防災・危機管理情報


知事定例記者会見(2022年8月18日)

令和4年8月18日(木)午前10時~
 災害対策本部室(第2庁舎3階)
  • 8月18日記者会見資料(pdf:2972KB)
  • ※定例記者会見時点での資料となります。

    録画配信 知事記者会見動画(約66分) ※MPEG4形式

      

    ●知事

     

     皆様、おはようございます。本日も聴覚障がい者の分かりやすさを考えまして、距離を取って、マスクを外し、声を抑えて、私のほうから記者発表をさせていただきたいと思います。現在、今、国において様々な政策の見直しが行われることとなりました。その背景には、新しい内閣の発足に伴うエンジンの始動ということがあろうかと思います。そういう中、私ども全国知事会としても次の政策目標として、暮らしの安心確立ということを考える必要があるだろうと。それで、これについては7月の29日、奈良におけます全国知事会の大会におきまして満場一致で採択をされたものでございます。

     

     物価高ですとか、あるいは飼料高、資材高、燃油高等々様々な困難が今、一挙に襲ってきている、そういう状況の中で、暮らしや事業者、農林水産業者等々、そうした生活領域、産業や雇用を守っていかなければならない、そのための調整本部を設置をすることに決定をしたところであります。本日、ネット上にはなりますが、その調整本部の第1回会合を開催をし、私どもとして明日、関係の省庁や政界の要路(重要な地位)に[立つ人に]対しまして要請活動を始めたいというふうに考えております。




    ●知事

     また、私どもこのお盆を挟みまして新型コロナの対策にも追われているところでございます。これにつきましては政府において組閣がございまして、加藤[勝信厚生労働]大臣に代わったところでございましたが、その厚生労働省には政権の内閣の枠組みの変更の前後を通じまして働きかけをしてまいったところであります。加藤大臣には8月15日の国の戦没者の慰霊式、慰霊祭[全国戦没者追悼式]ですね、全国統一のものにおきまして上京した際に加藤大臣のほうから急遽呼び込みがございまして、状況を聞かせてもらいたいということでお話をさせていただき、早速、その翌日には私どもの知事会の新型コロナ[ウイルス]感染症緊急対策本部と大臣との会合を持たせていただきました。

     

     昨日は尾身[茂新型コロナウイルス感染症対策分科会]会長を初めとして専門家の皆様と加藤大臣が面談をされたということでございます。たびたびこの会見の場でも申し上げていますが、HER-SYS(ハーシス:新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)を最終的に入力をするという国の一連の[新型コロナウイルス感染者の]全数把握というのは、もう既に破綻しているということを前回申し上げたと思います。正直申し上げて特に大都市部におきましてはいわゆる天井効果というのが表れているわけですね。グラフを見ていただいたらお分かりいただけると思いますが、こう上がってきたものがある一定の水準で止まっていくということが見られます。これ、多分、検査のキャパシティが多かれ少なかれ影響しているというふうに思われます。本県のような地方部は、どちらかというとその感染状況に敏感に反応しながら上がっていくわけでありますが、そこの相関関係が[大都市部では]既に崩れていると思われます。

     

     いみじくも東京都の尾﨑[治夫]医師会長が今の全数把握は破綻しているという、私と同じような表現を使っておられました。御本人もこのコロナ[禍]で御自身も苦労されたわけでありまして、痛感しておられると思うんですが、最終的にはお医者さんが発生届を書いて、HER-SYSに入力しないと数が計上されてこないという仕組み、これは実態を表していないようになってきていると。それで、我々地方は割と歯をくいしばってそこを担保しようと頑張っているわけでありますが、もうとうにそこは機能しなくなっている地域もあるわけです。ところが、そのデータに基づいて専門家がシミュレーションを繰り返すという滑稽な状況になっていると言わざるを得ないわけであります。何のためにこれをやっているのかなという疑問は現場に渦巻いておりまして、日本医師会もそうですし、全国知事会もそうでありまして、共にそうした声を上げてきたということでありました。

     

     加藤大臣にこうした状況を率直に申し上げて、とにかく今の医療ひっ迫、それから保健所の苦しみというものを分かっていただこうと、それで、これについて加藤大臣に耳を傾けていただきまして、[岸田文雄内閣]総理[大臣]の了解を取ったというふうにおっしゃっておられましたが、見直しに着手されましたことをぜひ歓迎を申し上げたいというふうに思います。今、これについては、ぜひ可及的速やかに対策の変更をお願いをしたいと思います。世上(せじょう:世間)[では]、ちょっと私たちの行動が分かりにくかったところもあるようで、いろいろと声が出ているようでありますが、目的としているのは、本来は新型コロナ対策は究極的に命を救うための対策です。

     

     それで、[新型コロナウイルス]感染症がまん延をしてきている、残念ながら今、世界中で一番まん延しているかもしれないと言われている日本の状況になっているわけでありまして、こういう中で大切なのは統計を取ることではなくて、命を救うことであります。それで、そちらのほうに注力をする、その意味では医療関係者と一緒になりまして重症化しそうな方々を緊急トラックに載せてしっかりと早期に発見をして医療のテーブルに着いていただくということが重要であります。

     

     それで、そのために全数把握というのが使えればいいのでしょうけれども、大都市部では既にそこのところが全数になっていないわけでありまして、そういう意味で、尾﨑医師会長が破綻しているとおっしゃったとおりなんだと思うんですね。それからあと、併せて感染の抑制を図るにはつぼを捉えた対策というのをやはり考えるべきだろうと思うんです。これ、何度[新型コロナウイルス感染症対策]分科会でも、専門家の[新型コロナウイルス感染症対策]アドバイザリーボードでも、私ども主張しても、なかなか専門家が動いてくれないんですが、かつてはこういうクラスターが起きますよという警鐘を発していただいて、それを見ながら国民がこういうことは注意しなきゃいけないんだなとやっていたと。

     

     今、それが皆無なんですね。それで結局統計の数字を見て評論するだけになってしまったのでは、専門家の皆様の真価が発揮されないと思うんです。それで、私は分科会の先生方や専門家のアドバイザリーボードの御見識を深く信頼を申し上げておりますが、今、力の使い方を間違っていると思います。今、大切なのは死に結びつくかもしれない高齢者とか、医療[施設]のクラスターが現実に、今、すごい勢いで起きてるわけですね。それで、死者数が今、300[人]を超えるように毎日上がってきてまして、もう時間の問題だと思います。最多の322人ですか、これを超えるような勢いに恐らくなってくるでありましょう。

