●知事
皆様、おはようございます。今、我が国はこれから通常国会、来週[1月13日]から始まるということになり、大いに政策論議が国全体で深まると思います。本日発表されているところでは、海外との貿易赤字が19兆9,000億[円]と過去最多に上ったということであり、それの背景には燃油高騰など大きな県民生活にも影響を与えるようなことが存在しているわけであります。こういうような非常に難しい状況の中で、国全体がコロナをどういうふうに乗り越えていくのか、withコロナからポストコロナへ動いていくのかということが重要なターニングポイントに差しかかりつつあると思われます。
そういう中、本県もこのコロナを乗り越えて新しい鳥取県を創造していく、そういう今、ステージに乗り出していくところであり、今、[令和5年度当初]予算[の]編成を進めておりますが、こういう状況の中で、まずは喫緊のもの、急がれるものは当初予算のほうにも積極的に計上をしていく、あるいはこれまで十分議論を重ねてきたもので、あとは計上するだけになっているものにつきましては計上していく、こういうことで予算編成を今、進めているところでございます。
そういう中で、今見えている状況を申し上げますと、恐らくは3,300億円台の半ばぐらいになると思われます。今、まだ精査中でございまして、十分まだ議論しなければいけないところもありますけれども、主な、特徴的な事業だけ少し御説明させていただきますと、まずは、後ほど申しますが、新型コロナウイルスの感染症対策、これにつきましては恐らくこれから大きな政策論議が行われて、コロナについてどのように我々が向き合うべきか、かねて私も[全国]知事会も申し上げていたことに政府も対応しようとしていまして、ただ、新年度になっても感染が一定程度残って、当然ながら広がることはあり得ますし、波が繰り返すこともあり得ます。
したがいまして、たとえ一定の制度のスキーム(枠組み)は変わったとしても、行っていくようなそういう感染症対策につきましては、現在の制度をある程度前提に置きながらやっていく必要があるのかなと、ざっと100億円程度、これについては予算を用意をして機動的に感染状況に応じて執行していく、また、もちろん制度改正というものも踏まえて執行していくと、そういうことになるのではないかというふうに考えております。
それから、コロナ禍、コロナで非常に厳しい状況にある、そういう事業所、形態、そうしたところを考えて、あるいは物価高騰や資材高、飼料高などを乗り越えていく、この辺は年度当初から必要な部分につきましては積極的に計上していこうと考えております。例えば産業成長を支援する応援の補助金などがございます。売上や利益回復に向けまして前向きに積極的な投資をしていく、あるいは省エネだとかいろんな業態転換だとか、そういうものにチャレンジをしていくことを支援していこうと、これでざっと5億円ほどはあろうかなと思っております。
それから、旅行支援とかお食事クーポン券、こうしたもので特にコロナで打撃を受けた観光、宿泊関係、それから飲食関係、そうしたところにつきましては需要創出を継続していくという意味で、それぞれ1億円ほど計上するのかなと考えております。それから、タクシーやバスの運転手の確保だとか、それから、運送業者の皆さんの物価高騰等に対して、例えばタイヤの交換の経費だとか、そうしたものを見ていこうと、こういうようなことなど事業者の支援を行っていくわけであります。
それから、生活者支援につきましても今、返済をこれから本格化するということになりますと生活福祉資金があります。それで、この生活福祉資金の返済ができないというふうに認められるような場合についてはその免除措置もありますが、いずれにしても生活を立て直していかなければいけないわけでありまして、支援員の人材育成、それから、市町村において相談していただく、そういうものの体制づくりなどが1つありますし、それから、生活困窮世帯に対して光熱費、その高騰支援を行っていくと、これ、市町村に対して半分を県のほうでも助成していきましょうと、こういうような生活者支援で、ここのある2つ項目で大体2億円ぐらいになろうかと思います。
それから、農林水産業の支援として、農業・畜産・林業・漁業などで省エネの機器を導入する、あるいは太陽光発電を、例えば酪農関係の施設に導入していく等々、そういうものを支援していく、あるいは畜産関係ですね、酪農・養鶏・養豚・肉牛、そうした生産者の配合飼料、こういうものを支援していく県の独自の補助制度、こういうもので両者で大体3億円ぐらいかなと思います。ここに掲げてあるもの以外にもいろんな政策を計上していきまして、合計でだいたい60億[円]ぐらいには上っていくのかなというふうに考えております。
それから、リスキリング(技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために必要な新しい知識や技術を学ぶこと)など、産業界では人手不足ということは言われますし、それから、働き手としても新しい仕事にチャレンジをしていく、そういうことで所得を上げていくということがあるわけであります。それで、こういうものに応えていくもの、大方は多分6月以降[4月に行われる選挙で選ばれた]新しいメンバーで議論していくことになろうかと思いますが、取り急ぎデジタル関連産業、ICT産業などにおける人材、この開発の事業だとか、あるいは経営者などのセミナーなどでこのリスキリングについての意識を高めていく段階のもの、それから、特に人手が不足している業態における労働力の掘り起こしのためのセミナー、こういうものはまずは計上させていただいたらどうか、大体2億円程度かなと思っています。
いずれにいたしましても、こうしたものをこれが6月に向けて新しいメンバーでまた精査をして、取り急ぎ今、計上すべきものだけ計上させていただこうということにしたいと思っております。それから、今、来週の[国会での]所信表明[演説]、一番大きな目玉は子育て政策になるのではないかという報道がありますが、これにつきまして、本県ではこの子育て王国関連、これも、もちろん6月以降新しいメンバーで議論していただいて、いろいろと事業を考えていただくことになるわけでありますが、取り急ぎ当初予算ベースで今、計上しておくことでございます。
