皆様、おはようございます。5月も最後となってまいりまして、来月の当初予算[正しくは、補正予算]に向けまして編成作業、ほぼ終えたということになりました。最終的な調整を残してはいますけれども、総額で64億円程度ということになろうかと思います。また、今、国会のほうでは様々な議論が戦わされているところであり、その中には食糧政策についての基本法(食料・農業・農村基本法)の改正など重要な法案審議というのもなされてきたところで、成立をしたりしたものもございます。
世上いろいろと今、議論のあることにつきまして、若干、冒頭で述べさせていただく必要があるかなと思いますのは、1つはLGBTQ(Lesbian(レズビアン=女性同性愛者)、Gay(ゲイ=男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシャル=両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー=心と体の性が異なる人)、Queer/Questioning(クィアまたはクエスチョニング=性的指向・性自認が定まらない人)の頭文字をつなげた略語で、いわゆる性的少数者(セクシュアルマイノリティ)の総称)の関係でございます。これにつきまして、自治体で同性のパートナーにつきまして、夫、妻と書いて、これは未届という、そうした表記がなされているものがあると、これが議論を呼んでいるという状況があります。本県におきましても、実は倉吉市が夫(未届)、妻(未届)でパートナーの届出を受けるというふうに方針を公表されています。
この問題につきまして、混乱がないようにやはり国としての方針というのはきちんと出すのであれば出す必要があろうかと思いますし、本来、これは住民基本台帳法に基づいて市町村長が策定をするのが住民基本台帳でございますから、基本的な権限はやっぱり市町村長のほうにあるということで、ある程度柔軟な執行ということも当然考え得るのではないかと思います。私個人としては倉吉[市]のようなやり方でもよいかと思いますし、現実の実務はほかのやり方もありまして、これは世帯を同じようにするんですけれども、縁故者と書いて届け出るという実務もあります。本県でも鳥取市などはそうした実務の下にやっておられるところであります。
ただ、ちょっと記者会見の席なのでちょっとこうしたこともお願いしなければいけないかもしれませんが、ただ、取材をもしされるのであれば、そういう対象者があるかどうかというのは、これは本県の場合は、そこはカミングアウト(秘密を打ち明ける)しなくてもいいパートナー制度を導入していますので、その辺のお取扱いにはぜひ御留意いただきたいと思いますし、その辺は非公表にされている部分がございます。ただ、方針は、今、申し上げたように、公表ベースで世上、話題になっているそうしたやり方もあれば、そうでないやり方もあるというのが県内の状況でございまして、この課題はやはり政府としても早急に混乱がないように方針を示されるべきものではないかと思います。
本県はいずれにいたしましても県としては同性のパートナー、LGBTQという課題があったとしても、当然、人として尊重されるべきであり、届出、住民基本台帳法の記載のいかんに関わらず、例えば県営住宅の入居など、何ら普通の夫婦と差別なく、区別なく、我々としては受理させていただき、サービスを提供させていただくことにいたしております。そういう意味で、私ども県については、その書き方がどうであれ関係はないものでありますので、その点、御理解を賜りたいというふうに思います。
それから、昨日、[県]環境[管理]事業センターのほうで県のほうに産業廃棄物処分場の届出、許可申請を出すという方針が決まったという報道があります。私も、担当のほうにも、これについて許可申請を近々に出してくるというような連絡はありますが、今現在、まだ我々に届いているわけではありません。このことは長く議論されてきたものでもございますので、慎重かつ厳正に今後、県としても対処してまいりたいと考えております。
かねて議会の議論の中でもやり取りで提案を私もさせていただきましたが、やはり、他の自治体のやり方は非常にある意味、形式的に審査を進めていきますが、私どもとしては専門家の知見というものも入れながら、これについては議論をしていくべきものだと考えておりまして、特別にそうした専門家に委嘱をさせていただいて、御意見をいただきながら進めていくということにいたしたいと考えております。