     

     それで、いずれにせよ今、かなり高い水準にきてると。それでその原因は何かと探ってみれば、高齢者などのリスクの高い方々、それで、この方々の罹患が起こるのはクラスターです。多くはクラスターです。後は家庭内、決して高齢者が町なかを歩き回ったから、その罹患者が増えてるわけではありません。だからクラスターがなぜ起きるか、そこを止める手立てというものを、ぜひ専門家が考えるべきだと思いますし、医療従事者の方々もほとほと困ってるのは今の感染力が強いもんですから、どうしても院内に入ってくるんですね。それで、こちらの対策というものが重要でありまして、我々素人では分かりかねるところです。それで私も分科会でもアドバイザリーボードでも申し上げているんですが、我々知事会としていろんな現場があります。それで、専門家の先生方は今、東京都のデータが上がってこないと。そこでどういうようにクラスターが起こってるかとか、感染の連鎖が起きてるのか分からないので調べようがないと言うわけですね。それだったら鳥取県に見に来てくださいと。前から申し上げているんですが、1回も来ないんですよね。それでやはり、そういうことをやはり専門家の皆さんもう一度考えていただきまして、これから全数把握ということを、もしかしたら見直すかもしれないと。

     

     それで、そのときに重要なのは、それでも死者を引き起こさない、命を守る我が国の枢要な医療体制というものを堅持していくためには、どこがつぼなのかということで、感染拡大を起させないその要諦(ようてい:大事な点)、そのメカニズムをしっかりと見せていただいたり、それから、また医療面でも、医療従事者の皆さんと一緒になって守るための、言わばエクスプレスレーン(優先車線)、緊急的に対応できるようなそういうレーンというものを確保することなど、そういう医療体制というものの堅持に向けた重点的な対応ということだと思います。

     

     それでこの辺が今、膨れ上がった毎日20万人というようなレベルで起こってきている、そういう感染者の大きな、大きな山の中で、どこがポイントかというのを捉える、そういう方向性に今、政策を転換しなければいけないわけでありまして、ぜひ専門家の皆様にもその辺を分かっていただき、今すぐにでも見に来ていただいても結構でありますから、そうした対策を出していただきたいと。それで、これは知事会として再三申し上げていますが、切実な要望であります。

     

     それで昨日も加藤大臣のほうに要望されたようでございまして、内容としては尾身先生にも、こうした現場のひっ迫は申し上げていますので、私たちの気持ちも代弁していただいたかと思うんですけれども、今の全数把握に代わるシミュレーションをつくるために、これからワーキンググループをつくって検討する必要があるというのは、あまりにも悠長です。そんな暇はないんです。我々現場は今日、明日の問題なんです。ですから、今、このシステムを止める。それで先生方のシミュレーションができなくなっても、そんなことは構わないです。命のほうが大切です。それでそのことは、ぜひ専門家の皆さんにも分かっていただく必要があるのではないかと思います。

     

     なぜこういうようになっているかというと、今の専門家の検討はごく一部の限られた方々がやっておられるんですね。それで、私のような部外者は検討の中に入れてもらえない。現場の声が届くのはごく一部の自治体の一定の人だけです。それで、それ以外の方々はそのギルド(職業別組合)的な専門家の仲間の外にいまして、私たちのような意見というのはストレートに反映されないんですね。ですから、出される最近の対策というのは正直現場から見るとポイントが外れたものがいっぱいあります。だから、政府が取り上げにくいんだと思うんですね。ですから、もっと新しいシステムというのは、私たちのような現場の意見がストレートに反映される仕組みだと思います。

     

     今、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)とか緊急対策のそういう危機管理の役所をつくろうだとか、そういう議論があります。それで永井[良三]先生にも検討委員会で呼ばれましたので申し上げましたが、こうした現場の声がストレートに反映されるようなものをつくるべきだと思います。このままいきますと[日本版]CDCは厚[生]労[働]省の外郭団体2つを合併しただけで終わります。役に立たないと思います。それで、そこに我々地方の現場の声が、例えばそこの管理者の一部になるとか、ストレートに反映されるような仕組みにならないと全国の感染状況を見た的確な対策がタイムリーに取られません。全てみんながこうやって苦労して、毎日全数把握のようなことをやって、そこに入力したものから出てきたデータのトレンドだけを見て何が解決できるんですか。やはりウイルスなので一つ一つのウイルスの動きを見て、それに対して、これはこういううつり方をする癖があるんだと、それに対する対策を取って初めて役に立つのだと思います。正直サル痘のような今、感染[者]数が限定されているものであればHER-SYS管理は可能だと思いますし、それで、ある程度、専門家の方々も共通に見えるデータベースというのも、重要かもしれません。

     

     しかし、今、毎日20万というような症例が確認をされている。それで、それ以外の症例もたくさんあると思われる。それで、そういう中でやっていこうというふうに考えるのであればデータベースづくりやそのシミュレーションの基礎データをつくることに労力を割くよりも、命を救うことに集中すべきだと思います。それで、その辺の議論というものが決して本末転倒にならないようにぜひお願いを申し上げたいと思います。

     


    ●知事
     

     そういうようなことを前提として現在の感染状況でございます。かねて申し上げておりましたようにお盆休み明け、やはり急上昇をしてまいりました。昨日は1,028名の陽性者であります。この数字は今[818日]、[午前]11時目指しまして最終集計しておりますので変わるかもしれません。それで、これについてはその西部のほうで449件、それから東部で416件、また、中部におきましては163件、それの合計の1,028[件]というものであります。その前の数字よりは1,066(正しくは1,088)[件]からは減ったように見えますが、かなり高い水準でございまして、先週の1,006[件]というものと比較をして若干高めにまだいるわけでありまして、今までよりも高い水準であります。

     

     それで、東中西[部]それぞれ過去最多では、本日はない見込みでありますけれども、しかし、それでも過去最多レベルであります。それで、本県は感染抑制を図っていますので、こういうようになだらかなラインでずっと来ていることはお分かりいただけようかと思います。それで、恐らくこの延長上に、ここお盆休みの週でありまして、全国の専門家の皆さんもややそこ間違ったかもしれませんが、お盆休みは下がるの当たり前なんですね、検査できませんから。それで、これを抜いて考えれば大体同じようなペースでやっぱりまだ上がっているのかもしれない。それで、これがこういうふうに下がればありがたいですけども、まだちょっとそこは今の段階では見通せない、非常に緊迫した状況です。

