防災・危機管理情報


知事定例記者会見(2024年5月23日)

令和6年5月23日(木)午前10時~
 県政記者室(本庁舎3階)

 皆様、おはようございます。昨日は、私ども中国地方におきまして、知事やあるいは議長、また経済界集まりまして、鳥取県の鳥取市、鹿野や青谷を中心にサミットトークをさせていただきました。いずれも人口減少問題や災害対策など、喫緊の課題につきまして膝を交えた議論ができたと思います。関係の皆様に感謝を申し上げたいと思いますし、私どもとして鳥取県もその人口減少問題など重点的に取り組んでいく、あるいは災害対策、こういうものをしっかりやっていく、その使命を新たにさせていただいたところでございました。

 

 現在、6月の県議会に向けまして作業を進めております。それは予算の編成作業でございまして、今、まだまだ途上でございますのでちょっとまだ仮定でありますけども、60億[円]には乗ってくるだろうというふうに思われます。その要因は、1つは地域高規格道路など51億[円]程度、こうした公共事業関係が私どもとして十分な確保はできたということです。それで、当初予算に加えましてこの分を積み増す必要があり、587億[円]というベースの公共事業の総額になると考えられます。そういう意味で、前年よりも2%ほどは増える額を確保することができました。

 

 その大きな要因になったのは地域高規格道路でございます。北条湯原道路、これは倉吉市内を今、関金方面に向けてさらに進捗を図っているところなんですが、その倉吉西[インター]から倉吉南インターに向けまして開通を目指していた今年度末に向けまして十分な予算を確保することができました。ここで1億4,000万[円]ほど確保していただいたわけでありまして、これを計上させていただいたということです。これにより今年度中のこの倉吉西-倉吉南、これで国道にタッチしていくというところが完成というめどがついたということになります。

 

 また、江府三次道路の江府道路で今、トンネルを掘っています。それで、このトンネルが令和8年度に完成する予定で今、やっていますが、これに見合うだけの7億4,000万[円]ほどの予算もこのたび確保することができました。そのほか通学路であるとか、それから農地の防災事業などこういうものをいろいろと含めますと51億[円]ぐらい公共投資の増ということが見込まれ、これを計上させていただく必要があります。そんなわけで60億[円]に乗ってくるぐらい少し規模が出てきたということになります。

 

 また、かねて今、検討を進めております、昨日も中国地方の議論の1つの中心になりましたが、能登半島地震を踏まえて防災力を強化していく、これも喫緊の課題でありまして、この関連で合計で1億[円]程度確保させていただき、これの計上を今、予定する最後の詰めを行っています。広域防災拠点ですね、道の駅ほうじょうがございます。これは今、北栄町が整備をしているところでありますが、その道の駅ほうじょうの周辺で県としてもヘリポートにもなるフィールドを確保しまして、それで、大きな集結拠点ということにしようということであります。これに向けて、どういう絵柄を描いていくのか、どこが適地なのかも含めた調査を行うことといたします。

 

 また、このたびドローンの活用推進協議会を発足をさせましたが、ドローンの活用を実証するために企業にそのドローン購入の助成を行う、それから人材育成を企業、それから我々県職員のほうでも行っていく、そうやってドローンレスキューユニットをつくっていくと、この関係の予算も計上させていただきます。

 

 また、感震ブレーカー、地震動に対応しまして電気を遮断するブレーカーであります。これも設置を支援をする予算を計上させていただき、また、津波発生の際の沿岸監視機能、これは東・中・西それぞれに水位計、これを改修をして、その水位計のデータがきめ細かく30秒ごととかで水位観測データを得る、これによって津波の動向というものを分かるようにしようではないか、また、併せまして佐陀川のところに新設をさせていただくというものであります。

 

 また、大規模災害、このときに住民の皆さんでお互い助け合うという訓練を自治防災組織や消防団などできるようにしようと、それで、これ、消防学校のほうに、こんなようなことなんですが、要は倒壊家屋があって、ここからこうやって救出をするという、それを実物大の模型を用意をさせていただこうというものであります。これ、全国でも珍しい住民の皆様の共助によるこうした訓練をこの能登半島の地震に鑑みてやってみようというものであります。

 

 また、上下水道の災害、いまだに残念ながら能登半島では水が来ないというところもあります。そういうものを早く緊急対応段階からやっていくように、これ訓練を行おうというものであります。

 

 また、先般、若者の目線で定住戦略、Uターン戦略を練り直していこう、それを速やかに実行していこうという戦略本部をつくらせていただきました。そこで出た意見を投影させていただきまして、補正予算にも反映することといたします。1つは、若者のキャリア教育というものでありまして、学校でふるさとの良さとか、こういうお仕事があるよというのを、これ、教員の目線というよりも若い方々にいろいろと作り込み、参加していただきまして、そういうデジタルでの教材を作って、教材ができればこれ、学校で当然活用しますが、それ以外にもインターネット上でこういうものを活用することも可能になります。こういう教育のデジタル教材、これを作っていこうというものであります。

 

 また、高校生の地域活動、これを推進していこうと、具体的にお話がありましたのは、例えばとっとりずむという、そういう情報発信のツールがあります。そういうところの取材を高校生にやってもらうということで地元の愛着心が深まるのではないかとか、そういうお話がありました。こういう地元企業や地域と一緒に活動するような支援事業というものを組んではどうかということであります。また、暮らすインターンシップ(学生が在学中に企業体験入社する制度)というものでありますが、これまで、例えば土木系の学生さんが琴浦町とかで住まいを得まして、そこで住み込みながらインターンシップをやるということをやったことがあります。それで、こういうような形の地域を体験しながらやってもらう、特に理系など今、人材を得難い分野などそうしたところで、定住型のインターンシップっていうものを、言わば宿を用意して、宿といいますか、住むところも用意しながらやってみるということを、関係者と共同してやってみてはどうかというものであります。

 

 また、多く意見が出ましたのは、大都市部でいろんな若者を中心とした交流事業というのをやってみたいというお話がありました。こういうものを応援していこうとか、それからメタバースとっとり、良よかったよというお話もございました。また、SNSなどでの発信等は、今の特にZ世代(1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代)は、このSNSの依存度が高いわけであります。それで、こうしたところでの交流事業や情報発信、こういうものをやっていこうと。それでこれら、いろいろ細かい事業ありますが、足し合わせていくと、大体2,000万円程度にはなるのではないかということであります。


 それで、その防災関係でありますけども、地震のことはこれからまだ十分整理をしながら、さらに深めてまいりたいと思いますが、いよいよ梅雨時がやってまいります。もう沖縄[県]などは梅雨入り宣言ということになりました。早晩、雨の多い季節が本州、そして山陰にもやってくるということになります。そこで昨年の台風7号、この災害を我々経験しまして、改善すべき点を洗い出し作業を進めてまいりました。また、その前にも7月にやはり豪雨災害などもございまして、こうした経験を踏まえた出水期対策については、6月1日から地域防災計画の暫定運用を始めることといたそうと思っております。

