなければいけないのは、こうしたクラスター等の動向ですね、それで、クラスターがかなり大きなものが作られたり、それから感染がこうしたいろんな経路で広がっている。それが追っかけ切れるかどうかというのが1つの焦点であります。それで、これについては先ほどの保健所体制を、強化をしまして保健所以外の部隊を投入をしてやっていくと。
それと併せて見えない感染ですね、感染ルート、つまりリンクの追えないとよく皆さんおっしゃいますが、リンクの追えない感染、いわゆる市中感染といっていいもの。これについてのその動向というのは見る必要があるだろう。結局このリンクの追えない感染が幾つか、多分市内にあるんですね、それで、市内にあるものの総体が増える傾向にあるのか、減る傾向になるのか、この辺が分かれ道で、今日のところは、そこは一気にまた増えたとはちょっと言えないかもしれません。また一日一日動向を見ながらやっていかなければならず、場合によってはいろんな対策をこれからも講じていかなければならないのかもしれません。
それで、[伊木隆司]米子市長のほうでも大分悩まれたと思うんですが、保育所への登園について、もし、控えられるのなら控えていただきたいという、そういうお願いを発出されました。いろいろと手段を尽くしてやっていくべきなのではないかと思います。
○日本海新聞 濱田匡史 記者
すいません。日本海新聞濱田です。知事、先ほどお話の中でまん延防止等重点措置ですと、今、名目としては感染予防のためであるんですけど、実態としては飲食店に対する協力金、支援金というのが主になってしまっていて、そのほかの業態にも被害というか、影響が出ているわけですから、そこを県としても手立てをする用意があるおっしゃいました。そのタイミングとしては外出自粛要請が終わった後に経済再生という意味で出されるのか、今、外出自粛要請しているさなかでも緊急的にそういった措置をされるお考えがあるのか、タイミングはどの辺になるんでしょうか。
●知事
実は、今現在で新型コロナのコロナ禍再生応援金というのを実は始めたところでありまして、これは現在もう対象期間入っております。それで、1月、2月も対象期間入っておりますので、これを活用していただくことが県対策としても可能ですし、まだ皆さん見えてないんですけども、1月31日から、こうした事業者向けの3割の売上減のあった方々に対しましては、国のほうでまとまった額の[事業]復活支援金という、そういう制度がいよいよ適用され始めます。それで、こうしたことなどを当面は御活用いただけると思っています。
ただ、先ほど申しましたように、やはり今回、こうしたオミクロン株の流行によりまして、いろいろと事業の運営上、厳しさということが深まっている。それで、それは別に昨日、一昨日の話ではなくて、1月の頭ぐらいのオミクロン株が県内でも感染が広がり始めた頃から、かなりお客様の足が止まったり、観光施設などもそうですけれども、そうしたことが見られているという状況があります。ですから、そうしたところに対する支援というのは、これはしっかりと我々もフォローアップをしなければいけないと思っていますし、先ほど申し上げた県やあるいは国も支援を始めると。それに対する追加策というのは、それは私どもとして考えていきたいと思います。
それはこの期間中とか、そういうことになるのかどうかというのは、ちょっと動向を見て考えたいと思いますし、また状況を見てまん延防止等重点措置というものをどう考えるか。国のほうは制度改正してくるかもしれませんし、我々のほうでそれを、先ほど申しましたように、感染が今あまりないというのが飲食店ですので、ここに適用して感染が止まるということは、期待されないほうがいいです。しかし、いずれまたオミクロンもうつりやすいので広がるかもしれないという意味での予防的措置を取るというようなことで、そうしたまん延防止等重点措置ということを今度はこっちが便法として使わせてもらうということは100%ないわけではないかもしれません。その辺はやはり我々保健衛生当局として最も有効な施策、これを考えていきたいと思います。
○毎日新聞 野原寛史 記者
毎日新聞野原です。コロナ関係2点お伺いします。まず、先ほど知事のほうで飲食店対策に傾斜していることについて、国とか専門家の今の対策は効果が薄いといった説明がありましたけれども、実際その提言等はされてると思うんですけども、では、なぜその専門家や国のほうは知事の提言受け入れないか、回答とかって何かあったんでしょうか。
●知事
