●知事
皆様、おはようございます。ウクライナ情勢が非常に緊迫した局面に差しかかっているというふうに言われています。心から停戦をし、そして多くの人命が失われることがないように自制を求めたいというふうに思います。県内でもウクライナに対する支援の輪が広がってきておりまして、現在5団体が生活支援をしようということでエントリーしていただきました。また、居住の支援、住居の支援で3団体。さらには就業支援で3団体、そういう意味で県民の皆様や事業者の皆様の善意の輪が広がっているところでございます。
そういう中、このたび歯科技工の関係でウクライナに共同発注しようと、全国の4社で連携してやろうというところが出てきました。これ、倉繁歯科技工所さんが中心になりまして、全国のお仲間と一緒に、ウクライナでそうした歯科技工の技術を持っておられる皆さんに共同で発注をするというようなことで、経済の支えをし、応援をしようと。今日からこのプロジェクトが動き始めることにもなりました。ぜひともこうした戦火1日も早くやむことを祈っておりますが、現状ではG20[金融・世界経済に関する首脳会合]でも、その2つの陣営の亀裂が入っていることも伝えられておりまして、非常に予断を許さない状況であろうかと思います。
●知事
また、国全体としても、このウクライナ情勢の影響受けているわけでございまして、こうしたことが巡り巡って、石油、原油高につながったり、あるいは穀物相場をはじめ、物価高につながったり、さらには私どものほうでも様々な影響が出てきているということでございます。円安の基調も深まっていまして、[1ドル]130円がすぐそこまでドル相場変わってきました。これは悪い円安とも言われているわけであります。それで、私ども全国知事会としては、相次いで山際[大志郎内閣府特命担当]大臣をはじめ、一昨日も高市[早苗自由民主党]政調会長のほうに、与党のほうにお訪ねをさせていただいたり、また、関係の大臣、例えば野田[聖子内閣府特命担当]大臣、地方創生担当大臣でありますが、地方創生臨時交付金について要請をさせていただいたり、いろいろと今、我々も動いているところでございます。
政府与党の中で、今、議論がされていまして、補正予算をつくるかどうかという議論も生まれており、まだ完全な一致を見ているわけではないわけでございますが、国としては連休前に一旦緊急対策をまとめようということに動いてきているところでございます。そういう意味で、我々のほうでも、地方レベルではありますが、本県としてできること、そういう円安、原油高、物価高等に対する緊急対策、これをまとめさせていただこうと思います。
それで、この円安、原油高、物価高等の緊急対策として、鳥取県版の総合緊急対策、これを制定をさせていただき、この連休前から動き始めたいと思っております。また、今、国のほうで総合緊急対策を取りまとめているところでございまして、予備費を2兆円ほど使って展開しようという話があります。それで、中にはこうしたことは地方へ波及するものもあると思いますので、また、連休明けに改めて経済対策会議を県としても開催をさせていただき、場合によっては5月末にも予定をしております次の県議会に予算提案ということも考えていきたいと思います。例えば、畜産関係なども、今、国が検討しているということなんですが、エサ代が今、上がっていまして、こういうものも我々としても、やはり取り組まざるを得ないだろうというふうに考えております。現場の意見も聞きながら、連休明けに例えば予算措置、どういうものがあるかっていうことを考えていこうというものでございます。
具体的には、まず円安が今、急激に動いてきました。[1ドル]129円台というようなことにもなってきているわけであります。今日また相場がどう変わるか分かりません。また、原材料価格の高騰ということも出てきました。これを融資の対象として、県の制度融資1.43%の対象に入れ、それを[令和4年]9月の末まで適用しようと。恐らくこの紛争の影響というのは長引くと思われます。それで、こういう対策を取りあえず、取り急ぎやろうと。それで、利子補給を市町村と共同でやりまして、実質無利子化ということも制度上組み込んでいこうと考えております。
それから、また中国で、上海[市]のロックダウン(一定期間、対象とする地域で、人の移動を制限したり企業活動を禁じたりする措置をとること。)がございました。それで、実は県内企業さんの動向をいろいろとお伺いをしておりますが、やはり上海の事業所が停止をするもんですから、それで例えば部品の供給が途絶えてしまうとか、それがこちらのほうの操業にも影響してくる状況に今なってきております。それで、こういうウクライナ侵攻に対する経済変動対策というものを、今、資金融資始めておりましたが、こういう中国のこのコロナに伴うロックダウンですね。それで、こういうものも加えて資金繰りの支援、これも9月末までというふうに延長して対策を取っていこうということであります。
それから国際経済変動対応総合窓口という、これを設けていますが、これも連休中開設をして対応を強化していこう。それから運輸交通事業者の関係、これ燃費、燃油の問題がございます。そういう燃油高について、トラックに加えまして、バス・タクシーも今月から対象としていこうと。それで、こういう補助制度もスタートさせようということであります。また、後ほどちょっと申し上げますが、観光事業者、飲食事業者に対する支援、これも連休明け開始を目論もうとしております。それから農林漁業者に対しましては、畜産飼料高騰対策など、そういうものが1つ想定されますが、それ以外にも、例えば漁業経営基盤強化資金、こういうものも9月末まで対策無利子化をするということを考えていこう。
さらに生活者支援につきましても、相談・自立サポートについて連休中も行っていくなど、対策を強めることにさせていただく総合緊急対策、これを私どもとして取りまとめました。それで、これをこの連休前からスタートをさせていただき、この後、国が来週ぐらいに、国の対策まとめられるでしょうから、それも踏まえて、県の経済対策会議で、さらなる追加支援策、これも考えていきたいというふうに考えております。
●知事
また、今、今年度ですね、デシタル田園都市国家構想が推進され、スタートすることになります。それで月曜日の日に野田大臣のほか、2人の大臣も加えまして、地方創生とか、こういうデシタル田園都市国家についての議論を地方6団体と一緒にさせていただきました。
そこで、各団体のほうから確認をさせていただきましたが、従来の地方創生の考え方というものは、これは堅持していくんだと、それで、そこは国側から明快な説明がありました。それで、そこにデジタルを加えながら新しい時代にふさわしい、そうした地方分散なり、人づくり、あるいは仕事づくりということを考えていこう、それで、くらしも豊かにしていこうというものであります。それで、本県もプロジェクトチームを作りまして、今、部局横断し、そこにCIO[最高情報責任者]補佐官という有識者の方も加わっていただきまして、エンジンをかけたところでございます。先般、PT[プロジェクトチーム]のほうで話し合いをしましたけれども、すぐにでもかかっていく重点的なプロジェクトというものをスタートしようと考えております。それで、鳥取県として、これ、ちょっと大きな間違いがありまして、後で訂正いたしますが、住まあとっとりプロジェクトというものを開始をさせていただきます。それで、住まあとっとりプロジェクトですね、ちょっと、会見中に差替えます。すいません。今、ちょっと、作業してください。住まあとっとりプロジェクトというものをさせていただきます。それで、とっとりデジタル田園都市推進事業、これを私どものほうで鳥取版ということをやっていこうということです。それで、名前としては住まあとっとりプロジェクト、つまりスマートなとっとり、それで住まあというのはちょっと[県政記者]クラブのほうではあれかもしれませんが、住みましょうという地元の言葉です。じげの言葉でございます。
それで、住まあとっとり、それで、ここにちょっと本来これを入れるつもりだったんですが、ちょっとミスタイプでこっちに入ってしまっていますが、スマートなとっとりに住まう、そういう住まあとっとりを目指そうと、そういう本県の強みを活かした地方創生にデジタル技術をプラスしてやっていこう。それで、こういうようなプロジェクトを始動させたいと思います。