ただ、いずれにいたしましても、まだちょっと詳細、受け取ったわけではありませんので、出てきたところで考えていかなければいけません。当面はまず、仮に受理されれば、どんな書類かかなり膨大なものだと思いますので、それを読み込むことから私ども担当部局のほうで対応させていただき、平行しながら専門家の人選というものも進めていくということになろうかなと考えております。いずれにいたしましても安全性というものが大切でありまして、いろいろとこれまでも議論がされてきた、[遮水]シートを張りますけども、そのシートの耐久性がどうかとか、あるいはろ過装置が大丈夫だろうかとか、あるいは地震が起きたときの対応は大丈夫か、構造がどうか、こういうことを丹念に私どもとしても専門家の知見を入れて検討してまいりたい、真摯に対応してまいりたいと思います。
当然ながら地元の住民の皆様に対しましても、私どもとしてもきちんとした説明責任が果たせるような、今後の許可手続を考えていきたいと思っております。
以上、ちょっと前置きをさせていただいた上で本題のほうに入らせていただきたいと思いますが、先ほど申しましたように、6月補正予算、定例県議会12日からスタートしますが、64億円の規模が見込まれております。まだ最終的に確定したものではありません。4つのポイントを考えています。
1つは能登半島地震があり、それから私どもの台風[第]7号災害が昨年ありました。そうしたことも踏まえまして、やはり防災の対応力を強化していくということに約1億円かける必要があるだろうと今、計上しております。そこにはドローンの活用だとか、それから北条の防災道の駅、これを活用しながら、我々としても、へリポート等を制定していこうと。
また、消防隊学校での救助訓練を民間の皆様にもやっていただく。それから耐震ブレーカー[正しくは、感震ブレーカー]、これはおとといかそこらですかね、専門家が国全体のほうでこのたび能登半島の火災につきまして、分析をされていました。やはり耐震ブレーカーというのが、こういう地震のことを考えますと、我が国の場合、非常に重要ではないか、木造家屋が密集しているところであればあるほど重要ではないかという、そういう分析もありまして、これ県のほうで助成制度を創設をさせていただこうと思います。
また、上下水道の復旧に時間がかかるなどの課題も見えておりまして、今まではないような、そういう防災訓練も進めていきたいと思いますし、津波対策で900万円、例えば、河川の河口を利用した水位計など新設あるいは改修を進めていきたいと思っております。このたび国のほうの気象庁の方が、本県のほうにも来られまして、また意見交換もさせていただきました、それで本県としては、こうやって独自に今、議会に提案しようと思っていることも話させていただいております。それで気象台のほうでこれをそのまま使うかどうかは、またともかくではありますけども、少なくとも気象庁が十分なそういう観測網を持っていない部分を私どものほうで補って住民の皆様の安全・安心というものを、津波の監視、モニタリングとして我々提供していく責務があるだろうと考えております。
また、若者目線の人口減少対策でありますけれども、とっとりEYE(愛)という、そういうデジタル教材を作ろう。これも若者の方が入って作ろうと。また、高校生の活動助成。それから、インターンシップを、今、琴浦[町]でやっているような暮らすインターンシップ、これをさらに拡大していきたい。それから、とっとりコネクトプラットフォームというのをこしらえて、いろんな交流の場をつくっていこう。
保育士不足の解消に向けて修学資金を拡充をしよう。これは保育士不足の修学資金拡充は、これは例えば、烏取短期大学の保育士育成があります。それで、ここで今、学生数が急減しているというようなことになってきております。それで、こういうことを前にして、片方で我々子育て王国を推進していく上で、保育士という人材を何とか養成、確保していかなければなりません。そこで従来、県のほうで持っておりました、この修学資金の制度でございますけれども、これを改革をしまして、国のそういう奨学金の制度がございますが、これをベースにして、そこにさらに県が上乗せをしてきめの細かい包括的な修学資金の提供ということをしていこうと。それで県内に就職すれば、これについては返還免除をするというようなことをやっていこうと。それで、これは外に出ていく子どもたちの分も併せて、学生の分も併せて、こうしたことの制度改正を図っていこうと。人口減少対策の1つのポイントとして我々考えております。
