●知事
皆様、おはようございます。本日も聴覚障がい者の皆様の分かりやすさを追求しまして、マスクを外し、記者クラブの皆さんと距離を取った形で発言をさせていただいております。エアロゾルが飛びますのであんまり大きな声を出さずにさせていただきたいと思います。
さて、今、[日本]列島には前線がかかっておりまして、昨日来、山形県で[大雨]特別警報が出されるなど、豪雨災害の様相を呈し、最上川など問題が出てきておる上、これが新潟県や福島県、さらに今朝に入りまして福井県で線状降水帯が発生をしております。今、全国知事会のほうでも連絡体制を取りまして、この災害の状況をフォローしているところであります。被災された皆様にお見舞いを申し上げますとともに、いろいろとまだ救出作業だとか、それから、今後、応急復旧などがあると思いますが、全国で力を合わせるべきところはしっかりやっていく必要があると思いますし、実はこの前線が少し南に下がってきます。
ですから、今日は気象情報によく県民の皆様も注意をしていただければと思います。今、非常に大気が不安定な状況で気象条件は変わりやすいところでありますので、情報に注意をした一日としていただければありがたいと思います。
●知事
いよいよ参議院の通常選挙による新しいメンバーにおきまして昨日から通常国会、失礼、臨時国会が開催をされております。そういう中、本県からも藤井一博議員が新しい新人議員として登庁をされたところでありまして、ぜひ辣腕振るっていただきたいと考えているところであります。また、そうした政府のほうに我々としてもいろいろと働きかけるべきことがあるだろう、それから、我々としてもやるべきことがある、そういう意味で、先週は全国知事会議を開催をさせていただきまして、45名の知事が出席をし、あとは副知事が出てこられまして、非常に高い出席率で会議がなされたわけであります。それだけ様々な重要事項が我々知事の間にあったということでございまして、若干その報告を[今日の会見の]皮切りとさせていただきたいと思います。
まず、新型コロナ[ウイルス感染症]でありますが、新型コロナにつきましては緊急建議をさせていただき、今までのまん延防止等重点措置は飲食店対策に特化しすぎていて使いにくいと、今の[変異株]BA.5場の合は子どもたち、あるいは家庭、さらには正直言って職場、あるいはイベント、スポーツ、様々なキーワードがありますが、比較的幾つかのキーワードの下で感染が多く起こります。それはエアロゾル感染で面的に広がるような可能性があり、家庭内感染もそういう状況の中で生まれていると考えるべきだと思っています。
我々、現場としてはそういう状況を実は強く認識しておりまして、これ、急がなきゃいけないと、それで緊急建議を2日目の日、審議が始まって直ちに可決をさせていただき、これが基で政府でも翌日、[新しい仕組みである]「BA.5対策強化宣言」というのを出していただきました。これは初めて我々地方のほうに裁量を与えて幅広い施策をすることができるもの、それを国が後押しをするという考え方でありまして、パワーがどれほどあるかということはともかく、そうした選択肢を与える現場に即したものであることは十分評価できる内容だったと思います。
それから、あと、大きな問題になりましたのは、皆様も各報道機関で報道されていますが、全数把握というようなこと、これを果たしてどこまで手間隙かけてやるべきなのかということであります。注意しなければいけない、これが[感染症法上の位置づけを]2類から5類へ[見直す]という議論とオーバーラップして報道されがちなんですが、これ、大方の知事は仕事が今、大変なので、これ、何とかしないと医療現場も大変だし、それから我々保健衛生当局も大変なことになって、本来の健康フォローアップなどができなくなってしまうという県も出てきていると、だから、これ非常に急を要することだということで、これはほぼ皆さんコンセンサスと言っていいものでありました。
ただ、2類を5類に移すことについて、47都道府県がまとまっているかというと、そうではありません。むしろ否定的な人のほうが多いと思います。それは5類にしたという途端に緊急事態宣言など発動の可能性がなくなりますし、さらに医療費の無償化とか、予防接種を今、無料で提供していますが、そういうことがなくなってしまうと、これ、かえって我々保健衛生当局としては現場に混乱が生じるということがあります。ただ、これ、知事によって若干のそのニュアンスの差があると、ただ、まとまれるのはその全数調査など、こうした今、ただでさえ我々どうやって選択をしながら当たるべき患者さんというものを見つけ出して、命を助けるところを持っていくかどうかというのが焦点なので、そこに我々、時間や労力を裂かせていただきたいという気持ちなんです。
それで、こういうことなども含めました緊急提言をまとめさせていただき、山際[大志郎 新型コロナ対策・健康危機管理担当]大臣にはおととい、さらに後藤[茂之 厚生労働]大臣にも申入れをさせていただきました。後藤大臣のところの申入れは、これは松本[吉郎]日本医師会長と急遽、[8月1日]月曜日の日に相談をさせていただきまして、案文も両方で作成をして持っていくことにいたしました。医師会のほうにも同じようなことがあり、HER‐SYS(ハーシス:新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)の入力、これになぜ今このとき、医療機関が煩わされなきゃいけないのかという声が多数、日本医師会に届けられていると、後藤大臣への御説明の中でも松本日本医師会長がおっしゃっておられました。これが現実なんです。
それで、ここまでは皆さんもいろいろと今、報道されているところだと思います。若干、どういうことが問題なのかということを皆さんも御認識いただき、できればこれ、中央の報道機関も報道しないんですね。それで、この辺のパーセプションギャップ(認識のずれ)があります。驚くことに私も霞が関界隈を回りまして感染症の枢要な方々だとか、あるいは厚労省の関係の人たちなど話を聞きますと、第7波はもう収まっているというような雰囲気で言うんですね。そういう試算が流れているんです。それで、実はこの同じ試算を作った人、私も前、アドバイザリーボードにたまたま出席をしていて、その試算を拝見しましたが、以前、この人は7月の24日ごろにピークを迎えると言っていました。それで、東京都の最高は1万5,000人程度というふうにグラフで見えました。
それで、同じことが今度今、今もう終わると、終わっているということを言うんですね。それで、果たして皆さんの実感と合うかどうかと。ただ、この空気が実はその感染症の中枢のところを覆い尽くしている感じがしました。それで、何でこんなばかげた認識を持たれるのかなと我々、毎日、はらはらどきどきですよ。それで、そういう中でこのパーセプションギャップが生まれる、それから私たちが感染症の対策で毎晩もう本当に私自身も寝る間を削ってという感じなんですが、こういうことで全知事も追い込まれているし、当局は本当にみんなくたびれ果てる、疲労困ぱいという状況であります。それは皆さんも取材されると分かると思うんです。ところが、大臣のほうに事務方から上がっているのはHER‐SYSを入力するなど、全数調査で支障はないと、それで、保健所の逼迫ということは特段起きていませんよという雰囲気で上がっていると、それで、私はこの辺はちょっと厚労省も当局の欺瞞に過ぎないのではないかなと思うんです。
何でそこまでしてHER‐SYSを守らなければいけないのか。それで、そのHER‐SYSの入力というのは正直、1つのプラスの手間になっちゃっているわけです。このところは簡単にのぞけるのではないか、これは全数把握というのは順番に段階がありまして、まず、発生届けというのがあります。それで、これはお医者さんが発生届を書く、それは感染症法上義務付けられていまして、50万[円以下の罰金]の罰則がかかっています。ですから、これ、書かないと罰せられるというものでありまして、これ、やめたと言わない限りは我々やらなきゃいけないということですね。それで、さらにそれがこう届出用が保健所のほうに来まして、それを今度、集計をする。それで、医療機関が原則としてHER‐SYSを入力する。
ただ、本県のようなところは、もうそんなこと構ってられないと。だから連絡しちゃるけん、そっちでやってえなということで、今度、保健所のほうで、実はHER‐SYSの入力をする。これ時間帯がどうなるかっていうと、医療機関が診療しますね、診療が終わった後、看護師さんだとかが、その次の手間として、こういうこと作業しているんです。見えないんですけど、実は本当にそうなんです。それで、それができないところはせめてこうレポート書いて、それを先生がこれ発生届だって、1人1人、1人1人ですよ。1人1人について作って、それで、それを出す。それで、それを今度集計をすると。それで、これが実は全数把握と言われるものの実態なんですね。それで、これにHER‐SYSというシステムへの入力ということが強制をされていると。
ところが、それが実は破綻をしてるんです。それで冒頭申し上げましたように、今のその試算がどんどん狂ってきますね。学者の皆さん、本当に高名な学者で皆さんも今まで取り上げていたような、そういうシミュレーションがどんどん狂ってくるのはなぜか。それは東京[都]など人口の多いところの発生者、陽性者の数というのは実態から完全に離れてしまってるからです。なぜ今伸びないのかといえば、それは陽性者の数が増えてないからというふうに思いたい人たちがいると。それで、それが感染症法を扱っている厚労省の組織であったり、それから学者さんたちもその情報しかないので、鳥取県のようなところに、全部1件1件アプローチしているところとは、違う情報に依拠していると。
