●知事
皆様、おはようございます。さきの[第26回参議院議員]通常選挙におきまして、新しい国政の姿が見えました。来月早々には国会が召集をされまして、新議員の下に、これからの国政運営が始まることとなると考えられます。岸田[文雄 内閣]総理[大臣]におかれましては、この選挙において信任を受けられたことでもございますが、ぜひ聞く力、これを選挙後にも改めて表明されていましたが、聞く力を発揮していただき、我々地方団体、その現場の声というものを取り入れた国政の運営に期待を申し上げたいと思いますし、我々もパートナーシップを組みまして、国政とともにやっていくことにいたしたいと思います。
そういう意味で、来週には全国知事会議を開催をすることにいたしておりまして、今の国と向き合う課題や、我々地方がやるべき課題につきまして、話合いをしようということになったところでございます。総理がおっしゃったことの中に、選挙後、エネルギーの問題があって、原子力発電所、今冬9基稼動という話がありました。趣旨は正直詳細まだよく分からないわけではございますけれども、私どもも原子力安全については、なお一層の向上を果たそうというふうに考えておりまして、実は福井県の杉本[達治]知事にもお願いをさせていただいてきました。
私ども原子力のモニタリングにつきまして、重要な課題と考えております。周辺地域なので、そのモニタリングができるそういう能力を高めることが地域の安全を守る、まずファーストステップになるわけでありますし、対策を組む際の最重要情報源にもなるところでございます。そういう意味で、その能力向上につきましてお互いの交流をしながら、進めていこうということをお願いをしておりましたところ、まず、8月の1日~5日まで、そうした意味で、私どものほうにまず指導をしていただけるということが出てまいりました。今後も様々なそうした福井県との活発な交流も進めていければと願っておりまして、このたび、杉本知事のほうで、こうした周辺地域である鳥取県に、そういう人材面での御援助をいただくことに冒頭感謝を申し上げたいと思います。
●知事
その岸田政権を最初に待ち受けていたのが、1つ大きな課題である、この新型コロナの課題でございます。これにつきましては、私どもも、その第7波に飲み込まれてきているところであります。記者会見でも度々申し上げておりますが、6月から私たちは第7波の入り口に立っている、それは[オミクロン株の]BA.5[系統]によって起きているということを申し上げてまいりました。それで、ここにちょっと、これまだ精査中でありまして、[午前]11時の、今、発表に向けて最終的な精査をしていますが、これ573名になる見込みだと、今、最新情報で入ってきています。そのうち、西部と東部は昨日よりも増えた形になりまして、これは過去最多ということになります。昨日公表は564[名]でございましたので、さらに10件余り上乗せをするということになりそうです。
ただ、そういう意味で横ばいに見えるところになりますが、内実としては、東部、西部で、なお伸びがございまして、中部は69[名]というふうに落ちてきています。東部は168[名]になる見込みでありますが、西部は330[名]を上回るようなことになります。それで、中部が若干抑制されかけてるのかもしれませんが、数字は昨日は伸びはしなかったです。ただ、これが西部や東部の伸びのほうに埋め合わされまして、差引きで573[名]になるのではないかと、今、見込んでいるところであります。このように急激に上昇してきているということであり、他の地域と同じような状況ということが言えようかと思います。
それで、そういう意味で昨日、新型コロナ警報の注意報を中部に発令をし、西部の警報とともに私どもとしては、今、危機感を持って対処しているということです。また、東部、中部、西部全域に感染拡大の警戒情報を発出をさせていただいております。この新型コロナ新しいステージに入りました。これは昨日の全国の状況を見ていただければ、実に30の府県におきまして、過去最多を記録をしていますし、その伸びが急激であります。
それで、これにはいろんな要因があると思いますが、やはりBA.5への置き換わり、これが非常に大きく作用していると。なぜ置き換わるかというと、BA.5が強いからですね。それで、この勢いが急速に進んで、感染をそのBA.5が拡大をしていきます。そうすると相対的にBA.5の株の比率が伸びます。それで格段に強い株だと思われますので、それが一気に進んでくるわけですね。ですから、倍々ゲームのように増えてくると言いますが、それは結局1つが2になり、2が4になりというふうに増えてくる能力のあった株が暴れれば、当然そういう形で伸びていくわけですよね。それで恐らくそのBA.5の伸びが大きい。
あと、若干かもしれませんけれども、私どもまだフォローしており、個別の株を追いかけてますが、やはりこの連休中に大消費地のほうに行って、それで向こうで旅行された方が帰ってきて発症していたと。こういうケースもあります。ですから、この連休中にシャッフルされた、列島全体がシャッフルされた感じがあるかもしれません。それによって恐らくこれから数日間にわたりまして、全国的にまだ伸びというものは続いていくだろうと思います。それで、我々の戦略はできる限り、まだ現体制の疫学的調査などを維持をしまして、それをむしろ強化をする。それによって伸びをまたここで、またもう1回止められないかどうかというのを、今、必死でやっているということですね。
それで昨日については、564[名]から573[名]に伸びたというようなことで、10ぐらいやっぱり増えてしまったかなというのが昨日の状況でございました。深夜に判明をしたところを、今、最終的にその数字の整理をしています。それで、これがBA.5の状況です。御覧いただきますとお分かりいただけようかと思いますが、本県先月からBA.5が西部に入ってきました。東中[部]はほぼなかった状態です。それで、これが6月~7月にかけまして、西部で4分の3ぐらいになり、それが、今、直近では8割程度になっています。それで実は中部も同じように、これを追いかけていまして、現在はもう恐らく中西部そういう意味ではBA.5が伸び切った状態になってきているだろうと思います。それで、それが、今、感染を拡大させているので、それを止めにかかっていると。
それで東部ですが、この段階までは22%でありますが、東部もこれ急激にこれ伸びています。このカーブとこの中部が伸びた時期のカーブ、それから西部が伸びた時期のカーブ、これを比較していただければ、推察はできようかと思いますが、恐らくこれと同じ現象が、今、東部でも起きていると。それで、東部も含めて本県は全てBA.5に塗り替わりかけたと言っていい段階に入っているんではないかと思います。それで、そういう意味で警戒を要する、今一番うつりやすい、過去一番うつりやすい株が、今、回っているのが、東中西部を通じて、今、起きているという状態だと思われます。
●知事
それで、これが本県ではリーディングケースになります西部の状況でありますが、これは前回も、前々回も聞いていただいた部分と重なりますけれども、こういうような形で、まずその新たなBA.5の株が入ってきたとき、県外や国外との交流関係での感染、それから職場の感染というものが目立ったと。それで、初期段階これが目立ったんですが、これが、今、この黄色の子どもたちのところがかなり増えてきて、それで、家庭が増えてきていると。後ほど申しますが、それのキャッチボールで増えるというBA.2[系統]までのパターンと同じようなことになっているわけですね。それで、最初にここにありますが、職場が伸びました。それで、これ、他地域でも同じような傾向の地域はあります。それで、その後、子どもたち、学校や保育所などが伸びて、そして、今、ちょっと厄介なのは高齢者福祉施設、こちらのほうに入り込み始めていると。
それで、昨日、確認された例でもやはり高齢者の関係のところがあるというか、結構な数が出ていると思います。それで、こういうのが増えてきますと命に関わることになってくると、ですから、感染の連鎖の広がりというのは初期段階、こういう働き盛りやお子様ですけども、いずれ命に関わることになってくるということでありますので、できるだけこの感染の波を抑えることが重要でございます。
●知事
そういう意味でちょっと特徴的な最近の例を少し事務局のほうで整理をしていただきました。
一定の感染[対策]を行っている施設、これは恐らくこれまで感染が広がらなかった施設ですね。それで、そうしたところでも広がっていることが見える、集団感染が見える、それで、空間的に離れていて接触の程度が少ない、それから、同じフロアの別の部署でも広がっていると、例えばこの部屋もかなり広い部屋です。それで、向こうとこっちとは別の部署ということはあると思います。そういうところでも広がることは普通に唾液が飛ぶ範囲では考えられないですよね。ですから、エアロゾル感染というのがやっぱり疑われるのではないかということです。
実際にある感染が広がったケースでは、ここの一角のところが実は、周り、こう仕切ってありまして、それで、その中をぐるぐる回る。実は唾液のことを気にして仕切りをつけているわけですけど、ただ、それが逆に風の流れを止めてしまった関係になって、それでここは止まったと、それで、ここの1人を除いて全員が感染をしたというケースがありました。それで、それは多分、エアロゾルではないかと思われるんです。ただ、1人残ったんですね。それで、その1人残ったのは、そのお一人感染しなかった人のところに扇風機があったわけです。それで、この扇風機が風の流れを作りますよね。逆に言えば、ここは風上なのでこちらのほうにはエアロゾルが回らなかったと、恐らくそういうふうに推定できるのではないかというケースがあります。