また、子どもの意見表明権、これは子ども[の]権利条約で、国[際]連[合]のほうでも制定されていた表明権を具体化していこうという意味で、シン・子育て王国の中で考えているものであります。子どもさん、学生、生徒、児童とか、そうしたところでの意見をどんどん出していただけるような、そういうシンポジウムやミーティングというものをつくっていこうという新規事業であります。
また、安心・豊かな地域づくりとして、7億5,000万円ほどを考えております。1つは、新生児、生まれたばかりのお子さんのスクリーニング検査(症状の現れていない人に対して、病気を見つける目的で行う検査)をする。先天性代謝異常(生まれつきの原因により、食べ物に含まれる栄養素の代謝がうまくできなかったり、ホルモンの分泌が多すぎたり少なすぎたりする異常)というものの検査を鳥取県西部でまず、モデル的にやってみようというものであります。それで、これを実施をして、それで、この子は課題があるなというスクリーニングが引っかかってきたら、今度、鳥[取]大[学医学部附属病院]のほうで、さらに詳細な検査、あるいはその後の診療等に結びつけていこうというものでありまして、早めに新生児段階で、そうしたことをやっていこうということです。
皆さんもお子さんがあればあれですけども、生まれてすぐのときに足から採血をしたりして検査をしますね。それで、あれのその対象事業を増やそうということです。こういうものを、先天性代謝異常っていうものもスクリーニングにちゃんと引っかかるようにして、ただ、これ厄介な病気でありますので、鳥大と連携をしてモデル的にまず西部でやってみようということです。
それから円安対策につきまして設備投資や人材育成等の助成制度1億円、また、融資として15億円の緊急枠、これは1.43%の利率である制度融資を創設しようというものです。それで、この制度融資は市町村と協調して無利子化ということも視野に入れる制度にしようと考えております。こんなようなことで産業のほうの今、コロナ禍後の再度成長軌道に乗せていくに当たって、今、円安で仕入れる資材価格、原料価格など上がっていますので、それを、ダメージをですね、何とか回避していこうというものであります。また、家計においても、やはり同じように物価高の影響はまだ残ると思います。政府のほうは、実は今、ここ撤退モードでして、これはやはり状況見て考えるべきだと思うんですが、例えば6月から電気代の助成というのはなくなるとかいうことになっています。それで、それに対する対応がまだ出てきていません。代わりに出てくるのが定額減税4万円というやつですね。それで、多分政府のスタンス(立場)はそういう定額減税だとか、ほかのほうで措置をしているから対応しない、物価高の影響についてはということかもしれません。
それは政府の考え方かもしれませんが、我々現場を預かるものとしては、特に生活困窮者ですね、低所得世帯、多子世帯等について市町村と協調しながら2億円の予算を我々も用意させていただきまして、これ恐らく激変緩和的なことになるかと思いますが、政府は一編にちょっとこの例えば電気代助成とか、みんなやめちゃおうということになりますけども、影響を緩和していく意味で、2億円ほどの事業費を計上して、市町村と協調しながら支援をやっていこうということであります。
また、畜産関係の飼料価格高騰対策、これもまだ影響は残っていますし、例えば和子牛などは今、値段が下がったりしております。それで、和子牛対策としては既定の事業なんかも含めて支援していきますが、こういう飼料価格の高騰支援というのは、養鶏とか、乳牛だとかも含めまして包括的に計上していこうと考えております。
また、地元の倉吉市のほうと協調しながらにぎわい創出の事業をやったり、それから美術マニアの方が、全国から鳥取県の収蔵品だとか、企画を目指してやって来るツアー、そういうものの造成可能性を切り開いていこうという予算も用意させていただいております。
また、活力あるふるさとづくりとして大阪・関西万博が来年度行われるに当たり、それを活用しながら交流人口引き込んでいったり、また、鳥取の食を売り込んでいこうというものであります。具体的にはパビリオンの中に、関西パビリオンの中に我々のものができますが、これととっとりアルパビリオンという、鳥取県の観光サイト、これを結びつけるようなそのリンク事業などを考えたり、また、食の関係で言えば、鳥取県内の食パラダイス、これをさらに向上させる、例えばメニューづくりを一新をして外国人も含めて売り込んでいこうとか、そういう挑戦を応援をしたり、また、大阪で開かれます食の展示会に先行、我々も出展させていただいて、それで、新年度の関西万博に向けて客層をつかんでいこうでありますとか、それからプロモーションですね、大阪から国内のお客様が鳥取に来る、また、海外のお客様が鳥取に来る、それで、そういう旅行商品を造成をする、あるいはSNSで情報発信をするなど、いろいろと諸々込みで8,000万ほど用意をさせていただこうと思っております。
