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協働参画課の主な業務・制度

鳥取県障害者就労事業振興センター  ワークコーポとっとり

ワークコーポとっとり

【事業内容】

障がいを持つ方の工賃3倍へ!経済的自立を支え、もっと自由に生きていく。
鳥取県で障がいを持つ方の工賃3倍増に向けたアッセンブリー(組立作業)案件の導入や、さらなる安全の提供と、付加価値をつけるために、新たな機械を導入し、高単価に繋げる取り組みを行う。向上した工賃は利用者に還元し、将来的には利用者の経済的自立を目指す。

 

鳥取県障害者就労事業振興センター
ワークコーポとっとり リーダー 佐野 望美 さん

鳥取県障害者就労事業振興センターは、障がいのある方たちが働く喜びを感じ、自信をもって暮らせる社会の実現のために、工賃の向上を目指して、鳥取県内の各事業所の相談に乗ったり、新たな事業の提案をしたり等、事業所のコーディネーターの役割を担当しています。

佐野さん

今回お話を伺った、佐野 望美さんは、振興センター内にあるワークコーポとっとりで、利用者さんや指導員さんのリーダーを務めています。ワークコーポとっとりは、工賃向上の一環としてマンパワーを集めて、大規模な案件の作業を担当しており、今回のアッセンブリーの導入を行っています。

アッセンブリーとは

簡単な組み立て作業のことをアッセンブリーと呼び、これによって、利用者さんが商品が出来る最終工程までの作業を一貫して担当できるようになります。これまでは、完全な製品になるまでのシール貼りや検品などの作業が主でしたが、直接店頭に並ぶ形まで利用者さんの手で作業ができるようになっています。従来の一工程のみの作業と比べて、責任も大きくなりますが、その分付加価値がつき、工賃の向上に繋がります。

工賃向上だけじゃない! 1 利用者さんの意欲と責任感の向上

これまでの一工程のみの作業では、扱っている商品が最終的に何になるのか形になって見えない状況でした。しかし、アッセンブリーの導入によって、商品として実際に店頭に並ぶ形となって完成するため、工賃だけでなく、利用者さんたちの意欲も向上しているといいます。

佐野さん

「有名なキャラクターの製品が入ってきたりすると、『これ知ってる!知ってる!』と、喜ばれている様子も見るようになりましたし、やっぱり、何になるのかわからないものを作るより、全部自分で出来たほうが完成したときの喜びって大きいですよね。そういうところで利用者さんたちの気持ちの変化があったんじゃないかなあと思います。それから、これまでは機械を使ったことのなかった人が、今回新たに導入した金属探知機で初めて機械を触るきっかけにもなっています。これまではできなかったことが自分の手でできるようになる喜びも生まれています。」

自分のしていることが形になってみえることで、自分の手でこれを作ったという自己肯定感もつきやすいのではないでしょうか。
また、一部分のみの作業と比べて、仕事に対する責任感を感じることができ、より一般社会に近い環境を提供できるようにもなりました。

「今までは鳥取や近隣への出荷だけだったところが、全国出荷になることも増え、『これが全国に行くんだよ』と伝えることで、『あ、そうか!』と、緊張もされますが、仕事に対する責任感が以前より生まれてきていると感じます。より一般企業に近い作業環境になることで、一般就労への自信がつけばいいなと感じています。」

工賃向上だけじゃない! 2 支援員さんのモチベーションアップ

佐野さん

日本財団の支援によって導入された機械を使う案件が企業さんから新しく入ってきたり、見積もりの段階で、新たな付加価値を付けての提案ができるようにもなってきています。それにより、工賃も確実に上がってきているそうです。
また、工賃が向上することで利用者さんはもちろん、支援員さんのモチベーションアップにもつながっているといいます。

「工賃が上がるということは、事業所の売り上げが上がるということなので、その分利用者さんに、より還元できるんです。利用者さんからの喜びの声はもちろん、職員からの喜びの声も多く聞くようになっています。」

工賃向上だけじゃない! 3 集中力アップ

さらに、アッセンブリーの導入によって、作業の手間数は以前と比べて増えましたが、一日の生産量はほとんど変わらず、生産性が向上しているそうです。

「利用者さんは、たとえ手間が増えても『一日にこれだけはしなきゃ!』『いつもと同じ数量をしよう!』という意識があるんです。だから、アッセンブリーを導入してから、より集中し、作業効率が上がったと思います。」

「お仕事を頂いて、企業さんが見学に来られる際、利用者さんたちが静かに黙々と取り組む様子に驚かれる方も多いです。それだけ、ワークコーポとっとりの利用者さんたちは作業に真剣に向き合っているんです。」

他の事業所さんと比べて、作業時間は短くても、生産量はワークコーポとっとりの方が多いこともあるほど、高い水準の生産効率を保っています。

障がいを持つ人も自立し、自由に生きられる社会へ
アッセンブリーの導入によって工賃が向上した先に目指すものは、障がいを持つ方の、「自立」だと、佐野さんは言います。

佐野さん

「障がいを持つ方も、経済的に自立し、もっと自由に生きてほしいなと感じています。支援を受けていると、知らないうちに支援の『枠』ができてしまって、その枠の中でしか生きられず、どうしても自由は少なくなってしまいます。でも、働いたお金は自由に使えますよね。自由には責任も伴いますが、工賃が向上して経済的に自立出来たり、一般就労ができたりすることで、たとえ障がいを持っていても、自由に生きていける社会を目指していきたいです。」

アッセンブリーによって、工賃が向上し、一般就労により近い形で作業が可能になることで、佐野さんの言う、「自立」へ少しずつ近づけることができています。近年は、精神的な要因によって一般就労ができなくなってしまう方も多くなってきているそうです。だからこそ、ただ支援をするだけではなく、今回の事例のように、将来的な自立を視野に入れた支援をしていくことが大切なのではないでしょうか。

  

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