1つはこれ、鳥取県版アドボカシー(権利擁護)というのを、これを今、実証事業を今年度やってきております。それで、その成果を踏まえまして本格的な導入を図ろうというものでございます。具体的には社会福祉の審議会の中に権利救済機関を設けることにしようではないか、それで、そこに対して子どもがアドボキットという意見表明を支える大人がいますが、その大人を通じて児[童]相[談所]だとか自分の入っている児童福祉の施設だとか、そうしたところに意見を言うという、これ、ちょっと書いてないですが、そういう流れがまずあります。それで、これをいろいろと今回もやってみたわけでありますが、やはり権利救済機関をもう1つ作ってバイパスのそういう意見や子どもの意思の実現を図る、そういう流れをきちんと作ってはどうかということです。それで、これにつきまして、このアドボキットのほうで意見を子どもから聞いて、それを権利救済機関のほうでいろいろと調査をして、必要な意見を権利救済機関のほうからも出していくとか、それから、アドボキットが活躍をしながら、関係者と調整をして子どもの意思の実現というものを図り、子どもさんの納得を得るようなことを考えていくというものであります。それで、これは鳥取県版アドボカシーを本格的に実施をしましょうというのが1つであります。
あと、非常にケースがいろいろと多様なものがあって、児童相談所のほうでも、まずは、ICT、デジタル化というものの端緒を切らさせていただこうということを考えております。それから結婚とか出産とか、子育て支援、そのものにつきましては、まず、[とっとり出会いサポートセンター]「えんトリー」のほうに、市町村でもいろんな婚活イベントなど事業をやっておりますので、それと調整しながら、効果的な出会いの場づくりをやっていこうと、そういうコンシェルジュ、結婚支援コンシェルジュを配置をすることを考えておりますし、それから、これは国の事業に連動しますが、出産・子育ての応援交付金、これを出していこうと。
また、ヤングケアラーだとか、そのほかのいろいろと困っている家庭に対して、アウトリーチ(さまざまな形で、必要な人に必要なサービスと情報を届けること)型で家事や育児を支援する事業、これを今、一部の地域で始めていますが、こういうものを展開していこうとか、それから保育ニーズに合わせまして、4、5歳児[に係る保育士]の加配だとか、それから待機児童、これをなくしていく意味で0歳児入所の保育士、この加配というものも、半年分これから確保していくように強化をするとか、障がいを持ったお子様のために、施設を改修する支援をするとか、こうしたことを考えおります。
また、経済的な負担につきましては、これ県外から入ってくる、そういう高校生に対しても通学支援をする事業を新たに導入をしたり、それから[鳥取県]未来人材育成基金という基金で大学などに行くために、例えば大都会へ行くとか、県内の学校もあるかもしれませんが、そういうところの奨学金の2分の1や4分の1を返済免除をすると。それで、それによって県内の就業定着を図るという事業でありますが、これに理容師さん、美容師さん、あるいは歯科技工士さんというものを業界と協調しながら、これの導入拡大を図っていこうというものであります。それで、こういうようなことなどをいろいろと総合していきますと、恐らく3,300億円台の半ばぐらいが当初予算の規模感になろうかなというふうに思っております。
2 鳥取県の新規陽性者数の推移・クラスター発生状況
それで、先ほど申し上げたコロナでありますが、少しこの風向きが変わってきた状況かなというふうに考えております。これが直近の状況でありますが、現在のその状況は12月の前半ぐらいの水準になってきたのかもしれません。そして、それの裏づけるようなものとして、これがこの紫[色の折れ線]が、これが陽性率であります。それで、陽性率が一時期、年末年始時期に30%を超えるような状況だったものが、これが今、低下傾向を見せていることは、我々現場でも感じております。
したがいまして、ウイルスのほうの感染の強さに一定の変化が出ているのかもしれず、こういうようなことをデータとして見ていただきますと、今、世上、報道されているような、全国的に少し感染のレベルが下がっているんではないかと。それで、それと、それのことが現場的にも理解できるのかなと思っております。それで、こういうような中でも、ただ、ここにある[棒グラフの]紫色[の部分]のような高齢者施設のクラスター、これが非常にまだ多いところであります。直近の状況ですと、年代的には大体10代以下のところですね、これがかなり、やはり感染が多いと。それで、それから、さらには高齢者のところがそれに続くような形で感染が多いという状況であります。
それで、こういうようなところの手当てというのを考えなきゃいけませんし、特に高齢者の方の場合、基礎疾患などがいろいろおありの方、そういう方々が施設に入っていたり、病院に入院したりされています。そこで院内感染とか、施設内感染が起きますと、一気に病床が逼迫する、そして特に亡くなられるというようなことにつながるケースがある。これが全国で起きているもんですから、昨日の[新型コロナウイルス感染症対策]アドバイザリーボードでも出ておりましたけれども、全体としては、感染は少し下がる傾向が出てきているけれども、死者数は多い、増えているというような分析がありましたが、その辺はそういうことではないかと思います。
また、私どもは比較的捕捉しているのでこういうように実数を追っかけてるところありますが、恐らくその死者数との関連でいくと、一部地域ではかなり捕捉漏れがある、統計的に大分違ってきているんではないかなというところがあります。ですから、そうした意味で、実数とちょっと違ったところに、この今の全国的なデータ発表が出ている可能性は捨て切れないところであります。ですから、大切なのは、最終的な命を守る、そこのとりでのところの病院をさらに機動的に動いていただけるように我々が環境整えるでありますとか、それからそうした悪化する危険のある方に早期の治療というものを徹底をしていくと、この辺が多分これからのポイントになってくるのではないかと思います。
そういう中、ここに来まして[感染症法上の]5類ということの判断、あるいは5類相当ということの判断も含めた2類相当からの見直しというのが政府の中で急速に今、浮上している状況であります。これ、我々全国知事会でも大分議論を重ねていて、現在のオミクロン株は従来とは大分違ってきている、デルタ株以前と違ってきているところがありまして、やはりそのオミクロン株に即した対応にすべきではないか、その意味で政府や専門家のほうで科学的知見も交えて感染症法上の位置づけであるとか、それから対策のパッケージ、この見直しに着手すべきだということを申し上げておりました。
それで、まさにその我々が求めていた方向性で今、議論が大きく動こうとしているのではないかと考えております。それで、私ども全国知事会としても、これから仲間ともよく話し合っていく必要がありますが、やはり我々もこうした国のほうがもしステージを変えるという、移行させるということに判断を動かすのであれば、我々現場として、じゃあ、その移行するに当たってこういうところをやはり留意してもらわないといけないんじゃないかとか、現場としては、ここはしっかり取りあえず守る必要があるんじゃないかとか、その辺を地方側の声をきちんと政府に上げていく必要があるだろうと思います。
