鳥取県・日本財団共同プロジェクトの大きな事業の柱の一つである障がい者スポーツを推進するための拠点(名称:鳥取ユニバーサルスポーツセンター「ノバリア」)が、この度2020年7月11日にオープンしました。
鳥取県では、あいサポート運動をはじめ様々な形で障がい者を支援する活動を行われていますが、障がい者スポーツの振興にも力を入れています。また私ども日本財団でも、パラリンピックサポートセンターや笹川スポーツ財団と連携し、パラアスリートの育成やパラスポーツに対する理解を高めるための啓発活動や調査研究事業に取り組んできました。今回の事業では、そうした知見も踏まえ、施設開設に向けた取り組みを、鳥取県障がい者スポーツ協会様及び鳥取県庁様と共同で進めてきました。
開設に向けては、先進的な取り組みの視察や、有識者検討委員会等による検討を重ね、初期の構想から約5年を経て開館に至りました。
(障がい者スポーツ拠点“ノバリア”の外観)
<施設概要>
延べ床面積:696.43平方メートル
総事業費:291,801,407円
助成金額:291,801,407円
所在地:鳥取市布勢146-1 鳥取県立布勢総合運動公園内
連絡先:0857-50-1091
開館日、開館時間:月・水~日、9時30分 − 20時30分
“ノバリア”の目的は、大きな意味では障がい者スポーツの振興ということで、スポーツに関わることのできる人を増やしていく、裾野を広げていくことにあります。それにあたっては障がいの内容や程度に応じて、その人に合ったスポーツを適切にガイドしてくれる人の存在が欠かせません。そこで鳥取県障がい者スポーツ協会では、“ノバリア”を活用して、こうした人材の育成に取り組んでいます。
車いす等、障がいを持たれた方でも利用できるようなトレーニング機器を常備。
スポーツ指導等の知見を持ったスタッフが対応してくれます。
“ノバリア”では、鳥取県障がい者スポーツ協会が企画する各種スポーツ教室やイベント等が開催される他、地域の養護学校等からも利用の依頼があり、ご活用いただいています。学校によっては、運動をするのに十分なスペースを持った施設を持たないところもあり、“ノバリア”のような拠点が、そうした学校や地域のニーズに応えていくことが期待されます。
また、鳥取県障がい者スポーツ協会発の企画としても、風船バレーやボッチャ、ヨガなど、実に様々なプログラムが用意されており、幅広い人が気軽にスポーツに親しめる工夫がされています。
鳥取県では、県全体で障がい者が月に1回スポーツをする率を約50%にまで高めていくことを目指しています。(現時点では約30%)もしこれが実現されれば、全国でもトップクラスの障がい者がスポーツを行う盛んな地域ということになるでしょう。
2020年のオリパラは残念ながら延期となりましたが、2021年に仮に開催された場合、鳥取県ではジャマイカチームの選手受入れが予定されています。現在、国ではオリパラの開催に向け、各自治体にホストタウンとしての協力を呼び掛けていますがが、鳥取県においても、“ノバリア”のような拠点が核となって、県全体が盛り上がる取り組みに繋がればと思います。
鳥取ユニバーサルスポーツセンター 館長 橋上博文氏