 

 これまで話し合ってきたり、市町村などと、これをやろうということで議論してきたものを、地域防災計画の暫定運用で、まず始めさせていただき、後からまた地震関係が固まりが出てきますので、それを含めて正式に地域防災計画の改訂手続をしたいと思っています。ただ、雨は降り始めますので、もう既に内容として始めさせていただこう、暫定運用しようということであります。

 

 1つには情報の発信関係などでありますが、道路の冠水対策、これにつきまして、冠水する危険だという箇所、こういうものを集約したり、それから注意看板を設置をしたり、それから監視カメラなども運用させていただきまして、これを来月から運用していくと順次。それで冠水したところが分かりやすいように見えるようにして、迅速に対応していきましょうということが1つ。

 

 また、ダムにつきまして、緊急放流という経験をこの間、台風7号の際に我々も経験をいたしました。これは本当にまれなケースだと思いますが、そこに至るまで段階を追って、やはりダムについての放流の在り方、運用の在り方について、住民の皆さん、地域でも理解をしていたいただくことを強めて、それでサイレンを、例えば今、洪水の危険がありますよっていうところで、一遍放送を流すとか、その際には、こういう内容で流しましょうと。それで、さらには緊急放流をやりますという、そういう最後の段階まで含めて、そういうものを体系的に地域防災計画の中でも位置づけをして、市町村、地域と共有をしていくことにいたそうというものであります。

 

 また、孤立集落対策として、それを早期に把握をする、それから連絡通信手段を確保する、それからドローンを活用する、早期に救出をする、また、避難場所を確保して、資機材を整備することなどを考えております。これに関連しまして、避難所の運営支援システム、これをDX(デジタル技術を活用した社会の変革)も含めて、この中で運用していこうというふうに考えております。自主避難所というのがたくさん能登半島地震で発生をしました。これはいいことだと思います。身近なところで避難しやすいところ、それで、それを自主的に皆さんで運営されることというのは災害の1つの対応としてやはりこれを織り込んでいかなきゃいけないということだと思っております。実は、鳥取県は中部地震のときから、こういうもの支え愛避難所と呼びまして、むしろその支援を市町村と一緒にさせていただくように切替えをしてきたところであります。

 

 こういう自主避難所も含めて、学校などの避難所等も総合しながら、システムの中にいろんな情報を入れていこうということであります。これちょっとまた、なぜかまた書いてないですけども、例えば、どういうところに避難所を開設するかとか、ここに書いてありますね、避難所をこういうところに開設します。ちょっと見にくくて申し訳ありません。それから、こういう避難者がいらっしゃいます。こういう要配慮者がいらっしゃいます。今、その避難所へのライフライン(生活の維持に必要な電気・ガス・水道・通信などの設備)こんなことになっています。あるいは医薬品が必要だとか、様々なものがあります。こういうものを市町村も含めて、関係機関でいろいろと入力をしていく、そういうDX情報というものを活用して、これを見て、救済、救出に当たる自衛隊や消防だとか、県だとか、これを得て、じゃあ、医薬品を送りましょうとか、それからすぐに、じゃあ、救出活動に入って、避難所からほかへ移しましょうとか、そうしたことの対応につなげていく、これを早めにサイクルが回るように、この避難所運営支援システムというものを起動させていこうと。それで、これを今回地域防災計画の中でも使わせていただくことにしようというものであります。

 

 また、県民の皆様に対するPR、啓発活動であるとか、それから学校の臨時休業、これもちょっと雨のときに課題として地元でも指摘をされました。こういうことなども暫定の中に入れていこうというものであります。このたび国のほうで線状降水帯の情報を強化するという話が出ました。今までは中国地方としてまとめて出ていたものを都道府県単位で出されるようになります。こういうものも当然これからも活用して、住民の皆様にも危険が迫っていることの呼びかけをしていこうということにいたします。

 

 昨日、気象学会のほうでレポートが出されました。それで昨年の台風7号災害が取り上げられたところであります。一部で昨日、先行報道がありましたけれども、昨日の学会で我々も確認をさせていただきました。まさに私たちが感じていた、当日8月15日に感じていて我々が対応したことのメカニズムがまた、もう少し見えやすくなったのではないかと思います。それで、あのとき何が起こっていたかということでありますが、台風7号がじわじわと接近をしてきて、最初、紀伊半島のほうに上陸をしますが、その後、瀬戸内海のほうに入っていって、それで、明石[市]からずっと兵庫県を南北に縦断するような形で行きます。それで、私どもはちょっと違和感を持っていたんですが、大変な気象条件の悪化がある中で、全国的にも気象台情報やあるいはメディアも含めまして台風の東側危ないよと、それで、例えば名古屋[市]でこんな雨、風、そういう報道がどんどん出るんですけども、実はうちのほうの報道っていうのはあんまり出てこない。

 

 だから、国全体でどうも台風の東側が危ないという、そういう1つのドグマ(基本的な教義)があって、それで動いているのではないかとちょっと懸念をしました。それで、私どもは実際足元の降水状況だとか見て、それで、お昼過ぎに緊急の災害対策本部[会議]やりましたけれども、そのときも私自身も今回は命を守る行動に出てくださいとかなり強めの情報を申し上げました。それで、当時は、[大雨]特別警報は出てないです。特別警報が出たのは夕方になってということで、ちょっと分からないですけども、こういうメカニズムが分からないので、本来ならもっと早めに特別警報出さなきゃいけないことが出ていない、それで、我々現場で、いや、これちょっとこんな状況じゃないのでということで、国全体は違った報道やあるいはオペレーション(作業)していますけれども、我々の地域としては、もう最大限の警戒をしなきゃいけないし、命を守る行動しなきゃいけないという、実は午後呼びかけていたというような状況ですね。それで、それがなぜ起こったかということで、このたびそのレポートの中でも日本海側の降水状況というのは今まであまり十分解明されてなかったということで今回調べて分かったと、こういうお話であります。

 