     

     この1,000[件]を超えるという感染者の数に対応するだけ、1人のときの1,000倍の手間がかかっているわけでありますから、この深刻さというのを専門家の皆さんも政府も分かっていただきたいというふうに思います。現在のところ、いわゆるBA.2.75といわれる新しい株については、まだ確認例は本県ございません。相変わらずこのBA.5系統というものがかなり多く見られるところでございます。ただ、このBA.5の中身は変わっていると思います。細かい遺伝子解析をしたことが過去あるんですけども、初期の頃は島根県と共通の遺伝子タイプのものが多かったです。しかし、今は例えば大都市部だとか、あるいは九州方面だとか、そういういろんなところで実は交流していまして、その交流に基づくものと思われますが、その遺伝子タイプはいろんなタイプが今、入り込んできているということです。

     

     それで、それがこれを押し上げたと思われるんですね、このお盆休みの頃に。それで、これが非常に分かりやすいそのデータなんですが、推定の感染経路別というのがあります。それで、この8月のこのお盆の週に向けまして、今、トップに躍り上がったのが、これが県外との交流です。それで、こちらから向こうに行ったという県民の方が罹患して帰られたケースがあります。それから向こうから来られて、例えば帰省で来られて、御家族の中にその陽性者がおられた。それで、場合によってはそれが罹患を広げた。それで、こちらのほうで検出をされて加療されているというようなケースもあります。双方向でありまして、両方のケースが見られますが、これが非常に多いんですね。それで、これが多分地方部の現実ではないかと思います。

     

     多分本県だけの問題ではなくて、どれだけ計測できているかということもありますが、本県の場合、計測しているところではこのようにもう最多がこちらになってきたと、それで、その2番目が学校とか子どもたちの関係ですが、ただ、この中で目立つのがクラブ活動、スポーツ活動、それから学童保育といった放課後児童クラブのような、そうしたところや保育所であります。ですから、これが、今度学校が始まるとこのベースに戻るかもしれないですね。ですから、今後の対策のポイントは明日から、例えば青翔開智[中学校・高等学校]さんや八頭町が学校始まります。それで、そうしたところに備えて学校対策というのをやっぱり緊急に今、考えなきゃいけないとこですね。それで、こうやって県外との交流で入ってきたウイルスの動きが今、県内に出てきて、それが1,000[件]を超える数につながっている面があります。

     

     それで、これが今度学校に入り込みますと学校は大量に広がりますので、学校のクラスターが頻発しないように対策を取るのがこれからのポイントになってくるかなということです。そのほか、やはり医療クラスターとか、高齢者福祉施設のクラスターだとか、こういうのは深刻なほどに伸びてきております。それで、これが最近本県でも亡くなられた方の数がぽつぽつこう出始めているというのは、やはりこういう高齢者クラスター、医療クラスターによるものであるところが実は強度としては大きいと思っております。


    ●知事

     それで全数把握にしたときに、先ほど申しましたように、今後大きくシステムチェンジがこの国の[新型]コロナ[ウイルス]対策で起こるかもしれないと。それでそのときにどうやって命を守る体制をつくるかというのがポイントになってくると思います。それで、そういう意味で、1つは医療・療養体制をキープして、重症度の高い人たちが確かに助かる、そういうルートを確保することですね。それで病院の皆さんには入院対象を重点化しましょうと。それに伴って、これはちょっと若干別の問題なんですが、救急車がたらい回しになるというのは都会で問題になっています。

     

     それで本県では、最終的に救急車断られるケースはありませんが、さすがにどこに連れて行ったらいいかで時間がかかるケースも出始めています。あれだけ感染者数が増えているということもありますし、院内でのクラスターが発生しているということもあります。そこで今日ですね、また、病院の院長先生たちにお願いをしたいと思うんですが、緊急度が高い患者さんを必ず救急受け入れてくださいという独自の病床確保を鳥取県として要請しようかというふうに考えています。また、後方支援病院と書いてありますが、一旦[新型]コロナ[ウイルスによる症状]が回復したところで、まだ基礎疾患が残っているので次の病院にまた行くと。それで、ここのところがスムーズにいくような仕組みを考える必要があるだろうと。

     

     それから診療検査医療機関、これ一般のクリニックと思っていただきたいと思います。本県はこういう内科系のところの93%が診療検査医療機関になっているという稀有(けう)な状態であります。大都市で見られるように、お医者が選べないというところじゃないです。お医者選べるぐらいいろいろなお医者さんが対応してくださっています。それで、そういうところで検査や投薬など初期医療を展開することが命を守ることにつながりますので、これは1つのポイントになります。

     

     それから重症化等の危険のある陽性者ですとか、クラスターが起きたかもしれないと。それで保健所がこの陽性者情報を知っといたほうがいいと、それでそういうところは保健所にぜひ連絡をしてくださいということですね。今はHER‐SYSとかファックスで、全数調査でこの辺の情報は来ておりますけども、これが仮に全数調査がなくなったとしても、この辺のパイプは残していただきたいと。この辺はまた医師会などにお願いをしたいと思います。

     

     それからコロナ患者をより深く見ていただくために対面診療などの機会も拡充をしていただきたい、この辺もお願いする必要があるかなということですね。それで高齢者施設が非常に、今、クラスターが増えて厄介なところでありますが、やはり嘱託医とか、協力医のお医者さんの協力関係を1つは強めていただくのかなと。それで高リスクのある方は適切にコロナを診ていただける協力病院のほうに動いていただく、それ以外の方は施設内で療養すると、それで軽症の患者さんですね.それで、そういうような役割分担をしながら医療逼迫を防ぎ、また、嘱託医、協力医のお手を煩わせながら、療養環境というのを保っていこうと。それで、そのために各施設の協力医、嘱託医の皆さんには、例えばラゲブリオ(経口の抗ウイルス剤)の投薬の許可を登録をしていただいたりすることも含めまして、往診とか投薬に協力をしていただいてはどうかなということであります。

     

