防災・危機管理情報


  多彩な海の幸に恵まれている日本。日々の食卓で魚料理をもっと気軽に楽しみませんか。
  県が誇る境漁港も、食の安心安全を守る最新施設にリニューアル。
  新鮮な魚介類を美味しく味わい、豊かな海と食文化を未来に引き継いでいきましょう。

地元で養殖された銀ざけを使った給食を食べる子どもたちの写真
地元で養殖された銀ざけを使った給食を食べる子どもたち。境港市では魚を活用した食育活動が行われている(境港市立わたり保育園)

豊かな海が育んだ文化

  日本は世界でも有数の豊かな海に囲まれています。鳥取県沖は、対馬暖流と日本海の冷水が混ざり合い、プランクトンや小魚が豊富に生息する好漁場。アジやサバ、松葉がにやハタハタなど、四季折々の魚が港を賑わせています。緑豊かな山々から栄養分が流れ込む沿岸では、ヒラメやサワラなどの漁が盛んに行われています。
  豊富な水産資源に恵まれた日本では、魚食が文化や精神性と深く結びつきながら発展してきました。鯛は縁起物の代表。鳥取の冬の味覚「子持ちカレイ」は子孫繁栄の象徴です。また、魚の傷みを防ぐ工夫からも多様な食文化が生まれました。智頭町に古くから伝わる「柿の葉寿司」は、柿の葉の防腐効果を使う山間地の知恵。特別な席で振る舞うおもてなし料理として、長く受け継がれてきた一品です。

海の恵み ふるさとの味

柿の葉寿司
柿の葉寿司の写真
塩マスの押し寿司。柿の葉に含まれるタンニンという成分が傷みを防ぐ

赤ガレイの子まぶり
赤ガレイの子まぶりの写真
刺身にゆでた卵巣をほぐして和えたもの。県東部の漁師町では正月に欠かせない

スルメの糀漬け
スルメの糀漬けの写真
海風で干して乾燥させたスルメイカを調味料と糀で漬け込んだもの。冬に備えた保存食として重宝

アゴのつみれ汁
アゴのつみれ汁の写真
アゴ(トビウオ)を包丁でたたき、すった身をつみれ汁に。アゴの風味豊かな夏の風物詩

魚料理 気軽に楽しんで

  魚料理が多くの人に愛されている一方、近年、若い世代を中心に「魚離れ」が進んでいます。一人当たりの消費量は2010年に肉類と逆転。現在はピーク時の6割程度に減少してしまいました。その原因の一つは、ライフスタイルの変化。忙しい現代人には調理に手間がかからず、簡単に食べられるものが好まれる傾向にあります。
  しかし魚料理は決して難しいものではありません。少しのコツと慣れで、刺身はもちろん、焼く・煮る・揚げる、和・洋・中と幅広いアレンジが可能。切り身や下処理済みの魚を使えば、調理のハードルもぐっと下がります。県では地魚を使った簡単なレシピ動画をウェブサイトで公開中。料理初心者もベテランも、もっと気軽に魚料理を楽しんでみませんか。

豊かな海と食文化を未来へ

  新鮮な魚介類の美味しさを存分に味わえる鳥取県。日本海側最大規模、全国6位の水揚げ量を誇る境漁港を有し、カニやハタハタなどは全国トップレベルの漁獲量です。夏に旬を迎えるのは、白イカや岩牡蠣、クロマグロやトビウオなど。地元ならではの鮮度抜群の味覚を、ぜひ味わってください。
  世界では魚介類の消費が大きく増加している中、漁業者は稚魚の育成や漁獲制限によって、水産資源の保護に取り組んでいます。地元の魚を積極的に選び、こうした漁業者を応援することは、豊かな海と食文化を守ることにもつながります。
  季節の食卓を彩り、私たちの健康を支えてくれる魚料理。美味しく食べて、日本と鳥取の豊かな食文化を次世代に伝えていきましょう。

淀江発! 日本一の寒鰆

淀江漁港 漁師
元木(もとき) (あきら)さん
元木輝さんの写真

  美保湾は、越冬に向けて栄養を溜め込んだサワラが集まる最高の漁場。漁師の元木輝さんが日本一のサワラを目指してブランド化に取り組んだのが「淀江がいな鰆」です。上品な風味と濃厚な旨味が魅力のサワラは、扱い方で差が出る繊細な魚。船上活け締め後に特別な処理を施し、厳しい基準で選抜される「淀江がいな鰆」は、最高品質の希少な寒鰆です。
  扱う漁師は高度な技術と知識の習得者に限定し、客観的な個体基準で品質を保証。ここまで徹底する産地は他にないからこそ、本物を知る全国の目利きから高く評価されています。元木さんも県漁協淀江支所の職員も「がいな鰆が淀江のサワラ全体の価値を引き上げている」と分析。漁師の経営改善につながっているほか、優れた技術や品質への評価には金銭以上の喜びがあるといいます。「市場のニーズに耳を傾け、魚の価値を高める工夫はまだまだできる」と語る元木さん。最高の魚を届けるため、漁業者もたゆまぬ進化を続けています。