それで、1つに産業関係のDX、デジタル・トランスフォーメーションを図っていくと、鳥取砂丘月面化プロジェクトだとか、スマート農林水産業、それから、人としては、未来の鳥取を支える人づくりデジタル・トランスフォーメーション、それで、学びの質の向上を図ったり、あるいは芸術作品のアーカイブ、これ、障がい者芸術も含めてやっていこうと。それから、くらし関係では医療や介護、そういうもので健康寿命の延伸をしていく、そういうビッグデータの活用を手掛けたいと思います。これ、まだ全国ではあまりやっていることではないと思います。
それから、AIとか、ドローンを活用しながら災害対応をしていくと、罹災証明などもこうしたスマートなやり方で迅速にやると、どっちかというとプッシュ型(提供する側から自動的に行われるタイプのサービスの提供方法)に近い形でいちいちこう申請を持って来なくてもドローンを飛ばせば、ここはもう家がないなというのは分かりますので、それで罹災証明を出す、そういうことができるようにならないかということを考えて見たり、また、MaaS(Mobility as a Service:様々な形の交通サービスを需要に応じて利用する一つの移動サービスに統合すること)を活用した交通対策、こういうようなことで住まあとっとりプロジェクトというのを始めさせていただこう、特にこういう重点プロジェクトを今年度、もう取り掛かることで指示を出させていただきました。
●知事
さて、今、私どもの新型コロナの感染状況でありますが、先週、御報告申し上げたとおり、私どものところでも[オミクロン株]BA.2[系統]が入ってきているということです。それで、これが3分の2に達している影響がございまして、急速に今、拡大をしてきていると。それで、今日は146件、昨日の遅く、夜遅くまで、12時前頃に最終的に判明しましたが、146件という非常に増えてきております。それで、そのうち西部のほうが85件、それで、多くは米子市でございます。それから、東部もこれも増えてきまして、中部は12[件]で比較的抑制されているんですが、東部も増えてきている。それで、これちょっとこの波形を見ていただきますと、こういうふうに2回大きな山がありました。それで、これ、BA.1.1[系統]が起こしたと思われます。それで、私どもは取り囲んで何とかこう抑えていこうということで伸びては減りという一進一退をこう繰り返してきています。
これ、7日間の移動平均でもこう動いてきている。それで、これがここにきてせり上がり始めている。それで、先週、申し上げました、我々は第7波の入り口にあるのではないか、こういうふうに考えたわけです。それで、そのうち特にこの緑の、この西部のところを注目していただきますと、西部が60台ぐらいのところが今、85[件]まで、昨日現在でこう増えてきていると。先週も同じようなことで、週末は一旦落ちますけれども、また伸ばしてきている。それで、ここの間に何が起こっているのかということがあるわけです。
●知事
それで、感染経路の不明者数でも同じような傾向があります。それで、感染経路不明者数、西部ではここのところ同じポイントのところでかなり数が増えて、昨日も20[件]を超えるということにせり上がってきました。それで、かつてこういう1月の段階のところには至りませんけど、2月でやはり大きな波を起こしたときよりも今、せり上がり始めていると、それで、危険な兆候が表れているというふうに考えざるを得ないところです。それで、東部は比較的この西部ほどには伸びてはいませんけれども、ただ、ここのところで伸ばし始めているのがこの、ややこう右肩上がりになり始めていると。それで、中部は同じような環境の中にありながら、ある程度この感染経路不明者を抑えていると。
それで、要はBA.2が今、増えてきているっていうことなんですね。それで、それを上手に取り囲みながら何とかもたせようと今、我々も頑張っていると。それで、それが西部のほうでバランスが若干崩れているという状況があるのかもしれません。
●知事
なぜ西部で崩れたか、これがBA.2系統の変異株スクリーニング検査の状況です。先週、御報告申しましたように、これが4月13日までの関係でありまして、先ほどのところでいきますと山が、波が一旦こうせり上がり始めた頃、その頃のデータが多いと思っていただきたいと思います。それから僅か数日後でありますが、本格的にこのスクリーニング検査を始めたところ、3分の2まで膨らんできているというのがBA.2でございます。
それで、そのうち西部は80%、8割に達していると、それで、東部や中部は大体6割ぐらいということであります。それで、県境を挟んで何が起こっているのかよく分かりませんが、もしかすると広域的な動きがひょっとするとあるのかもしれません。それで、いずれにいたしましても、こういうことで西部では顕著にBA.2の伸びが加わっています。これがやはりこうした経路不明の感染者を増やしたりしているのかもしれません。
●知事
それで、特徴的なのはまた元に戻り始めていまして、この西部のほう見ていただきますと、この黄色が、割合が急に伸びてきています。それで、この間、BA.2が入ってきていると思われます。それで、東部も増えてきている傾向にあると、ただ、西部ほどは顕著にこの子どもたちの感染の伸びというのは、必ずしも急激ではないと。それで、これ、ここ最初は小さいように見えますが、西部のほうが感染者数多いので、絶対数でいうとやはりどんどん上がってきているということですね。それで、あと、これを引き起こすものとして、やはり県外往来とか、職場というものが見られるところでございまして、最初に県外往来でこう入ってきたものが、今、また元に戻って子どもたちにうつり始めていると。
それで、もともとですね、このちょっと前がありますけども、本来、前のほう見れば、こちらのほうがまだ分かりやすいかもしれません。西部はぎゅーっと上がっていったわけでありますが、その前にやはり県外往来とか、飲食やあるいは、そうしたとこでの感染が多かったと、それで、それが子どものほうにうつっていって、感染の大幅な増を引き起こしていると、それで、今、その兆候と似たような傾向が特に西部で顕著に表れ始めているのではないかと思われます。
ただ、もう一度振り返ってみますと、こういうふうなことでありまして、その波も我々として抑えてきたという実績もあるわけです。それで、県民の皆様と一緒に抑えてきたと。要はどういうことをやればいいかというと、恐らくこの感染の根雪はなかなか消えないかもしれません。それで、恐らくこのぐらいの根雪があるわけですね。それで、そこから下に下げようとして努力しますけども、我々も一生懸命踏ん張りますが、また外から入ってくると、それから中でもどうしても一部こう広がっていくものがあると。それで、これの要はいたちごっこが全国で続いているわけです。
それで、特に春休みで感染が大都市部から地方部へと広がったと思われます。それで、昨日(4月20日)も鹿児島[県]が過去最多になっていますけども、そういうように地方部で顕著になっているのは感染密度の落差が激しいので、大都市部からこう出て行くもので平準化されやすいのが地方部でありますので、地方部のほうで上がってきている状況があるけれども、大都市部はややこう下がり傾向ということなんだろうというふうにも思われるところもあります。それで、本県も何とかこうやって抑えようということをやってきて、先週も一旦これBA.2の影響で上がったものを、一旦は抑えかけていたものがまた今、上がってきているということでございます。
ですから、ここはこういうふうに感染が展開するものだというふうに、第5波以前とは違った見方をしなければいけない局面なんではないかなと。今から連休を迎えるわけでありますけれども、闘い方の考え方、基本的なコンセプトというものをそろそろ考えるべき時期に入ったのかもしれません。
●知事
最近の感染事例としては、室内でのスポーツでの感染拡大が非常に目立ちます、これ。それで、人と人とが密接をしたり、あるいは大声を出したり、あるいは例えばボールをはじめとして何らかの器具を多人数で共用するなどがあるのではないかと思われる、我々のクラスター分析などでそういうのが出てきます。
それから親しいお仲間との会食とか、集まりとかでの感染拡大、これも相変わらずありまして、ここに結構県外が絡みます。それで県外が絡んで、そこからまた中に入ってきて同じような集まりがあって広がっていくと。それでマスク着用なしで近い距離で会話をするとか、換気が不十分な密な空間、ここで大声を出したり、あるいは歌を歌ったり、こういうものが感染を一気に広げているケースが最近も確認されております。