 台風7号が接近をしてきて、特に中部[地方]のほうに行くんじゃないかと当初思われていました。これが少しぐるっと回って明石のほうに回っていくわけでありますが、この台風から南風が吹いていきます。これが日本列島を横切っていくわけであります。フェーン現象(気流が山の斜面にあたったのちに風が山を越え、暖かくて乾いた下降気流となってその付近の気温が上がる現象)が起こる。それで、これで日本海側に風が流れるときには温度の高い熱風になっているわけですね。それで、乾燥しています。それで、そこで水蒸気を日本海側のほうの水温が大体4度ぐらい平年より高い、それで、この水蒸気を多く含んで、これが、今度台風が徐々に、徐々に近づいてくるわけでありますけども、その際に台風に向かってここでは北風が吹くわけですね。それで、この北風が吹き続ける中でこの水蒸気を含んだ湿った空気が山陰地方に大雨をもたらすというものでありまして、過去、これ、まだ解明できてないと昨日のレポートでは言っていますが、過去同じようなルートで伊勢湾台風だとか、第二室戸台風など、鳥取県では歴史的な災害が起きていると、それで、今回も実は同じようなコース通っていますから、我々は結局警戒してたんですけども、全国的には台風の東側が危ないというふうに言われていたというものであります。

 

 それで、今回そういう意味で1つの成果が出ましたので、この成果というものを我々の体感的な災害の状況と一致するものでありまして、ぜひまた県内でもこれを共有させていただいて、こうした新しい地域防災計画の暫定運用と併せて、さらに命を守る、そうした防災につなげていきたいと思っております。そういうわけでこれから立て続けに出水期前に訓練をやっていこうと、日野川の総合水防演習、これが今週末、国[土]交[通]省、国も参画して中国地方全部集まってやるという久方ぶりの本県での水防演習になります。

 

 それから水害対応の図上訓練、これも来週28日に行うことといたしておりますし、先ほどちょっと申し上げました上下水道、これにつきましてやはり早期の復旧を目指す、少なくとも応急復旧をやっていくという意味で、また関係者、これは業界など交えて、市町村が主役の分野でありますけども、そういった演習をやってみたいと思っております。

 

 また、今出水期におきまして、水害の対策を進めてまいりました。佐治川が昨年、非常に佐治川と私都川がやられたわけですけども、それで台風7号災害で佐治川ダムにたくさん土砂が入りました。これの大体9万立米ぐらい既に撤去が終わりました。これ大体91%というものでありまして、もちろんこれからまだ出水期になっても撤去は続けていくわけです。ですから、洪水の調節容量は非常に危惧される状況になったわけですね。ただ、ダムの機能としてはそれだけせき止めたわけでありますから、その分、下流を守ったその成果で土砂がたまったわけです。それで、これ今かき出して、もう一度リニューアルしてると。それの9割方完成をしたということです。

 

 それから樹木伐採や河道掘削、これも今回佐治川でやったことなどがやはり影響して、その佐治川ダムの下の辺りの尾際の辺りの事業というものは非常に有効で、やはり減災効果があったと思います。それでこれを令和6年度も新たに16か所着手させ、令和5年度も進捗をさせていただきました。これで今想定している668か所全てに着手をするということになります。また、水位計2基、カメラ3基を昨年度増設をしまして、それで今年度も水位計、カメラ合わせて10基増設を考えております。こうやって災害に強い河川体制というものを確保してまいることにいたして、これから6月の出水期に向けていきたいと思っております。

 

 また、併せましていろいろと内部で議論してきた1つとして、災害時における緊急対策パートナーシップというものを様々結んでもよいのではないかと考えており、これを本格化されることといたします。今までも例えば段ボールベッドなどは、段ボールの製造業界などと協定結びまして、いざというときはそういう段ボールを持ち込んでいただくというようなことはできています。ただ、まだできてないところで、例えばトレーラーハウスみたいなもの、これも早期に災害応急住宅、仮設住宅として活用できるものでありまして、こうした業界団体とも話合いをさせていただいて、言わば官民の垣根を越えて緊急対策ができるように体制を今後整備していきたいと思っております。

 


 いよいよ今週末の5月26日に朝9時入港して、27日に出港するという日程で試験運行、イースタンドリーム号(環日本海定期貨客船)が行うことになります。これ、かつて10年ぐらい運行していましてけれども、中止もやむなきに至っていたものでありますが、いよいよ関係者の御尽力をいただいて復活を遂げるということになります。このたびの船には江原道の幹部のグローバル本部長さん、あるいは東海市の副市長さん、またメディア関係や旅行業者、さらに情報発信をしていただくようなYouTube、インフルエンサー、こういう方々を招待させていただいていまして、こちらにお見えになることになります。こっちで活動されるわけであります。例えば観光の事業者とかメディアにつきましては、鳥取県でいいますと中西部を回っていただけると。例えばコナンのところ(青山剛昌ふるさと館)とか、それから西部の観光地、それから島根県側もそうでありますが、そうしたところを回っていただくように、ファムトリップ(観光地の誘致促進のため、旅行事業者やブロガー、メディアなどに現地を視察してもらうツアー)を整備させていただきました。

 

 また、いろんな訪韓団も行くことになります。それでサイクリングのちょっとアピールしようとか、それから荷物を取りに行こう、また向こう(韓国)の観光業者に働きかけようということで、これは帰りの船で乗っかって行くことにいたします。正式運行は、先般、李錫基[トゥウォン商船]社長からお話がありましたとおり、8月3日に入港し、4日に出港するというものになりまして、毎週土曜日、日曜日の運行日程でこれが続いていくということになります。もう時間もないもので、準備にかからなければいけませんし、この6月県議会でも必要な議案を提出していく必要があります。それで航路の安定化に向けましては、前回の就航のときと同様に1航路100万円の航路安定化支援というものを設定してはどうかということを考えております。

 

 これは、かつて中海・宍道湖圏域の市長会の皆さんと協調して助成制度というものを運用しておりました。それで、今回も同じスキーム(目的を遂行するための計画)でということで、関係の市長さんたちにも、今、協議を進めておりまして、この方向になると考えられます。また、観光の促進にあるいは物流の促進を、いろいろ2次交通だとか、それから観光PR、あるいは新しい荷主の開拓、今回はその海でフィーダー船(大型のコンテナ船が直接寄港する主要港とそれ以外の港を結ぶ小型のコンテナ船)もありますので、そういうものも含めて活用することなどもあると思います。そうした物流の促進なども含めて、就航の準備を加速をさせていきたいと思っております。

 

 このたび、副知事を派遣しまして、台湾の高雄市における日台観光サミットに本県も出席することにいたしました。ここの会場で来年の鳥取県での開催、これが決まることとなりました。これは、実は非常に台湾のインバウンド観光(訪日外国人の観光)で効果のある会議と言われています。かなり規模も大きくて、台湾のいろんな観光業者が参加をします。それで、日本からは台湾に行って、今回なんですけども、こちらの観光業者が行くと。もちろんセミナー、シンポジウムというものがあるわけでありますけども、その後、今、鳥取県としてこのプログラムを考えるに当たりまして、1泊2日程度のエクスカーション(参加者が現地での体験や会話を通じて、多面的に地域理解を深める「体験型の見学会」)を県内でやってもらおうと。それで、こういうエクスカーションなどで鳥取のいいところというものを、実際に幅広い台湾の観光業者にも見ていただいて、それで、台湾からのインバウンドの確立になればというふうに期待をいたしております。