例えば、具体的には先般、あれは何曜日ですかね、木曜日、だから火曜日ですかね、火曜日(1月25日)に政府の基本的対処方針分科会がありました。そこに至るまで、いろんな実は専門家の方々の動きなどもあって、割と世間でもワイドショー的にいろんな取り上げ方をされたこともありまして、我々[全国]知事会では金曜日(1月21日)に対策本部の役員会を開いて、オミクロン株に沿った対策をつくってくれと。それで、それを緊急に提出をさせていただきました。それで火曜日[1月25日]に政府の[基本的対処方針]分科会がありましたときに、そのペーパーをお示しをして、ワンボイスでの国民への呼びかけも含めて問題提起をさせていただきました。それで、そのとき同じ話を実は申し上げています。それで全国を通じて、今、広がってるのは学校とか保育所などのクラスターであって、恐らくこれが家庭とのキャッチボールになったり、それから職場に行ったりして面的に広がっているんだろうと。そのとき申し上げたんですが、いわゆるインフルエンザの対策のようなことが必要になってきていると。これはインフルエンザ並みの風邪のような病気だという意味ではないです。インフルエンザはやはり学校の防疫というのを重視するんです。それで、学校というのは、子どもの感染力がある病気の場合、これが感染の中心になるんですね。それでここで感染爆発をしましてそれが地域に広がると。それで、そこからまた次の感染爆発につながる。
それでウイルスから見ると、効率がいいのは学校とか保育所みたいなところなんです。それで、そういう意味で、今回のウイルスもそうした子どもたちを狙ってきているウイルスになってきていると。それで、そういうような特性がありますよということを、かなり言葉を高めて強調させていただきました。それで、聞いておられた専門家の先生方、感染症の一流の先生方もそうだろうなという思いを持っていただけたと思います。それで、その飲食店の対策というのはごく限定的にしか機能しないと。それで、それ以外の対策をやるべきではないかと。それで、オミクロン株仕様に基本的対処方針なども改めるべきだと。それでこういうことを強く申し上げ、まん延防止等重点措置の見直しということも訴えたんですね。
それで結論から言いますと、そのとき、尾身[茂]会長が分科会最終結論まとめられましたけれども、平井[伸治全国知事会長]の発言があった後ですね、別の専門家の先生方もやはりオミクロン株にふさわしい対策をつくらなきゃいけないという声が複数上がりまして、政府の[新型コロナウイルス感染症対策]分科会、これコロナ対策を話し合う分科会のほうでありますが、政府のコロナ対策を話し合う分科会を集めて、そこでオミクロン株対策にふさわしいまん延防止等重点措置などの対策を考えるべきだと。これが結論だったです。だから先ほどのような話は、実は私も専門家の皆さんに改めて訴えて、分科会としてもそれを受けて検討しようというところまでは来たということです。
ただ、今日に至るまでその後の動きがないという状況でありまして、今日、[全国]知事会でもやっぱり同じような意見は当方から噴き出すんじゃないかなというふうに思います。ほんとはこれ急いでやらなきゃいけないというふうに思っているところでございます。なぜこういうパーセプションギャップ(認識のずれ)が起こるのか、恐らく見ているものが違うと思います。それで先生方にも率直にいつも申し上げているんですが、私たちは素人と見られていまして、どちらかというと外野席なのかもしれませんが、ただ、我々は日々ですね、夕べもそうですけど、夜遅くまで感染ルートを追っているわけです。
それで、こういうようにして今この県内で感染が広がっているというのを具体的に、実はこの人、この人という特定の個人まで含めて、実は分析を毎日しているんですよね。それで、今こんな状況だということを我々見てて、それでこういうような構図を日々あぶり出して対応しているわけです。それで例えば、今こういうように広がってきたらこれの対策をやらなきゃいけないとかね、それで、これが出てきたらこうならないようにここを収めるための対策を急ごうとか、こういうことを実はやって、それで具体的にはPCR検査出動させるとか、そうしたいろんな作業も含めて毎日毎晩やっているっていうのが現実なんです。それは我々の仕事です。
我々はそうやっているので感染状況よく分かるんですが、先生方は恐らく皆さんが毎日報道されているようなあのグラフを見ているんですね。それで、この感染の波が競り上がってきたとか、下がってきたとか、つまりトータルの数字が中心なわけです。だから、その統計学的にいずれ何日後にはこうなるでしょうとか、そういう話が出てくるわけですね。だけど、我々は現実のこの感染を見ていますから、今こういう状況だということで飲食店ではないということは分かっているわけです。でも、先生方には、これは見えにくいので、多分そこにパーセプションギャップが生まれる原因があるんだと思うんですね。やっぱり学者の先生方はエビデンス(証拠)というふうによくおっしゃいますので、若干前の時点の感染事例をみんなで分析をして、こういうふうな感染があったって多分認定されると思うんですけど、それはオンタイムじゃないわけです。我々オンタイムで見ているので、そこにはパーセプションギャップがあるのかなと思います。
