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Posted 2017年10月30日

米子の町の古い町並みが壊されている

「米子の町屋・町並み保存再生プロジェクト」は米子の町屋・町並みの保存・再生を通じて、魅力的で持続性のある米子のまちづくりを推進していくプロジェクトです。

会長の金澤雄記さんにお話を伺いました。金澤さんは国立米子工業高等専門学校(米子高専)の助教授をされています。建築史が専門で、お城と広島カープが好き。研究室にはお城の模型と広島東洋カープのグッズが所狭しと、置いてありました。

金澤さん

「『米子の町屋・町並み保存再生プロジェクト』は2013年に立ち上げた会です。そもそもは、歴史ある米子の町の古い町並みが壊されたり、空き家になったりしている様子を見て、『これをどうにかしたい』ということで立ち上げました。メンバーには元米子高専の方、建築士の方、自治会の方など、町の人が集まって20人くらいでできた会です。『これからの町をどうにかせにゃいけん』という気持ちを持ったメンバーが集まっています。」

まだ米子には約700の町屋が残っている

志を持ったメンバーが集まったプロジェクトですが、初めにやったことは町の中を歩くという一見地味と思える調査でした。

様子

「最初の1年から2年はとにかく町の中を歩き回りました。『町屋はどのくらい残っているのだろうか』、『その町屋はいつの時代のものが残っているのだろうか?』と、まず町の把握をしていきました。旧城下25町をくまなく歩き、1軒ずつ建築年代・規模・改造度合などを、ひたすら確認調査をしました。」

「そうやって調べていくと、米子の城下町周辺には約2750軒の家がありますが、そのうち町屋が680棟残っているということが分かりました。つまり4軒に1軒はまだ町屋だということです。」

旧茅野家保存再生プロジェクト開始

様子

約2年に及んだ調査。米子の歴史の調査としても意義のあるではないでしょうか。まだ米子の町中に700軒もの町屋が残っているというのは驚きです。近隣に住んでいる人もこの事実を知る人は少ないのではないでしょうか。そして調査の後、実際に町屋の提供を受け、町屋の再生に取り組みます。「旧茅野家保存再生活用プロジェクト」です。

「町屋は街道に面した、間口が狭くて、奥行きが長い建物です。その町屋が4軒に1軒はあり『やっぱり残しとかんといけんな』ということになりました。昨年あたりから、1つの町屋を取り上げて、改修して直しています。下積みがあって、ようやく改修という取り組みをやり始めていたわけです。」

こだわりの改修方法

現在、米子市灘町にある旧茅野屋が改修中です。すでに住民参加型の古民家再生ワークショップが何度か開催されています。その改修方法にも建築史の先生らしいこだわりがありました。

改修

「私は建築の歴史が専門なので、(建物を)できればあまりいじらないで、そのままの状態に直して残したい方向です。現代風に直すやり方もありますが、城下町の一番中心の後藤家の隣にあるので、明治時代の形式に直したいっていう気持ちがあります。もちろんどのような改修が正しいとかいうのはないのですが、その頃のイメージで直しているところです。」

「昔の写真を見たり、建物の痕跡改造した跡を見たり、そんなことをしながら直しています。トタンが貼ってあって、ガラス張りになっていたところを元の感じに直しました。古い感じに直せたかなと思っていて、去年外を直して、今は中を直している最中です。」

様子

若者の参加

改修には地域の人の他、米子高専の学生さんもお手伝いされています。

「古い建物を触っておいてほしいなっていうのもあって、学生たちにも手伝ってもらっています。参加している建築学科の子たちは新しいものを建てるということで学校に来ますが、残っているものを直すというか、古いものを残すということを教えるっていう良い教材になっています。図面を書くだけじゃなくて、自分で体を動かしてみるというのはとても良いことですね。」

様子

学生さんのお話を聞くと、初めて見る大工さんの道具を見て、「昔はこういう道具を使ったのか」と実感し、「自分の手で家を作っていることに感動した」と教えてくれました。古民家改修ワークショップが貴重な体験になっているようです。

コミュニティースペースとして

今後は町屋資料館やコミュニティースペースとして利用する予定です。

様子

「今後は、3期に分けていて、1期目は現在行っている改修。2期目は一般公開をして、中をコミュニティースペースとして利用する予定です。米子に観光に来ても、町屋の中に入れるものがなかなかないので、観光客が自由に入れる町屋で、町屋の造りが紹介できるような町屋資料館を作り、そこでは観光ガイドさんの待機所などで常時利用してもらいたいと考えています。」

最後は人が住む?

最終的にはこの町屋にだれかに住んでほしいと金澤さんは語ります。

様子

「そして最終的には、『ここにだれか住んでくれないかな』と思っています。3期は住宅利用に戻すことを目標にしていて、誰か一人こういう家が良いと言ってくれる人はいそうですし、住んでいて、人が毎日出入りしてくれたら元住宅だった町屋にとっては一番良いことじゃないかと考えています。空き家を改修して、公開し、最終的にはそこに人が住むという行為を繰り返えすことによって、空き家問題を解決する手段となれば良いですね。」

最後には住宅としても利用するという今回のプロジェクト。人が住むというゴールは地域に根差した取り組みになりそうです。今後のプロジェクトが楽しみです。

「米子は城と城下町の町でした。城と城下町の両方を米子の町で推していかないといけないと思っていて、その一角の町屋利用が広がっていけばうれしいです。今後今回のプロジェクトがモデルケースになれば良いですね。」

  

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