春は乾燥と強風で火災が多発する時期です。住宅火災で亡くなる原因として最も多いのが「逃げ遅れ」。火災をいち早く知らせ、素早い避難につなげる火災警報器の設置で助かる命があります。
消防庁資料によると、逃げ遅れで亡くなる人が全体の約49%。夜間に多い傾向があり、就寝中に起こった火災に気が付かず逃げ遅れるケースが多くみられます。
こうした逃げ遅れの防止には、熱や煙を感知して音を発する火災警報器の設置が有効。県内全市町村が条例で、住宅の寝室と寝室付近の階段(寝室が2階以上の場合)に煙感知式の火災警報器の設置を義務付けています。火災警報機が必要な箇所に設置されているか確認しましょう。
また、設置後も定期的に点検することが大切。機器の寿命は約10年です。設置から10年が経過したら本体の交換をお勧めします。
住宅火災による経過別死者発生状況(令和2年中)
住宅火災による死者数(放火自殺者等を除く) 899人
○逃げ遅れ448人 49.8%
○着衣発火45人 5.0%
○出火後再進入15人 1.7%
○その他391人 43.5%
出典 消防庁「消防統計(火災統計)」
住宅用火災警報器の設置効果(住宅火災100件当たりの死者数)
○設置なし 11人
○設置あり 5.3人(設置なしの0.48倍)
住宅火災の被害状況を分析したところ、火災警報器が設置されている場合は設置していない場合と比べて死者の発生が約半分
出典 消防庁「住宅防火対策の推進等について(令和3年7月2日)」
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