それで、後、政府側は政府側で既にまん延防止等重点措置というのが法律も含めてかっちり決まっちゃってるわけですね。それで、そこに至るまでは財務省と内閣府で予算折衝などもして、こういう仕組をつくるということを決め決めになっているわけです、多分。ですから、そこから動きにくいという事情ももしかしたらあるのかもしれません。だけど、我々は現場ですから、そんなことで立ち止まっているわけにいかないので、現実にこういう感染が起こったら動きますよというふうになる。そこにやっぱりパーセプションギャップとか、言わば熱量の違いが生まれるんだと思いますね。
今現場の我々ものすごい焦っています。それで、こうやって感染が競り上がってくると。ですから、そうしたら感染を収めろというのは感染症対策で感染症で我々定められていますから、我々はやるわけでありますが、それに対する有効な手法というのが今あるようでないと。それで、鳥取の場合は、先ほど申しましたようないろんな手法を駆使して、鳥取方式のPCR検査などもやって、何とか抑え込もうと戦略的に進んでいるということです。この辺に多分ギャップがあるんだと思います。
〇毎日新聞 野原寛史 記者
すいません。もう1点なんですが、知事の先ほどの説明ですと、今後まだ感染者の波というのは高まるというふうなニュアンスでお話されていましたけども、まん延防止重点措置で現状そのギャップがあって、あまり効果がないのであれば、あるいは緊急事態宣言というのも考えられると思うんですけども、今後の、権限は国ですけれども、緊急事態宣言の是非に関してどのようにお考えでしょうか。
●知事
この辺はちょっと国のほうで判断されることだと思います。政府は政府のお考えがあって、緊急事態宣言と経済社会に対する影響ですね、それで緊急事態宣言の中身は結構まん延防止等重点措置と似たようなものになっていまして、飲食中心が主であります。ただ、あと、緊急事態宣言の場合はアナウンス効果が多分あると思います。それで、それが出たということで、経済活動、社会活動に対して一定程度抑制がかかると。それが反射的な影響としてGDPだとかそういうところに影響してくるということがありますので、多分総合判断をされるのではないかなと思います。
ですから、緊急事態宣言は緊急事態宣言、政府のほうで検討していただければと思いますし、正直申し上げて法律の文言上は、それに値する状況になっていると思いますが、ただ、その伝家の宝刀を抜くかどうかは政府の権限であろうかと思います。大切なのは我々現場レベルでありますので、とにかく実効性ある対策をすぐにでも切っていただいて、それでこの現在の我が国の感染状況にふさわしい対策を現場がとりやすいように、政府は対策をつくっていただくことが多分一番効果的だと思っています。
〇共同通信 川口マヌエル 記者
共同通信の川口です。先ほど子どもが集まっている場所で感染が拡がっているということでしたけども、今、現状県西部に出している外出自粛の中には、その拡がっている学校や保育施設は含まれていないと思います。心配している保護者の方もいると思うんですけれども、一斉休校などの要請措置を取らない判断の理由と、県として御家庭とかにどういうふうな対策を求めていくんでしょうか。
●知事
一斉休校みたいなことは、実は今、時限的に一週間二週間とかやるとそれなりの効果はあると思います。こういう感染状況でありますので、効果あると思うんですが、正直申し上げて地元の市長さんたちとも話をしましたが、今はそこを抜くまいということで話合いはさせていただきました。ですから、今はそういうことはやらずに、ただ、学校の中とか保育所でやるべき手だてを徹底してやろうと。それからあと、特に大事なのは、本県はこうやって、やっているんですけども、一人でも陽性者が出たらとにかく一遍止めると。それで、これによって感染がそれ以上広がるのを防ぐということだけは担保していくと。