何でそれが起こるかっていうのは、皆さん分かんないと思います。ちょっと御説明申し上げますと、HER‐SYSに入力するのは先ほどお医者さんが発生届を書いたものがHER‐SYSに入力されて、初めて出てくるわけです。つまりHER‐SYS入力するのが遅れれば、当然そのことが遅れますし、皆さんも御案内のように前かつて大阪[府]とか、今回も東京でHER‐SYSの不具合があったとかいって、それで数字が大きくずれますよね。それで、ああいうことが起きることがまず1つあります。
それで、もっと大事なのは発生届を書いた場合だけなんですね。これは非常にお医者さん忙しいですし、どこまで書いてくださるかということは当然あるし、もっと大事なのはお医者さんに今、アプローチできないんです。それで皆さんも経験あると思います。いろんなことがありましたので、無料の検査を受けられますよね、それで、あれで陽性になると。それで、それでは今の統計のあの数、東京で3万何人というのにカウントされてないです。鳥取はカウントされているんです。なぜだか分かりますか。それは鳥取県の場合は無料の検査所と我々はタッグを組んでるんです。タッグを組んでいまして、そのところから上がってきたデータをお医者さんとしての保健所長が発生届を書いてるんです。それで、そういうことを大都市部はやってないです。ですから、無料検査所で上がってきたものが、ストレートにあそこに反映されてないんですね。それで、お医者さんのところに今、行こうとしてもニュースで明らかなように、実はお医者さんの予約が取れないと。それで、お医者さんで診断してもらって、初めて発生届ということになって、数が数えられるわけです。
じゃあ、そのほかの人はどうしてるかというと、その辺にいるということですよね。それで全くその連絡も取れないままその辺にいると。それで、この状態を放置してはいけないのに、これが、いや、実は東京はもう数が減ってきていますねってこういう捉え方になる。それで、これを本気でそのままHER‐SYSというデータが日本で一番権威あるので、これをシミュレーションに使いましょうという人たちがシミュレーションをすると、いつもこう狂ってくるってくるということです。
それで皆さんもお分かりだと思うんですが、HER‐SYS万能主義の厚生労働省のやり方は破綻しているんです。それで、こういう学者の分析にも正直役に立たなくなってますし、むしろそれを二度手間として現場に強制をすることで、どれほど我々が人員と時間を割かれているのか、このことを現場を見るべきだと言っているんです。それで、そういう非常にシンプルなこと私たちは申し上げていると。それで、この1点では、各都道府県も一致できるとこなんですね。
それで、それをその例えば5類扱いにして、どうだこうだというところは正直それぞれの地域の感染状況や、医療の提供の具合は異なりますので、一概には言えないと。それで、先般の私たちが松本会長と一緒に後藤大臣に言ったときに、その後、分科会の有志の方々がアピールを出されていました。あれ大きく報道されていますけど、あの全てについて私たち現場が適用できるかっていうとそうは思ってません。申し訳ないけど、あれは一部の地域の事情を反映したものだけで、全国の地域の事情は反映されていないと思われます。
ですから、我々は、我々自身、例えば鳥取なら鳥取の医療資源だとか、それから今の検査体制、それでうちだったら無料検査で出てきたものも、いろんな検査で、これ陽性と出たら保健所長か必死こいて発生届書いて出して、それで数ちゃんとそろえますけど、それやっていないところは、実は世の中にたくさんあるということです。特に大都市部は無理です、そういうこと要求するのが。ですから、全数を把握するのは無理だと大都市の知事らがおっしゃるのは我々もよく分かるんですよね、だから、もうこのやり方は地域によってはもうできなくなっているし、少なくともそれを一生懸命やって、その残業増やして、人も増やして、看護師さんも投入してやっている、それやらせるだけの意味が本当に厚生労働省にあるんですかということです。
それで、こういうことを、真実なんですけど、こういうことがなかなかその東京のメディアは厚生労働省の取材に行きますし、高名な先生のとこに取材に行きますし、我々のような田舎もんのとこに取材に来ないので伝わらないんです。それで、この辺はやはりぜひ、メディアのネットワークの中で真実を明らかにしていただく必要があるんじゃないかなと思います。本当に今、切迫した状況で全国が困っています。ただ、なかなか検討が進まないとかいうのは、そういう大きなパプセションギャップがあったり、本来システム破綻していて、多分厚生労働省はHER-SYSは正しいとおっしゃるんでしょう。しかし、発生届は出てきませんし、それで、無料の検査場のものは、実は全部置いていかれていますし、それで、非常に深刻なのはそのお医者さんにたどり着けない、検査すら受けられない人たちが都会では出てきているということですよね。それで、そういうところのデータを積み上げて彼らが何をしたいかというと、水曜日のアドバイザリーボードを開きたいんです。それで、アドバイザリーボードに出す資料にそのままHER‐SYSのデータが出ていくんです。それで、そのために我々全国が作業させられていると、それで、これどれほどの意味があるのかということなんですよね。いい加減にしてもらいたいと、それで、そのことでお医者さんたちも、もう日本医師会にも、もうこんなHER‐SYSなんかどうでもええやんかというふうに言ってきますし、私も知事会の中で打たれまくるわけです。もうやめてくれと、いい加減に。何のためにこんな忙しい中で数数えるだとか、そのデータを入力することやらせなきゃいけないんだっていうことで、私だって言葉がないです。
そういうふうなことをぜひ、我々としては改革をしてもらいたいということで訴えに上がったところであります。また、物価の高騰対策として、くらしの安心確率調整本部を創設しまして決意を行い、今、仲間と相談していますが、来週本部会議を立ち上げて政府への働きかけを開始しようと考えております。また、大阪、関西万博につきましては若宮大臣に御出席をいただき、推進本部を立ち上げて、みんなで、オールジャパンでやろうというふうに理解を深めたところです。
先般は若宮大臣のところに一昨日ですね、参りまして、例えば高知県では関西だけでなくて、全国で例えばパビリオンの情報共有していただきたいとか、いろんなことありますよと、それで、そういうのは協力しましょうということで大臣もおっしゃっていました。こうやって国と地方連携して、今、この厳しい危機の中でも危機を突破していって未来を創造していく、そういう方向に向かっていこうと我々は今、動いているところであります。
●知事
それで、今の新型コロナの状況を皆様も御懸念と思います。それで、これを早急にさせていただきたいと思いますが、現在、申し訳ありません。まだ集計中でありまして、ちょっとこの表をカメラに撮っていただいた後で、後で訂正するかもしれないことは御承知おきいただきたいと思います。昨日の深夜までかかりまして出たのは814名、それで、800人台が続きました。それで851名、一昨日の分を昨日発表したものが851名の過去最多よりは下がりましたが、御注意いただきたいのは東部で過去最多になりました。340を超えたということです。それで、西部が若干減りましたけれども、なお高い水準で372、それから100ぐらいの中部、これは7月の12日が、これはピークなんですが、149よりは落ちたように見えますが、ここ数日、やはり上げ基調のまま止まってきているということですね。
それで、こういうような状況でありまして、今日この後、ちょうど対策本部会議を急遽開こうということで、今、調整をさせていただいています。今日はもう全市町村集まっていただき、医療機関も入っていただきまして拡大対策会議といたしたいと思っております。そこで決めさせていただければと思っておりますのは西部の地域に特別警報を発出をするということです。それで、これはもう50%を超える病床使用率になってきました。規定でいうと3日間ということはあるんですが、よくなる様子は今のところありません。もう50%というふうにみなせていただきまして、特別警報を出させていただこうと、それから東部も今まで注意報でしたが、警報として切替えをさせていただこうと、3日間連続という要件ではまだないところありますけれども、このように今、東部は毎日せり上がってきて過去最多を更新し続けています。
それで、その中には高齢者施設なども含まれます。したがいまして、この病床を圧迫することは目に見えているところがありますので、ここはやはり警報とさせていただき、全県的に警報以上、特に西部は特別警報という宣言をさせていただき、ぜひ、県民の皆様に今、特別警報というのを医療に対する警戒すべき段階に入りましたよという意味です。ですから、その医療に対する逼迫感が出てきているということを見ていただきたいし、警報というのはそうしたものの前段階でありますが、そうした兆候が色濃く表れている時期ということであります。それで最近のこの傾向見ていただきますと、これですね、これが直近の棒グラフでクラスターの状況です。連日記者さんも見ておられると思いますが、気づかれるように医療機関だとか、高齢者施設のクラスターが増えています。非常にこれ、残念な状況であります。