 

 昨年は愛知県が誘致をして、その前、これは3年前(正しくは5年前(2019年))になりますが、富山県でありました。各県、そうした意味でこの台湾との観光交流、この促進を図っているところでありまして、本県も今回、開催の運びとなりました。


 今、全国大騒ぎしているのは、カメムシであります。それで、皆さんも非常に困っていると思いますけども、幾らでもカメムシが取れると。私も大分ガムテ―プの使い方がうまくなりまして、日に何匹か捕まえることができるように大分なってきました。ただ、いずれにせよ、これ、農業の被害というのが一番心配されるわけであります。ただ、カメムシにも個性がありまして、狙いに行くものが違うんですね。今、皆さんが悪戦苦闘されているのは、クサギカメムシという五角形の緑色、茶色いものもありますけども、あのカメムシ系でありまして、これは果樹を狙いに行きます。ちょうど実のついたところを、幼果、幼い果実を狙いに行きまして、これやられちゃいますと、あと固まって、結局、売り物にならないということになります。これがこのクサギカメムシも、今大発生しているわけですね。

 

 それで、こういうものを含めて、平年の3倍ぐらい越冬しているんではないかというふうに本県でも見込まれており、それ、クサギカメムシについての注意報を、本県発令させていただいております。ただ、そのクサギカメムシにつきましては、大分、今、我々も手を打ってきました。全国的にも大騒ぎをしていて、多分、同じようなことをこれからやられるんだと思いますが、結局、梨を狙いに来るときに、袋をかけておけば当然入れないわけでありまして、早めの小袋かけ、これで防除というのはある程度効果、思ったよりできるという経験があります。それで、今それを進めていまして、対策は進んでまいりました。

 

 また、発生の予察を行う、リアルタイムにちょっと発生状況を収集をしながら防除をいろいろと呼びかける、農家の暦がありますので、それに従って、もうそろそろこれ防除やりましょう、こんなことをやるわけですね。それで、特に警戒しなければいけないところが、今、イネカメムシであります。これまだ、正直見えません。今、イネカメムシは、多分その辺の言わば草場の影ですね、まさに、草のどこか後ろかどこかにくっついているんだと思うんです。もちろん、稲なんですけども、稲を狙いに来るんですが、稲の実を、お米を。この稲を狙いに来るんですが、稲はまだ田植えしたばっかりでして、それで、特にこれから特に中生になりますきぬむすめ、本県の主力などはこれから本格的に稲が終わってくるということですよね。これが育ってきて、出穂期、穂が出てくると。そうしたときに、適切に防除する必要があります。

 

 今、現状どうかというと、イネカメムシが全県的に見られるわけではありません。ただ、年々少しずつ広がっていることを、特に県西部で観測をいたしております。その県西部でのイネカメムシ、これがじわじわと広がってくるところをやっぱり防除していく、これが戦略だと思われます。それで、その稲には食用米もあれば、それから飼料用米もあります。そうしたものを含めてそのイネカメムシの防除をやっていこうではないか、それで、市町村とかJA(農業協同組合)などとも話はできてきまして、それで防除計画を支援したり、防除自身を支援したりということをさせていただこうというものであります。

 

 それで、今、当初予算で一定程度持っているんですが、きぬむすめなどがかなり広く植わっていることがあります。コシヒカリなど和製品種については通常の防除がかなり有効でありまして、これ、別にイネカメムシだけのためではなくて、ほかの虫も含めた防除をやっていくということをしているのですが、中生なども含めて十分体制が取れるように予備費を発動することにいたしたいと思っています。補正予算で組めばいいのかなと思って検討もしたんですけども、間に合わないので、6月県議会をやっている最中も防除ということは必要でありますので、これは今日付で予備費を発動させていただき、1,500万[円]直ちに対応するようにしようと考えております。

 

 それから、空き家対策についてでありますが、これについては、これがこのたび公表された統計でありますけども、本県の空き家率が15.8%で全国を上回ることになっています。ただ、最近、平成25年、27年、令和元年と順次発生を抑制するとか、利活用を進めるとか、除却をするとか、こうしたことを順次実は本県は展開をしてきました。全国的に見ると統計は岐阜(県)と同じぐらい空き家対策のメニューというのは、本県は用意させていただいたようになっています。それで、その効果があったんだと思いますが、全国順位は改善をされておりまして、なお、こうしたことを進めていく必要があるだろうと思います。全国での問題になっているんですが、大体6分の1ぐらいの家屋がこういう空き家になること自体異常でありまして、それが利活用されたり、除却して周りへの影響を遮断していくということが必要です。

 

 最近も南部町だとか鳥取市内でも除却の例がありました。今後、積極的に進めていくわけでありますが、今年度、こうした状況も踏まえて啓発動画、これをケーブルテレビも含めて出させていただこうと思っております。また、賃貸借するような場合に、賃貸借に出そうと思うといろんなものがまだ空き家に置いてあるというのは邪魔になりますので、こういうものを撤去する費用も補助対象として、今回、認めていこうということにいたします。こんなようなことで空き家対策を強化する一方で、数字が出ましたので、この市町村の担当者会議を緊急に今週、来週させていただこうと考えております。様々なメニューを用意しておりまして、その辺を御紹介をしながら市町村に対する働きかけを強めさせていただこうと思います。


 昨日、人事委員会が開催をされました。これに我々のほうでちょっとお願いをしていた件について委員の了承が得られました。それは、犯罪被害支援休暇の創設であります。都道府県では初めての休暇ということになります。これ、有給で取れるということにしているわけでありますが、やはり犯罪に巻き込まれますと警察へ届けなければいけない、それから、事情聴取があるだとか、また、例えば大けがをされているなどで治療しなければいけない、これ、病院に行くことになります。当然ながら裁判所との付き合いということも出てくるわけであります。

 

 いろいろと忙しくなるんですが、実はどこの職場も今、現状そうだと思います。こういうことで休めるようにはなっていなくて、何といいますか、有給を活用するとかいうことでやるのが現状かと思います。ただ、有給の日数も限られていますので、新設した特別の有給休暇というのを設けてはどうかというものであります。具体的には、こうしたいろんな手間がかかりますが、そのときの実施期間、裁判所に行っている日は休んで行こうとか、こういうようなことを認めるのと併せまして、例えば御家族を看病しなければいけないというようなときなど、5日以内の特別休暇というものも併せて算定していきましょうと、こんなことでまずはスタートしてみようかと思っております。願わくばこうした犯罪被害支援の休暇というものがいろんな自治体はもとより企業さんなどでも広がりを見せていけばなと思いますが、まず、率先垂範(先に立って行動し、模範を示すこと)で県でやってみようというものであります。