それでこういうようなことを頭に入れながら、賢く感染予防、感染制御、感染防御を図っていくと。それでこれを県民の皆さんや事業者と共同して、連帯してやりながら、ある程度感染は残りますけども、そこで経済社会を回していく工夫ができないだろうか。今の全国の状況を見ていると、第5波の後、鳥取県はきれいにひと月ほどなぎになりました。全く感染がない状態になったわけですね。それで、あれの再来というのは難しいのかもしれません。そういうような想定で考えないといけないのがオミクロン株なのではないか。
●知事
そういう意味で、本県として、国全体いろんな議論はありますが、感染防御型Withコロナ、単なるWithコロナではありません。何をやってもいい、感染が広がってもいいという意味でのWithコロナというのは、多分県民の多くは望んでいるわけではない。ただ、ある程度の感染レベルはあるかもしれないけれども、Withコロナということになるかもしれませんが、感染を抑制しながら、先ほどのように行ったり来たり繰り返しながら経済社会も例えば認証店など、きっちりしたお店など、さらに注意も徹底していただいてやっていく、こういう中で回していくことはできないだろうか。こういう我々としての挑戦に今度入っていくべきなんではないかと考えます。
それで感染の波をしっかり抑える対策というものは強化をしていくと。それで、通常医療との両立を図りながら機動的に医療提供体制を取っていくと。早期検査、それからあるいは病床、宿泊療養、こういうのも数はある程度そろえておく。それから重症化のリスクがあるような人はどんどん入院していただく。これは我々大都市と違ってすぐにでもできます。それから在宅療養者なども、かかりつけのお医者さんだとか、薬局だとか、また、セルフチェックでやっていくシステム上の管理などをやり、健康観察をしていく、それから適切な治療薬を処方して早期に改善、重症化予防したり、ワクチンの接種、こういうものを進めていく。こうやって感染の波をある程度抑えていくということを、我々行政レベルのほうでできるだけのことはしっかり医療関係者と一緒になってやって行きましょうと。
それと併せて住民の皆さんや事業者の皆さんも感染拡大を抑える努力を引き続きやっていただきながら社会経済活動を回していくと。それで、こういうようなコンセプトをですね、取れないだろうかということです。それでメリハリをつけたマスクの着用、それからこれからはほんとに初夏のいい季節になってきます。換気を徹底していただくことがエアロゾル感染の予防という意味では非常に重要です。それでこれができやすい時期ですから、ぜひ換気を徹底していただく。
それから県外往来、これは私どもの県では往来するなとはあえて言いません。ただ、往来するに当たっては注意していただきたいことはいろいろあるということですね。それで検査、これを活用しようと。本県は検査能力ありますので、無料検査ということも拡大をしていく。それから感染防止対策を施した安心安全なイベント、飲食、感染防止対策をやるということを前提として、こうしたものの、言わば規制を一部緩和をしたり、飲食の支援ということにも踏み出していく、それから家庭や職場でも新しい日常生活ですね、そういうものを環境づくりとしてやっていただく。
それで、こういうようなコンセプトで感染防御型Withコロナというのを本県としては考えてみたいと思います。それで、今まで2年間やってきましたが、県民の皆さんの感染制御に対する御理解というのは非常に深いと思います。それで事業者の皆さんも協力をして、何とか感染レベルを抑えないと結局お客さん来ないということも痛いほどよく分かっていただいています。ですから、みんなで一致協力をしてやっていくことを考えていかないといけないのではないのかということですね。それで、そういう意味で、ぜひ御協力をお願いを申し上げたいと思います。
●知事
それで、そういう意味で、[新型インフルエンザ等対策]特別措置法[第24条第9項]上の協力要請を今日(4月21日)午後に、急遽、先ほどちょっと感染の状況が今一つになってきた鳥取市や米子市のトップの方々(深澤義彦鳥取市長及び伊木隆司米子市長)と一緒に本部を開きますが、そこで最終的には話し合いますけれども、協力要請も改めようと思います。5月の31日までについて、飛沫を意識したメリハリのあるマスクの着用、あるいは県外往来の際には感染対策を徹底していただいたり、検査というものを活用していただく、それからイベントについての注意事項、飲食店の注意事項を守っていただく。また、ニューノーマルな職場環境や家庭環境、これをぜひ実践していただく。こういうお願いをしながら、これは法的なお願いとしていこうということであります。
●知事
そして、具体的にはじゃあ、例えばどういうことかということですね。少しやり方とか頭の切替えをしてもいいところがあるんではないか。2年間やってきました。そしてオミクロン株の特性というものも現状はあります。だから、現状はこういうことはできるんではないかというところは、もう少し緩めてもいいところもあるんではないかということですね。それで、マスクの着用については、飛沫感染とエアロゾル感染、これまでの長い知見からこの2つが恐らく中心であります。
それで、これが起こっているかどうかを考えればいいわけでありまして、鳥取県は特に人口密度がそんなに高くありません。したがいまして、例えば外を歩くとき、この絵にありますように一定の距離を保ってあればこのマスクというのは外してもいいということをあえて私どもも申し上げたいと思います。これから熱中症の季節になってくるんですね。それで、熱中症の季節の中で、例えばビニールハウスの中でも一生懸命マスクをされるというのは、熱中症のリスクが今度高まるということもあります。ですから、賢くマスクの使い方を考えていただく。ただ、マスクは非常に重要であります。ですから、飛沫の拡散を防ぐために正しく着用するということをまずお願いをしたいんですが、屋外で一定のディスタンスがとれる場合は外しても結構ですと。ただ、屋外でも例えば人ごみのようなところは、これは感染のリスクが出てきますので、そうしたところではマスクの着用をお願いをしたいと思いますし、例えば知り合いと出会ってお話をしようというときには、近づくときには飛沫が飛ぶ距離になりますので、マスクを着用する。それが鳥取県なりのエチケットというふうにお考えをいただいて合理的にマスクを着用するということを考えてはどうだろうかということです。
●知事
同じようなことで、感染防御型Withコロナという頭で考えてみますと、従来のガイドラインに入ったものは見直せるところは見直していこうと思います。イベントについては連休にもイベントがありますので連休前に見直しをし、それ以外については連休明けに順次ガイドラインの改訂をしていこうと思います。それで、専門の方の御意見なども聞きながらやっていこうと。例えば飲食のところでガイドライン、大皿やビュッフェでの料理提供は控えてくださいとお願いをしているんです。これは国全体の問題でもありますが、ただ、これまでの実務から言えば手袋やマスクをきちんと着用してお客様がいていただくと。それで、トングも専用のものを準備をする等によって提供することが接触感染や飛沫感染を防ぐことになりますので、こういうことをすれば可能ではないか。
それから、一時期非常に問題になりましたハンドドライヤー、これについてもエビデンスがないのではないかと思われます。したがいまして、定期的な清掃、消毒で使用してもいいということにしてはどうだろうか。また、例えば宿泊施設などで、ガイドラインに入っているんですが、エレベーターの利用では複数グループの同乗は控えてくださいとなっていますけども、マスクを着用することで会話を控えることで複数グループの同乗も可能にすると。先ほど申し上げましたマスクのことも含めてガイドラインの見直しということをして、感染を防御しながらのWithコロナ、これにふさわしいガイドラインを考えてはどうかということです。
●知事