ただ、御信頼いただきたいんですが、どこの団体も、当然ながら今まできちんとした対策を取っていました。しかし、それでも破られるということなんですね。それだけBA.5には悪い癖があるということです、我々から見ると。それで、そのほかは事業所、それから子どもたちの施設、それで、このほかに家庭内が実はたくさん感染があるということで、クラスターとしてはこういう状況だということですね。それでそういうような意味で、まず体制の強化をして、380人体制をし、それから今日から、一部鳥取県のほうも外部委託をさせていただこうということにいたしております。疫学調査の電話をかけるような業務の一部を外部委託を始めようと。
●知事
そうやって体制を持たせながら、超警戒すべきなのは新しいBA2.75と言われるこの株の検出に重点を置いてやっていこうということです。それで正直申し上げて、今、これが最近のスクリーニング状況でして、ほとんどBA.5疑いになってきました。それで、ただ6%ほどまだBA.1、2疑いや、緑色がこれ2%ほど、BA.2年12月1日と言われるアメリカ由来のものと言われる株、これが見られるところであります。それでこういうような今スクリーニング状況なんですが、この青いところ、これのゲノム解析をさらに進めて、変異株としてのBA.2.75を特定していこうということなんですが、今日段階で私どもはいわゆるケンタウロスと言われるBA.2.75は見つけ出してはいません。
それで、この実態を見ても、BA.5系統がもうほとんど占めているという状態のまま、まだ鳥取県はあるのではないかと思われます。ただ、これお分かりいただけるように、実はこの青い部分は割と東部だったんですね。それで、この東部にもこの赤い部分、このBA.5入ってきたものですから、今、連日最多を更新し続けている裏にはこうした状況があるというふうに思われます。
●知事
これから、大切なことは、どういうふうに医療とか、それから健康管理を持たせていくのか、持続可能にしていくのかということです。
そういう意味で、我々[全国]知事会が熱望していたことの1つに、専門家の皆さんがBA.5というのはどれほど重症化をもたらすのか、はっきり言ってくださいと言っていました。ただ、なぜかこの点、専門家の方々はおっしゃらないんですね。それで外国の文献ではこうだとかいろいろとおっしゃっていると。それで実は、それは我々としては、現場としてはどれほど医療提供体制を充実しなきゃいけないか、確保しなきゃいけないか、あるいはその療養のやり方にも関連するもんですから、そういう意味ではっきりしてくれと言っていたんですが、このたび日本感染症学会や日本プライマリ・ケア連合学会など4学会が声明を出されて、四柳[宏]先生などが記者会見をされておられました。
その中で、重症化する人の割合は数千人に1人と推定されるというふうに4学会で声明を出されたことは傾聴に値すると思います。ぜひこういうようなことも含めて、政府においてはどういうような対策が、じゃあ、このオミクロン株のうちのBA.5の特性に沿ったものなのか、そういうことをもっと、考え方、検討を深めていただきたい。直ちにいろいろ対応を考えるべきなのではないかなというふうに思います。それでこの点は非常に重要だというふうに思います。
ただ、日本感染症学会などがおっしゃっておられるのは、症状が軽い場合は検査や薬のための受診は不要だとか、37.5度の発熱が4日以上続く場合に受診してくださいとか言っていますが、これは、我々は、鳥取県は取りません。鳥取県は取りません。だから、この辺が先ほど申し上げたことなんですが、ごく一部の地域の実情に合わせて日本の感染症対策の中枢部分が次々とものをおっしゃるんですが、鳥取県のところには妥当しません。鳥取県は今まで必死になって鳥取県医師会さんと協力をしながら健康を守ろうということで、[県内]93%のお医者さんが診療だとか、検査をするという全国ナンバーワンの自治体なんです。
したがいまして、それを生かして調子が悪ければ医者に行ってください。当たり前だと思うんですけど、我々はそう言いたいです。だから、今は37.5度の熱が出ても4日間は医者に行かないでくれっていうのは、今までの日本の医療の常識から外れるような気がしますね。それで、これができなくなってる地域でこれ言ってもらいたいとこですね。うちの地域としては大迷惑です。それで、こういうことはぜひ無視していただいて、本県は発症時にはかかりつけ医のお医者さんに相談をしていただいて、診査とか検査を受けてくださいと。
それでそれが早期治療につながりまして、重症化を防ぐことになります。また症状があったらぜひその重症化リスク、例えば妊婦さんだとか、基礎疾患とかに限らず、あなたが調子が悪ければ言っていただいて結構ですよと。特にお子さん達は今いろんな病気がはやっています。ですから、やはりお医者さんにかかったほうがいいです。それで、そういう意味でそのことは鳥取県独自のやり方をしているということですね。ただ、ぜひ県民の皆様にも御理解いただきたいのは、救急医療が潰れてしまってはいけないので、検査を受けるために救急の窓口に行くようなことはやめていただきたいと。よほど、急性(疾患患者)の方が必要としている医療がありますので、それは絶対にやめていただきたいと。それで、普段の時間帯で先生方にお電話をしていただければいいです。
それで、何となれば、日本感染症学会などがおっしゃっているように、重症化する人の割合は非常に少ないということを初めて学会等で明らかにされたわけでありますから、そんなに慌てることはなくて、正しく恐れていただくという態度でいただければと思います。そこで、国が抗原(定性)検査キットを配るということにされてますので、これをじゃあ、我々でどう活用させていただきながら健康を守っていくのか。それで、私どもの県では、今、医師会さんとお話をさせていただいて、「家族みんなで健康システム」というのを鳥取県独自にスタートさせようかと思います。
それで、有症状の方がいらっしゃいます。別に4日間37.5度(の熱)で待つ必要はありません。かかりつけのお医者さんに御連絡をいただきたいと。それで診査や検査を受けます。コロナと診断されました。そしたらお薬を出します。お医者さんでお薬を出します。それで、そのときに、国から(抗原定性)検査キット、これ多分来週来るというふうに我々見ていますが、この検査キットで来た抗原定性検査キットを一緒に持って帰ってもらいます。それで、残念ながら、御家族の中でも感染多いです。エアロゾル感染を注意するために、風上に例えば罹患者はいないほうがいいとか、それから窓を開けるとか、そういうこと重要なんですが、それでもやはりかかられるリスクは高いと思われます。
したがいまして、持って帰っていただいて調子が悪くなったら、ぜひこれ自分で検査してくださいと。それで陽性と出ました、そしたらまた同じお医者さんに電話していただいてお薬を出してくださいと。それで、今度お薬を薬局を通じてお届けします。それで、こうやってご家族が皆さんまとまって安心して新型コロナの罹患者が出ても療養できるように、また、私、陽性かどうか分からんということで一々お医者さんに行かなくても、自宅でキットで見ていただけると。それで、こういうやり方をするのが鳥取県の今の医療資源の状況などを見て合理的ではないか、それでこれが多分住民の皆様の安心にかなうのではないかと思います。ですから、都会で言われているように、どこかのセンターにまとめてそこで電話をしろとか、(抗原定性検査)キットを配るとかいうことは本県は取る必要はないんではないかと思っています。国のほうでもぜひ、こうしたそれぞれの地域の実状に踏まえたやり方を尊重していただきたいと思います。
●知事
お盆や帰省のシーズンがやってくるわけでありますが、県外の往来について、向こうから来られる、あるいはこちらから行くということがあります。それで、密を避けること、正しいマスクの着用、この辺はしっかりと考えていただきたいと思いますし、本県は無料検査を今、継続していますので、これを活用していただきたいと思います。また、ワクチン接種、これもぜひ、この8月を重点的に提供しますので、受けていただければと思います。また、人が集う場面では、定期的な窓開け換気や黙食、マスク会食、密にならないように。また、イベントも重要でして、これからちょっと多いと思うんですね。それで大声というのは非常に危ない、また密にならない、スタッフの体調管理、それから換気対策、それから100人以上のイベント(は届出)ということが必要ですし、ちょっとここに書き損なっているようですが、特にイベントの前後で集まりを持つことが多いです。それで、お祭りの前後とかですね。そういうのは、今の時期は相当注意をしていただいたほうがいいと思います。
それから、福祉施設、医療施設、これが先ほど申したように全国的に問題になっているんですね。なぜかとっても多いと。それで、多い理由は幾つか分かってきました。1つはPCR検査のすり抜けです。BA.5はどうもそれを起こす率があるんではないかなと思われます。多くはないです。多くはないんですが、陰性であってもその後陽性になるということが多々見られるということですね。それで、そのときに、もう陰性だからという前提で仕事をされる職員がおられる、そこからこう広がっていくことがあるということですね。そういうことがありますので、例えば御家族が陽性になったときでも、3日連続この福祉・医療施設では検査をしましょうと。それで、これは県のほうの10分の10補助で応援をすることにいたしたいと思います。