したがいまして、来週ですね、今の報道では今週から来週にかけまして大きな動きがいろいろとあると言われていますし、特に来週の月曜日[1月23日]になりますと厚生科学審議会の開催が予定をされているということでありまして、ここが2類の見直しについて所管する審議会ということになります。この辺が、だから注目のポイントですし、国会が始まるに当たりまして、[岸田 文雄内閣]総理[大臣]は所信表明演説をされたり、あるいは予算委員会も開催されますから、様々な閣僚も含めた国会でのやり取りが始まるのではないか。それで、並行してそうした厚生労働省を中心とした見直しについての議論が専門家も交えて深まってくるんじゃないかというふうに思われますので、来週からまた重要な局面に入っていくんではないかと思います。
ただ、我々全国都道府県どこもそうでありますが、来年度に向けて今、予算編成も大体終結しかけていまして、それで、そうした来年度の予算に、じゃあ、新型コロナの予算どうするのかっていうのは考えなきゃいけないわけですね。それで、恐らく人間界の都合とは関係なく、感染症が、じゃあ、年度をまたいだらなくなるかというと多分そうはならないわけでありまして、やはりどういう事業がふさわしいのかということはありますが、形を変えながらでもやはりそうしたコロナ対策などの予算などは考えていかなきゃいけない、それで、そのための国のバックアップといいますか、交付金の裏づけも必要であります。それで、我々のほうで、例えば最終的なゴールキーパー的な役割を果たしてしっかり守っていただく医療の皆さん、この皆さん方が、例えば診療報酬の問題だとかも含めて仕事がやりにくくなるということになってはいけないわけであります。それで、また病床の確保もやれなければならない、特にやっぱり悪くなる方もいらっしゃいますので、その辺の工夫も必要だろうと思います。
そうしたことがいろいろとやはり課題としてはあって、感染症のタイプに即した対策に移行するということについて全国知事会もそれを求めてきているものでありますが、じゃあ、どこをどういうふうにいじるべきなのかということについては、政府にも留意していただくべき点があると思います。そういう意味で来週にでも、私どもも知事会の中で組織的な検討を立ち上げる必要があるかなと思いますし、政府に対して協議の場をつくってもらうように求める、こうしたことも来週、我々としてもやっていくべき状況になってきたかなというふうに今、感じているところであります。
そういうことを前提として、ちょっと今の状況を少しお話を申し上げますと、これは県内におけるオミクロン株の状況です。それで、ここにある全てオミクロン系統です。それで、かつてのデルタだとか、そうした武漢系統、そうしたものは実は今、なくなっているんですね。ですから、従来とはやはり違った病気になってきているということはあるのかなと、それで、このオミクロン株になって、それで、いろいろとこういうふうに系統が今、分かれてきている群雄割拠状態、これが今の特徴であります。
それで、特に年末まで少しポーション(部分)が、割合大きかった(変異株)BN.1、これはBA.2の系統であります。それで、こういうものが若干勢いが小さくなってきてると。それで代わりにBQ.1、あるいはBQ.1.1というのが年末から今年にかけて増えてきていますし、BF.7という、これはBA.5の系統です。それで、このBA.5の系統ですが、免疫を擦り抜けるというふうにも言われているものでございまして、こういうものも割合を増やしてきていると。それで従来からのBA.5.2とか、BA.5.2.1というものもありますが、大分構成としてはばらつきが出てきていると。これらが共存しながら県内で感染を広げているという状況でありまして、そこにXBB.1、XBB.1.5、1.5が、これが特に今アメリカで問題になっているやつでありますが、こうしたBA.2系統の中での組換え体と言われるものにつきましては、本県ではまだ1件しか見つかっていないという状況であります。それでもああやって増えていくわけですね。
それでこの後、ただ、XBB.1.5が感染を全国で広げるんではないかというふうにも分析もされているところでもあります。それで、今は全然ないものが急に入ってきてわっと広がると、今後も感染が広がるかもしれないと。それで、ただそれによる、例えば重症患者が増えるかどうかというのは、今まだデータはないと専門家はおっしゃっていますが、オミクロン株の中の分布の話でありますので、前のように急にコロナ性の肺炎を頻発させるとか、そういうことになるかというと、どちらかというと上気道と言われる、のどから上の病気の可能性は高いのではないかとも思われます。
ですから、やり方はやはり従来の対策から変えていくことは、1つ合理性はあると思われるわけですね。じゃあ、何に注意すべきなのかということですが、1つは病床の確保であります。それで、現在の病床につきましては、確保病床に入っておられる患者さん当然おられるわけでありますが、その確保病床以外でも実は院内感染が広がってしまっているんですね。それで、それによって全国の病院が苦しんでいる状況です。それで、この院内感染が広がっている中で286人、今、患者さんが確保病床以外でもおられるというのが実情なんですが、当然療養はできますし、そこでもし悪化すれば転院されるということも当然やっているわけでありますが、それで、これを逆に、この286人入っておられるようなこういう一般の病床の方々、こういうところもコロナ病床扱いをきちんとして、それで必要な病床を逆にこれで確保していくと。それで、実は今の状況は、かつては特定のコロナの協力病院のほうで、言わば独占的にこのコロナ患者を受け入れてもらっていたわけです。ところが、第8波に入りまして非常に感染力が強いもんですから、職員を介してだとか、あるいは患者さんを介して、それで院内に入り込んだ後、一生懸命防御はされてますが、それでも広がるというケースが実はどこの病院も経験しています。
そういう意味で、コロナの患者さんとの対応というのは、どこの病院でも経験をしてきているというところなんですね。ですから、従来よりもそういうように幅広い病院でこうしたコロナ病床として運用させてもらうと。それによって、本来ここの病床にいるという理由があるわけですね。例えば循環器の病気だとか、あるいは呼吸器の病気だとか、あるいは悪性腫瘍だとか、それで、そうしたものに即して治療すべき患者さんなわけです。