それから高齢者施設とか医療機関、残念ながらまだ感染が続いています。それでPCR検査[等への支援]につきましては、その5月末までもう一度延長させていただいて徹底をしていただくということを応援したいと思います。それから専門家を派遣して、それでクラスターの発生に対処する。それで、また、発生事案の最近の状況から、やはり職員から病院に持ち込まれるというケースがほとんどです。患者さんは割と面会もできない状態になっておりますので、そうするとやっぱり職員ということが大きいと。それで、今日[4月21日]また通知をさせていただきまして、PCR検査をするなどして、職員の体調不良、これをぜひ管理していただきたいということですね。
それから、そのほかにも例えば出入りの業者さんだとか、ゾーニングだとか徹底を図っていただきたいということです。それで、こうしたことの情報が入った研修動画を今日[4月21日]からネット配信をさせていただこうと考えております。
●知事
それから先ほど申しましたように、やはりワクチン接種が非常に重要なので、特にゴールデンウイークはお時間もあると思います。それで、このゴールデンウイークを利用してお子様や若い方々のワクチン接種をぜひお願いをしたいと思います。そこで、「GWみんなで接種!」キャンペーンというのをさせていただこうと。
それで、1つは御家族連れや御友人など、2人以上で接種をしていただくと、例えば県営接種会場等でプレゼントをさせていただきたいと。例えば、福祉施設の作ったお菓子であるとか、そういうものを差し上げようと。また、それ以外の方につきましても鳥取県のグッズ、例えばカニのボールペンだとか、そうしたものをプレゼントしようと。それで、ぜひこのゴールデンウイーク、そういう意味でみんなで地域を応援し、健康づくりをみんなでやろうということに御賛同いただいて、来ていただける方々にこのワクチン接種の応援のキャンペーンをさせていただきたいと思います。それで、こうしたことも含めて学校等とも連携をしながら、御案内をさせていただこうと考えております。
また、ノババックスのワクチンにつきまして、このたび国の厚生科学審議会のほうの結論が出てきました。それで、これについては5月下旬、集団接種会場を県営で行うということで対処したいと思っております。
●知事
それから無料検査につきましても、今ここで終了するはずだったんですが、5月の末まで無料検査も拡大します。そしてゴールデンウイークの期間中におきましては、いろいろと往来もあると思います。そういう意味で各圏域での拠点的検査所を1日370件から640件に拡大をしまして、場所も事業者の皆さんと連携をして確保を進めてまいりたいと思います。
●知事
それからゴールデンウイークの期間中は県庁のほうでも特別な体制を取らさせていただき、各種の相談窓口、新型コロナのこと、あるいは家族の御相談など、開設をさせていただきます。それから保健所の応援機能につきましても300人体制を維持させていただきますが、全体としては感染防止対策に協力する意味で、職場の出勤職員は削減をし、ハートホット・クールビズ、これは5月1日から地球温暖化対策でスタートしますが、これで例えば県庁の電気代を節約できるとかいうこともありますので、これと趣旨合わせて、ゴールデンウイーク中は特別体制を取らさせていただきたいと思います。
●知事
それから、先ほど申しましたように事業者の皆さんの支援を行うなどして感染防御型のWithコロナでの支援ということを連休明けから、また強化をしてみてはどうかということです。1つには新型コロナ[安心対策認証店]の認証店で、この応援キャンペーンとして25%のプレミアム付きのお食事クーポン、この販売を行おうと。それで、それから安心対策エリア版の、つまり協定を結びまして、この地域は安全ですよ。それで、そういうことをお互いに注意をし合って地域丸ごとで、コロナ対策の進んでいる、そういう地域をつくっていくと。それで、こういうことに御賛同いただいた団体等につきましては43%、3,500円で5,000円という高率のクーポン付きの食事券、この販売をスタートをしようと。
それから#WeLove山陰キャンペーンや、スペシャル・ウェルカニキャンペーンというのがありますが、協議の整ったところにつきましては、ゴールデンウイーク明けから中国・四国地域で対象拡充をしていこうと。具体的には、今、例えば四国の各県、それから山口県とはほぼ協議は整ってきております。したがいまして、そうした協議の調うところからスタートをさせていただこうと。ただ、もちろん感染状況を見ながら、レベル3に行くであるとか、感染状況が非常に心配だというときに無理にスタートするものではありませんが、その感染状況を見ながら連休明けから、こうした感染防御をみんなでやる。事業者や観光施設も協力をしていただきながら進めていこうという、そういうWithコロナの事業者支援、これを開始をしたいと思います。
それからオミクロン株の影響対策緊急応援金、これも、今、好調でして約13億円に達しています。非常に、これ、鳥取市と米子市でも県の支援金にさらに上乗せをしてくださった事業がスタートしたこともありまして、最近はずみがついて、これも伸びています。こうしたことも含めた事業者支援、拡充強化をしていきたいと思います。
●知事
それから、これはコロナ以外の話題にこれから入りますが、ナショナルサイクルルート(ソフト・ハードの両面から一定の基準を満たすサイクルルートを国が指定し、国内外にPRを行う制度)の指定をしようということが関係者で機運が高まっています。これは国の認定を取らなければいけません。そのためには県内候補ルートをつくらなければいけません。それで4月の27日に、来週、関係者集まりまして、[鳥取県サイクルツーリズム推進の]連携会議を開くことにいたしております。そこで提案をしようと、今、考えておりますのは、JR東浜とJR境港の駅、これを結ぶ全長138キロに及びます、この鳥取うみなみロード、これを基軸としたルート案、これを検討に入ってはどうだろうか。こういうことで候補として示させていただきたいと思います。それで採択をされれば、まだこれ国のほうは募集をしてない状況でありますので、我々はその募集始まる前に準備をしていくということでありますので、例えば、路面標示であるとか、そうしたことの準備を全線に渡ってスタートしていこうと、それで、令和6年度以降には次期NCR、ナショナルサイクルルートを目指せるように新年度中、来年度中にも路面標示を大体こう整備できる、そういうことを目指して着手していきたいと思います。
●知事
それから、このたび、昨日(4月20日)、観光庁の第2のふるさとづくりプロジェクトのモデル実証事業、これ、10倍の難関だったんですが、鳥取県の「はじめまして&おかえり鳥取プロジェクト」が採択をされました。ぜひこれを今後、感染防御型Withコロナの新しい時代の中で活用できないかなと思っております。それで、1つはボランティア観光など、新しい観光コンテンツ、これをつくる事業、それからもう1つは、ここにスナバ国のパスポートというのがありますが、スナバ国の国民になりませんかと幅広く募りまして、それで、いろんな方々、関心のある方に登録をしていただいてパスポートを発行すると、それで、そうすると様々な特典がもらえますと、それで、これを通じていわば顧客データというものを本県の観光振興の中で活用できるようになる、こういう事業をしてリピーターを我々としても増やしていくという、そういうコンセプトであります。関係のいろんな企業にも入っていただきまして、システム運営とか、そういうことに当たっていただこうというものです。
●知事
それから、一部報道が始まりましたけれども、ニッポン高度紙工業[株式会社]さんという企業さんがあります。これ、高知県の企業、もともと本社の企業です。それで、先般、(4月)14日に[近森俊二]社長さんが、近森社長お見えになりまして、直接お話をいたしました。それで、米子工場があるんですが、そこで80億円、設備投資を行おうということを、お考えを示されたところであります。今30人規模の雇用増を予定をしておられるところでございまして、県のほうでは最大10億円の産業成長応援補助金、これを適用できると考えております。何をやっている企業さんかというと、コンデンサがありますが、その中にセパレータ、間を区切る、これ、紙なんですね、その特殊な紙を作っている企業さんです。