ただ、開けるとまた入ってくると思います。それで、そうするとまた感染者が出ればまたすぐに止めると。それで、こういうことをできるだけ早くやることができれば、ぱあっとこう感染者が膨らんでいくということではなくて、なだらかに膨らむ程度になるかもしれません。そこで先ほどのような教育委員会とタイアップをしたバックアップ体制をやろうということであります。具体的にやれることはいっぱいあると思うんですね。先般もちょっと対策本部でも出させていただきましたが、先ほど野原さんのほうのお話の、政府の分科会のことで申し上げれば、政府の分科会のときも申し上げたんです。国の基本的対処方針の中に書かれていることの中に、学校は原則として開けなさい、保育所は原則として開けなさいと明記してあるんです。それで、これ結局、安倍さんの一斉休校のトラウマがありまして、逆に原則として開けなさいと、今、書いてあるんですね。
これ、本当にいいのかということです。それで、もっと柔軟にここは考えるべきところがあって、国の方針をここらで書き換えるのがオミクロン対策かもしれません。あと、これ以外にも、例えばマスクはやっぱり有効なんですね。それで、保育士などでもクラスターは起こります。それで、例えばうた遊びの時間なんかがあると、それで、そういうときにマスクをつけていないというケースもあります。そういうところでひょっとするとエアロゾルみたいな感染が起こりかねないわけですし、現にそれが起こっているのかもしれないとも思える事例があります。
それで、そういうようなことは何で起きるかというと、厚生労働省がそう指導しているんです。それで、幼稚園はマスクをつけなさいと指導しています、文部科学省が。ところが、保育園は、マスクはつけなくてもいいですって指導をしているんです。それで、これはデルタ株まではよかったかもしれません。そんなに子どもの感染、起きていませんから。しかし、オミクロン株になりましたら、子ども間の感染というのがやはり認められますし、場合によっては例えばライブハウスみたいなところで大規模なクラスターが起こったのと同じ様な状態になって、エアロゾル感染ということは起こり得るとも思えます。ですから、そういう意味では、こうした厚労省も指導を変えるということは最低限できるんじゃないか、これも実は分科会で大分言ったんですよね。マスクをつけなくてもいいと指導しているのはオミクロン株対策としてどうなのかと、それで、これやっぱり文科省だってマスクつけろと言っているんだから、マスクは外してもいいということを推奨するというのはどうかと。それで、結局、ここは政府側の回答はその日なかったです。だから、やはりいろいろと実は我々、現場から見ていてこういうこと、こういうこといろいろと手を打てることはあるんじゃないかと思っていまして、鳥取県の場合は気がついたところは率直に今、現場のほうで横展開をさせていただいております。
23 累計陽性者数の受け止めと今後の感染状況の見通し
○日本海新聞 竹久祐樹 記者
日本海新聞の竹久と申します。ちょっとこれまでの質問とかなり重複するかもしれませんが、ちょっと改めて伺いますが、今日、新規の感染者数が200人近くで、過去最多で、累計の陽性者数も3,000人ということになりました。それで、年末年始、コロナ一旦落ち着いているように見られましたけれども、この1か月で1,000人ぐらいの新規感染者ということで、鳥取県、これまでずっと感染者数抑えてきたわけですけれども、このオミクロンの脅威というものがあるんだろうと思います。3,000人というこの累計陽性者数になったことへの受け止めと、それから知事、県西部への感染が顕著になっていると思うんですが、今後、この高止まりないし、このピークの状況というのはまだしばらく続いていくと御覧になっているのか、難しい質問かもしれませんが、その辺りの御見識をお伺いできればと思います。
●知事
はい。今日、196[人1月27日確認分陽性者]という過去最多というのは非常に厳しい状況だと受け止めております。ぜひ県民の皆様の御協力をいただきながら、我々も全力でクラスター対策など進めてまいりますので、県民心一つにこのオミクロン株の脅威から脱却を図っていければと思っております。私たちは今、分かれ道だと思っています。先般も申し上げたように、西部において感染爆発寸前の状況だと、感染爆発したとまではまだ言えないと思っています。それは、かなりの程度、クラスターを追いかけたりして抑えている部分がございます。しかし、クラスター以外で見えないその感染の広がりというのがありまして、こちらのほうが、ウエートが高まってきているということで、非常に不安定化した状況になっていると。それで、他県の例を多分追いかければ多分分かると思うんですが、この不安定化がいずれは感染爆発につながっていくというふうに思われます。