それで従来のデルタ[株]以前の場合は、こういう方々がコロナになった場合、専門の治療ということは非常に要求されたんですけど、今パキロビッドパックだとか、そうした薬剤を投与したり、それから対処療法的なこともやりながらしっかり、もし呼吸器に症状があれば当然ながらそれはそうした対応をする。それでこの辺のこう組合せでやっていくことが今の現実になってきていまして、例えば悪性腫瘍であれば、悪性腫瘍のお医者さんがやはり主体的に診たほうが患者さんの命を守るためにはいいわけですよね。
ですから、従来、とにかくみんなコロナ病棟に集めて、そこで専門の医局から分離されていくのが果たして適当なのかどうかというのが今の第8波の現況であります。それでいろんなタイプの病気の原因によりまして、それで命に関わることになっていく状況がある以上は、むしろそれぞれの専門の病棟のノウハウの中で、そこの中の一部をコロナ病床として扱うと、そういうような運用をやれば転院する必要もありませんし、それは患者さんにとりましても余計なストレスもなく、また、治療の継続にもなるわけであります。
それで、そういうような意味で、新しい運用を、病床確保緊急対策として、本県としては採用させていただき、各病院と合意をしながら一般病床と言われていたものをコロナ病床として機動的に切り替えていくと。それで、こういうことをやっていけば、今351[床]の確保病床があるんですが、それの倍ぐらいに、実はコロナ病床的にきちんと使えるということにもなってくるわけであります。そういう意味で、医療の逼迫というものを回避していく持続可能なやり方ではないかなというふうに思います。そういう意味で、従来とはちょっと違ったやり方をこの第8波の緊急対策として、病床確保について取り入れることにいたしたいと思います。既に、25病院ぐらい合意を取り付けているところでありまして、今、移行し始めているところであります。
それから、もう1つ大切なポイントになるのは、悪化していってそれで命を落とされる、そういう残念な状況が生まれないようにという意味で、いろいろお医者さん方も自らの経験を交換しておられるんですけども、やはり早期にパキロビッドパック、あるいはゾコーバも有効だと現場のお医者さんもおっしゃっておられました。それで、こういう薬剤の投与を早い段階で行うことが命に関わるかどうかのポイントになるんではないかという我々の知見というか、あるいは経験が、今、得られつつあるところであります。
それで、したがいまして、その早期の投与を行う意味で、これまでも高齢者施設、例えば特養(特別養護老人ホーム)だとか、そうしたところに呼びかけたりしていましたが、さらにサービス付き高齢者向け住宅とか、それから在宅療養をしておられる患者さんだとか、こうしたところにつきましても提携しているお医者さんがありますので、そうした提携しているお医者さんのほうを介しまして、我々のほうに、例えば施設であれば、県の感染対策センターに連絡が1人でも患者がいると入ってくる仕組にしております。陽性者の報告があれば、早期に投与してくださいと。それで、それをお医者さんのほうに診療等を調整しまして、それで薬剤を登録の薬局のほうから届けていただくと。これを在宅患者につきましても同じようなことをやっていく。
それで、これからはどうやって最悪の事態を避けて治していけるか、そっちのほうに重点が行くべきではないと思っていまして、こういう早期投与の実践ということを緊急対策としてさらに進めていこうと。それで、このためにも、医師会とも協力をいただきながら登録医療機関となっていただいて、こういうパキロビッドパックやゾコーバ、こういうものの投薬ができるように体制を整えていただくよう、今日も医師会を交えた対策本部をやってお願いをすることにいたしております。
それから、ワクチンについてであります。それで、これにつきましても、先般、市町村とかあるいはこの小児科のお医者さん交えまして意見交換をして、ぜひ早期に展開をしていこうと。それで、そういうような意味で小児科医や市町村と連携しまして、中部エリアでも小児科のお医者さんに協力していただいて集団接種会場、小児についても開設をしようと。それで、西部では県のほうで開設していますし、東部では鳥取市の方で開設をしています。そういうものを活用していただこうと。さらには、いろいろと啓発事業として、[ショッピング]モール等で啓発事業をやっていこうと。それから、かかりつけのお医者さんからも接種勧奨をしていただいたり、それから保育所や幼稚園での説明会などもやりながらやっていこうと。
また、併せましてオミクロン株[対応ワクチン]の大人の接種ですね、これにつきましても接種促進というものを図っていこうと。こういうようなことによりまして、ワクチン接種もぜひ急いで、今こうやって感染が広がっているときにお願いをしたいというふうに思います。政府も今回感染症の位置づけを見直すと、無料接種というのがいつまで我が国で続くかどうかというのは、だんだん見えなくなってくると思います。ぜひお早目の接種を住民の皆様にはお子様も含めてお願いをしたいと思います。
それから、本県のインフルエンザの今の定点観測でありますが、4.21(人/週)という数字になり、前週より、前週が4.17かなんかだったですから、若干上回った程度でありますが、ただ、確実にこうインフルエンザ入ってきているという状況です。それで現実にも、いわゆるフルロナと言われますインフルエンザと新型コロナの同時罹患のケースは今月に入りまして5件、本県でも確認をされています。これ以外にもあるかもしれませんが、確認されたところで5件ございました。ですから、このフルロナはこの5件とも重症化はしていないです。重症化しておりませんが有識者の方々によりますと、フルロナという状態は重症化するリスクが高くなるというふうにも言われています。ぜひワクチン接種とか、それから治療薬の早期投与とか、それから自主検査、あるいは療養、こういうことを勧めていただくように御案内を申し上げたいと思います。
それから、企業の関係でありますが、鳥取県内での新たな投資や立地というものが決まってまいりましたので御報告申し上げます。これは既に完成を見るというものでありますが、[株式会社]エイトさんという企業さんの[六角]レンチですね、こういうものの国内での第一人者の企業でありますが、こちらのほうの投資が[鳥取市]気高[町]のほうで、これは完成をします。それで、新しい話としては[新生]プロテリアル、前の日立金属[株式会社]ですね、それで、[株式会社]プロテリアルフェライト電子というのがその子会社として本県にもあります。それで、これの鳥取の拠点、工場におきまして電気自動車の基板、これ、熱というものを発させて半導体、それをもたせるというものでありまして、これが新しいこの電気自動車等の需要で生まれてくると見込みまして今、こうした新しいライン増設にかかることとされました。それで、来年度の後半に稼動させようとされているところでありまして、10億円を上回る投資になろうかと思います。本県でも産業成長応援補助金などで支援をしていくことを考えております。