それで、このクラスターが多発する状況に対する1つの対策として、千酌(浩樹)先生とかにもアドバイスをいただいていろいろと話し合ったんですが、ぜひこういうことを医療機関や福祉施設でもやっていただいたらどうかということですね。それで、あとは疲労だとか、職員の体調管理、それからお子様のところでも、今、増えているのは放課後児童クラブでの感染拡大、それからクラブ活動、対外試合もあります。そういうところでありまして、部活動の感染対策をこれ、緊急点検しましょうと、それから、体調不良のとき、登園、登校、出勤等を控えていただく、それから放課後児童クラブ、教室もたくさん使って、やっぱり小さなスペースでやっているところでクラスターが起きています。ですから、やはり学校当局もそこは譲っていただいて、広めにそうしたところを利用してもらうとか、対策を取っていただければと思います。
●知事
また、ワクチン接種につきまして、8月中のワクチン接種をお勧めしようということで、例えば、イオンモール日吉津におきましては全年代の方が受診できる、ワクチンを受けられる日にちをセットします。それから、それ以外にも新日本海新聞社(ビル)とか、倉吉シティホテル、米子の(しんまち)天満屋さんなど県営の施設も設けますし、市町村施設も設けますので、お問い合わせをいただき、ぜひ積極的に受けていただければと思います。
それから、医療・介護従事者につきましてもワクチンバスを使って、例えば先般も中部のほうにワクチンバスでそうした施設対象の接種をやったりしました。今後、そういう応援もしながら、今月(8月)いっぱいで4回目接種を完了させていければと考えております。
●知事
ちょっと別の話題でありますが、肥料価格の高騰問題、冒頭申し上げた知事会でも暮らしの対策として取り上げている内容の1つではありますが、政府のほうで肥料価格高騰対策を7月末に出されました。そこで、県のほうで独自支援を乗せることにいたします。大体、多分予算的に2億(円)とかそういうことになるかなと思うんですが、これを(令和4年度)9月補正(予算)で持っていきたいというふうに思います。それで、これによりまして、この秋の肥料とか、それから春の肥料とか、そうしたものの対応を、この肥料の使用量を一部、こうした土壌診断をしたり堆肥の利用で減らすことによりまして、こういう肥料高の部分を大きな、大部分ですね、助成をしていこうと、これで全体の8割支援されるということになりますので、大きな支援になるのではないかと思っております。
●知事
また、企業の動向として、これ、県外企業で(株式会社)イーグリッドという会社がありまして、こちらが米子に進出をするということで、このたび決まりました。それで、今月(8月)下旬に米子市のほうで開設をされることになります。こちらソフトウェアの開発などをやっているところで、例えば土砂災害などそうしたもののIC機器を活用したそういう情報提供というようなことなどいろいろとされていまして、県内の企業とも結びつきがありまして、このたび進出いただくことになりました。私どものほうでオフィス料だとか、あるいは通信料など、2分の1の支援というような、そういうソフトウェア産業の支援措置を取っていきたいと思います。
また、インフォメーション・ディベロップメントのグループ、これ、米子に既に来ているところですが、拡張しようと、それで、本社機能をさらに拡張しまして、人事、法務、経営企画なども移管をしていくということのお話がありました。これについても最高5,000万までの私ども支援措置というのを作っておりまして、こういうもので支援をしていこうと考えております。
●知事
昨日、私もちょっと現場を見てまいりましたけれども、西部の犬猫センター、これを移転することはかねて鳥取県、懸案がございました。それで、この皆生温泉はこっちのほうなんです。そこから大分離れているんですが、ここにプール、前の健康増進センターがありますが、ここからずっと奥のほうに行った海沿いの辺り、この緑地の中ですね、この辺全部緑地です。その中に施設を設けようということで地元の御理解を得たところでございます。
それで、これ、9月(県)議会に向けまして、県として初めてDBO方式、まず設計をしてもらう、それを建てる、そして管理運営してもらう、これを一括して民間活力を導入するということです。それで、こういう方式にちょっと初めてチャレンジしてみようかなというふうに思います。それで、9月の県議会に予算提案をしてということになりますが、この建物自体は恐らく1億数千万(円)規模ぐらいのものだと思います。それで、管理費用が年間1,000万(円)強かかるでしょう、ちょっとその辺をだからいろいろとどういうプランを出されるかということでありますが、そういうものを審査させていただきまして、DBO方式で今後も運営していただくということを考えてみてはと思っております。
●知事
最後に、この夏、県営の境港水産物地方卸売市場の2号上屋、これが新築完成をすることになりました。既にある1号上屋とか、あるいはトラックなどの駐車できるところ、そうした陸送上屋など、この辺が完成してきておりまして、今度ここが完成をするということになりました。こちらのほうはマグロとか、まき網などをやっていましたが、今度こちらは沖合底びき(網漁)なので、カニだとかそうした魚種が揚がってくるということになります。そこの2階にこういう見学通路を造り、外から来られた方が、境港のお魚について知っていただいたり、あるいは調理実習などもできる(境港)おさかなパークというのも併設をしようと考えております。これについては、(8月)11日の木曜日、祝日海の日にその開設のセレモニーをさせて、失礼、山の日ですね。山の日のセレモニーに開設をさせていただこうと考えております。日々暑い日も続きますし、今日はちょっと天候不順でもございます。熱中症に注意をされたり、あるいは水の事故等も注意をされまして、県民の皆様におかれましては健やかな夏休みシーズンを過していただきたいと思います。その際お出かけもあろうかと思いますが、やはり感染対策だけはしっかりと取っていただきまして、思い出に残る夏としていただければと思います。私のほうからは以上です。
○読売新聞 藤本幸大 記者
ありがとうございました。では、質疑に移りたいと思います。質問のある人は挙手して、名前を名のって質問してください。
○日本海新聞 佐々木駿 記者
日本海新聞佐々木です。鳥取県内の感染者数ですね、昨日が851人、本日が814人とかなり高い状態がまた続いています。他県の状態を見ると、都市部なんか、また御説明があったように別だと思うんですけれども、地方のほうでも少しピークアウトなんか見えてるところも県によってはあるように見えたりするんですが、そういったところと鳥取県内の状況というのはどのように違っていて、どうしてこの鳥取県内ではこうやって爆発的に感染者が増えているのでしょうか。改めて説明お願いします。
●知事
いろんな要素が絡んでると思います。データを見ていただければ、佐々木さんもお分かりのように、昨日我々は851で過去最多といって、4市の市長さんと急遽会議を持つというぐらいな、今日もそういう意味で、特別の対策本部をやっぱりやろうということになったわけでありますが、実は851というのは全国で一番少ない人数でもありました。それだけ全国はせり上がってるということですね。それで、おっしゃるようにピークアウトということみんな楽しみにされるんですけど、1つあらかじめ申し上げ上げます。ピークアウトしても、多分どっと下がんないです。それで、こういうことはっきり言わないと、皆さん分からないんですね。それで大臣にも、この間そのこと申し上げたんですけど、皆さんピークアウトを楽しみにされているんですが、オミクロンの場合はなかなか下がらないです。
それで、私どもは一旦ピークアウトしてるんですよね、山陰両県は、それはある事情があって、外国から入った株があって、それが爆発的に広がるということがありました。それで同じようなこと恐らくここ鳥取、島根辺りとか、それから九州とか、あるいは東北では青森とか、特異的に増えたところあります。それで恐らくそういうところはBA.5などの影響が先に入ったんだと思うんですよね。それで先に入ったもんですから、私ども一旦、その山を一旦抑えかけたわけですけど、島根さんも今、1,000ぐらいにいっておられますが、やはりなかなか落ちないんです。それで、それはオミクロンの場合は当初の武漢株などと違いまして、取り囲んでしまって終わりということになかなかならなくて、コミュニティーの中に入り込んで、そこで子どもたちの施設だとか、職場だとか、家庭だとか、あるいは飲食の場、イベントなどを通じまして、ぐるぐるぐるぐる回るわけです。