淀江がいな鰆の写真
重量3キログラム以上、脂質含有量13%以上の基準を満たす「淀江がいな鰆」は、通常の4倍以上の額で取り引きされる。特別な処理によって1週間以上の鮮度維持が可能。シーズンには全国の名店から注文が相次ぐ

食卓にもっと魚料理を

鳥取県漁業協同組合 漁政指導課
山本(やまもと) 正志(まさし)さん
山本正志さんの写真

  鳥取県漁協で魚食普及を担当する山本正志さん。元調理師の経験を生かして丸ごとの魚を扱う料理講習などに携わる一方、家庭のニーズに寄り添う意識も大切にしています。仕事や育児で忙しい世帯には、手間のかかる調理は難しいのが現実。「無理に魚をさばかなくてもいい。切り身の魚など、便利な食材を使って食べる機会を増やして」と呼びかけます。
  特に魚食を広げたいと願うのは若い世代。「例えば、特別な日に作りたいと思えるお洒落な魚料理。簡単で魅力的な盛り付け。そうした入り口が魚食を身近にするきっかけになれば」と県のレシピ動画制作にも協力しています。
  「調理師時代の経験と暮らしに向き合う消費者目線。両方を融合させて魚食の魅力を伝えられたら」と語る山本さん。日々の食卓で魚の美味しさを多くの人に味わってもらうことを目指しています。

レシピ動画「鳥取の地魚を食べよう!」の画面
県のレシピ動画「鳥取の地魚を食べよう!」の制作に協力。さばき方の基本やさまざまな魚料理の作り方を紹介
レシピ動画「鳥取の地魚を食べよう!」
https://www.youtube.com/hashtag/

おいしく食べて 元気に 健康に

  水産物には、私たちの成長や健康を支える栄養素が豊富に含まれています。

DHA(ドコサヘキサエン酸)
効果 脳の発達促進、認知症予防など
多く含むもの クロマグロ脂身、ブリ、サバ

EPA(エイコサペンタエン酸)
効果 血栓予防、高血圧予防など
多く含むもの クロマグロ脂身、マイワシ、サバ

タウリン
効果 動脈硬化予防、心疾患予防など
多く含むもの アサリ、カキ、マグロ血合肉

フコイダン
効果 抗がん作用、免疫向上作用など
多く含むもの モズク、ヒジキ、ワカメ

(水産庁「令和2年度水産白書」より作成)

境港水産物市場新エリア開場セレモニー(8月下旬予定)
見学ツアーなど楽しいイベントを開催!

  最新の衛生設備を備えた施設へ生まれ変わる境漁港。水揚げから出荷までの全ての工程で高度な衛生管理を行い、安心安全な水産物を国内外に届けます。
  8月にオープンする水産物卸売市場には、イベントや料理教室に活用する調理実習室、競りの見学や魚の魅力に触れることができる展示ホール「境港おさかなパーク」なども充実。ぜひご来場ください。

県営境港水産物地方卸売市場2号上屋イメージ(境港市)
水産物卸売市場の外観イメージ
水産物卸売市場の館内イメージ

調理実習室
調理実習室の室内イメージ
料理教室や魚食イベントなどを開催

お魚学習室
お魚学習室の室内イメージ
専門のガイドが港の魅力を紹介

【問い合わせ先】 県庁水産振興課
電話 0857‐26‐7309 ファクシミリ 0857‐26‐8131
メールアドレス suisan@pref.tottori.lg.jp


← もどる    次のページへ →


最後に本ページの担当課    鳥取県 政策戦略本部 政策戦略局 広報課
    住所  〒680-8570
                 鳥取県鳥取市東町1丁目220
    電話  0857-26-70200857-26-7020
         ファクシミリ  0857-26-8122
    E-mail  kouhou@pref.tottori.lg.jp

Copyright(C) 2006~ 鳥取県(Tottori Prefectural Government) All Rights Reserved. 法人番号 7000020310000