それで、こういうようなことがあるので、やはりエアロゾル感染というのがBA.5の特徴的な感染の広がりになっているのではないか。だから、大企業なんかも含めてこれっていう職場でも起こっていると、それで、病院や高齢者施設みたいな気をつけているところでも広がり得る、その辺がやはり注意を要するところなのかなと思います。あと、スポーツ活動などのキーワードもやっぱり出てきていますし、家庭や学校というようなことも出てきていると。ですから、ただ、かなり発症が有意に認められるんですよね。のどが痛いとか、熱が出るだとか、割と分かりやすいことが多いです。その発症時期はありますけども、発症は無症状のまま感染力を持った時期はどうもあると思いますが、発症の時期はあるものの、やっぱり発症が結構出てくるので、ある意味分かりやすいから、そこのときにやっぱり感染、広がるかもしれませんよということを念頭において行動抑制をしていただく必要があるんじゃないかということですね。
それで、これができないとぱっと広がってしまうということになり得るわけです。それで、これ、事業所の例でありますけれども、これは先ほどの御紹介の例のようなことでありまして、広いフロアがあると、それで、この部屋よりももっと広いフロアと思ってください。それで、そういうところでこの仕切りの一角だけをまず最初調べてみて出てきたと。それからその翌日、やっぱりこれちょっと調べないかんと言って、遠く離れたところ、全く建物の反対のところも調べてもやっぱり出てきたと、これが遺伝子が共通するということです。それで、どういう経路で広がったかよく分からない、いまだに分かりませんが、エアロゾルなり何なりいろんなことが関連したのかなというふうにも思われます。
それから、これ、児童福祉施設の例ですね。それで、これはn[日]、だから、最初に1人見つかりました。翌日にその受診して陽性が出てきて、これは大変だということで、施設内の無症状の児童も含めて全部調べました。そうしたら20名も出てきたというケースがありました。それで、半分以上が無症状だったり、その日に発症してきたというようなケースで、初期段階で収めたかもしれませんが、あっという間にこう広がるということですね。それで、これ、僅か最初に見つかったところの2日後でこの状態になるということです。
それで、ここで止められるかどうかということが非常に重要であります。それで、実はそういう意味で、前回、政府の[新型コロナウイルス感染症対策]分科会で子どもたちへの検査というのも非常に重要なんだということを強調させていただき、こういう現実が分かっていない専門家がその検査はやらなくてもいいということを言うのは言語道断だというようなことで、少しちょっと意を強めて申し上げたんです。そうしたら、何と今日、[新型コロナウイルス感染症対策]アドバイザリーボードに鳥取県、呼んでくださることになりまして、脇田[隆字]会長に感謝を申し上げたいと思います。やはり現場で起こっていることをやっぱり見ながら中枢の人たち、専門家も政府も対策を考えるときはそこを起点にして考えるべきです。それで、今、残念ながら全国のいろんな自治体もいろいろと取り組んでいますが、中にはこの感染の傾向だとか、内容を調べてないところがあるんですね。
ところがその政策の中枢をつかさどる専門家の皆様はその調べてないところの話ばっかり聞いていると、それで、これ非常に今の国家にとって不幸だと思いますので、やはりきちんとその現場で起こっていることを田舎と思って馬鹿にせずにやはり全部、やはり拾い上げる努力をされるべきだと思います。そういう意味でちょっと意見を申し上げましたら、今日、早速アドバイザリーボードに呼んでいただきまして、脇田会長に感謝を申し上げたいと思います。
それからこれが典型的にあるんですね。それで、恐らくこういうケースがあると一気に広がります。それで、それは、このケースはスポーツのイベントがありました。複数の市町村にまたがったところです。それで、それによって保育園とか小学校とかに入っていき、それが家庭に入り、これが別の小学校、これ全然地域は別です。それで、広域的にわっと広がるんですね。それで、こういうことが恐らく幾つも重なりあってきているのが多分現状ではないかと思います。いろんな感染ルートを通じて、家庭というのも割と専門家は軽視するんですが、家庭を通じてやっぱり他へタッチしていきます。
それで、それからこれも専門家は軽視するんですが、子どもたちの世界というのも非常にこの流行を広げる意味ではエンジン役になっているというのは事実です。ですから、子供たちを守る、それから御家庭の中もしっかり守る、そういう感染対策というのが多分重要なんではないかなというふうに思います。
●知事
それで、昨日、これ現在進行形なんですが、医師会とか、それから病院協会、また、看護師さんや薬剤師の皆さん、市町村とも話をしまして呼びかけをさせていただき、今、順次協力体制を組んでいるところであります。それで、整い次第やっていこうということで、今、進めているんですが、まず、即応病床増やそうと、それで、これについては来週までに20、30ぐらい即応病床増やせそうです。これ2病院承諾済みとありますが、このほかにも2病院ぐらい今、御了解をいただきつつあるとこもございます。それで、まずは命の砦としての病床の数を最大限確保するところに今、レベルを変えていこうというようにいたしております。それから地域医療の役割分担でコロナ病床の効率利用を見ようというふうになっていますが、これ昨日、原田[省]鳥[取]大[学附属]病院長がおっしゃっていましたけれども、やはり重症はしっかりやるよというところとか、あるいは軽症だとか、それから何か事情があって受け入れるところ、そういうふうなところを病院間の連携なども含めてやっていこうということをまた話合いをさらに進める必要があると思っています。
また、宿泊療養施設でありますが、これもいろいろやりくりをしまして、来月も450床程度確保できる見通しになってきました。追加で2つの施設にも御協力いただけることになりました。それで、それから在宅療養者の支援についてでありますが、今日もこの後、医師会のほうに呼びかけに夕方参ることにさせていただいていますし、また、看護協会のほうで御助力をいただいたり、それからパルスオキシメーターですね、これ本県順次増やしてきて、今、4,500[機]ぐらいあります。それで、それが実はぐるぐる回っています。貸出しをして返ってくると。それで、今のところは回っているんですけども、ただ、これが足りなくなりそうだったら即座にこれ追加しようと、今、そうした調査、準備もしているところであります。
それから、あと、在宅の方に対する療養セットですね。それで、これも民間企業の活力をいただきながら配達をしているんですが、その配達能力も高めさせていただきました。それから認知症の高齢者の方が、例えば独居で在宅におられて徘徊をされるということもあり得るわけですね。現にそういうふうなケースもございました。そこで今月、そういう実例などもありまして在宅サービスを提供するように、この県の支援も含めて始めております。それからお医者さんのところで在宅療養者、濃厚接触者という家族、そうした方々の検査を保健所がいちいち言わなくてもやってくださいと、こういう方向でこれお話をしております。これ13日から今、呼びかけをしていまして、今日も改めて医師会のほうに調整に行こうとしております。
また、受診相談センター、これ看護協会のほうで委託してやっていますが、ここでさらに相談の内容を、今、保健所でやっているような内容も対応できるように相談体制を強化を今、転換を図りつつあるところであります。こういうようにして医療・療養を支える体制をやる、それで、それに必要な県のほうの人員体制ですね、それで、これも応援体制の強化をいたしまして、例えば最初に患者さんが出ます。するとファーストタッチでまずお電話をして、それで、どういう感染状況だったかということだとか、最初のプリミティブな、基礎的な情報をいただきます。
それで、その後、健康観察的になってくるわけでありまして、My HER‐SYSという制度を使いながら健康観察をするそのお世話をさせていただく、これはセカンドタッチが必要です。それで、このセカンドタッチの部分に70名ほどまた県の職員を追加で配置をした新しい部隊をつくりまして、それで在宅がこれから急激に膨れ上がってくると思いますが、そうした方に対するフォローアップシステムをさらに本庁で強化をしていこうということをいたしておりますし、それから不要不急の業務などもこの夏はやめてしまおうと、鳥取県、割とこういう果断に動くところなもんですから、ちょっとよその自治体びっくりするかもしれませんが、簡単に言うと予算査定やめちゃおうと。それで、これで結構夏ですね、その9月補正に向けて作業したり、サマーレビュー[事務事業見直し]というような作業、ちょうど今やるんですけど、それを全面的に簡素化してしまおうと、サマーレビューは中止しましょうと。
