3月、4月はスギ花粉が飛散し、花粉症の人は鼻水やくしゃみ、鼻づまりなどに悩まされていることでしょう。ある調査では花粉症の人の約70%がスギ花粉が原因であるとわかっています。
日本は国土面積の66%が森林であり、スギの人工林が12%(森林面積の18%)を占めています。
中国地方各県のスギ人工林面積の県面積に占める割合を見てみると、鳥取県は20.3%と中国地方では一番高く、これは全国で見ても10番目に高い割合になっています。このことから、鳥取県はスギ花粉が比較的多く飛散しており、花粉症の人にはつらい地域なのかもしれません。一方、北海道と沖縄は0.5%以下と低く、花粉症の有病率も低いと言われています。
こうした中、鳥取県ではスギ花粉症対策品種の普及に取り組んでおり、平成26年度から少花粉スギ(花粉生産量が一般的なスギの1%以下)の供給が始まっています。また県外の無花粉スギと県内の成長の優れた品種などを掛け合わせた「ハイブリッド無花粉スギ」の開発に取り組み、平成30年度に開発に成功しました。時間はかかりますが、「ハイブリッド無花粉スギ」が普及すれば花粉症の症状の軽減が期待できます。
また、マスクの着用やこまめな手洗いうがい、外出をなるべく控えるなどの花粉症対策は新型コロナウイルス感染症の対策にもなるため、しっかり対策してスギ花粉シーズンとコロナ禍を乗り切りましょう。
本ページは、令和4年3月25日付「日本海新聞」掲載の同題コラム(鳥取県令和新時代創造本部統計課執筆)からの再録です。