令和4年9月定例県議会付議案に対する知事提案理由説明要旨
これより、本議会に提案いたしました諸議案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
本議会に提案いたしました議案は、
予算関係 5件
条例関係 3件
その他の案件 9件 の 合計17件であります。
まず、議案第1号 一般会計補正予算(第3号)は、「BA.5等の新型コロナ対策の緊急強化」を実行に移すものであり、全国で爆発的感染拡大を惹起したBA.5に対する対策を強化するとともに、次の第8波以降に対応できる体制の確立を図ろうとするものであります。
BA.5の猛威により、本県においても、8月20日には新規感染者数1,198人と過去最多を記録したものの、大規模な応援職員による疫学調査や陽性者支援のテコ入れに加え、エアロゾルを意識した換気の徹底や県外との往来時における無料PCR検査の受検などにより、議員各位、県民の皆様の御協力の賜物として、感染者数・死者数とも全国最少レベルに抑えることが叶いました。併せて、BA.5の圧倒的な感染急増にも対応できるよう、医療機関や保健所の過剰な発生届や報告業務を重点化し、命や健康を守る本来の業務に集中できる新たな体制へ移行するため、全国の先頭を切って、9月2日から発生届の対象を重症化リスクのある方に限定する「全数把握見直し」へ舵を切りました。これにより、重症化リスクの高い方については、医療機関と連携して早期入院、早期治療に繋げるとともに、そのほかの陽性者は、陽性判定後速やかに「陽性者コンタクトセンター」に直接登録していただくことにより迅速に療養支援が受けられることとなり、誰一人取り残されることなく、早期に安心して治療・療養できる「BA.5対応型安心確立進化系システム」が円滑に始動するに至りました。
この進化系システムを展開し、抗原検査キット、パルスオキシメーター、陽性者への食料等の早期配布など在宅療養体制の整備を図るとともに、オミクロン対応型2価ワクチン接種を開始するほか、クラスター対策の重点化・専門化、コロナ回復患者の転院受入促進、社会福祉施設等のPCR検査増強、事業所でのテレワーク導入環境整備など、一部関係業務の外部委託も含め、機動的に新型コロナ対策を緊急実施することといたします。
なお、議案第1号につきましては、速やかに事業を実施する必要があり、その緊急性を御賢察賜り、先議に付していただきますよう謹んでお願い申し上げます。
次に、議案第2号 一般会計補正予算(第4号)につきまして御説明いたします。
まず、「産業・雇用とくらしを支える」についてであります。
長く厳しいコロナ禍に加え、原油高・物価高・円安が県内の産業・雇用・くらしの基盤を脅かしている状況を踏まえ、売上減少事業者に加え、光熱水費・資材費等の高騰により粗利が減少した事業者にも対象を拡大し、販売促進等への支援や資金繰り支援を行うほか、企業の伴走支援や事業承継支援を実施するとともに、観光誘客キャンペーンやお食事クーポン券の延長など観光・飲食事業者支援を行うこととします。また、農林水産業についても、畜産飼料や肥料の高騰対策、農家向け無利子融資の拡充、県内産小麦等の生産・供給強化を図るほか、皆伐再造林地での獣害防止柵雪害復旧支援、水産業者に係る発泡スチロール箱購入支援や無利子融資延長などの施策を講じることといたしました。
併せて、鉄道事業者への運行支援を拡充し、賃金アップを促進するためその実施企業を助成するとともに、生活困窮者の光熱水費支援を行います。
次に「活力と安心のふるさとづくり」についてであります。
ビッグデータを活用した健康増進やデジタル学習環境の整備、スマート畜産技術の導入支援など、「住まあとっとりプロジェクト」を展開するとともに、聴覚障がい者情報アクセシビリティ向上、重度の心身障がい者の生活介護拡充、養護学校の教室整備などを進めてまいります。
また、西部に新たな犬猫管理センターを民間活力を活用して整備するほか、盛土等規制のための基礎調査、中国電力との協定による原子力安全対策のための拠出金積み立て、環境管理事業センター運営助成などを行います。
さらに、山陰海岸ジオパーク世界再認定に向け、鳥取砂丘エリアサインの整備や50周年に併せた鳥取砂丘こどもの国整備、ジオパーク誘客促進イベントの実施などを行います。
なお、政府において物価高騰等に対する追加の施策を検討しており、これを速やかに実行へ移すため、本議会へ追加補正予算を上程することを視野に入れて検討しておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
以上の議案第1号・第2号の補正予算は合計139億5千万円余となり、補正後の予算額は3,933億1千万円余となるものであります。
次に、補正予算以外の主な議案につきまして御説明いたします。
議案第6号 鳥取県立青谷かみじち史跡公園の設置及び管理に関する条例の制定につきましては、全国屈指の弥生遺跡の保存・活用を行うため、「青谷かみじち史跡公園」を令和5年秋に開設し、鳥取市と協力しつつ適切に管理運営していこうとするものであります。
議案第7号 職員の育児休業等に関する条例の一部改正につきましては、県職員の育児休業の分割取得を可能とするとともに、非常勤職員の適用範囲拡大など、育児環境整備を図るものであります。なお、法の施行に合わせた運用開始のため、先議に付していただきますよう、お願い申し上げます。
議案第17号 職員の定年の引上げ等に伴う関係条例の整備に関する条例の制定につきましては、県職員の定年を65歳に引き上げ、これに伴う給与・退職手当の改正を行おうとするものであります。
以上、本議会に提案いたしました付議案につきまして、その概要を御説明いたしました。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。