 

 それから、超過勤務の状況が、このたび速報値が出ました。令和4年度、一昨年度から昨年度に2割以上減少して、77.5%という数値になりました。22.5%減というものであります。それで、このうち、台風の7号がありましたので昨年度は。こうしたものや、もちろん新型コロナ[ウイルス感染症]の対応も残っています。こういうものを除きますと、36万時間ぐらいでありますが、これは大体コロナ前と同じ水準まで戻ってきております。それでコロナ等がなくなってきたということももちろんありますし、それから、例えばOCRのAI、AI-OCR(人工知能を用いて、画像データからテキスト部分を認識し、文字データに変換する光学文字認識機能)によりまして、大分業務が効率化されるとか、それからチャットボット(人工知能を活用した自動会話プログラム)の活用だとか、そうしたいろんな業務効率化を図る、こういう業務改善の成果だと思いますが、大分抑制されるところに今なってきたということであります。なお一層今後も行財政改革プランというものを実行していって、働きやすい職場というのを目指していきたいと思います。

 

 また、このたび統計が出ました。いずれ、全国統計出ると思いますが、県の統計では保育所の待機児童、これは4月1日時点では19年連続のゼロということになりました。


 それから、その人材の関係、子育ての関係に関連して、鳥取大学などと来週協定を結ばせていただくことで話が整いました。目標数値を設定していきたいということでありますが、これから3年間ですね、県内の就職率、これを上げていきましょうということを関係の高等教育機関に呼びかけて、それを協定として結んでいこうと。それで地域における人材育成を推進したり、県内大学での就職促進を図っていこうというものであります。

 

 また、先般、宮崎におきまして[日本創生のための]将来世代応援知事同盟のサミットを行いました。そこで[人口戦略]緊急アピールを採択をしたわけであります。これを松本[剛明]総務大臣や自見[英子]地方創生担当大臣など要路皆様に、明日、緊急要請を行うことといたします。河野[俊嗣]宮崎県知事などと一緒に関係先へ働きかけていきたいと思います。

 

 また、国土交通省に対しまして、このたび、水防訓練などもあることもございまして、米子・境港の高規格道路の早期事業化を、これ地元としてお願いをする。それから地域公共交通を維持をしていく。上下水道の耐震化など国土交通省に対する要請活動も週末には行うことといたします。


 東北の宮城県にあります極洋食品株式会社というものがあります。これ親会社さんは日本のこういう冷凍食品等の大手になりますが、その極洋食品さんが、言わば1つのリスクヘッジ(起こりうるリスクを予測して、対応できる体制を取って備えること)ということもあって西日本のほうに拠点を探しておられました。それで、意思が合致しまして、このたび倉吉の関金[町]におきまして、工場を創設をするということで計画がまとまりました。令和7年の春、創業の予定であります。皆さんも御覧になったことあるかもしれませんが、こうした市販されてるような冷凍食品など、これの西の拠点ということを目指していこうというものでありまして、関金辺りだと、我々のほうのサーモンの養殖等もあったりしますし、今後どうつなげていけるか、ちょっと分かりませんが、そういう水産関係を中心として手広くやっておられるところございまして、そうした地元のものも、今後は使っていただけるようになればというふうにも思っております。これを県としても産業未来共創補助金で支援をしていくことにいたしたいと思っております。

 

 また、東京のホテルニューオータニ、そういう一流のホテルさんで烏取和牛を扱っていただくフェアを開催をしております。このたび[5月]16日からスタートしまして、7月まで行うことといたします。それで大きなホテルでありまして、いろんな焼肉屋もあれば、喫茶店のようなところもあれば、そうした6店舗で提供していただいていまして、料理長さんと対談企画も持って、在日外国人も含めたPRをさせていただこうと思っております。

 

 また、いよいよ、この24日から砂丘ボランティア除草を開始をいたします。ぜひ皆様にも御参画をいただければと思います。夕方の除草と早朝の除草がございまして、これ参加した高校生の提案によって2回参加された方にこんなプレゼントしたらどうか、例えばチガヤ(外来草)が砂丘でこうやって伐採していくわけでありますが、そういうものをすき込んだ和紙のレターセットとか、こうしたものもプレゼント企画を用意させていただいておりますので、ぜひ御協力をいただきたいというふうに思います。


 ねんりんピックもいよいよ[開幕まで]150日となってまいりました。炬火(きょか)、この国体と一緒でありますが、聖火リレーのようなことを考えるわけでありまして、その炬火の採火式を弥生式で行いたいと、それで、青谷上寺地遺跡の史跡公園で火起こしをしたものを炬火として今回使わせていただいて、鳥取らしいおもてなしにつなげていければと考えております。また、あるくと健康うごくと元気っていうのを毎年させていただいていますが、今年はねんりんピックの関連のキャンペーンにさせていただきまして、げんきトリピーが全国のどこでも、これ活用されたアプリなんですけども、それに出現してねんりんピック来てねっていうようなPRをするようにもなります。このあるくと元気キャンペーン、いろんな商品も当たりますので、ぜひ体づくりをしてねんりんピックの主旨に御賛同いただければと思います。

 

 いよいよジャマイカの来年の東京2025世界陸上に向けた事前キャンプ、これについて、かねて真摯に話合いをしてまいりました。このたびジャマイカ陸[上競技]連[盟]のガース・ゲイル会長がお越しをいただくことになりました。そこでショーナ=ケイ・リチャーズ[駐日ジャマイカ]大使にも御陪席いただきまして、来年の東京2025に向けたジャマイカの事前キャンプ、鳥取市のヤマタスポーツパーク陸上競技場で行うことにつきまして調印式を執り行う運びとなりました。キャンプ自体は9月1日~11日でありまして、この後、東京での競技に臨まれるっていうことであります。ジャマイカは特に短距離を中心に世界の王者でもありまして、この間、地元の子どもたちなど陸上教室だとか、それからオープンでの練習とか、そうした交流行事もさせていただこうというふうに考えておりますので、また、皆様にも触れ合う機会というものを持っていただけるんではないかと思います。

 

 明日、中日ドラゴンズ、いっとき調子よくて首位走っていたんですけど、今、ちょっと5位ぐらいにいっていますが、ただ、紙一重のところで今、セ・リーグが争っています。それで、辰年ですのでドラゴンの年と思っておられる方も、ファン、相当程度いらっしゃって、それで、我々としてもとっとリュウっていう竜の形をしている県だよという、いろいろとPRもさせていただいております。それで、そういう関係で名古屋方面、東海方面から結構お客様が来るようになっております。ぜひ今年辰年に、とっとリュウ県としてドラゴンズの関係者の皆さんと絆を深めたいと考えまして、バンテリンドームナゴヤにおいてこのとっとリュウデーのキャンペーンをすることにいたしました。