それから9月補正の予算編成作業についても、よくある風景ですけど、予算の聞き取りなんてこういうことはやめちゃうと。それで、とにかく簡素に予算設定して、後に精算すればいいんですから、お金のことなんて。そういう意味で基礎的な作業だけにしてしまうということにしようということですね。それで、この季節、公共事業なんかの現場を見に行くことにしていたんですが、それも写真などで代用すればいいじゃないかと。それでこうやって時間的余裕を各職場でつくってもらって、最優先課題としてこのコロナのほうの応援に回ってもらうというように大胆に転換をしようということにいたしました。
●知事
それからワクチン接種でありますが、いよいよ、早ければ明日(7月22日)にでも国のほうの[厚生科学]審議会がまとまって、[全国]知事会でかねて要望しておりました医療介護従事者の4回目接種が始まろうかということになりました。それで、これについて市町村等、医師会等に周知をしているところでありまして、通知が出次第、お手持ちのワクチンでその医療機関でも接種していただけますし、それから[ワクチン]接種会場、[ワクチン]集団接種会場なども活用してやっていこうと。それで、これで市町村側との調整もできていまして、明日以降取りかかれる、今、算段をつけたところです。
それから介護従事者につきましても、例えば倉吉の通所の施設におきまして、ワクチンバスを、今、派遣しようということを23日で手配をさせていただきましたことなど、これも市町村とも共同しながら展開を図ることにいたしております。また、小児接種や、それから保護者の接種を同時にやろうということで、イオンモール[日吉津]でこの週末から毎週その接種会場をつくらせていただきます。それで、これ以外にも中高生、大学生、働き盛り世代の3回目、また、高齢者の4回目について市町村もやっていただきますし、県も県営接種会場を随時設けていこうということにいたします。
●知事
先般、JR[西日本]の米子支社とお話合いをさせていただき、そこで合意をさせていただきました。それに基づいて、本県は東部地域交通まちづくり活性化会議、これを早ければ来週にでも立ち上げをさせていただこうと考えております。それで、そのとき合意をさせていただきましたのは、単に単一の線区に限らずやっぱりゾーンの中で考えようと。それからバスだとか、タクシーだとか、ほかの交通手段のトップの方にも入っていただいてそれでやる、話合いの場をつくるということで、JR側も今日までで了解をされておられます。それで、そういう意味で鳥取県独自のやり方としては、東部地域交通まちづくり活性化会議の場で話合いをするということいたしたいと思います。
それで既存の[東部地域公共交通活性化]協議会が事務ベースでございますので、こちらのほうで順次これから論点整理をしていただくというようなことでどうかなと思っています。またJRの利用促進を図る意味で、因美線につきましては天地、天地(てんち)と書いてあめつちですけど、これについては来週末、鳥取駅で出発式を行うなど、おもてなし行事を沿線でやっていきたいと考えております。また、砂丘号という急行が因美線で復活しますが、これにつきましてもセレモニーをして歓迎をしようというふうに考えております。
●知事
それから[鳥取県]個人情報保護条例を改正しようと考えております。それで、やはりデジタル社会になりまして、ビッグデータ(巨大で複雑なデータの集合)の活用ということが国全体でも求められ、経済界も求めているようになってきております。それでこういう動きを受けて、国のほうでも個人情報保護[法]を改正するということにもなった次第であります。したがいまして、そうしたエッセンスなども取り入れながら、個人情報保護条例の改正を考えたいと思います。それで個人の尊厳、そうした基本的人権の尊重を基本理念として、個人情報は慎重に取り扱いますと、ここちょっと何か慎重に取り扱うが抜けていますけども、慎重に取り扱いますということを基本理念として、明確に規定をさせていただくと。
他方で、現在の社会情勢の中の威厳もありますので、ビッグデータで個人情報に問題がないようにする、そういう技術も今できているということで国全体の法改正もありましたので、その権利利益を侵害しないことを前提として、ビッグデータなどの利活用も図ることができるという、そういう新しい個人情報保護の考え方というのも書いていく必要があるだろうと。それから法律改正に伴いまして、法律のほうで個人情報保護について書かれたんですが、ただ、その手続きについては条例のほうで規定をすることになっていますので、この部分は条例のほうで書かせていただく必要があると。
また、今回の国の個人情報保護法の改正には、私どもとしてちょっとどうかなと思うところがあります。それは個人情報保護のファイルがあります、個人情報のファイルが。これが、その方がお亡くなりになった後は、何ら規定がないんですね、国のほうには。それで、私ども、もともと個人情報保護条例で保護していました。そのときに、その方が亡くなったからと言って、そこで保護をやめるということはやってません。私たちは、それは保護すべきだと思います。ですから、死後においてもやはり個人情報については慎重に個人の尊厳や基本的人権の尊重に基づく慎重な取扱いというそのやり方を継続をすると。
それで、そういうようなことでの独自の措置というのを法律以外に書く必要があるだろうと。それで、我々、多分他の県でもそうだと思いますが、そういう意味で個人情報保護条例というのは本来つくってありましたが、国のほうはそこを今回捨象するということを法律でやりまして、ここが欠けているところになっています。ですから、そこを補う必要があるだろうと。それで、また、諸手続を行うような審査会など、市町村の共同化などをやるということでありまして、パブリックコメントに付させていただこうと考えております。
●知事
それから、東郷湖羽合臨海公園があります。御承知の方もいらっしゃると思いますが、かなり広い公園でして、湖の周りぐるりと取り囲んでいますし、旧羽合町の海岸、ここも対象地域になっている大きな都市公園です。その中には、燕趙園のような観光施設もあります。それで、このことにつきまして、今後10年程度見据えて、公園をどうするかっていうことを考えようと。それで、最終的には令和6年4月に次の指定管理[の更新]がきますので、その前に、ちょっといろんな方々に入っていただいて議論をしようと考えております。
例えば、燕趙園どうしようかということですね。単純に廃止するという意味ではありません。ただ、今、観光施設として料金を取ってやっていることが妥当なのかどうか。むしろ無料化して、普通の公園施設として扱うということも選択肢であるんではないか。また、今、例えば[湯梨浜町大字]宇野のエリアにはキャンプ場などもございますが、こういうキャンプ場なんかも使おうと思ったらもっと使えるはずです、今、ブームでありますので。例えば、こういうところだけ切り取って別の民間活力を導入したようなやり方もできるかもしれません。それで、ちょっと幅広い議論を、指定管理に単純に出す前にやっておこうというような趣旨でございます。
●知事
このたび、県のほうの統計がまとまりまして、昨年度(令和3年度)の年間の移住者数は過去最多となりました。ちょっと我々も驚いたんですが、2368人と過去最多になりました。特に下半期につきましては1449人でこれも過去最多になりました。中身を見ますと、関東からの移住者がやはり増えているというのが一つ要因だったと思います。また、これも興味深いとこなんですが、本県、基本的にはUターンのほうがIターンより多いんですね。それで、まれに平成29年に1回だけそういうことがありましたけれども、今回、やはり統計的には1.ターンの移住者が過半数となりまして、そういう意味で、やはりコロナとかそういうことで見直しされるようになったのかもしれません。それで、就職や結婚、子育てで移住される若い方々が多いというのは相変わらずであります。特に10代以下が多くなりましたのは、これはやはり子育て環境ということを考えてということかもしれません。
それで、そういうことも踏まえながら[7月]26日には日本財団との共同プロジェクト、これは地方創生を長く引っ張ってきたプロジェクトでありますが、これの総括会議をさせていただき、日本財団の皆様と一緒に振り返ってみたいと思います。また、地域版SDGsについての調査、これでSDGs評価が3年連続で1位というのは、昨日[株式会社]ブランド総合研究所から発表をされました。特に得点が高いのは健康づくりとか、子育てに関連したところでありまして、これもやはり、コロナの影響などもあったのかなというふうにも思ったりしているところであります。
それで明日ですね、鳥取SDGsの企業認証の初の認証式をして、27[社]の企業さんを認証したいと思っておりますし、また、健康づくりという意味でねんりんピック[はばたけ鳥取2024]、これもいよいよ本格的に再来年度に向けまして、準備を始める実行委員会を立ち上げることといたしたいと思います。
●知事
最後に冒頭申し上げました奈良[県で開催]の[全国]知事会議でありますが、「危機突破!挑戦が未来を創る」というテーマで開催をしようと考えております。折から、感染の状況がありますので感染対策に万全を期そうと。これは組織的に対応することといたしております。それで、その上で国への提言内容のみならず、地方自治、地方政治、また、脱炭素、ローカルトランスフォーメーションといったようなセッションを設けるということを初めてさせていただいたり、また、併せて日本経済団体連合会、経団連さんとの意見交換を行うことにいたしました。これも初めての試みであります。また、いよいよ大阪・関西万博へ1000日を切りました。それで、そういう意味で、それをみんなで国中の都道府県で支えていこうと。それについても再確認する機会となればと考えております。
