【事業内容】
高齢者になっても農山村・漁村で元気に安心して暮らし続けることのできるまちを目指し、町内各団体を実施主体とし、互いに連携した新たな仕組みの構築
「住みたい田舎日本一」から「住み続けたい田舎日本一」へ
海、山、温泉の町、岩美町では人口減少が急速に進み、特に農山村・漁村地域で高齢化が著しいです。そこで、高齢者になっても生きがいを見つけ、元気に暮らしていける町を目指し「小さな拠点づくり」に取り組んでいます。
小さな拠点づくりでは、町内各団体を主体として、互いに連携し「漁村サロン」「農村サロン」「高齢者サロンのIT化」「集荷・移動販売車」の取り組みを展開しています。高齢者が能力を生かした仕事をもつことは、生きがいにもつながります。岩美町の特性と個々の能力を生かし、仕事を創り、交流していくなかで、日々の暮らしの充実を目指します。
取り組みの具体的な内容については以下の通りです。
漁村サロン〜漁村カフェ×水産加工施設〜
網代地区にて、地元食材を使った料理を提供する「漁村カフェ」を展開。漁村の女性高齢者の能力を生かしカフェを運営することで、高齢者や多世代の交流の場にもなります。また、大岩地区では、高齢者が楽しく生きがいを持って働ける場所になるように水産加工施設を整備。障害者の能力活用や工賃アップも目指します。
農村サロン〜高齢者の生きがいの場づくり〜
小田地区にて、農産サロンを整備。寒さ積雪に厳しい冬季でも、高齢者が一緒に楽しく農作業、出荷を行うことで生きがいのある暮らしに向けて取り組みます。
高齢者サロンのIT化〜参加型コミュニティの形成〜
高齢者サロン間、および岩美病院をITネットワークで繋ぎ、町内広域で参加型のコミュニティづくりを行います。医療面、健康面のサポートの充実を図ります。
高齢者サロンのIT化〜参加型コミュニティの形成〜
移動販売車にて、農山村の高齢者が生産した特産品や野菜の出荷を支援します。買い物が困難な地域での買い物支援はもちろん、見守りサービスの強化も実施します。
小さな拠点では「地元民が主体で取り組む」こともポイントの1つです。岩美町では、移住者がカフェ、民宿を立ち上げ、春祭りを企画するなどの動きがありますが、地元民が主体となって町づくりをすることはありませんでした。
しかし地元民の中にも「なにかしたい!」と思っている人はいます。だからこそ、今回の取り組みを通じて成功例をつくることで「自分たちでもできるんだ!」と意識を変えるきっかけとなるかもしれません。
湊会長は「岩美町が今後どうなっていくかは、この事業にかかっている。最後のチャンスだ!」と熱く話していました。高齢者が若者、移住者と連携することで、特産品の生産・加工・販売・発信の仕組みづくりを行い、ヒト・モノ・サービスが循環できるサービスの実現にむけて取り組んでいきます。
高齢者が元気に暮らせる町づくりを目標としてますが、最終的に目指す姿は「住み続けたい田舎日本一」です。岩美町は2016年の田舎暮らしの本1月号で「住みたい田舎日本一」に選ばれました。今後は、福祉はもちろん、子育て、移住定住などの政策を充実させて「住み続けたい田舎日本一」を目指します。
しかし行政だけでは限界があるので、民間、個人で行動していかなくてはなりません。
湊会長は「これをきっかけに町おこしに一人でも多く興味を持ってもらいたい。誰にでもできることはある!」と話していました。