     それから在宅療養も、これもかなり数が増えてきます。1日1,000件ということになってきますと増えてきます。それで「家族みんなで健康システム」と前回申し上げましたが、[抗原定性]検査キットをかかりつけのお医者さんで御家族分も渡していただいて、調子が悪くなったなと言ったらそれで陰性、陽性を判定していただくと。それであとは、電話なども含めまして、在宅支援をお医者さんがやっていこうというシステムを、これはキットが手に入りまして、今日からお医者さんのほうに渡りますので、これを開始させていただくと。それから在宅療養の際の遠隔診療など、これも積極的にやっていただく。

     

     それでまた最近ちょっとよく見られるんですが、お子様などでやっぱり脱水症状を起こすお子様などもいらっしゃるわけですね。そうすると点滴等をやはり投与する必要がある。それで、この辺はそうなる前に、例えばOS‐1みたいな経口補水液というものを、これは在宅療養の際に特にお子様など、大人もそうですけども、ちょっとのどが痛くて、なかなか水分の補給がしにくいんです。それで、そうやらないと点滴とかにつながるような、ちょっと症状の悪化を招く可能性があるんですね。ですから、このOS‐1などの、これも鳥取県独自のものとして補給支援をしっかりやっていこうというようなことを考えています。

     

     それで、今のこの1000人を超える状況が続いておりまして、急遽ですね、[県内]病院長の皆様との会議、それから[鳥取県]医師会への緊急要請を本日行うことといたしております。



    ●知事

     それで、そうした全数把握がなくなるかもしれないということを前提にして、むしろ全数把握に使っていた労力や時間をもっと集中的に効率的に対策に回せないだろうか。あるいはその全数把握を補うようなことをやっていかなきゃいけないのではないか。それで、そういう意味で、仮に、私ちょっと相談先がなくなってしまったよという患者さんが出ないように、陽性者向けのコンタクトセンターを今日から前倒し設置をしようということです。それで、かかりつけのお医者さんにつないだり、それからパルスオキシメーター、こういうものを渡していくと。今、無条件で渡していますけども、全数把握がなくなったときに全ての情報がそのままタイムリーに保健所に届かないことになります。それで、そうなったときに、皆さんが健康を悪化させないようにそうしたコンタクトセンター、今から準備をして始めておこうと。

     それから、保健所のかかりつけ医さんなどが療養中の健康観察を行う。それで、保健所のほうで医師を紹介をしたり、それから、また在宅療養のフォローアップをお医者さんのほうでやると。これが先ほど申しましたようなことのシステムです。それで、併せてクラスターなど、こうした積極的疫学調査、今は一人一人の動きを我々が最初の全数把握での通報を受けて、全員電話をしたりして、聞き取りをすることから始めます。しかし、正直申し上げて、軽症者が多いという実態もありまして、本当に亡くなるかもしれないという方をフォローアップをするとか、それから、特に患者さんが急増するクラスターというものをどのように抑えていくか、小規模なものにしていくかというのは重要です。

     それで、これが新型コロナの癖でありまして、クラスター対策というのは、これは今後もやっていくのかなと思いますが、ただ、全数把握のように情報が集約されにくいということを補うために、例えば学校であれば、学校保健法に基づいて御家庭と学校が連絡を取り合って把握するようなシステムがあります。それから、子どもの保育園なんかも同じようなことを、前の新型インフルエンザのときなどから我々もやったりしています。そうした別の情報集約システムがあるわけですよね。そういうようなものも活用しながら、例えば子ども関係部局、教育委員会、福祉[保健]部局、こうしたところでそれぞれ手分けをしながら保健所の手間暇はあまりかけない機能別の専門クラスターチームというものによって活動していくと。

     それで、これが大きなクラスターになることを防いだり、あるいはクラスター起こした施設に対しまして、その後の衛生指導もしっかりやって、そこがエピセンター(発生地)と言われるような感染の中心地にならないようにそういう対策を取っていこうということです。こういうようなことは恐らくこれから、ここに加藤大臣との話が書いてありますが、全数把握の見直しということがあったとしたら、こういうようなシステムをやはりつくって、本県は全数把握後にも備えながら、機能強化を今から図っておこうというふうに考えております。

     


    ●知事

     それから検査についてであります。これも全数把握の有無にかかわらず、やはりこれだけ感染が拡がって皆さん不安ですので、本県は検査を受けやすい体制をぜひ堅持したいと思います。それで、今でもそういう体制がありますが、このお盆休みのときは、あえてバイパスをつくりました。お医者さん、結構閉めるところもあったもんですから、検査キット配布センターというものをつくって、東中西で配布をするということをやりまして、これ、御利用された方々もおられました。陽性者も見つかっております。したがいまして、これ、今後も土日の診療所が閉まっているときなどを念頭に、この検査キット配布センターのシステムを今後も続けることにしようと思いますし、先週申し上げた「家族みんなで健康システム」、これについても今日からスタートさせていただきますし、また、無料検査とか、社会福祉施設等での検査の支援、これは今、8月末までになっていますが、9月末まで延長させていただこうというふうに考えております。



    ●知事

     

     それから先ほど申しました学校が来週以降、非常に重要になってくると。子ども達が安心してやはり勉学、あるいは活動ができるような環境を、我々大人たち、社会全体がつくっていかなければなりません。ただ、残念ながら感染が入り込んだときには、それに速やかに対処することによって影響を最小限に食い止めるということも大事であります。そこで、[鳥取県版新型コロナ警報のうち]特別警報の発令地域におきましては、分散登校とか、オンライン授業、換気の徹底などをやったり、行事については無観客や延期、中止ということも視野に入れる、それから部活動、これもガイドライン等を守るようなことを徹底していきましょうと、こういうことを今、教育委員会のほうで検討してもらっています。警報の発令していただいている地域もこれに準じてやっていくということになろうかと思います。

     また、ワクチン接種につきましても、特に子どもたちの夏休み期間、非常に時間の自由もありますので、こうしたときなどを活用しようということで、このように県営でも各地で接種会場を設けてやっているわけであります。また、小児接種、これもやはり小児の重症化ということが最近問題になっています。今、努力義務化ということも国の方針で決まりました。そういう意味でぜひ推奨したいということで、市町村とも協力をしながらそういう子どもたちの接種会場も拡大をしてまいります。



    ●知事

     