 

 それで、まひるさんが、大山[町]出身でありますガンバレルーヤ、こちらもこのたび始球式に登場していただくことになりまして、鳥取和牛を球場のほうで選手の皆さんにもお渡しをしていければというふうに考えております。これからこうした形でぜひドラゴンズ方面にも、中京方面にも鳥取のプレゼンス(存在感)を高めてまいりたいと思います。いよいよ、らっきょうの初出荷も始まりまして、そして、これからまた、岩ガキ、そういうシーズンにも入ってまいります。ぜひ、また、鳥取のすばらしい味覚などもこの和牛も含めて全国の皆様にもアピールをさせていただきたいと思っております。私のほうからは以上でございます。

 

○読売新聞 山内 浩平 記者

 

 はい。ありがとうございました。質疑応答に移ります。質問のある方は挙手の上、社名と名前を名乗った上で質問するようにしてください。


○共同通信 古結 健太朗 記者

 

 共同通信の古結と申します。質問2点あります。まず2枚目のスライドの出水期に備えた防災対策の強化の中で、右側に避難所運営支援システムの御紹介がありましたけれども、これは能登半島地震のときに結構、通信環境が途絶えてしまって、スターリンクが届くまで送通信ができなかったという話をかなり聞きました。それで、この鳥取の避難所運営システムについては、そういうネット回線を利用したシステムなのではないかと思っているんですが、その通信が途絶えている期間の情報共有についてどのようにお考えか教えてください。

 

 

●知事

 

 はい。これにつきましてちょっとまだ予算の作成途上ではあるんですけども、アイデアとしては、今おっしゃるスターリンク(宇宙インターネットサービス)、それからスターリンクでなくて、今までも普通にやっている衛星通信携帯、衛星通信携帯のものでも結構使えるんですよね。それで、ただ、ちょっと何というか、若干の訓練がいるのかもしれないんですけども、向ける方角だとか、そういうものがありますが、それで、スターリンクも非常に、スターリンクは比較的扱いやすいというふうに言われています。それで、このスターリンクやそのスターリンクの今までやってきたようなその通信の無線のものにつきまして、実は、我々のところでは病院だとか、そういう市町村の避難所支援だとかも含めて、ある程度今までも備蓄や整備を進めてきました。

 

 ただ、今回のところで能登半島の例がありまして、それで、こうやってちょっと工夫してみる必要があるんじゃないかということで、県のほうで一定程度備蓄をしてそれを運ぶ、それで、ここにドローンだとか、そうしたもちろん手で持っていくということもあると思うんですが、今回、能登半島[地震]のように交通閉ざされた場合には今、ドローン隊を片方でユニットを整備しようとしていますけども、そうしたところで運んでいただくなどによって、速やかに手配が利くようにしていけないかということを今、模索しています。アイデアとしては、実は今、林業系なんかでこうした無線通信というのは非常に有効でありまして、そのためにスターリンクだとか、そうしたものも活用しながらというのを今、やろうとしています。

 

 それで、普段はそういう農林関係の仕事でうちの職員活用しながら、いざというときにそれを貸し出すということもあっていいんじゃないかということでありますし、例えば障がい者施設なども含めて、そういうものの整備の支援を行うということなどを今、別途これ、実は事業を今、用意をしようとして、まだちょっと完全にちょっとまだ話合いが詰まっていませんけども、そういうのも並行してやっています。

 

 それと併せてその情報集約をして避難の状況を把握をしながら必要な支援というものを送り届けていくと。それで、そのためにこうしたDX、デジタルトランスフォーメーションというものが活用できるんじゃないか、この辺、実は有機的に組み合わせて使おうと思っています。


○共同通信 古結 健太朗 記者

 

 ありがとうございます。あと、もう1点は今日のあの話、スライドの内容とはちょっと外れるんですが、先日オンライン立会いのリハーサルを行った6月9日に投開票が予定されている智頭町長選と町議補選について、現状は無投票になる可能性もあるということを聞いています。これもし無投票になった場合は、オンライン立会いという取組も全国初で、非常に投票所の投票機会を守ることに有効な手段だと感じているんですが、そもそも立候補する人が1人しかいない場合は、投票したくても投票できないという状況になりますが、議員のなり手確保ですとか、その辺りについて、主権者教育を進めていくという話も出ています。そのようにどのようなアプローチ、そのなり手不足に対してどのようなアプローチをされていくのかというのを教えてください。

 

 

知事

 

 はい。智頭町長選や町議選でその選挙はどうなるかっていうのはちょっと我々でコメントするものではないと思いますので、私どもとしては見守ってまいりたいと思いますし、実は先日も[オンライン投票立会人]リハーサルを公開でやったとき、南部町さんをはじめとして、今年選挙を予定している市町村も御視察いただきました。それで今、それぞれに御検討されてると思いますけれども、別に智頭町長選挙等だけが全ての選挙ではありませんので、早晩、そうしたインターネット監視による立会いが行われると考えております。この成り手不足のことも実は併せて同じ研究会[投票率低下防止等に向けた政治参画のあり方を考える研究会]の中で先生方にも議論していただきまして、私どもとして、例えば教材を作って、学校でやはりそうした政治を志すというか、社会参画をしていくっていうのが非常に重要だということをやっぱり理解してもらう、そういう教材を作っていこうと。これも一部そうした先生方も参加していただきながら進めるようにしていきたいと思っております。これはもちろん予算措置も含めて検討を深めているところであります。

 

 また、そのなり手不足については、あといろんな条件整備の問題もあると思うんですけど、今、県下の例えば町村議会などにおいては今、順次、この6月、昨年度末から現在に至るまで順次報酬見直しが進むようになってきました。それで、世の中の関心がやはりこういう議員なり、そうしたかかりつけの政治家が身近にいることの大切さに向いてくれば、こうした処遇改善などと併せて、だんだん変わってくるのではないかと期待をいたしております。それで本県としてはそうした主権者教育をまずは注力させていただくことにして、楽しみながらそういうものに慣れ親しんでいく、そういう方策を考えていければと思っています。

 

 

○共同通信 古結 健太朗 記者

 

 ありがとうございます。


○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者

 

 山陰中央新法の岸本です。よろしくお願いします。ちょっと今回の知事会見の報告の内容とはちょっと異なるんですけども、昨日の中国地方知事会議の共同アピールの中で合区の解消も盛り込まれました。それで17日の参院改革協議会の選挙制度に関する専門委員会では、各党が選挙制度の改革案を示しました。それで自民党は都道府県単位にするために憲法改正が必要だっていうふうに訴えたり、ほかの党はそのブロック制への変更というのも主張しているところもあって、結構各党相違があるという状況です。