それで、そのところどころで爆発的に感染が広がるクラスターが、幾つか起こることで、それが勢いが衰えて、また増してくる。それで、最終的にどうしても、そのコミュニティーの中に残る。どちらかというと日本に住み着こうとしているウイルスの戦略があるんじゃないかと思っていいぐらいオミクロンはなかなか落ちにくいです。ですから、今、課題、1日24万5,000ぐらいのそういう発生数が落ちたとしても、それが、じゃあ、かつてのようにまた1万切ってくるのがすぐやってくるかとか、それは期待できないですね。だから、やはり当面の負担感をやっぱり取っていただきながら、命を助けることをやってかないと、今、そういう大都市部では、結局誰にも相手にされずに亡くなる方が出始めました。今までのコロナと同じようことが起き始めているわけですよね。だから、鳥取県が、さっき強調しましたように、全国で有名な学者さんがおっしゃることとは逆にすぐに診てもらってくださいってお医者さんに。それで、そういうことを私たちはやっていきたいと。命を助けたいからです。
それで、そこは見捨てるつもりはないので、そこはやはり間違わない政策を取っていただくべきだと思うんですね。それで、いずれにいたしましても、そういうわけで、今まだ上がってる途中です。昨日の、そのアドバイザリーボードとかのレポートを見ていただければ分かりますが、前週よりも落ちているというのは、島根と青森と、あともう1つ九州のほうだけです。それらは先ほど申し上げましたように、既に一遍大きく上がったところですよね。それで、そこの大きく上がったところを何とか抑えかかって、少し落ちてくるという局面はある程度は有効になると思います。それで本県もそのベースは確かにあったんですよね。それで一旦はこうやって上がってきたもの、ちょっと落としかけたということはありますけども、やっぱりどうしてもこう上がってくる。
それで、実は島根さんはここのときに跳ね上がってしまいました。それで、全国も、これはうちのカーブですね、全国のカーブはこれより大体3割ほど高いです。それから東京だとかの大都市はうちの倍以上高いです、このカーブが。何が言いたいかといいますと、ここのとこ抑えているんですね。それで、仮に我々がそのウクライナみたいにウイルスと劣勢ながらも、とにかく本気で闘うということをやらなければ、これはもっとこの上のカーブを描いていたと思います。それを抑えているので、それでよく私、申し上げるんですが一進一退だと。それで、我々のほうで何とか抑えてきて、抑えて、それを今度向こうのウイルス側が押し戻してくると、それで、なるので一進一退なんですね。
それで、ところがちょっとこのたびの800まで跳ね上がったところは、ちょっとその一進一退が少し破れかけているんではないかなと、我々が撃退して抑えたところの外側からどんどん今、実は兵庫も過去最多、岡山も過去最多、広島も過去最多、周り中、島根以外は全部過去最多です。それで、それはまだまだ上がってきますから、それでその勢いが実は入ってきています。だから、東部これ多くなりますよね。それで、ここは今まで、関西は比較的、島根県方面と比べて落ち着いていたからなんですけども、そういうところの影響を色濃く受けやすい地域が今度つられて上がってきているというようなことなんですね。
それで、これ見ていただくと不思議なんですけども、これも職員も知事はそれ、珍しいこと考えますねっていうんですが、大体100ぐらいずつこう上がってくる、階段状に。これ本県の特徴です。それで、ちょっと理由はよく分かりません。ただ、どうもウイルスを囲んでいることと多分関連がありまして、一編上がってもこれを抑えにかかるわけですね。それで、そういうようなことの合成作用でちょっとずつ上がっているもんですから、過去最多をやっぱり更新していくような形になりますが、手を緩めたらこうなってしまうというところを抑えているという特性があります。これは県民の皆様の絶大な御協力があるから、こういう今、闘いをやって一進一退、今、一進二退、一進三退というふうになりかけていますが、ただ、まだ一進の部分が残っているので感染者数の総数をある程度抑えて、医療機関のほうもある程度アライアンスを持っていただけているというふうな状態だというふうにお考えをいただければと思います。それで、この数字の意味を少し見ていただいたらいいと思うんですが、東京とか神奈川とかのこの数字とうちの数字は半分ほど意味合いが違います。それで、もし、うちのこの数字を東京、神奈川風にするとしたら、この半分くらいと思っていただいたら大体大まかな見当になります。
なぜかというと、私どもは半分くらいは保健所が追っかけたところで捕まってきた感染者であります。それで、そういう方々が実は大量に乗っかっているんですね。それで、こうやってぐっと休み明けで伸びますよね。それで、伸びた後、今度それを、分かった感染者を今度確認に行くわけですわ。ですから、その保健所が調べる感染者の数も同時に増えてくるわけです。それで、そういう分が乗っかってきて合成されてくるのがこの数字であります。それで、東京辺りは実に90%以上は医療機関の数字です。それで、だから、先ほど申しましたようにちょっとやり方が大分変わってこざるを得なかったわけですね。
それで、感染が分かった後、次の人を追いかけるということをほぼやっていません。家族ですらやってない。ですから、あとはかかったかどうかも分からないと、それで、そうするとどうなるかです。そこが大事でして、それだけ実はねずみ算式に増えているはずなんですよね。だから、我々はこうやって一時的に数が増える、大きく倍ぐらいに増えたように見えますけど、これによって実は将来的に抑えている数っていうのがありまして、だから、カーブが、東京がこの倍ぐらいのカーブになっているところが半分になっているということなんですね。だから、やはりそういうようなことでちょっと不思議に思えると思うんですが、その要因としては、本県はまだ戦闘状態を保って、次々その舞台を農林部の職員だとか、他部局の職員も投入してやっているから、こういうちょっと全国的には特異なカーブになっているというふうに御理解いただきたいと思います。
○日本海新聞 佐々木駿 記者
はい。今日の発表の中ですね、昨日の対策本部会議の中でも知事が触れられていらっしゃったとおりだと思うんですけれども、例えばこれからお盆とかっていう時期を迎えて、それで、また都市部から沢山の家族の方だったりとか、また今年、行動制限がないので県境をまたいで往来される方なんかも増えるように思うんですけど、例えば先ほどあったように、まさに知事会の発言を受けて、国としてはBA.5対策強化宣言というような仕組みをつくられたところでありますが、例えばこういったものを県内適用していくであるとか、あるいはこういったものに、これを宣言しなくても例えば大阪府のように独自に高齢者の方への例えば行動制限なんか求めていくようなお考えはございますか。
●知事
はい。BA.5対策強化宣言は検討します。これははっきり申し上げます。検討します。それは感染状況を見てであります。それで、現在、西部に[鳥取県版新型コロナ]特別警報出しました。これは、実は50%病床[使用率]というところなんですが、その占有率というのは、強化宣言の基準の占有率でもあります。ですから、西部だけを取ってすれば、強化宣言の発令に値する状況になっているということです。それで、今、全県では今4割台でありますが、そこの状況を見て強化宣言については検討します。それで、あらゆる手段を尽くして今回はやります。なお、まん延防止等重点措置は、これは有効でないし、感染対策を歪めるものなので採用しませんでした。それで、実際その中でも鳥取県は全国で最も少ない感染者に抑えることができた。結果出しています。ですから、あれはあれで間違ってはなかったと思っています。それで、ただ、全国メディアも、とにかく飲み屋さんばっかりを追っかけていましたから、非常に我々批判されましたけども、ただ、やはりウイルスを見て対策を打たなきゃいけませんので、ウイルスの特性に応じて我々はやらなきゃいけないと。そういう意味で、[BA.5対策]強化宣言はウイルスの特性に応じてオーダーメードでやっていいということなので、これは検討します。それで、その際に感染状況を見て考えなければいけません。
それで、大阪府がやっているような高齢者の方の行動抑制については、鳥取県は検討しません。なぜなら鳥取県の場合ですね、データに基づいて我々は科学的にやりたいと思います。鳥取県で高齢者の感染が増えているのはこれです。クラスターです。クラスターの増えているのは、これはみんな施設に入っていますから、もともと行動していません。ですから、高齢者の方が外に行ってうつって帰ってくるっていうのは鳥取県ではフィクションです。ですから、我々はその必要ないと思います。それはむしろ高齢者の方の自由な行動というものを我々は考えなくてはいけませんし、鳥取県伝統的に取ってきたように、保健所がしっかり闘うことで飲食店の時短だとか、飲酒しないでとか、そういう制限をかけずにやろうと。それで、それと同じ精神で高齢者の行動抑制ということも基本的には考えない。これはやらないといって断言させていただきます。
それで、もっと有効なのは、むしろ高齢者のクラスター対策です。そこで、例えば高齢者施設の御家族、職員の御家族で感染者があったような場合も3日続けてちゃんと検査をするとかいうようなことをやっていこうとか、いろいろとやっぱり対策を考えなきゃいけないと。それでイベントのような場もイベントの前後でやはりいろいろと人が接触しますので、そういうことも含めて呼びかけをするとか、そうしたことやあるいは学校のほうのクラブ活動なども含めまして、やはり現実に感染が起こっている状況に即した御注意を申し上げたり、場合によってはちょっとこれ今の時期は先送りしてねっていうこともお願いしなきゃいけない。