あともう1つ、大阪[府]にあります菊田印刷[株式会社]さんという会社でありますが、こちらが鳥取市内の[国道]9号線バイパスのところに進出をされるということが決まりました。これ、アニメグッズを製造しているわけでございまして、進撃の巨人だとか、そうしたもののいろんなアニメのグッズを作っておられる。それで、これが非常に成長しているということで、本県、まんが王国に立地をしようというように決めていただきました。1億円規模での投資で、これ事業所の新設ということから始めます。それで、これもあの産業成長応援補助金だとか、内容によってはまんが王国関係であるとか、定住移住促進だとか、そうしたことも含めて応援をしていきたいと考えております。
それから、昨日、全日[本]空[輸]さんのほうで米子[・羽田便]の6便化ということを決めていただきました。それで、コロナのときは米子も鳥取も東京便1日1便しかないというときもありましたが、段階的にこれを元に戻してきて、ようやく通年6便化というのが米子便で実現します。鳥取便も今、5便化という旧に復した状態になっているところです。これにつきまして、関係者と議論をして、この利用促進を協議させていただきたいと思いますし、必要な事業を積極的に来年の夏ダイヤからこういうことが始まりますが、それに向けてキャンペーンを張っていくことにいたしたいと思います。
それから、JR[日本旅客鉄道]さんの問題がありまして、急浮上してきた東部地域の交通まちづくり活性化会議も来週開催をさせていただくことといたしておりまして、例えば観光列車をどうしていくかとか、それから、データの共有であるとか、解決すべき課題、その利用促進に向けてMaaS(複数の交通機関を組み合わせて、検索・予約・決済などを一括で行うサービス)をやるとか、いろんなことを話し合わせていただきたいと思います。それで、併せまして、今、JR西日本さんのほうにも我々のほうで、私のほうで検討をお願いをしているんですが、こうしたいろんな課題があるので、JR側と自治体側とで連携協定を締結してはどうだろうかと、こういうことも今、お願いをしているところであります。そうしたことなどを話し合う機会となろうかと思います。
また、いろいろコロナもありまして、孤独・孤立ということが深まったり、子ども食堂の運営の困難ということもありますが、来週、またとっとりフードドライブ(家庭で余っている食べ物を学校や職場などに持ち寄り、地域や団体などに寄付する活動)という事業をさせていただきたいと思います。今回、32の受付窓口を設けまして、全市町村でも協力していただく初めての試みとなりました。ぜひ御活用いただいて、使える食料、もちろん賞味期限ぎりぎりとかいうのはちょっと受けられませんけれども、ちゃんと安全に召し上がっていただけるようなもの、これをまた持ってきていただければ、生活困難の方々とか、それから、子ども食堂を頑張っておられる方々だとか、そうしたところにお届けすることといたしたいと思います。
それで、こうしたSDGsにつきまして、お得に楽しく!みんなでSDGsマイナピョイン兎(ト)というのを21日週末から1か月間(2月22日まで)本県としても始めようと思っております。県レベルでのマイナポイントというのは、本県が全国の3県目になります。まだ、あまり各県取り組んでないところでありますが、実証的にもやってみようということで、一月間でありますが、SDGsに向けて、いろんな活動をされた方々に対してポイントを付与していくと。このポイントは、例えばEdyだとか楽天ポイントだとか、いろんなものに使えるわけでありまして、そういうようなものですね。
それで、例えば、家事シェアをやる、それから、若者定住アンケートを私どもの「とりふる」というアプリから入っていただいてやる。それから、「あるくと」というアプリがありますが、これを使って歩行実績というものをちゃんとつくっていただく。そうした方々には、この家事シェアもそうですが、そのアプリを通じて、我々も確認できますので、それを申請していただきまして、マイナポイントを付与しますよと。それで、そういうのはマイナポイント付与機関のほうに我々のほうで情報を出して、それで、マイナポイントを申請していただきますと、ポイントが手に入るという仕組みであります。ぜひこの機会にSDGsの活動をやっていただいて、それで、マイナポイントというお得を楽しんでいただければなと思います。
また、来週末ですね、来週末にSDGs×NE‐STな住まいづくりフェアを米子[市]のコンベンション[センター]で行いますが、サイエンススクールみたいな、そういうイベントもございまして、これは事前登録制です。午前の部、午後の部に分けて行います。それで、私どもが今、推奨しているNE‐STという省エネ住宅、これはヒートショック(暖かい部屋から寒い部屋へ移動した時、急激な血圧の変化により、脳卒中などを引き起こす健康障害)も防止できる健康住宅でもあります。その効果を体験していただいたり、そうした太陽光発電をはじめとしたSDGsの知識に御家族連れで楽しみながら、御参画賜れるような、そういうイベントになりますので、ぜひまた見てやっていただければというふうに思います。
これからちょっと気候が変わってまいります。いよいよ冬将軍がやってくるというイメージでいていただければと思います。明日以降、寒気が入ってきまして、特に今日ぐらいから北日本を中心に積雪が予想されるようなそういう気圧配置等になってきました。それで、一旦、週末和らいだ上で、来週の月曜日23日から今シーズン最強の寒波がやってくることになります。それで、来週のほうは西日本に深く入り込みますので、低温ということ、凍結が心配されますし、それから、降雪も心配をされます。特に今の気象庁の予測では24[日]、5[日]ぐらいは要注意の期間になるかと思いますが、月曜日以降、そうした気象条件になってくると思われます。この週末、そうしたことを見越した準備等もしていただければというふうに思います。私のほうからは以上です。
○山陰中央新報 藤井俊行 記者
それでは各社、質問がある場合、挙手をお願いします。
○日本海新聞 佐々木駿 記者
日本海新聞の佐々木です。鳥取県版のアドボカシーについて伺います。これまでも、子どもが何か意見を言えば、例えば、その職員の方だったりとか、その職員の方がお聞きになられて、それを反映するといったことは、仕組みとしてはなくても慣例的にはあったように思いますが、あえて、これを制度として設けることのメリットと意義を教えていただけますか。