●知事
今、コロナで非常に厳しい状況の中ですね、やはり生活困難を抱える方々もいらっしゃいます。そういう意味で、このたび米子[市]のほうに、米子の[県立]ハローワークにそうした困りごとの相談窓口をつくろうと。これは自立支援機関の相談員の方にも応援いただいて始めさせていただきます。それで、来週は、それを倉吉[市]や鳥取[市]でも開設をさせていただこうと考えております。
まだこれ、戻り梅雨のような状況でありますが、今晩から明日にかけて、まだもう1回雨があるかもしれません。それで、よく情報のほうは注意をしていただければと思います。その後かなりの猛暑になってくるのではないかと思われます。熱中症の搬送者も2倍というふうに増えておりますので、どうかお体を大切にしながらこの夏をお過ごしをいただきたいと思います。私のほうからは以上です。
○日本海新聞 竹久祐樹 記者
日本海新聞の竹久と申します。東部地域交通まちづくり活性化会議の関係で伺いをしますが、これ、この会議について知事がどういう方向で臨まれ、どういうことを期待されるかということと、それからもう1点、一部報道にありましたけれども、国交省の有識者検討会の提言案が報道されまして、輸送密度1,000人未満をこの目安に再構築を協議していこうという話がありました。それで、具体的にその条件がはっきりしないので、鳥取県の場合、智頭・東津山の区間が対象になるのではないかというふうに指摘はされているんですけれども、この報道への受け止めも併せてお聞かせをいただければと思います。
●知事
これにつきましては、先般、米子支社JRさんとお話合いを真摯にさせていただき、お互い首長との間で合意をしたことに基づいて設置をするものでありまして、我々地元としてはJRの応援団の考えであります。やはり今、経営が大変だということは、私たちも非常にその痛みは分かるわけでありまして、それで、そういう困難のときを一緒に乗り越えていかなきゃいけないと。ですから、利用促進であるとか、それから様々な他の交通との役割分担や、あるいは合同のプロモーションなど、いろいろと考えられるだろうと思います。
それで、これについては佐伯[祥一米子]支社長もおっしゃっておられましたが、やはり地域として、やっぱり広く考えていかなきゃいけないのではないか。それで、JR側の認識はまちづくりと結びつけて考える必要があるだろうと、こういうことをおっしゃっていました。そこで地域交通、まちづくりを協議をすると。そういう会議を開設するということでJRさんと、今、話をまとめさせていただいたわけであります。
ここにおきまして、先般共有をさせていただきましたJRの今の乗降客の状況など、そういうことも念頭に置きながら、今後どういうような対策を、じゃあ、地域全体で取っていくのか、これを話し合っていく場といたしたいと考えております。それから世情、今、相次いで報道もありますが、国土交通省の研究会が、今、進んでいるということでありまして、来週にでもその結論が出るのではないか。その内容とおぼしきものが、今、報道の中で出てきている状況です。どういうものになるかは分かりませんが、1,000人未満の乗車密度のところについて協議会を立ち上げる。これに国が関与するというスキームになっているようであります。
ただ、その報道でもこれ真偽はよく分かりませんが、報道でも書かれていますが、これはJRとそれから地元との合意によってつくる、そういう協議会だということであります。そうであれば、私どもは先般、既に話合いをしていますので、この新しい東部地域交通まちづくり活性化会議がそれに代わる役割を果たすものだと考えておりますので、重ねて個別の路線、線区についての協議会を設置する必要はないと私は考えております。
●知事
○NHK 長山尚史 記者
NHK長山と申します。よろしくお願いします。新型コロナについてお伺いします。2点お伺いしたいと思います。まず、第7波におけるその特徴的な感染事例の御紹介がありましたけれども、こういうところから改めてどういう対策を県民の皆様に呼びかけたいか、コメントをお願いします。また、もう1点は、昨日、対策本部会議で、法律に基づいて県民の皆さんに対策を要請するというケースがありました。これまでだと行動制限とか、一定の外出自粛要請などをかけるというふうなケースもあったと思うんですけれども、その辺り、今回はそういったものがないというところで、国の動きもあるとは思うんですが、その辺りの受け止めを知事にお伺いしたいと思います。以上、2点お願いします。
●知事
本県につきましては、こういうような感染状況が見られまして、恐らく同じようなことが全国で起きていると思います。ただ、専門家の皆さんも含めて、こういう状況認識はまだ十分共有されてないかなと思いますので、あえて今日お示しをさせていただきました。それで、ここにございますようにエアロゾル感染が疑われる例というのが目立つと思っています。それで、従来は飛沫感染でありますから、例えばマスクして、それで話をしていれば大丈夫、あるいはちょっとマスク外して食事をしても、離れていたら大丈夫でしょうと。ただ、そこで例えば大騒ぎをするとかいうことになりますと、飛沫がマイクロ化したものが空中を漂う可能性がある、それから、普通に仕事をしていても何かのきっかけでやっぱりマイクロ飛沫が飛ぶ状態になる、そういうことがありますとこのエアロゾル感染というのが広がる可能性があるんですね。
ですから、従来以上にしっかりとした対策がやっぱり必要なんだということは改めて御認識いただきたいというのが1つです。それで、今、報道の状況もあるとは思うんですが、どちらかというともう緩めて大丈夫だというような意識になりがちなんですが、実は逆でありまして、今、急速に全国で広がっているBA.5は感染力が従来よりも強いので、むしろその対策はレベルアップをしなければいけないということです。それで、ここのところをぜひ県民の皆様にも御理解をいただきたいということです。
あと、典型的にこういうふうにちょっと示させていただきましたが、本県、割とこの陽性が見つかった翌日、翌々日で結構こうやって調査の輪を広げていく県として今までやってきて、これが多分上昇の速度をある程度は抑えたと思っています。それで、そういうような経験からしますと、できるだけ早く感染された方々やその職場や幼稚園等、対処していただくことが必要です。それで、こういう早めの対処で検査が遅れたところはそれこそ100人、200人というふうに広がってしまった施設もございます。それで、そういうようになると完全にそこの施設に例えば通っておられる人とか、あるいは御家族だとか、結局、行動制限が実際かかってしまったりするわけでありまして、それで、何より健康の心配も出てくるわけです。
ですから、そういう意味でこういうようなことというのはやはり早めに対処する必要があるので、ちょっと調子が悪いなというときはぜひ休んでいただきたいと。それで、御家族に調子が悪い人がいても休んでいただけるなら休んでいただいたほうがいいと、それで、このことを昨日(7月20日)の呼びかけの中でも申し上げているところであります。その感染のメカニズム、こういうものもありまして、例えばスポーツイベントだとか、子どもたちの施設だとか、職場だとか、キーワードがありますので、そうしたことを念頭においていただいて、今一度、感染対策を考えていただきたいということであります。あと、もう1つ、すみません、何の話でしたっけ。
○NHK 長山尚史 記者
すみません。もう1つ、昨日の対策本部会議で特措法に基づく要請を出されたと思うんですけれども、それ、これまで行動制限とかをかけるものが多かったんですが、それが。
●知事
すみません。今、申し上げたようなことをぜひ特徴あるものとして考えていただき、マスクだとか、密を避けるとかいうことはまずお願いをしたいと、それで、行動制限の必要性についてはやはり病床の状況が重要だと思っています。それで、私どもは今、西部のほうに[鳥取県版新型コロナ]警報を出させていただき、西部では4割の病床の使用率ということになっていますが、県全体では今、4分の1程度でありまして、まだそういう意味では対応力がある範囲内であろうかと思います。ただ、ここが真に逼迫してきた場合にはやはりそうした可能性はあり得るだろうと思いますが、本県の場合は保健衛生対策、疫学調査などで総数を何とか抑制していくということも重点的にやらせていただきながら、何とか感染のコントロールを今、しようとしているところです。
だから、今段階でそうした行動制限を早期にお願いすることは考えてはおりません。ただ、ちょうどこれも示させていただきましたけれども、例えば飲食のクーポン(プレミアム付食事券)などもございますが、飲食店の中で広がりがあるということが認められるようになった場合には、このクーポンの自粛をお願いせざるを得ない状況も考えられます。したがいまして、ぜひ、お店、それから利用者の皆様にも御協力をいただいて、そういう飲食での広がりがないような基礎的な対策というのはしっかりと、従来以上に取っていただきたいというふうに考えております。