今度、米子のほうで特別警報出ましたので、やはりそういう意味で一段西部方面でもギアを上げた対策というのを考えていただく必要があるかなと思っています。そういうことをいろいろとやっていくために対策強化宣言というのは有効だと思いますので、50%に本県の病床占有率が達するという状況になれば、あるいはそれがもう近々に見えてくれば、それについては検討したいと思います。
○時事通信 竹原伸 記者
時事通信竹原です。すみません。対策強化宣言の関連なんですけど、今、埼玉と愛知と鹿児島の3県が発令してまして、この勢いですと結構もう47都道府県を覆い尽くすような感じかなっていう印象なんですが、仮にもうこれが半分以上の都道府県で発令されるとか、どんどん登り調子になってきた場合に、また新たに知事会としてこういう制度を創設してほしいですとかいった構想等はございますでしょうか。
●知事
また、その場合はまたその時々で我々現場を預かるものとして協議もさせていただきたいと思いますが、まずは我々考え得るのは、この[BA.5]対策強化宣言の政府の後押しをしっかり強めていただくことではないかと思います。それで、内閣府のほうにも申し上げていますし、先般山際[大志郎新型コロナ対策担当]大臣とネットで協議をさせていただいたときも申し上げたんですが、今あそこに例示されてるものというのは必ずしもどれほどパワーがあるかという感じがいたします。それで、先ほどの高齢者の行動制限みたいなものも書いてあるんでですが、それを採択される都道府県もあると思います。ただ、本県のような感染状況の現実のデータから則して考えればその必要はないわけでありまして、ただそれ以外に例えばテレワークとか、これはメニューに入っていますけど、そういうものいろいろと活用していくということなんだろうと思うんですね。
それで、ただ、それと併せて重要なのは医療の逼迫であれば医療対策、それから保健所がもう大変でアップアップするんであればそうしたところの人材の確保対策だとか、いろいろあると思います。また、例えば衛生対策をそれぞれの事業所でやっていただくときの支援とか、それでお金でいえばそれを補填しなければいけませんので、地方創生臨時交付金を確保していただくとか、こういうことが必要です。この辺は対策の一応言わば看板はできましたけども、この中身については政府のほうに充実・強化を今後も求めていくことになると思います。それで、山際大臣も地方創生臨時交付金がもし、仮に今、対策をそれぞれ自治体捉えて不足するのであれば、それは措置していく方向で考えたいというふうにおっしゃってくださいました。ですから、国もそうしたオーダーメードで各地域が取り組むことに対して応援するということは、今後強化されていただけるんではないかなと期待をいたしております。
●知事
○山陰放送 日野彰紀 記者
BSSの日野です。これまででもっとも強いコロナの敵と立ち向かう時期に、全国知事会会長としてそのかじ取りを任せられているわけです。時に、国のやり方に苦言も呈していらっしゃるというふうに拝察いたしましたが、その知事会会長としての今回のコロナ対策についての心構えを改めて伺いたいと思います。
●知事
はい。コロナ対策というのは、やはり国も地方もなく、事業者も国民もなく、みんなで協力しなければ多分展開できないと思います。そういう意味で、これからまだ、BA.5の波は続くとお考えいただいたほうがいいと思います。いずれピークアウトの計算をされることもあって、そういうことはあり得るんだろうと思いますが、ただ一気に減らなかったのが第6波でありました。それで、同じことが今回も起こると思ったほうがいいと思います。それで、そうすると社会機能のことを考えますと、今、大変な数の患者さんが出るのは事実でして、我々鳥取県ももちろんそうですし、大都市部に至ってはもっと深刻な状況になっていると、それはどんどん増えています。それで、数字の上での統計が東京などで増えにくくなっていますけども、先ほど申し上げた事情で、ただ、みんな感じていますから、それで、私だって親類縁者がいますけども、次から次へと東京のほうかかっています。
それで、そういうような現実でして、そういうようなことがまだ、当分続くのであればやはりしっかりとここは一致団結スクラムを組んでということを国地方なく事業所やあるいは医療機関、また国民の皆様、それぞれに役割を果たしながら取り組まなきゃいけないんだろうと思います。その要になるのが多分全国知事会なんだろうと思うんです。私どもは保健衛生当局を所管していますし、医療提供についても責任を持つ立場であります。また、新型インフルエンザ等対策特別措置法におきまして、対策本部の本部長を仰せつかっているわけであります。その集合体である知事会として、私どもも、今後、この厳しい局面で随時意見交換もし、必要な対策というものを政府のほうにも、きっちりこれは求めていかなきゃいけないと思いますし、また、我々で横展開できることなどもあれば、そうした情報も共有していきたいと思います。そういう意味で、先週開かれました全国知事会議におきまして、緊急建議や緊急提言などを通じて、私どもとしては団結することはできたと思いますし、政府に対しても一定程度、今、そうした働きかけも進みつつあると考えております。
●知事
○日本海新聞 松本妙子 記者
日本海新聞の松本です。お話をちょっとずらしてしまうんですけれども、県立美術館のことについてお伺いしたいと思います。総務教育常任委員会で、ブリロの箱3点で2億9,145万円という購入予定がありました。それで、6月にもキャンベルスープ缶で、3,390万円で購入予定ということでなっています。それで、合わせて3億超えのコレクションになるんですけれども、率直に知事はこの購入ってどう思われたかという、どういう感想を持たれたかということと、あと、県立美術館のコレクションの収集は今後どうあるべきと思われるかということと、あと、3点目に、コレクションへの理解とか、県立美術館の期待感を醸成するには、県民との県美術館の目指す姿、在り方の共有が必要だと思いますが、県民とどういうふうに共有していきたいか、この3点をお伺いしたいと思います。
●知事
キャンベル(スープ缶作家 アンディ・ウォーホル)は非常に有名な、世界的にも評価の高い現代美術家でいらっしゃいまして、私自身もニューヨークで勤務していたときもニューヨークの現代美術館という、MoMAという施設がありますが、そこのほうでキャンベルのその例のブリキ缶のそういう作品なども拝見をさせていただき、ある意味、非常に親しみを感じ魅力を感じている者の一人であります。そういう意味で、まずはキャンベルの作品を買おうということで、専門家の方々、話し合って一つ決められたことで、今、購入手続きに向っていると思います。それは、私は一つのコレクションの方針としてあり得るかなと思います。それで、さらに買い増そうということなんだと思いますが、それについて正直私、あんまり詳しくは聞いていません。
聞いていませんが、よくそれも関係者でその評価すべき、つまり購入に値するのかどうかについては、いろいろと議論尽くしていただきたいと思いますし、(総務教育)常任委員会でも御意見が出たというふうに伺っています。今、買ったわけではありませんのでね、多分候補作として考えているということなんだろうと思うんですが、そういう様々な県民の皆様の大きな考え方に従って、公共のギャラリーでありますから、公の考え方で最終的には判断の指針を取って、造ってもらいたいなと思います。
それで多分美術館の目玉というのを考えているんだろうと思うんですね。それで、その美術館の目玉として、こういうキャンベル作品というものについてどうかということを、もし御心配があるのであれば、例えば県民参画アンケートみたいな、鳥取県はそういう民主主義を大切にするところですので、そういう県民に定点観測的にアンケート調査するような仕組みもございますので、そういうものも教育委員会のほうでも活用してもらいながら、民意がどの辺にあるのかなというのを参考にしていただければというふうに思います。それで、この美術館の収集方針についてでありますけども、古くはこれ西尾(邑次)知事の時代に美術館の収集方針というのは立てられて、県立美術館を今にも造ろうとされた時期がありました。その後、凍結をされるということになり、私が引き継いだ後ですね、大議論をした上で美術館計画が再開をしたということになりました。基本的にはその当時から集めている地元の作家の作品の収集というのはその間も続いていまして、そういう意味での1つコレクションはあると思います。
それであと、やはり美術館に県民の皆様も行ってみたくなるようなところという意味で、一定のやっぱり魅力ある作品というのも用意する必要があるんだと思うんですよね。それで、それがどの辺にあるかということで、今、そうした現代美術だとかも1つのポイントになるかと思いますし、かねて利用があるのは漫画の関係、漫画の関係ですね。それで、美術館にふさわしいかどうかということで、これ学芸員の間では最初評判悪かったんですけども、だんだん皆さんも理解されてきていましたので、やはり鳥取県の場合はそういう漫画みたいなものも一定程度、やはり作品として特に地元の有名作家のものなどは分かりやすい美術館の魅力にもなるかなと思いますから、そんなのも考えたらどうかというのもあります。