     それで、こういうような、様々なBA.5対策強化宣言に基づく関連の対策、今、手元の資金でやっていますが、9月補正予算の編成作業が始まりました。それで、先ほど申しましたような社会福祉施設等での検査だとか、それから「家族みんなで健康システム」だとか、いろいろとこういうメニューを我々のほうで考えているわけでありますが、こういうものも9月補正予算に計上していこうと。今、ざっと見積もっているところでは90億円を超える規模でこうした新型コロナ関連、BA.5対策強化宣言関連というものが見込まれるところであります。結構、大型な9月補正になろうかというふうに考えております。もちろんこれ以外にもいろんな施策がありまして、まだ今その辺の検討をしている段階であります。

     

     


    ●知事

     

     財政につきましては、一般会計の決算が令和3年度、昨年度分確定をしたところであります。それで、私も平成19年に就任して以来、最高の歳入歳出規模ということになりました。それで、4,011億円の歳出決算ということでございます。それで、これはやはりコロナ対策などの影響もございますし、事業者支援なども積極的に行ったことなどによってこの歳出水準を引き上げた形になりました。ただ、他方で一般財源の確保も進めたということもありまして、経常収支比率は82.8%に改善をされています。経常収支比率は財政でいうと、財政の硬直度、動脈硬化みたいなものを測定すると考えていただいたらいいと思うんですが、財政が硬直化するかどうかという比率が全国で2位まで急上昇してきているということでありまして、この間、だから、お金は使いましたけれども、財源確保もやってきたということで、例えば税収が過去最多の規模ということが決算上確定をいたしました。

     それで、これによりまして、基金の残高も273億円ということをキープしておりまして、これによって標財[標準財政規模]の1割程度の確保ということは達成できる見込みになってきております。また、地方債残高につきましてもやはり財政誘導目標達成の目途がこれで立ったということでございまして、4年間の任期を通じて財政のほうは健全な形で次の期に引き渡すということができることとなりました。

     




    ●知事

     それから、これは若干予算に関連をしますが、今、内部で議論をしている状況でありますけども、飼料とか小麦とか漁業についてでありますが、飼料、えさについては酪農農家対策で飼料代が高騰した分、これを追加支援をしようと、それから、養鶏・養豚農家に対しまして、これも県単[独]で2分の1の飼料代支援をしようと、それから、小麦について、これにつきましても、例えば県内でも大山小麦のように作付けを行っているところ、こういうものを輸入小麦の代替として促進をする予算を組もう、それから、漁業者とかあるいは水産関係者に向けまして、例のトロ箱(海産物を入れる箱)ですね、発泡スチロールの、あれの資材高がございまして、そういうものの3分の2支援を県単独でやろうというようなことを考えております。


    ●知事

     

     それから10月の1日から鳥取の福祉のまちづくり条例というものが改正をされまして、そのユニバーサルデザイン、福祉に配慮をした、そうした施設が拡大をされます。例えば、理美容[院]であれば[床面積の合計が]100平米(平方メートル)以上のお店、かなりのお店がこれ、対象になるわけですね。それで、こういうようなことが追加されるに当たりまして、それをスムーズに10月1日から施行されることになるよう、応援の仕組を検討させていただきまして、このほど中身が固まってまいりました。ユニバーサルデザインアドバイザー、この派遣制度を10月から開始をすることにいたします。これによりましてどういうふうにしたらお客様本位のお店になるかといったようなことを助言をさせていただこうというものでありまして、利用者とか専門家そうした方々にもこうしたことに御協力をいただいて、よりよい福祉のまちづくりにつなげていきたいということです。

     

     それからUD(ユニバーサルデザイン)施設の認証制度というものをつくらせていただいてはどうだろうか。こういう1つ星、2つ星、3つ星みたいな形で、しっかりと障がい者に配慮してますよという、そういうお店になっているか、建物になっているかを評価をして、これを認証しようというものであります。それで、そうしたUD化を進めるに当たりまして助成制度がありますけども、これをさらに例えば多目的トイレだったら[助成額を]倍額乗せる、UD認証受ければ倍額乗せますよという措置も考え、それから今、アプリを開発中なんですが、[とっとり]子育て応援パスポートと一体的に県独自のアプリを作って、例えば、うちの店こういう割引をしますから来てくだいねみたいな情報もそういう福祉のUD情報、それから子育ての情報と併せて発信できるように、このUD認証に対する応援制度というものもつくっていこうと考えております。

     


    ●知事

     

     そのほか、今、このお盆の後[8月]16日、そして今日[818日]と東西2か所にわたりまして、約100名が参加していただきましたが、とっとり就職フェア[20228月]を開催をさせていただいています。今回対面でやっておりますけれども、人数をある程度、予約制にして絞りながらさせていただきました。それから副業兼業サミット[2022]、これはオンラインセミナーを[8月]22日にやって、それで副業の募集第2弾を始めさせていただきます。あと、蟹取県の「ウェルカニキャンペーン」というものを毎年9月からやっておりますが、これも観光関係者の今の業務の大変さもございますので、むしろこれは9月から予定どおりさせていただこうと。毎月100名様にカニが当たる。それから今年、[株式会社]メルカリさんと協力関係を結びまして、「メルカニShops」鳥取県のカニだとか、あるいは和牛だとかそういう特産品を販売する[ウェブ]サイト、これを蟹取県のサイトとして設けさせていただき、メルカリのアプリから、こうしたものが買えるようにしようということを始めます。

     

     それでこのほかもいろいろとメニューを充実したキャンペーンの展開を考えております。それから一部で報道されていましたが、ジャマイカのオリンピック協会・パラリンピック協会との協定につきましては、東京オリパラ後のスポーツ交流をジャマイカとやっていくということで、覚書を協定することで合意をいたしました。それで、ただ、調印式は10月頃を予定をいたしております。それで、これも[シェリー=アン・]フレーザー=プライスさんだとか、そうした有名な方こちらのほうにも来られて、前も記者会見やったりしたこともあります。ああいう有名選手を抱えておられるジャマイカとの交流というのは、子どもたちやアスリートにとっても重要な機会となりましょうし、地域の活性化にもつながると考えており、こうした方向性を今、合意という形で確定させました。

     