今、沖縄県が結構微妙になってきたと思います。それで、[沖縄]県立中部病院で既に外来だとか、救急の制限を始められています。それで、こういうような状況というのはBA.5でも起こり得るわけでございまして、今後、慎重にその推移を見極めていかなければならないと考えております。
●知事
○中国新聞 小畑浩 記者
すみません。中国新聞小畑です。関連でお伺いいたします。第7波を乗り越えるためにということで県庁の中で不要不急、不急業務、不急業務の先送り徹底というふうな、思いました。恐らく以前と比べて社会が動いていることもあって、例えば観光関係の部署が空いているとかということもなかったり、イベントも通常どおりやったりという中で、保健所体制の応援というのが従来に比べて難しくなっているんじゃないかというふうに想像はするんですけれども、今回のこの例えば補正予算編成作業簡素化ということで、人員の規模的な部分ですとか、どのくらいの応援が可能になってくるというふうに見込まれているのかお伺いしたいと思います。
●知事
例えば今回、先ほど申しましたが、セカンドタッチというのが実は重要だと思っています。これちょっと鳥取県独自なのかもしれませんが、よくこうやって感染がせり上がってきたときですね、誰も相手にしてくれないということでほっとかれたという話がやはりメディアでも出てきます。それで、最終的にはその医療につなげられずに、残念ながら命に関わったというようなケースがこれまでもありました。それで、そういうことは絶対にやりたくないと、それで、そういう意味でセカンドタッチについて新しいその増援部隊をつくりました。これで今、70人ぐらい、例えば作らせていただいています。それで、こういうのを捻出するために、やはりこうした作業というものを簡素化していく必要があるだろうと。それで、また正直、職場をあんまり密にしてもいけないとも思います。それで、可能であればそうした意味でリモートでの仕事だとかも含めて展開をしていくことになります。だから、そういう意味で、ちょっと定性、定量的にこれだけっていうことがなかなか言いにくいですが、例えば70名程度ですね、そういうセカンドタッチにつくることなどを現実にはひねり出してきていまして、それで、やはりこういうような工夫をこの夏はやっていかないとなかなか今、おっしゃったように、通常業務もあるもんですから、なかなかその人員の応援というのに滞りが生じますので、職場に過度な無理をかけないように対策を取っていきたいと思っています。
●知事
○中国新聞 小畑浩 記者
済みません。それとあと関連で、こうやって鳥取県は丁寧に疫学調査をやって調査を、どういう感染経路なのか、何が起こっているんだってことを丁寧に調べていると思うんですけれども、一方で、先ほどからそれが専門家だったりに通じていないというふうなことをおっしゃっています。現場の状況踏まえて、例えば政府だったり、専門家の方だったりにはどういった対策を今、打ち出してもらいたいかっていうことがもしあればお願いいたします。
●知事
今、全国知事会で対策本部をやって、強く皆さんがおっしゃったことは幾つかありますが、1つはやはり現在のこのBA.5の性質を明らかにしていただきたいと、それで、我々申し上げているのは、その発言とか分析に責任を取れということではないんです。ただ、我々素人でして、そこは分かりにくいと、どういうことかと言いますと、端的にいうと病原性ですね。それで、感染の力強さは、我々は分かりますし、それで、それは恐らく専門家以上に分かっていて今日のように解説もできます。ただ、その病原性のところは、これはやはり専門家に明らかにしていただきたいという気持ちが皆さん強いです。それで、これがどれほど病床を用意しなきゃいけないかとか、先ほど来、行動制限の言及もございますが、どれほどやはり国民の皆様に御協力を求めるべきかに関わってくるわけですね。
それで、この点について専門家の皆さんなどはっきりと言ってくれないというのが困っています。それで、今日、[新型コロナウイルス感染症対策]アドバイザリーボードでもちょっとこの点申し上げなきゃいけないと思いますし、政府側にも申し上げて、これまでもかねておるんですけども、やはりこれが病原性なりこの感染症はこういうタイプの感染症だよというところが分かれば、それに応じた感染症の位置づけになり得るわけです。それで、今回はBA.2までと大分違います。恐らくかなりの勢いでまだ伸びていきます。それで多くの地域におきまして保健所が倒れる、外来がいっぱいになって機能不全になる、救急が動かなくなる、そして最後は病床が逼迫をする、それで命に関わるということになりかねないわけですね。
それで、ただ、その蓋然性がどの程度あり得るのかということにも正直よるわけです。それで、もし病原性ということやあるいは重症度のことについて、ある程度はっきりしたお話をある程度出していただければ、じゃあ、その程度の対策にしましょうということはあるし、感染症の位置づけを変えようかという議論にも結びついてくるわけですね。それで今回このまま放っておきますと、専門家の皆さんはそこの重症度について明確になかなかお墨つきをいただけないまま、しょうがないから今のままやるしかないですね、我々は。もう徹底して感染を抑えるとか、あるいはもう幾らも増えてきますから、幾らも増えてくるだけ、やはりそれに対する病床を増やしたりということや、医療資源の提供をしなきゃいけません。ただ、思い出していただければと思うんですが、新型インフルエンザのときは、最後の段階は家でゆっくりしてくださいということを国が言ったんです。それで病院でもそういう病気として対処をして、例えばタミフルを出したりして、それで後はもうゆっくりしていただいた。それで、新型インフルエンザの波が通り過ぎるのを待ったわけですね。
確かにあのとき、お亡くなれた方もいたし、本県でも辛い経験もいたしました。ただ、国全体としては、そこは割り切って今回こういう対処にしようということにした結果ですね、例えば保健所がパンクするとか、外来がパンクするとか、病床が逼迫してしまったということには、結果的にはなってないと思います。それで今回はどういう対処を本来すべきなのかという議論が十分できない原因の1つに、そこの重症度についての専門家の見解が明確に出てこないということがあると思います。
それで我々それから政府のほうに求めているのは、その感染症、これが今回はどういう位置づけで我々取り組んだらいいのかということもはっきり考えていただきたいっていうことですね。今回、だいぶタイプが違うので一気にばーんと増えてきます。感染爆発みたいになります。それで、そのときに、じゃあ、それと従来どおり対応していいのかどうかということですね、それで、本当に最後の命を守るのであれば、医療のところ、最後の重症者を助けるところのみにコントロールを集中するというやり方も今回は残念ながらBA.5についてあるのかもしれません。それで、この辺の整理がなかなか国としてつけていただけないと。その原因として、重症度についての明確なお話というのが出てこないと。それで、ぜひその辺はやはり早急にお願いをしたいということがあります。
あともう1つは、まん延防止等重点措置であります。それで、これが相変わらず飲食中心になっています。それで、これを、じゃあ、今、鳥取県がこれで感染爆発状態になったときに、飲食、果して適用するかということでありますが、飲食はこの赤い線でありまして、それで、この対策があったところで何の役にも立たないんです。それで、ですから、本当に役に立つ政策というのをやはり政府として考えるべきだと思います。それで、行動制限はする必要ないとおっしゃるのは分かります。それで、そうであれば、じゃあ、これをやってくださいというところが実はないんですよね、今、明確なものは。
ですから、そういうところをやはり例えば、今は子どもたちだとか、家庭だとか、それから職場だとか、そうしたところの爆発的に感染するところがあるんですね。それで、先ほどのこのこれですね、これちょっとこの例えば丸の大きさなんかは感染の規模なんかが実は何となく、これ表してあるわけです。それで、お分かりいただけると思うんですけど、例えばこういうところのこの丸がもっと小さな丸になれば、ここからどんどん枝が伸びていきますので、感染は加速度的に少なくなりますよね、それで、本県はそれを目指してこういうところについてはコントロールしようとして、最初に感染者が出たら、そこでこういう圧倒的な検査をしましょうということをやっていると。
それで、国の専門家はこれを否定しかけたもんですから、前回、政府の分科会で私ども猛反論したんですけども、分かってないと。それで、ただ結局ここをどういうふうに小さくすることで、親御さんや子どもたちが安心できる体制をつくるかというのは多分ポイントになるんですね。それで、これについて政府はきちんとなかなか向き合おうとしない。これ、各省の利害がからんでいると思いますし、お医者さんのいろんなセクトの考え方があるんだと思います。それで、ただ、感染爆発を起こす要因になるところを、例えばスポーツのイベントだとか、いろいろとありますので、そうしたところに、有効に対処できるような処方箋を書くべきだと思うんですね。ただ、今、政府が書いているのは、学校はできるだけ止めるな、保育所は止めるな、それで後は現場で何とかやってくださいというようなことでありまして、それで、これで何の対策になるのというのが我々の正直なところなんですね。だから、やっぱり今のBA.5の実態に則した対策、それは飲食店対策では多分ないと思います。それで、それをやはり明確に出していただく必要があるんではないかということです。