 

 来年7月に参院選を控える中で、各党が一致点を見いだしてないこの状況についてどう見ているのかということと、あと1年余りでどのような議論を進めるべきか見解を伺いたいと思います。

 

 

●知事

 

 これは期限のある話でありまして、来年の7月頃になろうかと思いますが、次の参議院通常選挙が執行されることになります。それで漫然とこのまま過ごしてしまうのではなくて、ぜひ立法者である国会において精力的に結論を得て実行に移すそういう行動を求めたいと思います。これにつきましては、私どもで、全国知事会を7月~8月のはじめにかけまして持つことになっておりまして、その中でもこうした問題を取り上げていただくように関係県でも十分働きかけをしていきたいと思っておりますし、所管の委員会も実はこれございまして、そうした知事会としての要請活動、これから正念場だと思いますので、私たち該当県も積極的に参画をしながら、この我々の都道府県単位で選出することの意義、この理解を深めてもらえるように活動をぜひこの夏、秋という大事な時期にしていくことになると考えております。

 

 現在の状況はどうかということですけど、私も実は参議院のそうした改革に向けた場に参考人で呼ばれて行ったりいたしました。また、同じく参議院の憲法の審査につきましても、私も参考人として出席をさせていただきました。実は過去にも同様な機会がないわけではなかったんですけども、大分空気は変わってきたと思います。それで、やはり都道府県単位に代表出すことの重要性っていうのは会派を越えて広がってきていることは、私は事実じゃないかと思っていまして、そういう意味では今年が本当の正念場であるというふうに感じております。

 

 一定の手応えがあるその背景には最高裁[判所]の見方が変わってきていることがあると思います。最高裁の判例がいっとき、今の都道府県単位で代表選出することにこだわるものではないのではないかというのは投げかけをむしろ立法者にしてしまった過去があります。これによって合区ということが行われたわけでありますけれども、ただ、そのときの判決文と今の判決文はまた、前に返っていまして昭和58年の最高裁大法廷判決のベースに戻りつつあると思います。

 

 それで、都道府県で代表することの意義はあると、これは最高裁も言うようになってきておりまして、そうしたことは恐らく国民世論の変化とも反映している面があるのではないかと思います。恐らくそうした意味で関係者が、今まで投票率の優等生であった徳島[県]、高知[県]、島根[県]、鳥取[県]といったこうした地域が軒並み投票率が下がっていく、それで、中には最低を記録すると、本県も過去2回、最低を記録しました。これの引き金を引いたのが選挙制度であるとすると、これに対する、言わば振り返りが最高裁をはじめとした司法のほうでも行われつつあるし、また、各会派におきましてもこれを放置することが是か非かということになってきたんだろうと思います。

 

 私どもは、ブロック制は求めません。それではやっぱり代表が失われることに変わりはないわけであります。明治以来、都道府県を単位として国民の代表を選出してきた我が国の民主主義のユニット、都道府県に政治的、あるいは社会的、経済的、求心力があってここでまとめた意見を国政に反映する、これが我が国の民主主義のプロセスになってきた長い歴史があります。それで、これを変えるべきではないと思っておりますし、私も参議院におきまして参考人としてそういう主張をいたしました。今なお、ブロック制等の議論があることは事実でありますが、多くの議員を抱えている会派においては都道府県単位の代表というものに重点を置いた案になってきているのも事実でありまして、ぜひこれから働きかけを強めてまいりたいと思います。


○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者

 

 ありがとうございます。ちょっと別の質問に移るんですけども、国立大の授業料値上げについてちょっと今、議論がありまして、自民党の教育・人材力強化調査会のほうが国立大の値上げも含め、適正な授業料設定を提言しておりまして、島根県の丸山知事も定例会見でこの値上げに強烈に反対したという経緯がありました。平井知事のほうはこの値上げの賛否も含めて、議論をどのように受け止めているのかということと、その理由と考えられる具体的な対策を伺いたいと思います。

 

 

●知事

 

 これは今回の言わば論争、1つの着火点として幅広い検討がなされるべきであるし、こういう授業料、あるいは高等教育の負担そのものについて、もう一度国民的合意が得られる努力を国会だとか政府だとかぜひしていただく必要があるのではないかと思います。国立大学の授業料値上げというのはそういう非常に限定的な話でありまして、片方で今そうした高等教育の負担が結局家計を圧迫する、それから場合によっては、社会における所得格差が広がる中で学習の機会というものを狭めるのではないかということがあります。そういうようなことで、言わばその負担を無償化したり、それから奨学金制度の充実であるとか、今、大きな方向性は複雑にいろんなベクトルが絡み合いながら今動いていると思うんですね。

 

 それで大切なのは、そういうように学生の皆さん、それからその背景にある御家庭のほうで学ぶ権利というものをしっかり確立できる状況をつくっていく。それで例えば貧困の再生産につながらないようなことを考えていく、これが必要だと思います。残念ながら、今、それぞれが違ったベクトルで動き始めていて、ある地域では公立大学の授業料無償化しようじゃないかということを始めたりする。それで我々実は知事同士で話をしていると、だから、お金のある県がそうやって無償化するとかいうことをやったら、ますます地方の学生がどんどんと大都市に移ってしまうということにもなりかねないわけですよね。それでそういうことがあんまり合理的ではないと思います。むしろ全国を通じてそうした高等教育の負担、これをどういうふうに考えていくのか、アプローチとしては授業料の問題やあるいは奨学金の問題、いろんなツールはあると思うんですけども、これを全体的に考えていく理論が欠けてるんではないかと思います。

 

 そういう意味で、ぜひ今回こういうことで論争が始まるというのであれば、これを契機として、今、例えば一地域で授業料無償化みたいなことを始める動きもあったりする、こういうことが果たしてそういう言わばその無秩序になされていて、結局、今の人口減少対策や、あるいは貧困の問題等々からすると、あまり実益がないことになってしまわないように再構成したほうがいいんじゃないかなというのが率直な思いであります。


○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者

 

 すみません。あともう1つなんですけども、プロテリアルの件で、安来に主力工場があるプロテリアルが従業員削減方針を決めているという報道がありました。それで安来のほうは米子市からも通勤する方が多い地域で、安来市内の工場や子会社では100人以上の削減を見据えているということです。県内の影響についてどう見ているのかということと、今回は外資系の企業になってしまいましたけど、外資系の企業や大きい企業というのが、大規模な雇用削減を打ち出した場合に県内での雇用を守るためにどのような対策が必要だというふうに考えますでしょうか。

 

 

●知事

 