     今後いろんな大会がございます。それで、そういうものに向けた交流も拡大していけるんではないかと思っております。それから9月から「あるくと健康!うごくと元気!キャンペーン」、これを始めさせていただきたいと思いますが、このたびは禁煙だとか、飲酒習慣等々もポイントに加えまして、それでポイントを集めて、それで地元の産品が当たるというようなものでありまして、ぜひコロナ疲れもありましょうけれども、県産品等も当たりますので、健康づくりにぜひ皆さんのほうで体力を養っていただく活動に参加していただければと思います。

     


    ●知事

     

     いよいよ鳥取県としては大切な梨のシーズンを迎えることとなりました。[8月]25日には大阪での初競りということなど、私たちのそういう梨を売り込む、そういう季節になってまいりました。今年も新甘泉など非常に良い出来になってきております。二十世紀梨も今、非常に関西中心に人気も高まっていまして、ぜひ、農家の1年をかけて頑張った結晶を多くの皆様に御賞味をいただければと思います。私のほうからは以上です。


    ○記者

     

     ありがとうございました。では、質疑応答に移ります。挙手の上、社名と名前を名のって質問してください。

     

    ○記者

     

     日本海新聞佐々木と申します。一部報道によりますと、全数把握の件ですけれども、厚生労働省のほうは季節性インフルエンザの定点観測のような仕組みを考えていらっしゃって、時期的には8月下旬からの切替えを検討されてるというふうに報道出ておりますが、このことに対する受け止めをそれぞれ伺えますか。

     

    ●知事

     

     先ほども申しましたように、何といいますか、数字の把握の仕方のために時間をかけることは、私どもとしては少し違和感があります。それで、むしろ、今、現状がこういうふうにお盆明けで全国の医療機関や保健所が大変な状況でありまして、もっと命を助ける、そういう究極の目標に集中できるような環境を早く整えていただきたいというふうに思います。8月の下旬かどうかという、私どもよく分かりませんが、ただ、できる限り早くやっていただきたいということであります。

     

     それから定点観測については大きな問題はないと思います。現に今もインフルエンザなどの主要な疾患につきまして定点把握ということは各都道府県の協力の下に全国で実施をしておりまして、これで流行状況というのがある程度分かるわけであります。そういう意味で、そういうようなことで傾向が分かればいいんじゃないかと思うんですね。今、新型コロナがどうなっているかってみんな知っていますから、周り中にいっぱい患者さんがいるので。それで、これは大変なことだってみんな分かっているから気をつけます。それで、我々がアナウンスしようがしまいが、いや、今はちょっとやっぱりマスクでもして気をつけとかないかんなとなっているわけでありまして、それを例えばそれが何パーセント増えたかどうかということにどれほど労力を割く必要があるのかどうかですね。

     

     それで、それが専門家の目から見て全数把握だと全部だけども、それが定点把握だとか、あるいはほかのシミュレーション方式だとそれが若干実態と狂うかもしれないというふうに気にされるのかもしれませんが、今のHER-SYSが実態を表していませんから、特に大都市部などで天井効果が表れてその数の把握が一定程度止まらざるを得ないところっていうのは実態を表さなくなっているわけでありますので、そうしたことをやはり専門家も含めて厚[生]労[働]省も御理解されるべきでありまして、ですから、今だって大分大きな誤差が出ているというか、実態を表してないことになってしまっている。ただ、それでも大規模な労力を全国の現場にそこを持たせていることのナンセンスさというのをやはり分かっていただくべきでありまして、定点観測でも結構ですし、あるいは、例えば今の検査している機関がありますよね、無料検査の機関だとか、ああいうところなどで把握している数字などを活用するというようないろんなやり方が多分あるんだと思うんですよね。

     

     定点観測はお医者さんに行った人しか分かりません。ただ、そのお医者さんに行く手前のところで、例えば大都市部であれば止まっちゃっているわけですよね。それで、そうすると果たして定点観測でもどれほど実効性があるのかなというの、よく分かりません。ただ、ほかに考える手段もないし、とりあえず今、増えそうか、減りそうかという何となくのことでいいのであれば、それはそれで1つの評価対象になろうかと思います。ただ、全国を積み上げて、今、全国は何十何人まで把握しなきゃいけないかというと、そこのその限界効用っていうのは今、薄れているんじゃないかなと思っています。

     


    ○記者

     

     すみません。関連で日本海新聞佐々木です。一定ですね、この全数把握については前進が見られたところでありまして、今後はまた2類から5類への引き下げというところが、また論点の多いところでありますが、議論の的になってくると思います。いろいろ専門家の方だったりとか、全国の知事の方々意見を述べられるところですが、知事御自身はどういう形に変わっていくのか、この2類から5類に引き下げするに当たって、が良いのか、お願いします。

     

    ●知事

     

     これは全国知事会でも大分、奈良[県]の大会のときに議論したところでありまして、それに基づいて最大公約数の一番皆さんが共通していたのが、この全数把握というその膨大な業務を、もっと大切な仕事に振り分けたいというところは一致していました。ですから、ここを今、重点的に厚生労働省等に今、働きかけをしているということです。それで、5類[感染症]については5類にすべきだという論者の知事さんもいましたし、ただ、そうすると心配なことがあるという知事さんもいました。どちらかというと後者のほうが多いかもしれません。ですから、この5類にすることについては地方の現場でも意見の分かれるところであります。それで、恐らくこれ議論が若干混同されていまして、それで、その5類にしたらいいという論調の中心は、5類にすることで医療提供ができるようになるっていうんですね。

     

     それで、皆さんは御案内のように鳥取県の場合は93%の医療機関がコロナ医療検査を提供しています。ですから、何の問題もないんですが、ただ、大都市部など十分な医療関係者とのコミュニケーションが今までうまく取れてなかったのか、あるいはいろんな問題があって、例えば狭小、狭いというかいろいろな問題があってできないなどいろんな事情があったんだろうと思うんですが、本当に2割とか3割とか、そういうところの医療機関しか見てくれないという、そういう地域も確かにあるんですね。それで、こういうところは見てくれないところが5類になれば、いやがおうにも制度的にどこのお医者さんでも行っていいよということになるんで、これが手っ取り早いというふうに思っておられるかもしれません。

     

