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.概況

 令和5年平均の鳥取市の消費者物価指数は、総合で105.6(2020年=100)となり、前年比3.6%の上昇となった。前年比の変動に寄与した要因は、食料、教養娯楽、交通・通信、家具・家事用品、住居などの上昇、光熱・水道などの下落である。

 

 年平均指数は、品目(※1)及び分類(※2)ごとに令和5年1月から令和5年12月までの月別指数を単純平均して算出します。ただし、生鮮食品の各品目については、品目ごとに月々の購入数量の変化が大きいため月別ウェイト(※3)を用いて加重平均します。

  (※1)指数の計算に採用する指数品目(例:うるち米)

  (※2)大分類、中分類、小分類(例:食料、穀類、米類)

  (※3)家計の消費支出に占めるその商品の割合

 

   

2.前年との比較

(1)上昇に寄与した主な費目

10大費目 前年比 このうち主な費目  (中分類) 前年比 このうち主な品目(※生鮮食品)
食料
8.5%
外食 7.2% すし(回転すし)、焼肉、ビール等
調理食品  9.2% 冷凍ぎょうざ等
肉類 9.3% ※豚肉(国産、輸入品)、鶏肉、牛肉(国産、輸入品)等
乳卵類 17.7% ※鶏卵、牛乳、ヨーグルト等
菓子類 9.4% まんじゅう、チョコレート、アイスクリーム等 
魚介類 10.4% ※さけ、いか等
野菜・海藻 6.0%  ※かぼちゃ等 
飲料 10.0%  炭酸飲料水、コーヒー豆、ビール風アルコール飲料等 
穀類 5.4% カップ麵、中華麵等 
 教養娯楽 5.1%  教養娯楽用品   8.8 ペットトイレ用品、切り花(きく) 等
教養娯楽サービス  3.3 宿泊料等 
交通・通信  2.5%  自動車等関係費   1.7 自動車整備費(パンク修理) 、カーナビゲーション、ガソリン等
通信   6.5 携帯電話機、通信料(携帯電話) 等
家具・家事用品  9.6%  家庭用耐久財   11.3 電気炊飯器、ルームエアコン等 
家事用消耗品 9.8% テッシュペーパー、トイレットペーパー等
住居
1.8%
家賃  1.4% 持家の帰属家賃
設備修繕・維持  3.9% 火災・地震保険料、給湯器等

(2)下落に寄与した主な費目

         
10大費目 前年比 このうち主な費目(中分類) 前年比 このうち主な品目(※生鮮食品)
光熱・水道 -6.4% 電気代 -10.7%

3.月別の動き

 総合指数は、2月は「電気・ガス価格激変緩和対策事業」の影響により電気代の価格が押し下げられたものの、国際的な原料価格の上昇や、原油高等による物流費の上昇などを背景に、年間を通じて、食料品、携帯電話の通信料、ガソリン等が上昇し、また「全国旅行支援」が一区切りしたことにより宿泊料も上昇した。その後、プロパンガス料金上昇抑制の支援策によるプロパンガス料金の値引き等の影響で9月は下がったものの、2020年以降の最高値が続いている状況。

                                                                   

4.全国との比較

 鳥取市の総合指数は105.6、全国の総合指数は105.6となった。

 前年比は、鳥取市は3.6%の上昇、全国は3.2%の上昇となった。

 費目別にその動きを比較すると、鳥取市で教育が下落し、全国で上昇し、それ以外は全国と同じ動きをしている。

 同じ動きをしている費目で、全国と比べて前年比の差が大きかったのは、家具・家事用品、教育娯楽、住居であった。

            

5.鳥取市消費者物価指数(総合)の近年の動き

 令和元年は、前年の原油価格の高騰により、電気代が上半期に上昇、食品の価格引き上げにより食料が上昇した。7月~9月にルームエアコン等の家庭用耐久財が大きく上昇に寄与した。10月の消費税増税により多くの費目が値上がりする中、幼児教育無償化の影響(教育(幼稚園保育料(私立))、諸雑費(保育所保育料)の減少)により下落に寄与した。全国との差は前年と同じく、総合指数は全国を0.8ポイント上回った。

 令和2年は、食料、被服及び履物などの上昇により、3月までは前年同月比プラスで推移していたが、幼児教育無償化により、幼稚園保育料(私立)、保育所保育料は9月まで下落に寄与した。また、原油価格の下落により、電気代、4月以降はガソリン、その他8月以降は宿泊料が下落に寄与した。特に、11月及び12月は10大費目中8費目以上下落したことで、年間では、前年を一番下回る結果となった。総合指数は全国を0.4ポイント上回った。

 令和3年は、大手携帯電話会社が安い料金プランを導入したことによる交通・通信などの下落により、10月までは前年同月比マイナスで推移していたが、電気代や灯油などの光熱・水道、宿泊料の教養娯楽などの上昇により11月からプラスに転じた。特に11月は15か月ぶりの上昇となった。

 令和4年は、ロシアのウクライナ侵攻や円安で、燃料や原材料が高騰し、物流費が増大したことにより、食料品、電気代、ガソリン、ガス代等が著しく値上がりし、10大費目中7費目が前年比プラスとなった。総合指数は過去最高値となった。

 令和5年は、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」の影響により電気・ガス代の価格が押し下げられたものの、国際的な原料価格の高止まりや、原油高等による物流費の上昇などを背景に、食料品、家具・家事用品等の上昇、及び「全国旅行支援」が一区切りしたことにより宿泊料も上昇し、10大費目中8費目が前年比プラスとなった。総合指数は2020年以降の最高値が続いている状況。

      

 

  

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