 これについては今、我々も情報取集中でありまして、プロテリアル側とも接触を始めております。それで、実はプロテリアルは安来もありますが鳥取市内にもございます。それで、鳥取市内で作っているのは電気自動車、EV等に向けたケースを活用した基盤なんですね。それで、ちょっと作っているものは大分違うのですが、これは、実は需要がかなり根強くあって、むしろ成長力のある分野だと考えられるところであります。それで、実際、会社側に感触を聞きますと別にこの事業を止めてしまうということでは全然ないというようなことであります。

 

また、安来のほうは金属系の主力工場、会社全体でもそういうことだと思います。それで、今おっしゃったように県内から通勤している方もいらっしゃるところであります。いずれにいたしましても雇用の支援チームというのは、今後考えることを視野に入れながら情報収集を図ってまいりたいと思いますし、会社側には雇用への影響ということに十分配慮した対策を求めてまいりたいと思っております。


○朝日新聞 清野 貴幸 記者 

 

 朝日新聞の清野と申します。私も今日の内容と関係ない話なんですけど、先日始まった教員の確保の問題なんですけれども、鳥取大学さんと議論が始まってこれから本格化するかと思うんですが、県のほうが求めている教員を養成する学科なり学部の復活ということについては、あの場で鳥取大学のほうはなかなかハードルが高い難しいんじゃないかっていう話があったかと思うんですけど、その見解について知事としてどう受け止めたのかということと、これからのその議論の中で、あくまで鳥取県としては学科とか学部の復活を大学側に求めていくのかっていうところをお願いします。

 

 

●知事

 

 これまだ実は議論が始まったばかりで、これからワーキングチーム的に実務レベルでもいろんなアイデアを総合していきたいと思います。私どもは地域の立場でありますので、出口として実際教員養成というのがこの鳥取県内で行われる、このことが一番大事であります。それで、残念ながら今そういう機能が十分果たせているかというと果たされていないということであります。鳥取大学さんが要は現状維持に終始しようとするのであれば、それは我々としては違うと言わざるを得ません。現状を守ることに目標があるのではなくて、教員をじゃあどういうふうに増やしていくのか。若い方々が希望持てるようなそういう姿というものを大学でも変わっていくその方向性をぜひ出してもらいたいということであります。

 

 それで、学部とかそうしたことに直結なかなかできないということであるのならば、じゃあ、どうやって実際増やすことができるのか、それは何かこの間ちょっとコース名を変えるというお話がありましたけども、それだけで人間って変わらないです。それでコース名が変わったからじゃあ、あの大学に行こうかっていうことになるわけじゃないので、やっぱりそれと併せて例えば中の体制をこういうふうに組み替えるとか、あるいはその学校との関係性、また、教育委員会のほうの次の就職先との関係性など、やっぱり総合的にやっぱり対策というものをパッケージで考えないと小手先では現状は大きく変わらないんじゃないかなというふうに危惧をしております。そういう意味でまだ、精力的に話合いを始めたところでありますので当方としては粘り強く大学側と交渉していきたいと思います。

 

 また、このたび島根大学の学長が鳥取県の出身者に初めてなりました。この辺にもどういうお考えがあるのか今後我々も接触をしてまいりたいと思っております。

 

 

○朝日新聞 清野 貴幸 記者 

 

 すみません。確認ですけど、じゃあ学部、学科というその看板なり、それをあくまで求めていく、固執していくというか、そういうところではないっていうことなんですか、それとも求めていくということなんでしょか。

 

 

●知事

 

 我々としてはやはりそうした学部をなくした、それから学科的にも地域教育科学部(正しくは、教育地域科学部)ですか、とかそういうのを止めたことがきっかけになってどんどんと下に落っこっていったわけでありますから、それでやっぱりそこの機能復活ということに重要性があると思っています。それで、その際に例えばそのものずばりの教育学部にするかというと、もともとはそうなっていませんのでそこまで求めるものではないとは思いますが、ただ、以前もできていたことぐらいはやはりやれるように考えていただくのが筋ではないかと思っています。


○日本海新聞 松本 妙子 記者 

 

 日本海新聞の松本です。すみません。私もスライドとちょっと違うことで恐縮なんですけれども、7月の投開票の東京都知事選に石丸さんという安芸高田市の市長が立候補を表明されました。出馬理由としては人口減少問題の課題解決とか、多極分散による地方衰退の歯止めとか、46道府県との密なコミュニケーションを上げて説明されたと報道されていました。今日のスライドでも人口減少問題への緊急要請とか、先日の中国知事会議でも東京一極集中の是正に関する議論が多くあったと思います。地方の主張を首長経験者が都知事に挑戦するという今回の出馬表明とか、思いについてなかなかちょっと難しいところもあるかもしれませんが、平井知事の御感想とか御所感をお伺いできませんでしょか。

 

 

●知事

 

 東京[都]の選挙は東京の選挙なので鳥取県から発言をするものではないと思いますので、基本的にはコメントをすることではないというのがお答えなんだろうと思います。ただ、過去のことからいいますと、例えば宮城県の知事の経験者とか、それから岩手県の[知事]経験者だとか、そうした方々が挑戦してきた歴史もあります。それで現状今の社会状況見たとき、やはり東京というところがこの人口減少問題やその中の少子化対策、それから社会的には言わば強烈な引力を持って人々を呼び寄せていると。そうした集中という問題、こういうことにやはり国を挙げてやっぱり取り組んでいかなきゃいけないことだと思います。そうした意味で全国を見渡した議論ができるそうした都政というのはこれから非常に大切なんではないかなというふうに考えます。

 

 それで、やっぱり首都である東京というところは全国、あるいは国政も含めて一定の責任とそれから役割を果たさなければいけないものだと思います。そうした意味で視野をやはり都政に持ち込むことの重要性ということは当然あるというふうに思います。そんな意味でこれから多分まだ一月ありますのでいろんな候補者が名乗りを上げてきたりすることになると思いますが、この人口減少問題という非常に大きな課題、これについてやはりともにほかの地域と一緒に考えていくそういう視野、議論というものを求めたいと思います。

 

 

○読売新聞 山内 浩平 記者

 

 ほかはよろしいでしょうか。はい、質問も尽きたようですのでこれで終わりにさせていただきます。ありがとうございました。

 

 

●知事

 

 どうも、ありがとうございました。

 

  

最後に本ページの担当課    鳥取県 政策戦略本部 政策戦略局 広報課
    住所  〒680-8570
                 鳥取県鳥取市東町1丁目220
    電話  0857-26-70200857-26-7020
         ファクシミリ  0857-26-8122
    E-mail  kouhou@pref.tottori.lg.jp

Copyright(C) 2006~ 鳥取県(Tottori Prefectural Government) All Rights Reserved. 法人番号 7000020310000