それでそういうのをいろいろと組み合わせながら、収支方針というのをこれから開館に向けてしっかりと確立してもらって、それで時にこういうような、いろんな右左、決して常任委員会も反対したわけでないと聞いています。ただ、高いので説明責任をどう果たすんだという話だったのかなというふうにも見えるとこでして、ちょっとそこのところはそういう議論もただ起こるので、大切な県民の皆様のお金でこしらえるパブリックの公の施設でありますから、それで、それについてはいろんな方が賛同して、言わば愛情を持ってこの美術館を迎えていただけるように、いろんな方の御意見を吸収する工夫をしていただきながらそういう収集方針というものも確立してもらいたいと思います。
私のような立場がこうしなさいというものでも多分なくて、むしろその多くの方々の考え方の中で1つ集約されてくるものではないかと思っています。美術館についてはまだ十分認識されていないところは残念ながらあるかなと思います。それで、先般美術館も着工という運びになりまして、だんだんこれから姿も見えてくれば、ああいよいよできるんだなということになってくると思います。今、広田(一恭)市長中心にしまして、中部の皆さんが美術館をどういうふうに盛り上げていくのか、地域振興につなげていくのかで協議組織を持たれて、行動も起こされて、時にイベントやったりされています。それから全県的にも様々な美術に関わる、そうした人たちの言わば県組織もございましたりしますので、そうしたところでもやはりもっと美術館をどう活用するかについて御議論もいただければなというふうに思います。
まだちょっと緒に着いたところでございますが、ぜひ、そうした、特に中部の皆様中心になって美術館の意義をアピールし、また、できたときにはこうやって活用していこうというアイデアを出していただきながら、我々、その解説者側も柔軟にそうした地元の声も受け止めながら全県的にも、ラーニングセンターと我々言っていますが、全県の子どもたちはじめ、美術家の卵の皆さんがこれを成長の場にできるような、あるいは美術についての実践活動などもできるような、そういう場として活用の方策をさらに練り上げて、また、いろんなイベントやふれあう機会というものを作りながら、多くの方々に呼びかけていきたいと思います。これについては予算も用意させていただきましたので、6月(5月補正予算)で、その活用、民間団体のやるイベント支援も入っていますから、積極的に展開してまいりたいと思います。
○山陰中央新報 岸本久瑠人 記者
山陰中央新報の岸本です。新型コロナの感染拡大する中で医療機関の負担軽減というのも今後、考えていかないといけないかなというふうに思うのですが、みなし陽性の適用については知事、今のところどのように考えられますでしょうか。
●知事
これ、島根県さんにおいては一気に急上昇したとき、みなし陽性を導入されました。実は我々も、さっき申しましたように、一進一退で階段状に今、上がってきている、抑えながら、抑えながらもやっぱりだんだん島根県の数字に近づいていくわけです、最終的な。ただ、それを遅らせることで医療機関の負担を今、抑えてきているという状況です。それで、そういう意味で、みなし陽性、どうするかというのは常に実は議論してきましたけれども、今のところ導入の必要はないというふうに判断してまいりました。ただ、今後、実際に、例えば検査能力の問題なんですね、特にみなし陽性は。それで、検査能力がどうなるかということをよく睨みながら私どもとしてはそこを柔軟に今後も検討してまいりたいというふうに思います。
それで、医療資源については現在、[病床使用率]4割超えたところで、私どもとしても非常に緊張感を持っている段階であり、場合によっては[BA.5]対策強化宣言も発動することも視野にしっかりと対応してまいりたいと思いますし、医療機関の皆様ともよく意見交換していきたいと思います。それで、今、全県的に最大限の医療キャパシティをということで個別の病院と話をしていますが、正直なところ申し上げて、本県の医療の必要とする方の数の状況からして、それ以外の一般医療の制限とバーターをしながらコロナ病床をどこまで空けるかというのは一つ一つちょっと御相談しながらやっているという状態です。それでまだ回っていると思います。
それから、あと一般のほうにつきましては、先ほど申しましたが、全部の診療機関のうちの6割ぐらい、それで、特に診療できない眼科とか、整形外科だとか、関係ない診療科も加えます。それを除くと93%が実はこうやって患者さん診てるし、検査しているんですね。これ、鳥取県の特性です。したがいまして、よく映像なんかで全国ニュース出されるように、医療機関で行列を作って検査待ちだとか、診療待ちというのは、鳥取県はいっさい起きてないんです。
それで、先般も橋下徹さんと番組で一緒だったときも、鳥取県はあれ大変でしょうと言うから、いや、そんなの一つもないですと、やっぱりみんな門戸開けていますから、知り合いのお医者さんのところに相談すればできちゃうわけですよね。だから、そんなに医療逼迫が深刻というところまでいっていないですが、ただ、これからさらに感染が伸びてくる、それ、中枢部分の方々がもうピークアウトしたと、ちょっと浮き足立っていますけど、そういうことになればいいですが、ならないでまだいったらどうなるんだというところは我々は正直心配しています。だから、中央の人たちほどには何にもその心配なく放っておけばいいとは思っていないです。
ですから、今後、もし増えてきたときは、医療機関の皆様の受診の仕方については対策を考えることはあり得るかと思います。ただ、それは徐々にやっていくんだと思うんですよね。それでここにあります日本感染症学会と四学会というのは、これははっきり言ってそうした逼迫をされている地域の先生方が出されたもんだと思います。それで、これは多分鳥取のお医者さんに見せたらみんなびっくりしちゃうと。それで37.5度のお熱があっても病院に来ないでって言っているわけですから、ほんとかそれ、となるわけですよね。ただ、その逼迫してくるとこの感染症学会等4学会が言っているような呼びかけを我々もやらなきゃいけなくなるかもしれませんが、今は私たちは命を助けることを優先したいので、これには従わないでくださいと。鳥取県はちゃんとやる方向で当面やります。それで、ここ呼びかけを変えることでその外来逼迫というのは言わば調整していくということになるんではないかと思います。
○山陰中央テレビ 本田航太 記者
すみません。平井知事、コロナの2類から5類への引き下げについてはどのように、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。
●知事
新型コロナの[感染症法上の]2類、5類についましては、これは十分な議論が必要だと思います。そういう意味で岸田[文雄]総理[大臣]がおっしゃっているように、一つ一つの論点、2類から5類に行くときのこの効果、影響というものを見極めながらというのは、私は違和感ないです。ただ、2類に結びつけた形で全数検査ということを強調し、その裏には厚[生]労[働]省が莫大な予算をかけてHER‐SYSをつくり、そのHER‐SYSが無駄でないと。それで、それをHER‐SYSを使うことで資料も簡単にできるということと、利便性のために全国を犠牲にするのはやめていただきたいと。それで、そういう意味ではその2類の位置づけの見直しは一定程度は必要だと思います。
ただ、それは今も2類は2類ではないんですよね。今、新型コロナは2類ダッシュ、2類の効果とちょっと違う設計をしています。今も2類ダッシュなので2類ツーダッシュにしてもらったらいいということですね、当面は。それで2類ツーダッシュにしてもらって、こんなに爆発的に感染が広がって数が多くなり、医療関係者も保健衛生関係者も別なところに手が取られると。それで多分もっと重点化して重症化の患者さんがちゃんとプライマリーケア(総合的な医療)を受けられるようにっていうようなことなどをやはり重点的にやるほうに、国全体は考えてもいいんではないか。そういう意味で、従来の2類ダッシュのところからもう一歩踏み込んだ2類ツーダッシュということはあるんではないかと思いますが。
◯時事通信 竹原伸 記者
すみません。時事通信竹原です。すみません。さっきのBA.5の対策強化宣言の関連で、さっき検討しますということでおっしゃっていましたが、今のところは、今の段階では出す必要はないけども、必要であれば出すっていうようなことで大丈夫でしょうか。
●知事
現在は要件満たしていません。したがいまして、今出しても多分国は受けてくれないんではないかなと思います。それで、この紫ありますよね、この紫の[鳥取県版新型コロナ]特別警報っていうレベルがこの強化宣言のレベルであります。それで、これが全県紫になるとき、イメージ的には、そういうときは強化宣言を検討します。
◯日本海新聞 佐々木駿 記者
全数把握についてお伺いをします。HER‐SYSへの入力の手間とかを省くことができるメリットは御説明をいただいたことで理解をしたんですけれども、例えばこの全数把握への撤廃なんかということの話が出たときに、有識者の方からは例えば地域ごとの細かな感染者数の増減だとか、そういう小さい流行とかっていうようなところが少し見抜きづらくなるんじゃないかというような指摘があります。それで、鳥取県内に目を移すと、例えばこういったような警報なんかもそうだと思うですけれども、まさに地域ごとの感染者数の増減などによって細かな施策を打たれたりだとか、あるいはこういったものを参考にして地域の方々も例えばイベントを開くだとか、行動をどういうふうにしていこうかっていうことを決めてこられたと思うんですけど、その辺りはその全数把握できなくなることと、こういう対策をしていくこと、どのように両立をしていくのでしょうか。
