福祉事業所などで働く障がい者が得られる賃金(工賃といいます)は、全国平均1万4千円(月額)と言われており、年金等と合わせても障害者が「地域であたりまえに働く」「自立する」には程遠い現状です。
鳥取県では、その障がい者が得られる「工賃」の月額平均を3倍に引き上げる「工賃3倍増計画」を推し進めるべく、日本財団の障害者就労支援プロジェクトチームが動いています。
★プロジェクトのHPはこちら→http://hataraku-nippon.jp
まずは、障がい者に働く場を提供し、工賃を分配する福祉事業所の事業をもっと収益性があるものにすることから始めました。
就労継続支援B型を実施する事業者向けに、工賃向上のプロジェクトについて県内で説明会を開催しました。そこで「やります!」と手を挙げてくれた事業所に対して、鳥取県のそれぞれの地域の地場産品や特徴を活かしながら、地域に喜ばれるような、かつ収益の上がる事業を考え、提案していただき、またこちらからもアドバイスをしながら、計画を進めています。
今回、その7事業所が、障がい者就労の先進事例として高知と千葉へ視察研修に行ってきました。
福祉事業所でありながら、しっかりと製品作りや店作りをし、他の企業に負けない事業を展開している事業所を視察し、しっかりとモノを売るということを学び、事業に活かすことのヒントを鳥取に持ち帰ることが目的です。
第一弾として、5月29日にNPO法人ワークスみらい高知が高知市にて展開している事業所を視察。代表の竹村は現在、日本財団にて障がい者就労支援プロジェクト「はたらくNIPPON!計画」のプロジェクトリーダーとして全国を駆け回り、鳥取にも足繁く通っています。
ワークスみらい高知は、高知市内で、グループホームや相談支援センターのほか、このような地域に根ざした事業を10か所ほど展開しています。
土佐茶カフェ前にて
土佐茶カフェにて説明をする日本財団竹村(写真左)
甘味茶寮さくらさくにて
6月23日には千葉県の「恋する豚研究所」を視察。「恋する豚研究所」では餌からこだわった養豚事業を展開しています。
恋する豚研究所の周りはほぼ林。ですが、平日にも関わらずレストランには人が押し寄せます。
レストランにて。この後、法人の概要からブランドづくり、販売戦略の工夫を伺いました。
福祉事業を展開する主体は社会福祉法人福祉楽団ですが、豚肉製品の販売は株式会社恋する豚研究所が行います。徹底したブランドづくりと商品の見せ方を学びました。
7月に4事業、9月にも支援を開始する準備をしています。
来年の秋に鳥取県の工賃が全都道府県の中で1位になることを目指し、取り組んでいきます。