     ただ、この議論は恐らく医療従事者の方々の御理解と御協力をどのように得ていくかという話ではないかなと私個人は思います。ですから、むしろ診療方針の問題だとか、それからそれに対する支援制度だとか。それで、鳥取県の場合、何をやったかというと、皆さん不安ですので、こうすれば防御できますよという、その動線のつくり方、それからPPE(個人防護具)、防御の仕方、これを専門の先生方にも入っていただいて研修をしたり、そうやって理解の場を広げながら2年間かけて今の状態に持ってきてるわけです。だから、その辺はやはりそうした努力をやっぱり国も旗を振ってやるということは5類にする以前の問題として大切なことではないかなというふうに思います。

     

     それで、5類にすることでとにかく制度上、コロナの患者さんもみんな、今日から病院に行きますよとなった場合に、また新たなクラスターが発生するっていうことが、あちこちで増えてしまったのでは、これは元も子もないわけでありますし、医療関係者はそこを恐れておられるので、単純にそのために5類にするがいいという議論が妥当するかは関係者の皆さんも含めた理解と納得を得る必要があるんではないかなというふうに思います。

     

     あと、我々実務のほうから重要だと思われるのは公費負担、医療費の公費負担の問題です。それからあと、もう1つが予防接種であります。それで、これは2つについては当面は堅持すべきではないかなと私個人は思います。恐らく[全国]知事会の多くの方々、これはその5類とおっしゃっている方々も含めて、この2点については堅持したほうがいいという方が大勢ではないかと思います。やはり今、感染を拡大させない、それから重篤な症状につなげないためにも予防接種をしたり、適切な医療を受けやすくすることが重要でありまして、そういう意味では公費負担制度の継続、それから予防接種制度の継続は5類の議論とは関わりなく、続けていけるような制度運営を国に求めたいなと思います。

     


    ○記者

     

     山陰放送の斎尾です。冒頭の新規感染者数のところでBA.5の中身が変わっている、遺伝子タイプがいろいろ入ってきているという話がありましたけども、いつ頃から確認されていて、何タイプくらいが今、県内で確認されているのか、もう少し詳しく教えてください。

     

    ●知事

     

     ちょっと最近忙しくて、詳細な分析できてないんですが、多分この辺りで確認できたらと思います。それで、ちょっとすごく専門的で難しいんですが、後ほど、じゃあ、また、資料提供させていただきたいと思いますが、我々、こうクモの巣状の図を作るんですね、それで、クモの巣を作りまして、ここ、ここの塊にいると、この同じ遺伝子タイプ、それでそこから離れて[中国]武漢[市]的になるとか、それからほかの国で流行っているだとか、そういうのを見るチャート図があります。それで分析をするんですが、一番大きな我々の塊は、山陰両県に共通する遺伝子タイプのところに割と大きな塊がありまして、特に米子保健所管内はそういう塊が多いです。ただ、これだけじゃなくて、別のこうルートから入ってきたと思われる、別の遺伝子タイプがこうぽつぽつとあるんですね、それで、今、この外側のところが広がっているというふうに推察されます。

     

     それで、疫学調査の結果、例えば東京[都]の割と大きなテーマパークに行ったとか、それで、あるいは関西のこういう方々と交流をしたとか、それからこういう仕事でこちらへ行ったとか、その後、感染が起きていて、それで県外交流との関係があるだろうと。それで、それぞれ実は山陰両県で共通するタイプとは別のタイプが流行していますので、そういうように今、多様化しているというように思われます。それで、先ほど申し上げましたように、これが伸びてきているということは、言わば撹拌が起きていまして様々遺伝子タイプが入り込んできているということだと御理解いただけようかと思いますが、ちょっとチャート図ぐらいしかないかもしれませんけど、後ほど、じゃあ、お見せをさせていただきたいと思います。

     


    ○記者

     

     山陰中央新報の藤井と申します。すみません。全数把握のことにちょっと戻るんですけど、鳥取県の場合、早めに囲いこんで、何とか抑え込んできたということがあるんですけども、この例えば全数把握が見直しされた場合にやり方として、今のやり方を残していく考えでいいんでしょうか。

     

    ●知事

     

     そこはちょっと難しいとこで、国がそもそもどういう全数把握の見直しを、今、検討されてるのか、報道が始まってますけど、我々詳細よく分かりません。ただ、大切なのは重要な命を助けるという究極の目標に沿って考えていくべきであり、そのためには医療系のルートを活用することと、それとあと、感染が急拡大するのをできるだけ抑えるという効率的な疫学調査、対策というのが求められるだろうということであります。それで、全数把握しなくても、私どもの場合、実はこの診療検査医療機関、ここにほぼ入ってくると思います。

     

     それからあと、無料検査をしたというようなことがありますね。それで、多くは多分診療検査医療機関が本県は機能してますので、大都市と違って、ここが主として専門の目でまず最初にファーストコンタクト取ってくださると。それで、ここで重症化の危険のある人だとか、それからこれちょっとクラスター関係するかもなという情報を保健所に共有してもらうと。これちょっと今日また[鳥取県]医師会にお願いに上がりますけども、こういうようなことが御理解いただけるのであれば、恐らくその発生届の手間がぐっと減ります。それでぐっと減った上で、ただ、ここは教えてくださいね、それは、じゃあ、ちょっと協力しましょうというふうにならないかなと我々期待しているわけでありまして、そういうパイプができれば、これによって重要なところは把握ができる。

     

     それから今、感染の拡大の大きいものは家庭内感染です。それはこの家族みんなで健康システムによって在宅療養のところで抑えていくと。それでその具体の名前を保健所が知らずとも、その中で陽性者だということが判定されて、そのお医者さんの管理の下で投薬治療も含めてやっていくということで、ここで感染拡大を抑えるということが可能性としてあると思うんですね。それからまた、これはちょっと確かに分かりにくいのかもしれませんが、この機能別クラスターチームというのをつくっていくと。それでBA.5型なんです、これ実は。それでBA.5を我々も二月ぐらい今、付き合ってるんですね、6月の末から。それで癖があると。それで、子どもたちがやっぱり多い。それで子どもや学校のところのクラスター、それから残念ながら今回は福祉とか医療のクラスターも多い。それでまた、意外にこう事業所が、今までのクラスターになかったタイプです。

     