それで、さらに最近、ここに新たに高付加価値な製品とありますが、EV、電気自動車でこうしたセパレータを使う、リチウム電池だとか、そうしたものの需要があります。それから、高知県の企業さんでありますので、やはり地震等のリスク分散ということもあって、もともと平成24年に米子工場を開かれました。国内シェア95%の非常に優良な企業さんですが、これを今年中の着工を目指していこうということにされておりまして、私どもも人材面だとか、資金面で支援をしてまいりたいと考えております。
●知事
それから、後継ぎを募集する事業承継ですね、これ、オープン型で行おうという初めての試み、都道府県レベルでは、それをやろうということで今日、ホームページを開設をいたします。それで、これのホームページにまずは今日から県内の事業者、後継者が欲しいという事業者の登録ができるようになります。また、今度、こういう全国から募集に応じるよう、これも7月から公募を始めようということであります。それで、連休明けには具体的な説明会をしようと考えております。
●知事
そのようなことでありまして、これから、連休の季節を迎えることになります。この週末、明日(4月21日)から鳥取県の岩美町がもともと舞台ではないかというか、参考地だというふうに言われておりますスピード(Free!)のthe Final Stroke後編が封切られることになります。ぜひ、ゆかりの地もたくさんありますので、また、県民の皆さんやあるいは県外の方も感染注意しながらお越しをいただいて御覧いただくいい機会になるのではないかなというふうに思います。また、今週末には境港[市]の仲卸市場、魚介類の直売がなされるところ(境港水産物直売センター)がオープンをすることになります。来週の27日には鳥取SANDBOXというワーケーションの施設も開業します。続々とこの連休前から息吹が上がるところでございまして、ぜひ元気な鳥取県、感染対策に気をつけながら、感染防御型ではありますが、Withコロナとして、私ども全国では最も感染を抑えてきたという実績と現状がございますので、それを大切にしながら、活力というものも求めてまいりたいと思います。
ただ、熱中症の季節に入ってきますので、くれぐれも熱中症には気をつけられて、水分補給とか、休息だとか心がけていただきながら連休をお楽しみいただきたいと思います。私のほうからは以上です。
○NHK 長山 尚史 記者
ありがとうございました。質疑に入る前に資料の修正が入るということでお願いいたします。
○日本海新聞 濱田匡史 記者
すいません。日本海新聞濱田です。知事、感染防御型Withコロナについてお伺いします。これまでどっちかっていうといろんなガイドラインを作ったり、鳥取県としては感染が広がらないような、言ったら少し人の動きを制限するような対策が多かったと思います。それで、今回、これまでの知見を生かして、今の判断できる中で緩めれるものは緩めていこうということで、多分ちょっと今までとスタイルが変わったことになると思うんですけども、これをもって全面的に各種の規制を緩和していくというわけではないんですけれども、Withコロナに向けて鳥取県としてもう舵を切るという御判断でよろしいですか。
●知事
ここは非常に表現の難しいところで、皆さんは言葉の専門家なので御協力をいただきたいと思うんですが、一般に言われているWithコロナっていうのは、ネットをはじめとして、もう感染対策は必要ないという文脈で用いられます。ただ、私どもが目指したいのは感染防御型のWithコロナ、鳥取タイプであります。それで、鳥取県は幸いにして住民の皆さんや事業者の皆様の御協力が得られてきた地域であり、多分多くの方々は感染を抑えているというプライドを持って生活をされています。
それで、そうであれば一定程度、こういうオミクロン株相手であっても、BA.2相手であっても一定程度は抑えられると、例えばこういうことは危険なケースだよね、そういうとこに近づかないようにしましょうというのは結構頭に入っておられます。それで、そうであれば例えばマスクのつけ方なども屋外、これだけ伸び伸びとしていますので、広い空間ではマスクを外すっていうことも熱中症対策もありますので考えていただくっていうことも呼びかけてもいいんではないだろうか、それで、発想の転換をそろそろする必要がある。それで、観光のほうとか、飲食なども含めて、お客さんがいないという状態が好ましいわけでは全くありませんので、感染を起こさないことが注意事項であります。それで、感染を起こさずにそれで楽しめばいいわけです。それで、その知恵と懸命さというのは県民の皆様は持っておられるのではないかと我々思っております。
ですから、感染対策はぜひ続けていただきたいと、それで、むしろ先ほど申しましたように、米子(県西部)ではBA.2が8割という非常に厳しい状況になってきておりまして、感染も拡大していきかねない状況であります。ですから、感染対策を徹底するということをやることで私たちの雇用だとか、社会を守っていくことにもなりますので、その辺をぜひ御留意をいただきながら、我々としてはWithコロナに舵を切るというか、Withコロナを容認した社会づくりということで考えていくべきではないかと思います。
恐らくこれから政府の分科会だとか、あるいは政府においてもいろんな議論がこれから始まるんだと思いますが、そのちょっと先頭を切るような形で感染が比較的抑えられている鳥取県だからこそ、こういう提案を呼びかけてもよいのではないかと考えております。
○日本海新聞 濱田匡史 記者
すいません。今のお話ですと、じゃあ、守りというよりはむしろその感染対策を徹底することで攻めに転じようというような意味合いですね、社会経済回すために。それで、知事もう1点ですけども、せっかくお示しいただいたマスクの着用のルールなんですけど、屋外で一定のディスタンスが取れる場合というふうに我々も報道しても、県民がじゃあ、それどれぐらいっていう、何メートルぐらいっていうのがもし今、発表するのが可能であれば、大体屋外であればこれぐらいあったら大丈夫だよっていう指標をお示しいただいたほうが報道しやすいかなと思います。
●知事
昨日も県内の関係者が集まりましたけれども、鳥取和牛1頭分というふうに考えていただければと思います。大体2メーターぐらい離れていれば通常動きません。ただ、例えば、細かいこというと風向きで、風上から風下にそれは流れることがあるなど、要は飛沫の動きを感じていただければと思います。特に周りに人がいるときは、やはりお着けになっていただいたほうが適切だと考えておりまして、人ごみですとか、あるいはわざわざ人と話すときにマスク外される方もいらっしゃいますが、それ逆でありまして、人と話すときはマスクをするということを心がけていただきたいと思います。
○山陰放送 日野彰紀 記者
BSSの日野です。感染防御型Withコロナの中では、県外とのその往来についてはあえて自粛などは求めないというお考えでした。一方、お隣の島根県は自粛を求めるという考えを昨日、表されています。今の感染拡大防止のためには往来を自粛するべきという考え方もあるのも事実であります。あえて県外とのその往来について自粛を求めないということについて、もう少し詳しく御説明願えますでしょうか。
●知事
感染のパターンというのは大体見えております。往来自体だけではないんですね。往来がなければ全部なくなりますから、それは1つの強力な手段かもしれませんが、往来した上で、例えば向こうにいる御家族や御友人と親しくこう会食をする、そのときにマスクを外されるときがある、それで、長時間になるということが往々にして見られます。それから観光旅行がこれから実際ゴールデンウイーク多いと思うんですが、観光旅行がきっかけで、それで感染が県内で広がったという例はありません。これ2年間やっていてありません。それはやはり地元が結構防御しているからなんですね。
それで、ただ、逆に観光でない形、例えば帰省をされるとか、お友達に会いに来られるとか、そういうときに、実は広がるんです。これ、不思議な現象なんですけども、多分、観光というのは行くほうも身構えるんだと思うんですね。それで、やはりそういう意味で、今、昔のようにはっちゃけた旅っていうのは、かえって減ってて、家族やそういう中心の旅になってまして、個人旅行中心になっていると。そういうところでは、むしろ皆さん感染しないように気をつけるので、それは自然と感染を広げないことにもつながるわけです。ただ、御友人同士だとか、御家族ですと久しぶりに集まった。それで懐かしいので、つい心を許して昔のようにやる。そうすると、コロナ前の状態で、ニューノーマルではなくなりますので、それで感染が広がるということですね。
