5月13日(土)、鳥取県x日本財団の地方創生プロジェクトの一環である人材育成プログラム『研志塾』を開講しました。研志塾は、同プロジェクトのうち、鳥取県に何かしらの想いを持つ人がそれぞれの「地域観」を身につけ、住んでいるまちで思いを実現できるようサポートするプログラムです。
講師は、株式会社イミカ代表の原田博一さん。全8回のうち、前半3回は個人にフォーカスをあてた内容となっていますが、地域観を身につけるためにも、個人(自分)についてしっかりと向き合い、自分の考えをしっかりと整理しなければ地域の様々な人と関わることができません。第1回目の今回は「コミュニケーションの取り方について学ぶ」をテーマに、講義とワークを行いました。
日々のコミュニケーションにおいて、
「相手と話が噛み合わない」
「中々こちらの意図が伝わらない」
「なんで自分の考えを分かってくれないのか」
という状況を経験したことがある人は多いはず。特に地域づくりにおいては、様々な主体が、様々な想いを持って関わるため、こうしたことが頻繁に起こり、総論賛成、各論反対で話が進まないものです。今回はそうした状況がなぜ起こるのか、そしてどのように解決していけば良いのかについて学びました。
人それぞれ異なった価値観を持っている以上、ある意味でコミュニケーションには個々人の偏見(バイアス)がつきもの。良い悪いという話ではありません。こうしたズレを認識し、相互理解を深め、コミュニケーションを円滑に進めるための切り口として『6眼モデル』を学びました。
6眼モデルとは人間の意識のモデルあり、6つの視点(3つの軸)で構成されています。「未来視点:過去視点」「主体視点:客体視点」「デジタル視点:アナログ視点」です。こうしたモデルを知ることで、自分のコミュニケーションの特徴や癖が分かるようになり、対人コミュニケーションにおいても相手の思考の特徴を理解することができ、相手に合わせたり、逆に相手に新しい視点を提示し、新たな気づきを与えることができるのです。
また、コミュニケーションを図るときには、時間の流れを意識する必要があります。現在の自分が、過去の自分を意味付けます。意味付けた過去をもとにして、自分の未来を構想します。構想した未来に向けて、現在の自分を方向付けます。どのような背景・文脈をベースにあって、自分が、そして他者が思考や行動を起こしているのかを理解することができると、よりスムーズなコミュニケーションに繋げることができるのです。
研志塾は全8回開催されますが、毎回、開催場所が変わります。塾のテーマである地域観を育むためにも、実際に鳥取県内の様々な地域をみて、感じることが大切だということです。第1回目の会場は、鳥取駅近くにある「ことめや」。ことめやは、旧とめや旅館を使ったスペースで、館内の大広間などをコワーキング・スペースとして開放するとともに、コミュニティに関する実践/実験を行うグループと連携し、さまざまな活動のプラットホームとなっています。
次回第2回は、場所を大山地域に移し、地域観を育むための地域に関するデータの取り扱いについて学びます。どうぞお楽しみに!