     それで、これがBA.5の場合多いと。ですから、そのほかにも飲食店やイベント絡みなどもあると。それで、こういうものに応じて、ここに実は裏に各部局が入っています。この後、子育て王国のところですね、子育て・人財局が裏にいまして、教育委員会、それから福祉保健部、それでこれが医療の[健康]医療局のほうですね。それから商工労働部、生活環境部、それでこういうところが実は業界として従来から管理できている部分があるわけですね。そこで情報を取って、それで中には学校保健法など、子どもたちの異変については学校のほうで把握できる仕組みがあります。それでこれを使いながらその個別のその情報が全数把握で入ってこなくとも、こちらのほうの情報で速やかに対処してしまうということは可能ではないだろうか。

     

     これによって一つ一つ電話をかけてお一人お一人、正直こっちも陽性でみんな動転している中、電話するわけでありまして非常に厄介なんですけども、それで、陽性発見された方に次から次へと電話をして把握せずとも別のルートでやっぱり把握できることもいろいろあったり、先ほどのように、お医者様のほうから私どものほうに情報提供いただいたり、この辺を組み合わせていくことで効率的に大どころのクラスターによる感染爆発というのを抑えていくことよって、総数をある程度抑制できるのではないかというふうに考えております。島根県さんもかつて学校を閉めたりということをやりました。やっぱり学校クラスターというの、着目してやったことでぐっと下がった時期がありました。それで、ああいうようなことでやはりコロナ対策はつぼあると思いますので、そのつぼを抑えた疫学調査ということを継続してやっていく余地はあるんではないだろうかということです。地域によっては全数把握やめたことによって、疫学調査的な感染抑制アプローチをやめられるところも当然あると思いますが、本県はそこは少ししつこく別のやり方をしながら効率的に大どころを抑えていくという作戦を取っていきたいと思います。

     


    ○記者

     すみません。先ほど最後のほうで御発言あったんですけど、疫学調査をやめるところが出てくるかもしれない、多分恐らく大都市中心にそうなる可能性もあるんですけど、そうなった場合に、もう把握できずにもうかなり感染が広がって、国内で広がってしまい、あおりを受けるのは地方かなと思ったりもするんですけど、その辺りの懸念みたいなものってありますでしょか。

    ●知事

     いろいろと各都道府県の状況なども伺ったり、報道で拝見をしておりますが、事実上鳥取県は今まだコロナと真剣に戦っている県ですけども、そういう疫学調査などあるいは積極的な無料検査などを展開してないところが増えてきているのも事実です。ですから、現実にはそういうところではなかなか把握が困難になったり、それから実は見えないところで感染が爆発的広がっている可能性があったりしますが、そこは現状もう起きてしまっているんですね。ですから、今、全数把握にしたからといって、要は仕事が効率化されるということであってむしろ我々みたいな工夫をもし取り入れていただけるんであれば、こういう効率的な疫学調査的手法というものは導入可能に逆になってくるだろうと思うんですね。

     今とにかくその報告事務、厚労省や専門家のための資料作りに手間を割かれているっていう実態がありますので、それよりも別の本来感染を抑制するとか、亡くなる方を減らすほうに集中的に人と時間をかけていくということは可能ではないかと思います。ですから、私はそこはあんまり悲観的に考えてなくて、現状もうそこは全数把握システムですら破綻するわけですから、今も、だから把握できてないわけですよね。それで、ましてその疫学調査というものが行われていないということです。それで、私ももちろん東京にも親族もいますし、知り合いもいますが、やっている形跡はないですね。はい。


    記者

     日本海新聞の佐々木です。これから夏休み明けて学校が始まるところになります。先ほど知事も学校が始まることでの感染がまた広がる可能性があるというふうに御懸念示されておりました。学校側の対策のほうは今お示しなされたとおりだと思うんですけれども、一番基本というか、一丁目一番地は自分で感染に気をつけるところでありまして、また、県民の方々に、これから新学期に入るに当たってどういった心構えでいてほしいでしょか。

    ●知事

     今、お盆休みで人の移動ということもあり、データ的にも県外との交流に伴う感染の増加が顕著になってきております。それで、かつてない規模で感染者が周りにおられるという状況でございまして、ぜひ、マスクの着用、適切な着用でございますとか、それからエアロゾル感染を起こさないための換気でありますとか、こういうものを学校、あるいは御家庭、職場などそれぞれにぜひしっかりとやっていただきたいと思います。当面、嵐のような状態が今周りにあるというふうに思っていただいて、この嵐が通り過ぎるまでは感染予防のレベルを上げていただきたいと思います。


    ◯記者

     

     読売新聞の藤本です。陽性者向けのコンタクトセンターというのを本日から設置するというお話なんですが、もともと保健所に受診相談センターというのがあると思うんですが、これに加えて在宅療養中の人がかかりつけ医につながらない場合に相談する場所ということで、その受診相談センターの機能をより拡充させるという理解でよろしいんでしょか。

     

    知事

     

     ええ。実態としては受診相談センターとオーバーラップした存在になるかと思います。それで、こういうようなコンタクトセンターとあえて申し上げていますのは、仮に全数把握がなくなったとき、それで多くの方々は多分お医者さんで検査されると思います、本県の場合は。それはできますので、待たずにできます。それでされると思います。ただ、御自身で検査をされる場合がありますよね。それで、検査をされて仮にちょっとお医者さんにつなぎにくいというような場合には、やはり誰かがフォローしなきゃいけないだろうと思うんですね。それで、そういうときにコンタクトセンターのほうに連絡してくださいというシステムをつくっておいて、ある意味気軽に安心して問合わせをしていただければ、あとは適切なお医者さんにつなげたり、それから場合によってはパルスオキシメーターなど早速にお届けをしたり、そういうことで初期対応をやらせてもらいましょうと。それで従来の受診相談センターお医者さんの紹介のとこで止まりますけども、こういう初期対応のことも含めた対応が取れるようなそういうコンタクトセンターとして動かせていただいて、今後ちょっと動向を見たいと思っています。

     

     ただ、例えば全数把握は終わったのですぐにといっても定着しないと思いますので、今からこういうものを立ち上げて、そうした要は便利な窓口が幾つもあったほうが受診者側には便利でありますので、そういうことで今のうちから立ち上げようという趣旨でありますんで、おっしゃるように、受診相談センターと機能的にはそれを拡大したようなものになろうかと思います。

     

    記者

     

     ほかには特にないでしょうか。なければこれで終わりたいと思いますが、よろしいですか。では、ありがとうございました。

     

    ●知事

     

     どうもありがとうございました。

     

      

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