●知事
○山陰放送 日野彰紀 記者
BSSの日野です。2点伺います。病床の確保については来週までに、即応病床として2、30を確保するのだという話でありました。ただ、鳥取県西部などでは、病床の使用率が40%を超えていて、これからまだまだ感染が増えてくることを考えると、果たしてそれで足りるのか、早めに退院してもらうなど、病床の効率的な運用なども考えられると思いますけども、そこのところの考えをお聞かせくださいというのが1点です。
もう1点は、県外との往来についてです。県外との往来による感染が増えているという報告もありました。島根がかなり感染が進んで拡大しております。島根の東部と鳥取の西部というのは非常に生活圏も同じでありまして、そこの制限というのは非常に考えられないとは思うんですけれども、その辺りの県外の往来に起因する感染の対策というのはどのようにお考えでしょうか。以上2点です。
●知事
まず、これについてちょっと舌足らずだったかもしれません。即応病床への切替えを全病床についてしてくださいというふうにお願いをしております。それで今、病院それぞれ話合いをして御理解をいただいてきていると。それで取りあえず2、30ぐらいは来週までに増えるでしょうということなんですが、それ以外につきましても我々としては、もうこの状態なので開いてくださいという方向でお願いをしていきたいと思います。
それから行き来についてでありますけども、これは正直、今、感染状態がかなり地域的にシフトをしてきてしまっていると。それで、これ、島根県さんもどういう分析されてるかあれですけども、私どもの県西部の地域や、あるいは島根県の東部、あるいはそのほかの地域も含めて、さっきのメカニズムによりまして地域の中に実は動き回るウイルスができている、これ市中感染ですね。それで、こういう状態の中で、島根県と鳥取県の間に扉を閉ざしたところで、結局もう既に回っていますので、そんなに大きな効果はないかもしれません。むしろ、それで、じゃあ、通学ができなくなるとか、仕事に行けなくなるとか、そういうことのデメリットのほうが多分大きいのではないかと思いますから、我々ちょっと島根県さんの意見は確かめてませんけど、鳥取県側からそこを戸をたてるのはあまり得策ではないだろうと思います。
ただ、やはりそこのときの言わば行動マナーの問題だと思うんですね。それで、感染防止策をきちんと取る、そういうことでやはりそこの感染可能性というのをシャットアウトしていくというのをレベルを上げてやっていただくのが大切なんだと思うんです。それで、かつての山陰とは大分違った山陰に、今なっていますので、自分たちの身の回り、これは島根県に行ったときもそうですし、鳥取県内でもそうですが、やはりウイルスが存在するという前提で動いたほうがいいだろうと思います。私どものアドバイザーの先生にはこういうことをおっしゃる先生もいらっしゃって、なるほどなと思うんですが、保育園なんか指導に行きます。その保育園の中に3人ほど陽性の子どもがいるという前提で対策を取ったほうがいいと。それで、今、残念ながらそういう状態になってきていると思うんですね。それでそのウイルスが周りにないという前提で動くと、すっかり巻き込まれてしまって一気に広がってしまうことになりますので、そういう丁寧な対策をぜひお願いをしたいと思っております。
●知事
○日本海新聞 濱田匡史 記者
すみません。日本海新聞濱田です。知事、先ほどのお話に戻るんですけれども、国や専門家が病原性重症度について、はっきり言ってくれないので困っているっていう、現場の実情だと思います。その中で、感染力なんかは現場で見てればそりゃ分かると。それで分からないのがその病原性重症度だというお話だったんですけれども、ただ、BA.5に置き換わってかなりの数、県内でも感染確認されていますけども、死者とか重症者が爆発的に増えたようには報告いただいているデータからは見受けられないです。そういった意味で、現場で起きている客観的な事象から判断すると、そこまで重症度が高くないのではないのかなという推察はできると思います。
ですから、改めて責任がある立場の国や専門家というところで言っていただければということだと思うんですけども、その知事の本音としては、そこさえしっかり国や専門家のほうでその指針が出れば、もう5類相当に、いろいろ立てつけは一緒でしょうけども、落として対応を変化しなければいけない時期に来たとお考えですか。
●知事
まず、ちょっと前提としてお話をしたい。今こうやってせり上がっている時期で、多分全国的にもそうです。それで、隣の島根県とか本県は割と早い段階で入ってきますが、この6月の半ばぐらいありますね。ここから上昇にこう転じてきているということです。それでこの間、恐らく作用したのはこのBA.5が大きい。それでこれがこうやってせり上がってくることになって、それで例えば体調を崩された方がいらっしゃる、それで入院をされる、それで中等症1、中等症2と進んでくる。それでその方々が重症に入ってくるのはどうしても遅れるんですよね。それで、当然診療行為をしていますので、投薬をしたり、それから対処療法も含めて対策取っています、お医者さんのほうで。それで、その中で重症者というのが表れてくるのはどうしてもタイムラグがあると。
それで、今までのデルタ株や、あるいはアルファ株などのときもそうですが、こういう山がピークにいずれなる。それでピークになった後に、それから1週間、2週間遅れて、重症者がかなり目立って、重症者のピークというのはその後でやってくる。そしてその後、亡くなられた方のピークがやってくる。こういうことなので、まだ出だしですから、なかなか難しいんだろうと思うんです。ただ、今おっしゃるように、我々、今、実際にやってるところでは、重症者は鳥取県内は幸いにして今ゼロでありますし、亡くなれた方の数、これも本県は今累計で20にとどまっていて、このBA.5になってからはまだ出ていません。それで恐らく初期段階で発見をして、早期にこれはっていう人は必ず治療に回していますので、それが奏功して多分鳥取県は、他県に比べて優位に低いんだと思います。それで、この方針で我々としてはやっていこうとは思うんですが、全国のことを考えた場合に、多分我々みたいに早期発見必ずしもできない。それから、じゃあ、医療につなげられるかといって、必ずしもつなげられないところも出てくる。それで、そういう中で重症者や死者、今、確実に増えています、残念ながら。
だから、かつてのこの我々がたどった、日本国全体がたどった道を考えれば鳥取県の状況はともかく、やはり同じように、だんだんこの後、重症者や死者が増えてくるということにはなるのだと思います。それで感覚から申し上げれば、我々感覚でしかちょっと物を申し上げられないですね。専門家は、もう少しきちんとおっしゃっていただけるはずなんで、言ってくださいと思っているんですが、感覚から申し上げれば、やはりデルタ株のときよりは相当程度、やはり重症化の比率は下がったと思います、オミクロン株になりまして。
それで、その主な理由は、恐らくこの上気道の疾患ということになったからだと思います。しかし、その厄介なのはBA.5の感染の仕方、さっき見たような状況がございまして、エアロゾル感染を無視できない感染力ではないかと。それで、そうなりますと、エアロゾル感染の場合ですね、この喉にくっつくよりも、また肺まで入ってくるウイルスがいると。それで最近その東京大学などいろんなところで検査を、実験をされていますけども、肺の中で増殖する能力があるんじゃないかと、BA.5は。BA.2と違うところはそこじゃないかということも言われるんですね。
ですから、今回我々も出会った患者さんの中には無症状だけれども、調べてみたら肺に疾患ができていたと。これ皆さんもちょっと思い出があると思います、デルタの頃よく言われたことですよね。それで、ああいう現象がないわけではないということかなと思ったりします。それで、仲間の知事の中には子どもさんで胸が痛いという子がいるのが気になってるという人もいて、だから、やはり従来よりは、この肺の疾患を起しやすくなってる可能性は、我々素人目的には、現場サイドではあり得るのかなと思うんです。
ただ、それが致命的なこの感染症の特性なのかどうか、どれほどそれが強力なのか。それからそのために、じゃあ、医療資源をもう無限大に投入しなきゃいけないほどなのか。それで、あるいはこれは普通の肺炎を起すようなインフルエンザなどと同じような形で対処していけばいいという対処の範囲内なのか、これによって戦略が180度変わるわけですよね。ですから、その辺はやはり我々としては、どうしても知見として届かないところなので、専門家の方々にこうじゃないかなと言ってもらったらありがたいと。
それで、絶対こうですじゃなくていいと思うんです。こうじゃないかなと言ってもらって、それを政府が、それを参考にして感染症の在り方を考え直す。それで、我々はそれによって現場を立て直すっていうことが、可能性としては考えられる状況かなというふうに思います。それで、私個人的にはやはり鳥取県のこともさることながら、全国の状況を憂えておりまして、だからこそ先月から警鐘鳴らしているんですけれども、このままだとちょっと今までと違った感染爆発的状況になるかもしれないので、ですから、やはり感染症との向き合い方、感染症法上の位置づけなども議論されるべきではないだろうかと、戦略的に。