それで、要は、そういうふうなやり方の問題ではないだろうかということです。そういう意味で、県外往来等の際には3密を避けるとか、それから、ちょっとここは危険な感染リスクがあるなというところは避けていただくとか、それから本県の場合は、検査能力はありますので、無料検査も拡大をします、このゴールデンウイーク期間中。それで、そういうことで、積極的に検査を受けていただき、早めにそれがもし感染していれば早めに抑えることで、そのあとオミクロン株のBA.2、一気に広がりますから、それを止めることができます。そういう意味で御協力をいただくっていうようなことを知恵としてやっていただいたらどうかと思います。そうすれば、往来自体、例えば絶対あの人に会うなということではなくて、会ってもいいけど相手も大切にしようねっていうことを皆さんで心の中で強く思っていただきたいということであります。
○NHK 長山 尚史 記者
NHK長山と申します。よろしくお願いします。ちょっと話が戻ってしまうんですけれども、BA.2についてお伺いします。感染力が強いというふうにされてるわけですけれども、ちょっとなかなか県民の方からしても、どれくらい強いのかとか、その辺りをどういうふうに受け止めればいいのか分からないっていうふうなお声もあるかと思います。このBA.2が本格検査で6割を占めるということで、これ鳥取県内だったらどういうことを意味するのか、どういうふうに受け止めていらっしゃるかお願いいたします。
●知事
このBA.2が、この半分以上になったっていうことですから、今まで鳥取県はほかの割と多分、西日本そうだったと思います。BA.1.1という特殊な[変異]株の戦線地域だと思ってます。が、けど、BA.1.1が結構強いんですね、結構強いです。それで、恐らくBA.2とそんなに変わらないぐらい感染力があったのかもしれないなとも思います。ですから、例えば、関東だとかに比べて遅かったじゃないかなと思います。ただ、徐々に入れ替わってきてて、それが実はこの波を起こすのと多分関係してるんじゃないかと思われるんですね。それで、我々ここで、この辺で大体調べたんですね、[BA.2系統疑いの割合が]4割ぐらいってやつを。それで、それが今、この段階で今、6割で、東[部]中[部]、そのサンプルが少なかったですから。それで、特に西部のサンプルが上がってきたら8割だったということが今回分かったわけですね。
それで、それはもう、圧倒的にBA.2に置き換わってきてるということです。それで、新しい株に置き換わりますと、そこで急速に感染が広がる傾向があります。それで、その新しい株が広がっていくことで、それで占有率が高くなってくるんですね。それで、それを現象的には置き換わりというふうにメディアも考えておられますけども、実は絶対数の問題で、そのBA.2が、がーっと広がると。それで、これが押し上げるという効果がある。それが非常に危なっかしいわけですね。今、そういうちょっと不安定な今、状況にあると。それで、この時期というのは、実はデルタ株から置き換わっていったときです。
それで、最初の日に2件のうちの半分がオミクロン株であったということなんですね。それで、このオミクロン株が今こんななっちゃってると。この最初のうちはデルタ株が圧倒的だったのがオミクロン株に入れ替わったらこういうふうに伸びていったと。それで、それはやはり広がりの力が強いということです。正直申し上げて、従来のBA.1とBA.2と本県でどれほど違いがあるかというのは、まだ計測できません。計測できませんが、中部も例えば、今6割ぐらい行ってるんですね。ここも行ったり来たりを繰り返していると。だから、上手に感染防御を県民の皆様や事業者もやられる。それで、我々行政側では、鳥取方式で囲い込むことで強力な防御対策を行う。これらを組み合わせていくことで、中部のように制御することは不可能ではないということも分かるところなんですね。
ですから、過度に恐れる必要はないんですが、ただ、何も対策をしないというのは危険であるというふうにお考えをいただきたいと思います。
○山陰中央テレビ 松尾 直明 記者
TSKの松尾です。よろしくお願いします。ゴールデンウイーク期間にかけてですけども、感染者の増加をどの程度に食い止めたいかという、目標ですとか見立てを教えていただけますと幸いです。
●知事
私どもとしては、ここにちょっと書いてませんが、やはり最終的には医療体制、逼迫体制、それで、これは全国でも最低レベルでベッド使用率ということになっています。ですから、大いにそこのところの余裕はあるわけですね。ですから、ある程度こうせり上がっても耐える力は当面はあるというふうに思っています。それからBA.2もやはりオミクロン株の一種でありまして、それまでのデルタ株までの系統、いわゆる[中国]武漢[市]系統とは一線を画すウイルスなんです。ですから違った病気ではないけども、違った病気という側面もあるということでありまして、このオミクロン系統の場合はやはり在宅療養などが主流になり得るだろうと。今、BA.2でも実際患者さん出てますけども、タイプとしてはそう大きく変わっているわけではないと思ってます。
したがいまして、医療的には持つのであれば他県がやってるように、そこは抑え、そこをコントロールしていけばいいというのが最後の一線ですね。それで、我々のその目標としてはこうやって一進一退をずっとこれ2回目の波を潜った後、こう繰り返してるんですが、こういう一進一退を繰り返さざるを得ない状況がオミクロン株の場合あると思うんですけど、それで、この一進一退の中でとどまることを目標にしたいと思っています。
それでただ、最終的にこれがこうやって突き抜けてきて、それで医療逼迫ということになれば、連休明けにいろいろやれるんじゃないかと期待していることもできなくなるかもしれません。そういう意味でこの連休中も、ぜひ県民の皆様にも御協力をいただいて感染レベルを上げないように、一緒にコントロールしていけるようにお願いを申し上げたいと思います。
○日本海新聞 竹久祐樹 記者
日本海新聞の竹久と申します。今日の会見の内容とは少し異なりますが、コロナに関連してです。島根県の丸山知事が松江市の対応について痛烈に批判をされて松江市問題になっているというふうな御発言がありました。かねて1月には鳥取県で平井知事が米子市の対応について米子問題というふうな御発言がありまして、ちょっと似たような話かなというふうに思うんですが、この丸山知事の御発言、どういうふうにコロナを抑えていくか、なかなか自治体、広域自治体と基礎自治体との連携も含めて、どういうふうに考えられているか、昨日の御発言についての感想があればちょっとお聞かせいただければと思います。
●知事
まず、ちょっとお断りをしますが、実は丸山[達也島根県]知事とここ数日はあんまりちょっと話しておりませんで、今回の発言の背景はよく分かりません。以前ほとんど米子問題と申し上げたのは、ここのちょっとレベルを見ていただけばお分かりいただけるんですが、圧倒的にここで米子が増えたんですね。それで多いときには西部の147人という新規感染者、今日は多いとはいえ85[人]ですから、全然レベルが違うわけです。それで、こういうようにいく中で、何とかこの米子を抑えようと思ったときに、やっぱり子どもたちを守るというそういうオミクロン株の特性に応じた対策が必要だろうと。それで、これについて米子市のほうに御理解を求めたところであります。その後、[伊木隆司米子]市長のほうでも御協力をいただきましてこのように下がってきたということにカーブは変わったわけですね。
それで、今回ちょっと松江市問題とおっしゃった主旨は分かりませんが、恐らく松江市内での感染が多いという現象面をおっしゃったということではないかなと思います。感染対策は市町村と都道府県、あるいは国も含めてお互いにそれぞれが連携協力しながらやっていかなきゃいけないところでありまして、私どももそうしたことを心がけておりますが、島根県においても当然そういう発想で協議をされているんだと思います。そういう中で、いろいろと議論があるのかなというふうに受け止めさせていただきましたが、ちょっと丸山さんの心象風景については、最近、ここ数日話をしてないので分かりかねるところであります。
ただ、島根県と鳥取県とは非常に近接していますし、松江は私どもの県西部と動きがございますので、お互いに。ですから、やはり一体となって島根、鳥取両県でも協力しながらこのBA.2が今、あちらも広がっていますので抑え込みに協力してまいりたいと思っております。