●知事
若干ちょっとその頭の整理は必要なんですけど、先ほどちょっと申し上げたように、全数把握というのは一連のプロセスです。その中で、まずは発生届、それで恐らくその前には診療行為や検査ということがある。それで発生届、これが特にキーになります。それでここに来ると今度HER‐SYSということになってくる。ですが、例えば鳥取県のことを申します。実はこのHER‐SYSというシステムに我々入力をします。これ必死こいて入力するんですが、それとは別にそのお医者さんからその連絡があることでエクセルで実は一覧表作っているんです。把握しているんですよ。それで、HER‐SYSのところはもう1回別の入力をするんです。だから、これ完全に別の手間になっているんですよね。それで、恐らく我々と似たようなとこが多分多いんじゃないかと思うんですよね。だから、お医者さんに至っては今までは発生届というのを確かに書くんです。それで書いてそれをぽーんとFAXを送って、あとは保健所が何とかしてくれるっていうことだったんですが、そうしたら国のほうからHER‐SYSに入力してくれっていうことになって、それで全国のお医者さんが今どき何だって頭きて日本医師会に苦情を言ってくると、こういう状況になっているんですよね。
だから、これがなくなったところで、全数把握の1つのプロセスのここがなくなったところでどれほど日本が痛むのかっていったらあんまりないですよね。それで、個別案件は、実は別途把握をしていますし、それで、そのエクセルを作ることすら我々難しくなればもう少し考えるんでしょうけど、ただ、そのときでも多分1件1件本県はちゃんと把握をすると思います。少なくとも発生届っていうのは面倒くさい、そうしたら、じゃあ、電話1本でいいから教えてくださいと。それでそのとき連絡先を聞いてその人にまずファーストコンタクトをする、大丈夫ですかと。じゃあ、SpO2(血中酸素飽和度)測れるパルスオキシメーターを送りますよとか。それでこういうようなことで健康管理してくださいね。どのような状況で感染なさいましたか。御家族いらっしゃいますか。じゃあ、御家族じゃあ、検査しましょうねってこんなようなことをファーストコンタクトをやると。それで、これは維持すると思います。
ですから、地域によって多分やることは違うと思うんですね。それで、今回例えば尾身[茂]先生たちのグループが出されているものも、あれ早速今朝、別の知事から言ってきましたが、、あんなもん何考えてるんだっていう話は入ってきます。それで、やっぱり地域によっては全然妥当しない内容がやっぱり入っている。それで、やっぱり我が国の感染対策は残念ながら一部の限られた人たちが自分たちの知見の中でつくっているからこうなっちゃうところがありまして、やはりもっと広い目で考えるべきなんですね。それで、それぞれに工夫していますから、その中でそうした感染の把握ということをやっぱりやっていきゃいいと思いますし、多分鳥取みたいなところはそれは間違いなく続けると思います。だから、あんまり心配してないですね、全数把握という言葉が取れたところで別に全部やめちゃうわけじゃないわけでありまして、仕事のやり方を変えるというイメージで我々は見ていると。
ただ、実は誠に残念ながら、そういう把握が十分できてなくて動いている自治体も多分あって、それが尾身先生のようなああいうグループのレポートにつながっているかもしれないですね。HER‐SYSで入力されてそれだけをこう見ていて、それがテレビや新聞の統計数字やあるいは先生方のアドバイザリーボードでの試算のデータになってくる。それで、そういうよう流れでありますけども、そこに保健所がタッチすることがなくなってくれば、実はその患者の動きすら見えなくなってるわけですね。恐ろしいですけど、やっぱり地域によって実はその辺は違いがあるんです。
だから、今でもそれちゃんとできているのかなっていう状態の中で、じゃあ、そこで一部手続がなくなったところで何が変わるのっていうのが恐らくあるんですね。だから、頭の中で観念論でその全数把握という言葉だけでやっていますけども、実はそのプロセスがありまして、そのプロセスをどう合理化するかというところを考え、それで我々の立場からすれば、少なくても最初のファーストコンタクトを取るっていうことは早めにできて、エクスプレスレーンに乗って、重症化の可能性のある人はちゃんと医療までたどり着けるような、それをできるだけ早く確保することだと思います。
本県が、重症者がいまだ一人も出ていない状況になっている第7波の状況というのは、それは初期で見つけているから可能なことであって、初期で医療的ケアと結びつけているから可能なことなんですね。ただ、残念ながら大都市部ではこのたび何も動けないままに亡くなった方が出てきているということでありまして、これをなくすためには、やっぱり初期での発見が大事で、今おっしゃるような識者のおっしゃることはそのとおりだと思いますし、鳥取県は全数把握ということについてのプロセスの見直しがあったとしても、そこを外すつもりはないということですね。
〇NHK 大本亮 記者
NHKの大本と申します。ちょっと別の話題で恐縮なんですが、JRの問題について伺いたいと思います。鳥取県では、今、県東部で協議会のほうをされていると思うんですけれども、昨日、JR西日本の長谷川社長が輸送密度1,000人以上の線区についても議論の対象としたいというようなお話をされたと思います。その辺り、知事としてはどのようにお考えか聞かせてください。
●知事
結論から言うと、[輸送密度]1000~2000人のところは、本県にはございません。したがいまして、長谷川[一明JR西日本]社長おっしゃったことは本県としては空振りであります。それで、長谷川社長のその問題意識よく分からないですね。私も報道で見ただけです。それで、多分協議が進まない地域があってそのことについてメッセージを出されたのかなと思いますが、本県は曲がりなりにもその協議の場である[東部地域交通まちづくり]活性化会議というのを我々首長側とJRさん、そのほかの交通事業者でつくりましたので、前に向かって進んでいるというふうに長谷川社長は見られるんじゃないでしょうか。
〇日本海新聞 佐々木駿 記者
同じJRの関連での質問です。先日の会見で、JRの米子支社の組織についてJR側から説明がありました。今いる1,500人のうち1,350人はこのまま鳥取県内に残られて、あの総務部門なんかにいらっしゃる150人については機能としては広島のほうに合わせていくような形になるというような説明だったと思うんですが、違うか、110人に関しては広島のほうに異動になる可能性があるというふうにも取れる説明だったと思います。例えばこれまで鳥取県内においては例えば20人の雇用を確保するために何億や何千万というお金を融資をしたりとか、突っ込んだりして雇用を確保してきたところでありますが、この点、この110人の雇用が失われる可能性があるということについては知事はどのようにお受け止めでしょうか。
●知事
これについては非常に難しい問題だと思っていますが、まずはそのJRさんの動きを見ていく必要があると思いますし、我々としてはできる限り地域での人員の活用やあるいは組織運用、米子の地などこの山陰の場で行っていただきたいということは今後も求めてまいりたいと思います。実はこれ、私どもは支社のほうに、JRに申し上げていたのは、米子支社を存続させてもらいたいということを強く申し上げていました。これは一部報道でなくなるという報道がありまして、我々も非常に驚いたものであります。それで、私どもがその鉄道の町として、米子というところがあり、そこにはかつて後藤快五郎をはじめ、鉄道建設に夢を見た人たちの思いが今も眠っているわけですよね。それで、実際JRの拠点があることで雇用の場があったり、また後藤の工場も、これは関連会社になりましたが、それでも例えば岡山だとか、日本の各地のそういう機動車の修理工場、メンテンナスをやったりしている重要な拠点でありまして、JRグループがここにいることは我々非常にメリットといいますか、地域としてのプライドがあると思うんですね。
ですから、そのことはぜひ分かってもらいたいと。それで、残してもらいたいということについて、今回はむしろ山陰支社ですか、名前変わるけれども残られるということは明確になったことはこれ率直に評価をしたいし、歓迎をしたいと思います。それで、あとは経営状況と相談をしながら組織の在り方をどうしようかということなので、正直これはJRの裁量の問題だろうとは思うんですが、ただ、その際、今の人員の活用や組織運用について山陰という地を大切に考えてもらいたいということは申し上げたいと思います。
それで、私どもはざらっとした説明を受けたんですけど、ちょっとまだよく分かりません。多分、佐々木さんのほうがよく分かっているんだろうと思いますが。どうも、何か出向して、それでリモートワークがあるとか、ちょっと従来と何か働き方の形態が少し変わってくる人たちがいるみたいで、じゃあ、この人は一体どこにいるのというところがよく分からないところがありまして、多分、労働組合とも今いろんな協議をされているんだと思いますので、その動向を見守ってまいりたいと思います。
〇読売新聞 藤本幸大 記者
ほかになければこれで終わりますが、いかがでしょうか。はい、ではこれで終了します。ありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。