●知事
アドボカシーというのは代理で発言するという、そういう意味合いになります。それで今、このアドボキットって言われる、こういう支援員という者を養成しながら、まずは、例えば児[童]相[談所]との子どものコミュニケーションなどの試行を実証実験的なことを、今やってきておりまして、やはりこれ有効だろうということです。子どもの心の中というのは場合によって、ケースにもちろんよりますけれども、どうしても籠もってしまって、きちんと言うべきことが伝えられないということがあります。それで、例えばある児童施設に入ったとしますね。それで、ただ、ここ私はちょっといじめられるし嫌だということを子どもが思ったかもしれません。それで、それをじゃあ、子どもが素直にじゃあ、大人に言えるかっていうと、なかなかそうはならないケースも当然あるわけですね、それで、その間により深刻な事態に発展してしまうということもあるわけです。したがいまして、まず今、試行的にやってきたのは、このアドボキットというのを通じて、こういう児相だとか、児童福祉施設だとか、そうしたものとのコミュニケーション、仲立ちなどもやってきたんですが、今回さらにもっと第三者的に、権利救済機関として私ども審議会の中にそうした機能を一部つくらせていただいて、そういう第三者機関が外からそういう施設のほうだとか、児相に働きかけるというようなこともできるようにして本格実施にしたいということであります。
それで、なかなか子どもの声というのは表現がしにくい、あるいはやはりとても人前では言えないとか、いろんなケースがありますし、それからもともと様々な背景の中で、どうしても閉じ籠もりがちになってしまうケースもあるわけであります。ただ、そういうときに、非常に深刻な事態にむしろつながることもありますので、こういうアドボカシー制度というのは有効ではないかと思っております。
○NHK 大本亮 記者
NHKの大本です。病床確保緊急対策事業についてお伺いします。このほかの疾患で入院している方が一般病棟からコロナ病棟に自動的に切り替えた場合は、病床使用率にはどのように反映していくんでしょうか。
●知事
これ全国的なルールがありまして、確保病床の使用というものが、これがよくNHKさんも出しておられる確保病床使用率というものであります。それで、それ以降の病床の扱いについては、特にこれっていう指標があるわけではありません。ただ、その指標はともかくですね、やはり無理して一般病床とコロナ病床との区分けを竣然とやって、それで、それによって例えば治療が十分得られないようなケースになってはいけませんし、御本人もわざわざ転院をしたりというふうなことはストレスもありますので、これからもっと、[変異株]XBB.1.5みたいになってくると、今の第8波以上により爆発的に広がる可能性が捨て切れないわけですね。それで、爆発的に広がってそれが直ちに重症化を起こすかどうかは分からないわけです。それで、今の株はあまりそうではない。
それで、どういうことになるかというと、ほかの重篤な病人がおられる方、それで、そういう病院の中に一旦ウイルスが入り込むと、それで、そのコロナ患者になられるということですね。それで、そういう医療クラスターが全国で多発しているわけですね、これが非常に今、問題になっていると。それで、こうやって広がってくるもんですから、じゃあ、その人をじゃあ、コロナ病床に移すかっていうとなかなかそれを全部やると、結局コロナ病床が全て埋まってしまって、本当にコロナで重篤な患者さんを受け入れるのが難しくなってしまうと、それで、ほかの病気で重篤であれば、そちらのほうの病床におられたほうが本人のためにもなるわけですね。
それで、それをきちんとこう後押しする意味でも、こうした緊急病床確保ということをさせていただいて、コロナ病床として取扱いをすることで病院側もある意味そうした対応取りやすくなるということであります。それで、今、順次ちょっと病院側ともお話をしていますが、自院の中で、自分の病院の中でそこできちんと面倒見るというそういう流れでありますので、おおむね前向きに御検討いただけていまして、それで、そうであればこれをきちんと移行していこうというふうに考えているわけであります。
○NHK 大本亮 記者
すみません。追加でお願いします。その際ですね、これまで県のステージ判断の指標の1つに病床使用率っていうのを使われてきたと思うんですけれども、より広く、この一般病床を切り替えた方がどれぐらいいるかですとか、そういったところも今後のステージ移行の判断には関わってくるところなんでしょうか。
●知事
それまた専門的な知見も含めて御相談を先生方ともさせていただきたいと思いますが、恐らくそのコロナの一番肝のところは、確保病床の中に重症患者の方が入られる、そういう病床も含めて確保病床というのはつくってあるわけです。それで、そこがほかの患者さんで埋まってしまうということが一番厳しい結果につながりかねないわけでありまして、ですから、確保病床をどれだけ使っているかというのは、やはり大きなメルクマール[指標]でありますし、併用して使っている重症病床、その使用率、これも重要な指標だと思います。
それで、一般の病床の中でコロナ患者さんがおられるという状況が、そのコロナのウイルスの特性として、例えばデルタ株だとか、武漢株のように、そこにいるとちょっと非常に危ないかもしれないというようなウイルスとは若干変わってきていますので、今、オミクロン株の場合は、むしろそこはそこでコロナ対策の治療もやっていただける病床としてきちんと流れをつくったということで、そこで大体目的は達成されるのかもしれないんですよね。それで、したがいまして、必ずしも確保病床率をいじらなくてもいいのかもしれませんし、国全体もそういうことを求めているわけではないと思います。
○中国新聞 小畑浩 記者
すみません。中国新聞小畑と申します。病床の件で追加でお伺いいたします。まず、この確保病床の運用を変えるとなると、恐らくこれ国の交付金とも絡んでくると思うんですけれども、その辺りの国の協議の状況ですとか、例えば全国的に、例えば他県でこんな同様な動きがあるのか、そういったところを教えていただきたいと思うのと、あと、専門病床からどの診療科でも見るという体制にするに当たって、恐らく院内感染対策とかいろいろ考えなきゃいけないポイントがあると思うんですけど、その辺りはどのように検討されているのかお願いしたいと思います。
●知事