それで、それは可能性として今回は考える必要も、従来よりは高まってるんじゃないかなと思います。それは救える命を救うために、どちらかというと、もう今回はどうしても広がると思います。それで、恐らくなかなか広がったものが一遍で返ってこないと思う。それで、そういうのが長く続くかもしれない中で、じゃあ、この感染症とどう向き合うかというのは考えどころにやってきたのではないかなというふうに思っております。
●知事
○日本海新聞 濱田匡史 記者
すみません。そうしますと、今の波がまだ重症者や死者に及ぶようなとこまできてないわけで、それの注視が必要ということと、鳥取方式はその堅持されるっていうお考えでよろしいんですかね、例えば専門家の知見が示されたとして、鳥取方式で先ほどお話ありました、早期治療に回しているので、重症者が少ないんじゃないのかっていうお話もあったと思うので、ちょっと僕が不安なのが、先ほどの話の中で新型インフルのときにも国が家でゆっくりしてくれっていうお話があったので、多少の亡くなった人なんかはいたんだけれども、結果として保健所等はパンクせずに済んだっていうお話があったので、そうすると、その鳥取方式というのも、国の知見が示されたらやめてしまうのかなっていうのが、ちょっと疑問に思っていて、そうすると、じゃあ、今、一生懸命県民に呼びかけてエアロゾルも注意しましょうというふうに言っているんですけど、知見が出てしまうと、じゃあ、それは根底から覆ってしまうのかなとか、ちょっと不安なんですけども、その辺はどう考えですかね。
●知事
鳥取方式の中の、要は疫学調査だとか、それから検査ですね、そういうところをどの程度徹底するかには関わると思います。それは感染症の位置づけと自動的にリンクするところでありまして、国が方針変更した場合に関わり得るところです。ただ、その場合、住民の皆様にやっぱり御身を守っていただかなければなりませんので、マスクのメリハリの利いた着用とか、それから密を避けるだとか、それからエアロゾル感染対策だとか、これはやっていく、残していかなければいけない話になると思います。それで、こういう意味で感染症が今、流行していますと、それで、これから身を守りましょうということを片方でやりながら、それで、いわば仕事の合理化をして、特に医療機関で恐らくこのままいきますと、もう私は、東京辺りは始まっていると思って報道を見ているんですが、結局、外来診療が滞ってしまうと、現に今、救急も回らなくなり始めていて、救急車1時間待ちなんていうナンセンスな状況が東京[都]では生まれているわけですよね。
それで、これ、放置していいのかということですよね。だから、失われる命のリスクが高まりつつあると、だから、そこはだから、この病気は、お医者さんが全国に向けて、この病気はこういう病気なので家でまずじっとしていただいたらいいんじゃないでしょうかと、それで、かかりつけのお医者さんとまずは電話をして、それで処方してもらって、お薬飲んで、それでデータを例えば保健所だとかと共有してくださいと、例えばそういうようないろいろなやり方があると思うんですよね。ただ、今は全部フルスペックでやることになっていますので、それでかえってそうした一人一人の患者の向き合い方も難しくなってきていると。
それで、私ども鳥取県ではさっき申したセカンドコンタクトで70人投入しましたと話を申し上げましたが、それで、ああいうことを実は追加でやっているわけです。それで、恐らくほかの県できないと思います。それで、こういうことを考えるとやはり感染症の位置づけやその基本的戦略というものは、今回、BA.5に限っては見直し得るのではないかなというふうに思います。ただ、皆さんいろいろと不安持たれると思うんですが、幾つか条件があると思っていまして、例えば無料で、例えばいろんな薬だとか、それから治療や入院を受けられるということは多分維持したほうがいい、そうしないと結局、感染を加速させることになりかねないわけです。診療をあえて忌避したりいうようなことになりましたら、ちょっとかえって厄介になる。だから、いわゆるそういう無料での診療だとか、本来、[感染症法上の]2類相当の病気に与えられているような、そういう対策のある程度は維持をしながら、例えば毎日、みんな集計して一人一人の数を出しなさいということが正しいのか、あるいは推計的に出すというやり方にするとか、もう患者の数よりも一人一人の、危ない人の命だけ守りましょうとするのか、その辺のやっぱりやり方は変えていくということはあり得るかもしれないと。
それで、恐らく早晩、大都市を中心にしてそうした危機的状況になって選択肢を考えざるを得なくなるのではないかと恐れていまして、早めにやはり政府や専門家も舵を切ったほうがいいのではないかなと思っています。それで、鳥取県は当面、頑張れるように、今、その体制を強化をして鳥取方式の維持を、今、目指しております。
○日本海新聞 濱田匡史 記者
すみません、しつこくて。そうすると知事、今、聞いたお話を考えると、今、鳥取既に実践している在宅医療を中心とした経過観察をしたりとかということで、病院の入床を使わないようなやり方も構築しているので、鳥取としてはこのやり方は堅持していくということでよろしいんですよね。
●知事
それを堅持していきたいと思います。ただ、そのためにちょっと医師会だとか、看護協会や薬剤師会のバックアップをいただいたり、市町村に在宅見守りのお手伝いをいただいたり、従来よりもちょっと幅を厚くしながら対処をしないと、例えば日に500、600、700、800という、そういう在宅療養の方の数が増えた場合、対応がとてもできなくなると思いますので、そうした量的な問題の不安というものがあるので、総力戦でやりましょうということをお願いをしたいということです。それで、これがそうやってだんだん伸びないようにできるだけ感染の波を抑制するのが我々の基本戦略で、それによってやはりそうした見守りの機能というのもおのずから維持できるということになると思っています。
○日本海新聞 濱田匡史 記者
ですが、そういうやり方を貫くことで東京や都市部で起きているような医療崩壊、医療逼迫にはすぐには至らないので、県民には安心してくださいということでよろしいですか。
●知事
今々はそうだと思います。それについてはそうですが、ただ、県民の皆様にはこれ以上感染が加速度的に広がらないためにはお一人お一人のお気持ちを込めた感染予防対策をぜひお願いしたいということです。
●知事
○山陰中央テレビ 松尾直明 記者
TSK山陰中央テレビの松尾といいます。よろしくお願いします。エアロゾル感染についてなんですけども、扇風機をつけていたことで感染しなかったというか、有効だったという話もあったんですけど、具体的にエアロゾル感染についてどのように対策すべきという、具体策というのがもし県民にお示しできたらと思うんですが、この辺りどうでしょか。
●知事
これについては2回前くらいの[鳥取県新型コロナウイルス感染症]対策本部でも、実は出させていただいていますが、改めで政府のほうでもこのエアロゾル感染についてはこのたび対策を強化するというか、例を、実例を示したりされていますので、分かりやすく県民の皆様にも改めてお示しできるように強化をしたいと思います。先ほど申し上げたケースは正確に申し上げますと、結局1つの塊の中でやっぱり換気ができなかった例ですね。ただ、その中で、ただ人工的に風上に立った形になった人だけ助かったと、感染しなかったということでありまして、やはり換気自体、つまり部屋を通じて風を通すこと自体が重要でありまして、扇風機を回せばそれで解決するというわけでもないと思っています。
いろいろと工夫のしようがありまして、例えばこの会場であれば、この2方向こういう形で開けるっていうことは非常に重要でありましてフレッシュエアが入ってきて抜けていくという、そういう状態をつくることでエアロゾルが結局ここに籠もらないっていうことですね。エアロゾルっていうのはここに籠もったものがふあふあと浮いたままでずっといるという状態です。これを排除しようということでありますので、そのように御理解をいただければいいのではないかなと思います。もっと分かりやすい対策といいますか、そうした情報発信についてはちょっと現場で工夫してみたいと思います。
●知事
◯山陰中央テレビ 松尾直明 記者
あともう1点、済みません。BA.5の特徴で療養期間を延長するなどの、ちょっと療養期間が延びるという傾向があるというふうな報道もあるんですが、その辺りが病床使用率のパーセンテージが上がっているようなところに影響しているというようなものは鳥取県内ではあるんでしょか。
●知事
本県は先ほど申し上げましたように、確かに西部では4割超えた状態でありますけども、いわゆる病床逼迫で完全問題が顕在化したという程度ではなくて、沖縄[県]だとか、一部大都市の中の病院のような状況にはまだなってきてはいないと。ただ、そういう中ではあっても、やはり患者さんが療養明けるまで快気を迎えるまで時間がかかるという傾向はあり得ると思います。それで、その辺の、うちサンプル数がそんなに多くはない県でありますのであれですけども、長く伸びる傾向というのは十分あり得るかなというふうに思っています。それで、他地域ではそういう、今、報告が出てきていまして、やはりBA.5はBA.2よりも病院の滞在期間長くなるんじゃないかと。それで、それはやはりウイルスの発生量が違うのかもしれませんね。それで、その辺が抑制されてきて、言わば快気を迎えるということに対する時間的なラグというのがあるのかもしれません。ですから、その辺はやはりアルファ株のときも悩ましいとこだったんですが、そうした特性に応じた入院期間というのは考えなきゃいけないのではないかなと思いまして、うちの県ではまだそこは柔軟に対応できると考えていただければいいと思います。