ですから、今、どちらのルートをたどるかという分かれ道だと思っています。それで、196[人]の中には我々がその保健所の活動を通じまして感染者をそこで何とか食い止めようということで見つかった陽性者が今回はかなり含まれています。ですから、その分は、今後は今一時的に増えても、将来的には何日か経って減る方向に圧力がかかってくる、そういう様相も入っていると御理解いただいても結構かもしれません。ただ、相変わらず感染ルートが見えないところがございまして、とにかく幾つもの施設に感染が広がっている状況もあり、また、県の東部のほうでも新たな職場に関連したようなクラスターと思われる事例も出てきたりしておりまして、決して西部だけの問題ではなくて、全県で不安定化の要素というのはやはりあるだろうと思っています。そういう意味で、ぜひこの分かれ道、どちらに行くのか、そういう重大な局面だと捉えておりますので、我々も全力を挙げて市町村、あるいは医療関係者等々と全力を挙げていきたいと思います。なかんずく学校や保育所など、そうしたクラスターが今、頻発しているところの皆さんの御協力もいただきまして、一旦は沈める方向に向かえばというふうに思っております。実際に今後どんどんだだ上がりしていくかというとそこはまだ我々としては諦め悪く頑張ってみたいというふうに思っています。
○中国新聞 小畑浩 記者
中国新聞小畑です。特命チームのことについてお伺いいたします。保健所の機能強化して、カバーしていくということで3つの特命名チームをつくられる。全国でもそんな例がある話じゃないのかなとは思うんですけれども、この際、どうしても人員の捻出ということが必要になると思うんですけども、どのようにしていくかということをお伺いしたいと思います。あと、それと、今、世の中で多く議論されているのは感染症法の区分を2類相当から5類にっていう話に象徴されると思うんですけれども、保健所の役割をいかに減らすかっていう方向に世の中の議論が動いているように思います。その中で、あえて保健所機能を強化していくんだということに踏み切られる意義というところ、考えているところを改めてお伺いしたいと思います。
●知事
今回この3つの特命チーム、学校とか保育所だとか、それから高齢者施設についてつくらせていただきます。それは子どもたちとお年寄りを守るためであります。今、感染の中心が子どもたちになっています。それに対してやっぱり地域でのインパクトもかなり高まっている。それからお年寄りもいよいよそうしたクラスターも見え始めていまして、命に関わることに成りかねない。そういう意味で迅速に対処していくため、できるだけ早く見つけ出していく、これによって命を助けることになったり、クラスターが巨大化して感染が広がって手がつけられなくなる、これを防止することにもなるだろうと思っています。
つまり、この保健所機能をこうやって強化をして、保健所の職員ではないそれ以外の人たちが加わってやっていくことによりまして、それで中長期的に保健所の負担は減っていくはずです。感染がもっと拡大すればそれだけさらに手間が増えると、それを未然に防止するわけでありますから、これによって逆に保健所機能の維持につながるし、一人一人の負担軽減に必ずなると思っています。それで、人員の捻出につきましては、これは今、戦争状態でありますので県庁としてもBCPだと思っています。したがいまして、例えば、今、既に入っている保健所のチームでは農業改良普及員とか、こういう人たちは今、農閑期ですから比較的手が空いているということがありますので、そういう人たちを回したり、また、それぞれの業務に関わっている人たちも繁閑がありますから、そういうものをまた生かしていただいてやっていただくと。
ただ、恐らく、一月、二月とそういうふうに長くなるものではないと見込んでおりますので、ごく短期間なのでどうか協力してもらおうということで他部局や教育委員会にお願いをしたいということであります。実はそれぞれの関係者も非常に切実な今、思いを持っていまして、こうした県の動きについては皆様協力的だと思います。
◯日本海新聞 竹久祐樹 記者
日本海新聞の竹久と申します。知事、保健所のこの体制強化について関連なんですけれども、この取組すごくいい取組だと思うんですが、他県では濃厚接触者、保健所体制が逼迫をしている中で濃厚接触者本人への連絡をこの陽性者本人にしてもらうというふうなことを広島県なんかは、例えば近県だとやろうとしているように思うんですけれども、こうしたこれどこまで濃厚接触者本人が特定するかっていうのは難しい、範囲を定めるのも難しいと思いますし、そういう取組、他県の事例というのはどのように御覧になっていますでしょか。
●知事