はい。前者のほうにつきましては、厚生労働省のほうで、病室単位でそうしたコロナ病床運用することについては認める運用に変わってきております。したがいまして、この運用については、問題はないというふうに我々考えていますし、国のほうもそういうお考えのようであります。それで、それをどういうふうに使うかというのはまたそこから先の話で、各都道府県がこういう病室単位でのコロナ病床管理というのをどう使っているかというのはちょっと直ちに把握できないんですけども、多かれ少なかれ本県が今、目指していることに近いことはあり得るのかなと思っています。
それで本県は、この確保病床をある程度、人口当たり非常に多めに用意をしていたということもありまして、今まで確保病床の中で大体囲えてたんですけども、しかし、この院内感染が多発するに至りまして、それぞれの一般病床での管理ということも出てきているというのが現実になってきています。そういう意味で一層ですね、ここで切り替えていってはどうかという趣旨です。それで、じゃあ、病床での管理ですけども、例えば千酌[浩樹]先生をはじめとした感染症の専門家の方々にもアドバイスをいただきながら、各病院での、その院内感染の管理についてマニュアル化したり、それから必要なそのPPEと言われますような防具用資材、そうしたものの手配なども今できておりまして、そういう意味でそこの大きな問題は恐らくないと思います。
それで仮にこの前のデルタ株だとか、それから武漢系の株などの場合、結構放っておくと肺が真っ白になるとか、病状がどんどん進行していくということが割と多く見られました。今もあると思うんですけど、その頻度は大分違います。したがいまして、その以前であると、そういうような管理をするよりもコロナ専門病床のほうで診てもらうほうが適切だったかもしれませんが、一般病床でコロナ対策施した病床で診ることが今の第8波の場合は適切になってきていると思います。それで、これを活用することで本来守らなければならないコロナ専門病床、こちらのほうのキャパシティーをキープすることもできますので、私どもとしては合理的な選択になるんではないかなと考えており、病院関係者の御理解をいただきたいと思っております。
○読売新聞 藤本幸大 記者
読売新聞の藤本です。コロナの5類移行の判断のことについてなんですが、基本的にこれは歓迎される動きとして捉えていらっしゃるかどうかっていうところと、その理由を伺えますでしょうか。
●知事
(新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを)5類にするかどうかというのは、それは実際、例えば重症化だとか、亡くなる方の比率だとか、そうしたのを見て専門的に判断されるものであります。これ感染症法というものの分類やそれから[新型]インフルエンザ等特別措置法によるものであります。ですから、それは我々のほうで政治的にどうだというものでは多分ないと思います。ただ、私ども仲間の知事と、特にオミクロン[株]になってみんなで繰り返し議論をしておりますのは、従来の新型コロナとは大分違った病気になってきているということです。それで、爆発的に広がるわけでありまして、見渡してみてもそんなに珍しくない病気になりつつある。ある意味風土病のように浸透し始めてるんだと思うんですね、社会に。それで、ですから、その高齢者の方で罹患される方の割合も当然増えるわけでして、そういう意味で死者とカウントされる方の数も増えてきているという実情であります。それで、であれば、もっと違ったアプローチがあるんじゃないかということですね。それで、今、だから、2類だからということよりも感染症としての特別な扱いとして、全ての患者さんを今もフォローしています。それで、それから法律的には隔離しなきゃいけないという原則があります。ただ、これ自宅療養でいいというふうに認めてきている。そういうふうなことだとか、あるいは治療の在り方やワクチン接種の在り方、こういうものにも関わってくるわけですよね。それで、そういうものを移行させるに当たって、2類、5類という感染症法の枠組みは、私は見直しということが一定程度あっていいとポジティブに見ていますけど、その際に大切なのは、これの医療界の医療逼迫だとか、あるいは社会における混乱をもたらしてはいけないんだろうと思うんです。
それで、円滑に、じゃあ、そうした新しい病気と捉えることへのステージ変換が円滑にできるかどうかに我々現場としては非常に関心を持っています。だから、そういう意味で来週にでも、全国知事会のいろんな都道府県の意見もありますから、そういうものを取りまとめながらどういうようなステージ移行が望ましいのか。逆に言えば、国は機械的にやってしまうとかなりドラスティック(極端)な変更が起こるんですけど、それ現場としては持たないので、ここはきちんと続けてもらいたいとか、そういう要求をしていかなきゃいけないと思うんですね。
ですから、それは今、移行期における我々現場の務めだと思っていまして、ですから、来週にでもそうしたコロナ対策のそうした移行についての検討チームみたいな、そういうものを作って、それで、国側と実務的なことも含めた協議を、ぜひやっていただきたいと、それで、このことは国も今週から来週にかけて動くでありましょうから、我々としてはきちんと申入れをする必要があるだろうと思っております。それで、何らかの移行が必要だというのは、各都道府県、思っていることでありますが、ただ、それが例えば医療費の無料化がなくなっていいとか、全部直結してきますので、それで、その辺については慎重に1つ1つ検証されるべきだというふうに思います。
○読売新聞 藤本幸大 記者
すいません。続いてなんですけれども、先ほど円滑なステージ移行をということでしたけれども、現時点で国に求めたいこと、注文したいことって何かありますか。
●知事
例えば新型コロナについて、やはりこれが医療の恩恵をもらいながら、早期に治療させていかないといけないわけです。それで今のパキロビッドパックやゾコーバにしてもかなり高額な薬になります。それで、こういうものを単純に保険でやっていいのかどうかということはあると思うんですよね。それで、それからそういう投薬についてのいろんなシステムを今、現場レベルでは薬剤師さんと協力したりしてつくったりやっていますが、こういうものも当面運用していくということは合理的なんではないかなと思うんですね。それで、感染症の分類が変わったとしてもやっぱりかからないに越したことはない病気であることは変わらないと思います。