◯日本海新聞 竹久祐樹 記者
日本海新聞の竹久と申します。ちょっと今日の会見の内容とは異なりますし、県政とは直接関係がありませんが、安倍晋三元首相が亡くなられました。それで国葬の取扱いについていろいろな意見が飛び交っています。それで、近く閣議決定をされて9月の終わりに武道館で開かれる見通しになっておりますけれども、時のその政権が判断をするのではなくて、一定のルールづくりも必要ではないかというふうな意見も一部で指摘されているわけですが、知事御自身は今回のこの安倍元首相の国葬の在り方についてどのようにお考えでしょか。
●知事
国葬につきましては、これ今、政府において早ければ明日にでも閣議決定するんではないかという報道もございまして、そこに注目をしてまいりたいと思います。当然ながら国のお金であり、国の行事として行うというものですので、その説明責任は政府として果たしていただく必要があるんではないかなというふうに思います。ただ、葬儀のこと自体について、私も申し上げるのは死者の尊厳ということもございますし、これ以上コメントすべきではないのかなと思いますが、いずれにせよ、政府としての説明責任が十分取られてしかるべきだと思いますし、恐らく明日そういう説明がなされるのではないかなというふうに思いますので、注目をしていきたいと思います。
安倍[晋三元]総理には私自身も何度かお会いをして、1つは中部地震のときに少し無理筋も聞いていただき、観光支援なども踏み込んでいただいたり、早めの手当をしていただいたこと感謝を申し上げたいと思います。また、幾つか実はすごく勉強熱心でやはりいろいろとお考えが深いなというふうに思ったことも幾つかございました。
例えば[首相]官邸で知事と議論をする機会あるんですね。それで、安倍総理がおられて我々が意見を申し上げるという意味で手を挙げるんですが、そのとき私も発言の機会を与えられまして、それで手話言語法の制定について考えていただきたいというふうに申し上げました。手話言語条例をつくりまして、全国でも反響があり総理にもぜひそうした現場の声を聞いてもらおうということで発言をしたんですね。それで、そのときに、実は総理がちょっと手話のような仕草をされたわけです。それでちょっとびっくりしまして、お互い会話ですから申し上げて向こうがお答えになるというやり取りなんですけども、それと併せて、私はこうやったんですね。これ、手話がお上手ですねっていうことで、これしゃべってないです。そうしたら総理が、こうやったんです。それで、これうれしいですっていう手話なんですね。これ、総理実は手話分かっているなと、そのとき直感的に思いました。非常にそういう意味でそうした障がい者も含めて、こういうコミュニケーション手段なども多分覚えようとされた時期があったんではないかなと思いました。それで、国民に対していろいろとやはり御意見はあると思いますし、私自身もいろいろとその業績については右左あるだろうと思うんですけども、ただ、そういう真摯な姿勢というのは、総理御自身は持っておられたなという瞬間も拝見をさせていただきました。そういうことも含めて心から御冥福をお祈りを申し上げたいと思っております。
◯日本海新聞 竹久祐樹 記者
関連してお伺いしますが、今回のこの話の中で、政治と宗教の在り方というのも指摘をされていると思います。それで、一部の知事は旧統一教会からの支援を受けて選挙応援を受けて知事選に臨んだというふな富山県知事でしたか、ありました。念のため確認でお伺いしましたが、知事御自身はそうした団体から応援を受けておられないかということと、それから政治と宗教とのこの関係性というものをどのようにお考えかを併せてお聞かせください。
●知事
これについては、まず、私自身はその旧統一教会から支援を受けたことはありません。どういう経緯でそういうことが政治の中に入っていくのか、正直自分の経験からするとちょっとよく分からないぐらい、特に接触はありません。それから宗教と政治の関係というのは非常に難しいテーマだと思います。これ憲法の中で政教分離ということが言われてですね、それにのっとって戦後の秩序というのはつくらなきゃいけませんが、戦前はその新党とそれから政治との関わりというのがありましたし、今、民主主義の世の中の中でも、例えばドイツのツェーデーウーというCDUですね、があります。あれはキリスト教民主同盟というものでありまして、キリスト教っていう名前が立派に入っているわけです。それで、やはりそういう意味で民主主義がいろいろと発展する過程の中で、やはり宗教というものがそれに作用するということはあり得るし、100%否定するものでもないのだろうと思います。
ただですね、ただ、問題はその宗教の宗教的行為と裏腹に、言わば社会的に例えば生活困難を来す原因になるとか、あるいは事実上マインドコントロールのような形で人生を台無しにされるとか、そういうようなことは、やはりこれは宗教の信教の自由とは別に、社会的な秩序として抑制されるべきものというのはあるだろうと思います。それで、これはメディアの皆さんも含めて、私たちも謙虚に考えなければいけない立場だと思いますけれども、今回、いろんな議論が沸き起こっていますので、こういうことをまた1つのきっかけになって、そうした様々な悲劇につながらないような、そういう対策というのは一定程度、議論されてもいいのではないのかなというふうに思っております。
〇時事通信 竹原伸 記者
時事通信竹原です。関連なんですれけども、ちょうど全国知事会議が銃撃を受けた奈良県で行われますけれども、会議の最初に何か追悼というんですかね、何かやる予定あるのかというのと、あと、現場っていうんですかね、大和西大寺駅前なんですけど、何か訪れてみようとか、今お考え等あればお聞かせ願えればと思います。
●知事
それについてはこれから仲間の知事といろいろと協議をしながら、その知事会の進め方については考えてみたいと思いますが、みんなで追悼するという場面はあり得るだろうと思いますが、どういう形にするかについてはまだ結論がございません。私自身は個人的には、会議の冒頭、そうしたときがあってもいいんではないかなというふうに事務局のほうには申し上げているところでありますが、また、これを仲間の知事と話し合った上でオーソライズしてみたいと思っています。
〇テレビ朝日 後藤龍彦 記者
ほかに質問ありますでしょうか。
〇山陰中央新報 藤井俊行 記者
山陰中央新報の藤井です。済みません。移住者のことで伺いたいんですが、総合計画だと5年で12500人ということだと思うんですけれども、まだ若干ちょっと足らないかなと思うんですけど、今後、コロナの中だったり、その後を見据えて、さらにこういうことしていきたいとか、数増やしていく上で何か取組等々考えておられますでしょうか。
●知事
これについては、残念ながら、現実ではコロナの関係もありまして、例えば現場を見ていただいて移住先を選んでいただくなどは障害が多かったと思います。それで、これからに向けまして、今、我々としては例えばインターネットでの説明会だとか、体験ツアーなども含めてそういう場を今後提供してまいりたいと思いますし、当然ながらリアルでできるようになれば、そうした今までできなかったそういうPRの機会というのも持っていきたいと思います。あと、併せて従来の計画との関係で言えば、今回このコロナで我々学んだことがあって、それは現実にその住民登録をして住所を移すということだけでなくて、副業だとかそれからワ―ケーションだとか、そうした形で関係人口になっていただき、例えば、地域の企業経営に参画をしていただくとか、それから地域のボランティアとして汗をかいていただくとか、いろんなつながりというのが実はこのコロナで見えてきたという反面があります。
ですから、従来以上にそうした関係人口のほうを、副業だとかも含めて、そうした移住以外のその移住ダッシュというようなそうしたところをやはり重視したり、現実可能性の高い分野として追及してみる必要があるかなと考えておりまして、このコロナの経験というのは、今後のこうした移住政策や関係人口対策に生かされなければいけないと思っております。
〇日本海新聞 濱田匡史 記者
済みません。関連してなんですけど、日本海新聞濱田です。今の状況は、これまでもおっしゃっていましたけれども、そのコロナがあったことで、この移住者の増加というのは追い風が吹いているという認識でよろしいですよね。
●知事
それは、追い風は吹いたと思います。それで、それが昨年度の状況に現れたと思います。しかし、ちょっと注意しないといけないのは、例えば東京都の転出入などを見てみますと、また、東京都への回帰が見え始めているデータになってきました。ですから、今年度、特に今、この状況で行動制限というものが政府も言わなくなったという中で、今、風の向きが変わり始めているかもしれません。そうであるからこそ、純粋に住民票を移してもらう以外の関係人口ということなどは、現実可能な選択肢として我々もその追及を強めてもいいんじゃないかなと思っています。
〇テレビ朝日 後藤龍彦 記者
ほかにありますでしょうか。では、なければ終わります。ありがとうございました。
●知事
ありがとうございました。