今日(1月28日)もこの保健所機能だとか、それから軽症者の扱いにつきまして、大都市部を中心にいろんなアイデアが放送されていますが、私たちはそういうような方式を取らずともちゃんと安心してもらえる体制をつくるのが本来だと思っています。ですから、やはり本来の機能というものが維持でき、また、さらに迅速化できるように機能拡充をするほうを、選択をさせていただきたいと思っております。それから先ほど[感染症の予防及び感染者の患者に対する医療に関する法律に定める]2類[感染症]、5類[感染症]の話、ちょっと答弁漏れましたけども、これにつきましては5類に値する話だと従来から申し上げておりますが、ただ、これ慎重に考えなければいけないこともあります。
5類になりますと医療費の公費負担が取れてしまったりということにもなります。だから、2類的に扱いながら保健所の対策だとか、あるいは患者さんのケア、特に在宅でのケアみたいことを広く認める、こういうようなことを組み合わせてやっていくというのが現実的なことなのかなというふうに思います。先般、火曜日(1月25日)の政府の[基本的対処方針]分科会でも先生方にも申し上げたんですが、感染対策、今、非常に難しい局面に来て、恐らく感染爆発へ全国が向かっていくという段階で、感染の拡大を助長するがごときメッセージを出されますと我々は仕事できなくなるというふうに申し上げたんですね。それで、もしそういうふうなメッセージを出されるのであればそれは背景に今、重症度がそうでもないと、さほどでもないということがあるのかもしれません。そうであるなら我々感染症対策をやっている現場に対して、これ以上感染者数を増やさない努力はもうやらなくていいと。もう感染は伸びてもしょうがないと、そこをむしろほっといていいからと、そこまで言ってもらわないと意味がないというふうに申し上げました。
この辺は2類、5類の議論と非常に絡むところでもございますけれども、やはりどういうオミクロン株との戦い方をするのかという基本的なスタンスが専門家だとか、政府だとか、ぐらぐらしているように我々には見えるんですね。それで我々現場におりまして、それにかなり困惑しているということであります。真逆のメッセージが来たりします。そうすると県民の皆様、住民の皆様への説明が我々もできなくなってしまう。もしもそういう説明をしてでも感染を減らす必要はないという趣旨ならそう言ってもらったほうがよっぽどみんな普通の仕事に戻っていくことができます。
ただ、どうもその度胸というか、そうしたところもまたないままになっているというのが非常に、今、憂慮すべきことだと思います。中途半端は多分駄目だと思います。今ほんとで減らそうと思ったら先ほど申しましたような現状に即した対策をきっちりやはり政府としても片方で整えながら負担軽減などもいろいろとやれることがあるはずです。例えば我々も申し上げたのは、皆さんもちょっと御存じないかもしれませんが仮に感染した陽性者の方がいらっしゃるとして医療費は公費負担します。それで、それに向けては一定の所得制限がありまして、所得証明を集めなきゃいけないんですね。それで今、全国で8万人近い人が一晩に陽性になります。それで、その方の所得証明書を求める仕事を保健所はやらされているんです。それで、しかも所得証明の仕事は厳格でしてその人本人だけじゃなくて、その家族の証明なんかも全部つけて持ってきなさいと。それで、ほんとにこういう負担を求める必要があるのかなというとこですね。それで、大方の人は所得証明出してもらったところで、みんな別に公費負担あるんです。ごく一部の数パーセントの人のために莫大な作業を、その8万人掛ける何倍ということを、それを今ただでさえ忙しい保健所職員に厚労省は課しているんですね。それで、こんなの一時停止するか、あるいはやめてしまったほうがいいんじゃないかというふうに申し上げたんです、政府の分科会でも、これも返事なかったですけども。いろいろとやれることはあると思うんですんですね、保健所の負担軽減については。それはごくごく役所的な事務作業も含めて御検討をいただけるんじゃないかと思っています。
26 不妊治療公的医療保険適用対象案の政府への制度設計の再考
○日本海新聞 濱田匡史 記者
すいません。日本海新聞濱田です。知事、ちょっと冒頭の発言に戻るんですけども、政府の不妊治療のその保健の制度設計が示されたんだけども、非常に限定的で、ちょっと鳥取県では適用できないんじゃないかっていうことで御不満の声がありました。これは政府に対してその制度設計の再考を求めるということでよろしいですか。
●知事
再考を求めざるを得ないと思います。これは他県も結構波紋が広がっております。今みんなオミクロン[株対応]で忙しいですけれども、ただ、いずれこれについては正式に政府のほうに[全国]知事会等でも要望すべきに値するそういう事項だと思っています。
◯山陰中央テレビ 赤木優志 記者
そのほかなければ終わろうと思いますが、いかかでしょうか。知事ありがとうございました。
●知事
どうも、ありがとうございました。