ですから、そういう意味で、社会的にも一定程度やっぱりインフルエンザですら予防に気をつけましょうとみんな啓発をするわけですよね、毎年。それで同じことをやっぱりコロナについてもやっていく、そういう体制を残していく。それで、あるいはちょっと想像してみると多分電話等で相談したいとか、そういう需要はきっとあると思うんですよね。それで、そういうものをやっぱりこれからそうした相談や支援機能っていうのをどうやって続けていったらいいとか。それで真面目に考えていくといろいろと単純なステージ変換で法律がなくなったので全部やめましたというもんでもないだろうというのが私ども現場の感覚であります。
それであと、お医者さんたちが、じゃあ、安心して、じゃあ、治療に臨んでいただけるかというと、今の医療関係者のマインドはそうではないと思うんですよね。本県は皆さん納得されてある程度重装備で時間を決められたりしてコロナの診療に当たっていただけているというのが本県のいいところなんですけども、県によってはそういうのを拒否しているところも、そういう病院も多いというふうに伺っております。ですから、そういうところで、じゃあ、どの病院でも本当に受けていただけるようにするためには何がネックなのかというのをやっぱり考えて移行していかなきゃいけないのだろうというふうに思います。
例えば防護具の問題だとか、それからどういうような知見があって、例えば薬剤の予防的投与などで防止できるのか、例えばインフルエンザとかだったらタミフルを事前服用して、それで備えておくということも実務的にはやったりするわけでありまして、そういうことが何が有効なのかっていう知見などもやはり移行に際して十分情報がないとなかなか医療現場で、じゃあ、変わりましたのでいつでもいらっしゃいっていうわけにもならないじゃないかと思うんですね。それで、この辺は、我々都道府県レベルもそうですし、医療の関係者ともよく調整をしていただいて、国のほうで移行の在り方を検討していただきたいと思います。
○時事通信 竹原伸 記者
時事通信の竹原です。すみません。コロナの関連で恐縮ですが、一応1月15日、2020年の1月15日でコロナ感染者が確認されていまして、そして3年が経過しました。改めて分科会の委員などもやられてみて、3年振り返ってどう見ているかというのと、あと、先ほど、来週の知事会でコロナの組織的チームを立ち上げるっていうことですが、プロジェクトチーム、PTのような形でしょうか。その辺、その点についてお伺いしたいと思います。
●知事
コロナが最初に(国内で初めて確認されたのは)横浜[市]だったと思います、神川県で最初の患者さんが確認をされました。[2020年]1月15日の深夜に記者会見があり、私ども鳥取県では1月の16日には相談窓口を設置をするなど、対応を急いで始めたところであります。あれから3年がたちまして非常に世界を席巻し、いろんな影響をもたらしました。経済や社会も混乱したと思いますし、こういうものをどういうふうにこれからもう一度再スタートを切っていくのか、それを真剣に考える時期に、今3年たって到達し始めたかなというふうに思っております。この間、我々も例えば医療関係者と協力をしながら、ほとんど全てのお医者さんで受け入れていただくとか、あるいはいろいろと御協力をいただきながら病床を増やしていったり、また、住民の皆さんや事業所の協力を得て感染が起きにくい環境づくり、そういう新しいライフスタイルというものを導入に協力していただいたり、本当に多くの御労苦、御貢献、御協力いただいたことにこの3年間感謝の気持ちでいっぱいであります。
その故を持って本県も感染者数も全国でも最も累計で抑え込んでいるというような状況もございますし、一定の成果を得ることはできたと思います。問題はいまだこれから3年を経て、まだ、感染症が残っていることでありまして、それで、それとWithコロナ、さらにはポストコロナへとステージを移行させていくその需要な今ターニングポイントに差しかかっているわけでありまして、これからが勝負のしどころにもなってきたんだろうと思います。
また、これまでの3年間は決して無駄ではなくて、新しい感染症の脅威に備える知識と経験を得た3年間でもあったと思います。ですから、医療関係者ともかなり密な協力関係がこの間できましたし、こういうものを生かして次の感染症に備える対策というのをやはり我々体制づくりに生かしていかなければならない、それがこれまでコロナで大変な御苦労を味わった、あるいは命に関わるような残念なことになった、そういう事実に対する我々報いるべき事柄ではないかなというふうに思っております。
そういう意味で3年というのは非常に世界を揺るがしたことになりましたが、パンデミックの後、必ずしも暗黒の時代がやってくるわけではなくて、ペストの[大流行]後にはルネサンスが来たように、今、新たな時代というのがこの後この経験を生かして世界で創り出していくんではないかと期待をいたしているところです。それで、来週、[全国]知事会でどうするかは、まだこれから話し合わなければいけません。ただ、昨夜の報道なども含めて、大分政府の動きも[全国]知事会がこれまで求めてきたところに沿って急速に展開し始めているように見えますので、来週ぐらいに論点整理をして移行をどういうふうに進めていくべきなのか、特に現場として何を言うべきなのかを検討するチームを、我々としても立ち上げながら政府との折衝の舞台を求めてまいりたいと思います。
○山陰中央新報 岸本久瑠人 記者
山陰中央新報の岸本です。昨年11月に知事とエアソウルの趙鎭滿(チョ・ジンマン)代表理事と面談された際に、エアソウル側が米子空港の準備が整い次第春にも運航再開したいという意向を示されたんですけども、運航再開のスケジュールなど、エアソウル側とのその協議状況というのは現状いかがでしょうか。
●知事
現状はまだ、例えば何月何日に再開するというお話は今日現在来ておりません。事実としてはそうです。ただ、その前提条件我々クリアしたいので、米子鬼太郎空港での受入れ体制、これについては例えばCIQ(税関、出入国管理、検疫)の関係とか、それから空港ビルでありますとか、いろいろと調整を図りまして[令和4年]12月に[定例県議会で]議決した予算も含めて[令和5年]2月いっぱいぐらいでその受入れ体制準備を完了しようという、今、合意の下に、最終的な整備を進めているところであります。政府にもこの考え方は伝わっていまして、それに応じたCIQの体制づくりなどにも前向きに御協力いただけるんではないかと期待をいたしております。
片方で韓国のほうの観光旅行というのをつくっていかなければなりませんので、その辺のプロモーションは並行して進めていきながらエアソウル側の再開時期の公表、発表というものを我々としては待ちたいと思っております。
○山陰中央新報 藤井俊行 記者
そのほか、各社いかかでしょうか。よろしいでしょか。それでは質問ないようですので、はい、終わらせていただきます。知事、ありがとうございました。
●知事
どうも、ありがとうございました。