○朝日新聞 石川和彦 記者
朝日新聞石川です。コロナの関係の事業所支援のクーポン券についてお尋ねしたいんですが、今年、以前もクーポン券の発行はあったと思います。それで、今年の1月、2月辺りですと新規感染者が増えたり、あるいは多かったりして結局購入したけれども、もう行けなくなったということでクーポン券は使えなかったという方の話を聞いたことがあります。それで、また、クーポン券を発行するということについて、これは結構これで利用が増えるんではないかというような期待はお持ちなんでしょうか。併せてこのクーポン券も大事ですけど、やはり上に立つ人が1人ならば行ってもいいよとか、認証店でお客さんが好きな時間帯なら行ってもいいよというようなシグナルというんでしょうか、外に出てもいいというようなことを容認する。そういう姿勢を見せることも大事ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
●知事
石川さんのほうでおっしゃったのと、多分鳥取県が今まで歩んできたのと、若干違いがあるかもしれません。よく全国で言われるクーポン券、それで、これ国のほうのGoToEatでありまして、実はGoToEatは、我々は感染状況が比較的よかったもんですからずっとやってまして、それで、GoToEatをやっていてそれを言わば使い切って終わっています。それで、それ消費者の皆さんも、それは途中で、ここで今日でやめということはやっていませんので、最終的には使ってやっておられると。それで、地元の新聞社も実はこのGoToEatに協力をしていただいてたっていう経緯がありまして、広報もしっかりやりながら、いわば使い切りをしているということであります。それで、その後、鳥取県はそれ、国の枠を、国の事業を使い切ってしまって、どうしようかということになったんですが、やはり感染を引き起こさないような、そういう方策を考えていこうということで、我々、考えてきているわけです。それで、特徴的なのは、ああいうふうに、例えばJTBの関連会社が発行するとかそういうものではなくて、これ、お店で発行するんですね。それで、お店が実は、これだけクーポン券発行できますよという枠を持っていて、このお店で使えますというようなそういうクーポン券であります。
それで、それを、そうすると、[新型コロナ安心対策]認証店でコントロールできるわけですね。それで、その認証店で使うということですので、感染対策が取れたお店を使っていただくと。それで、私どもの認証店制度はちょっとよその県と若干違うかもしれませんが、クラスターが発生すると認証店取り消しになります。ですから、その辺はお店側とお客様の御協力の中で適切に運営していただければ、このクーポン券というものを使っていくことができるというような設計になっています。
それで、実は前回も同じようなことをやった時期があるんですが、そのときは5,000円のクーポン券だけだったんですけど、例えばうどん屋さんだとか、5,000円使うの大変なんですよね。それで今回、2,500円券というものを作ろうと。だから4,000円で5,000円使える、2,000円で2,500円使えるというようなこともクーポン券としては結構ですよと、こういうようなことで今回、制度設定をしようと思っております。それであと、もう1つ、これ、多分よその県にない特徴的なものだと思うんですが、私ども、安心安全観光・飲食エリアという制度を持っています。それで、この制度というのは、安心安全だということでお店同士が協定を結ぶんですね。それで、それに我々の市町村、地元市町村だとかも入りまして、県も入って、それで、みんなで守っていこうと。例えば定期的にお店の検査入りますよとか、そうしたことをやる特殊なエリアを、安心エリアというのをつくろうと。
それで今回、この安心対策のエリアについては、ここは相互監視をしているところです、お店同士が。そこで割増しの43%プレミアムというのをやろうと。要は、これによって、ちゃんと対策のしっかりしたところはそうした特典を受けられますよという制度にしてあって、それで同じように認証店というのは取消制度もありますので、そういう意味で、もし感染が広がりそうなときは止める手立てというのも、実は内在しています。それで、制度の設計は詳細これから詰めていきたいと思いますが、ある意味お客様にとっても使いやすい、それから同時に先ほど申しました感染防御型のWithコロナという考え方で、感染防御という意味でも効果のある、そういう制度にできればなと思っております。詳細についてはこの連休の間、感染状況を見て詰めていきたいと思っています。
○山陰中央新報 藤井俊行 記者
山陰中央新報の藤井です。すいません。そのページにある、今、感染状況を見ながら連休明けから開始ということで、事業者支援の拡充ということなんですけども、何か先ほど詳細はこれからということですが、規模感とか財源とかというのはどのように考えておられますでしょうか。
●知事
そのような時期、例えば何月までとかも含めて、ちょっとそこはもう少し、まだ一月先でありますので、ちょっと詰めてみる必要があるだろうと思っています。その間に感染状況がどうなるかっていうことを見なきゃいけません。ただ、この#WeLove山陰[キャンペーン]やスペシャルウェルカニ[キャンペーン]については、これは5月31日という今、国の制度の縛りがありますので、その範囲内ということになろうかと思っております。それで、私どもとしては促進策でありますから、一定の規模感でやっていくことにして、それだけの準備、これはコロナ対策の[新型コロナウイルス感染症緊急事態対策]調整費も含めて年度を通じて持ってますので、対応可能ではないかと思っております。
ただ、まだ感染防御型のWithコロナっていうコンセプトをぜひ県民の皆さんと一緒につくっていきたい、事業者とつくっていきたいと思っているんですが、それの状況にもよると思うんですね。なかなかやってみても難しいとなると、やはり一定の感染レベルで即刻止めるとかということも考えなければいけないかもしれません。ちょっとここは、まだ連休明けまで、今、BA.2がほぼ優位に立ってきまして、それで識者の言うところではこの連休明けぐらいにはBA.2が独占状態になるだろうと全国的に言われていますので、もう少し感染の状況は見たいと思いますが、ただ、感染防御に御協力いただく店舗等中心としたものは連休明けスタート可能ではないかと、我々としては期待をしておりまして、感染状況を見ながら最終的には検討をしたいということであります。詳細につきましては、また連休挟んで、我々としても関係者とも話をして固めてまいりたいと思っています。
○日本経済新聞 毛塚正夫 記者
日本経済新聞毛塚でございます。事業承継のこのとっとり×後継ぎリノベータープロジェクトをお尋ねしますが、この後継ぎ企業家を全国から募集するということは、移住定住の施策とも関連してくる話になってくるかと思いますが、その辺の狙い目と、もう1つは、この事業承継というのは金融機関もM&A仲介ですとか、いろんな事業として、サービスとしてやってること、コンサルティングの一環としてやっていますが、その辺とのすみ分けっていうことについて、どのようにお考えでしょうか。
●知事
これにつきましては、実は私ども事業承継、事業のマリアージュ[相性の良い組み合わせ]といいますか、成立件数もここ最近増やしてきております。それで、そういう意味で、まだちょっと足りないのが特に中山間地であると。それで、言わば商工会議所か商工会かっていうと商工会の連合会のほうのエリアのてこ入れが必要かなと。それでこれは実はモデル事業で、そちらのほうの事業、別途、これは組ませていただいています。ですが、これはちょっと新しいコンセプトなんですけども、今おっしゃるように人的なネットワークないしビジネスのネットワークの中で探すのではなくて、ネット上でオープンリソースとして提供させていただいて、広く公募をするというやり方を都道府県で初めてやってみようということであります。
それで、これについては、もちろん関係の、金融があるなら金融機関などとも協議をしながら、事業者がエントリーをしてくるということになります。今、既にそのエントリーとして考えられている、例えば中山間地の飲食店だとか、そういうものなど、今、例えば候補として打診が来ているわけですね。それで、そういうところに、じゃ、そのお店でやってみたいなっていうのが例えば大阪におられるかもしれないと。それで、普段だと出会う機会ないですけども、こうやってオープンなネット上の募集をかけることで、そのマッチングができるかもしれないというふうに期待をいたしております。それで、従来どおりの事業承継のシステムはその支援のネットワークをつくって、これはこれで進めていきます。それで、それとは別のチャンネルを用意をして多様なそういう事業承継の在り方というのも模索していきたいと思っています。それで、私どももちょっとした成功体験がありましたのは副業っていうことを始めたんですね。それでこの副業で、鳥取で週1副社長というキャッチフレーズでここ数年やっているんですが、昨年度は3,000人の応募になりました。それでやはりネットを活用して募集をすると圧倒的に数が変わってくるんですね。それで、こういうお店だけどどう、やってみませんかって言ったらそれにやっぱり心に響く人っていうのは全国にもいらっしゃるんではないかと思います。
そうすると我々の人的ネットワークやビジネスネットワークの中で探していたけど見つからなかった、そんなような場合でも場合によってはやってみようという人が出て、そのお店の例えば雇用関係だとか、のれんは守られることになるのではないかと思います。そういう意味で、ウイン・ウインの関係をつくることはネット環境を活用することで、また1つ可能になるんじゃないかなと思っております。
○共同通信 稲本康平 記者
共同通信の稲本と申します。すいません。デジタル推進事業についてちょっとお伺いしたいと思います。これは政府のDigi田(デジでん)甲子園が旗振りとなって進んだものだと承知していますが、事業において何を重視されているのかということをお聞きしたいと思います。このスライドを見ますとプロジェクト、項目のところがたくさん様々あって何でもやっていきたいというような印象も受けますが、項目の中には地域色の濃いものや地域色がほとんどないもの様々あると思いますが、鳥取発でやるのであればもっと事業からというよりは地域の側面からやる事業っていうのを選んでいけばいいかなとも思ったりもするんですけれども、知事はどういうお考えでこの事業をやりたいと思われてますでしょか。
●知事
ここに書いておりますのは県が関与して、まず先導的にやってみようというリ-ディングプロジェクトでございます。それで、これ以外にもいろいろとそうしたDigi田(デジでん)甲子園に出てくるような各地の提案レベルのものやアイデアレベルのものも、実践レベルのものも大いに歓迎をしたいというふうに思っています。それで、まだ実はデジタル田園都市と言われてもピンとこないんですね。それは多くの方々はそうだと思います。それで、岸田[文雄内閣]総理[大臣]の提唱された政策に我々も共鳴するんですけど、まずは実例をつくってみなきゃいけんなということだと思っています。
それで、先般東京のほうでも3大臣と我々[地方]6団体で協議をさせていただきましたが、大臣の皆さんもおっしゃるのは、やっぱり幾つか先導事例があってそれを横展開していくと、これを考えていこうと。それで例えば若宮[健嗣デジタル田園都市国家構想担当]大臣とかのほうでは事例集っていうものを、何か電話帳みたいに何かつくる予定があるんだそうでありまして、こういうものをまた見て、それをまた人材育成やらその事業指導につなげてもらいたいっていうようお話もありました。
それでまだ多分これ地方創生だとかっていうのはそういうものでありまして、何かこう網羅的にどの市町村もきれいに全部できなきゃいけないとか、どの業態でもできなきゃいけないということをやりますと多分資源が分散されてしまって、なかなか先導的な効果のある事業っていうのにつながってこないのではないかと思います。先般、県庁の中でも議論をさせていただきまして、やはりCIO補佐官のお考えなどもいろいろと入れていきますと、例えばここに書いてあるものなどを、まずは先導的事業として今年度思い切ってやってみましょうということにさせていただいているものでございまして、これ以外を切り捨てるとかいうものでもございません。いいアイデアがあれば、またこれからもどんどんやっていきたいと思いますし、Digi田(デジでん)甲子園自体は市町村が主体になりますが、市町村のそうした取組を我々も応援していきたいと思っています。
◯日本海新聞 竹久祐樹 記者
日本海新聞の竹久と申します。JRのローカル線の問題についてお伺いをいたします。滋賀県で交通税ということについてこの三日月知事が、今、検討しているというところで、税制審議会が昨日交通税導入を求める答申を知事に提出をされました。これ導入されれば全国で例がないということで、向こうの知事は速ければ2024年度までの導入を目指したいという報道があります。それで鳥取県の場合は森林をみんなで守り育てようということで、そうした森林環境税でしたかね、これについても導入されました。それで公共交通についてもいろいろ考え方はあるかと思いますが、やはり乗る人、乗らない人関わらず、みんなで守っていくということが必要だろうと思うんですが、この交通税についての議論について知事どのようにお考えでしょか。
●知事
三日月[大造滋賀県]知事いろいろ熟慮された上で、有識者の会議を基に発言をされていると思いますので、そのことは評価をさせていただきたいと思います。それで、交通税は日本では初めてということかもしれませんけれども、諸外国ではそう珍しいことじゃありません。例えばこないだ、ちょっと発砲事件がありましたニューヨークの地下鉄などがあります。それで、これもMTAですかね、メトロポリタンというか、都市圏域、都市圏域の交通公社がありまして、その都市圏域の交通公社が運営をすると。それについては固定資産税に上乗せをしてその料金収入というものの欠損を賄うような仕組みになっているんですね。それで、これは例えばシカゴだとかいろんなところでもあるということです。
それで、そういうように地域の交通というものも地域の言わば便益なので、例えばその分、例えば鉄道が走っていれば地価が上がりますよね。それで、その地価が上がる分だけその税金も高くなるでありましょうけれども、その地価が上がることによるメリットをその住民の方も受けるわけで、それで、その住民の方がその交通の便益というものに対して、これを伸ばしていく、維持していくために税金を払うっていうのはシステムとして成立し得るものなんだろうと思います。
言わば受益と負担ということのその関係性というのは交通においても比較法的といいますか、海外での事例でもそれは多分立証済みなのだと思います。そういう意味で、今回の交通税構想というのは敬重に値するものではないかなというふうに評価をいたしたいと思います。じゃあ、本県でどうかといいますと、本県で今、例えば問題になっているところ、それは二区間でありまして、鳥取市岩美町のところのJRのものと、それからあと、智頭町内ということです。じゃあ、それを県税で税金取りますと。それで、例えばその因美線の便益、これを境港[市]の市民が県税として負担していただける合理性があるかというと多分受益と負担の関係性というのは成り立たないのではないかなと思うんですね。例えば智頭町がそうした税金をつくってここを守ろうと、便益は町内ぐらいには全域に及ぶでありましょうから、沿線の那岐の集落だけ課税するんではなくて全町で課税しましょうっていうことはあるかもしれませんけど、鳥取県全体で見て、じゃあ、その県税として税制が成り立ち得るかというと、これは森林環境保全税のような森林の便益が全県に及ぶのとはちょっと違うような気がいたします。
ですから都市的な地域では、ある程度あるかもしれませんが、私どものようなところで特に今、問題となっているああいう2つの路線のためにみたいなことで発想しようとしても、ちょっと交通税が本県として成り立たないのではないのかなというふうに直感的には思います。ただ、こうした議論をいろいろと重ねながら、どうやって地域の交通を守っていこうかっていうのはやはり議論しなきゃいけない時代に入り始めているというふうに考えております。
◯NHK 長山 尚史 記者
ほか、よろしいでしょうか。はい、なければこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。
●知事
どうも、ありがとうございました。