また、このたびトゥウォン商船が就航することが8月3日から決定をいたしました。それで、中海・宍道湖の市長会とも話し合いながら県として2,450万円用意をして、1航路100万円の従来どおりの助成制度を継続していきたいと思っております。また、県内の産業の高度化に向けて、例えばインドだとか、あるいはインドネシアのような東南アジア、こうしたところの人材を県内の例えば製造業、あるいは介護職場、IT企業などで受け入れていく、そんな道筋を開いていこうということであります。それで、具体的には向こうの人材育成機関とネットワークづくりをしたり、あるいは県内の企業さんに外国人雇用の要諦につきまして私どものほうでレクチャーさせていただいたり、そのような事業でまずはスタートをしてみようかというものであります。
また、大型クルーズ船が鳥取港に入る可能性が出てきているかなと思っております。従来パシフィックビーナスなど、その手の船は鳥取港入っていました。ル・ソレアルというフランスの船も入っていました。ただ、もっと大きな船ですね、それも入れるようにするために若干改良が必要なので、ばかでかいのはさすがに境港に入りませんけども、今、中規模の、そこそこのクルーズ船というのも大分動いていますから、そうしたものを取り込める改良事業に入っていこうというものであります。
また、公共事業として51億円、これを組んでいますが、地域高規格道路などでございます。それでこれによりまして、倉吉道路や倉吉関金道路、倉吉南インター、[倉吉]小鴨[インター]、こうした辺りが完成をするという予算をこのたび引き込んでいるところであります。
今日辺り、明日辺りが、台風1号が本県に一番近いところまで来ます。それでいよいよ台風シーズンに入ったというふうに考えております。先般はこの台風が吹き込んだ湿った風を受けて前線が刺激されまして、本県でも雨等が降ったりして、それで鉄道の乱れなど一部生じることになりました。ただ、大きな被害は今回はないということであります。いよいよ台風シーズンに入りました。統計開始以来7番目に遅いということになりますが、有識者あるいは世界的な観測では、年間発生数というものはハイペースで行くんではないかというふうにも考えられています。
今後のぜひ台風対策にはよく注意をしていただきたいと思いますが、今回のこの雨雲等は、この関東のほうにはかかりますけども、本県もぐずぐずと雨が降ることはありますが、大きなこの風、風は比較的コンパクトな台風ですので、関東地方周辺が本土では影響するかもしれません。本県までその大きな影響はないと見込まれています。しかし、よく情報には注意をしていただきたいと思います。
コミュニティドライブシェア(バス・タクシーと住民の協働型交通システム構築や住民共助型運送)を入れてねんりんピック、これは10月の19日~22日までと集中して交通需要が発生します。交通対策をやろうということで480万円、6月補正予算案をつくらせていただきました。1つは、かねて懸案でありましたが日本版ライドシェア、これをこのねんりんピックの期間中、鳥取県内で実施させていただこうと。それで今、タクシー会社とも話が大体まとまってきました。それで人材をいろいろと得て、例えば市町村役場のOBの人などよく知っていますし、道も。それから制度等も、観光の知識も含めて持っておられる、そういういろんな人材が地域にはおられます。
そういう方々にタクシー会社と関係性を担保しながら乗っていただくと。タクシー会社が運行を管理する自家用車を活用するということであります。それでこれを7、8月にドライバーを募集して、そして所要の研修などを行って、9月には、これ配車するためにアプリが必要ですので、これ会社と協力しながらやって試行していこうと。それでいろいろと世情言われているのは、例えば保険とか、それから装備、そうしたものなどがいろいろとお金がいるということで480万、我々のほうでも用意をさせていただいて、そうした支障がないような日本版ドライブシェアを鳥取県として初めて導入する、その導入口とさせていただきたいと考えております。
それでここでやってみて、その後また本県の地域交通の深刻化を緩和する、そういう手当になるかもしれませんので、やってみようということで関係者の理解を得ることができました。それで、もちろん市町村のコミュニティバスなどの交通空白地有償運送、これもこの間いろんなところの交通需要に応えていこうと。あるいは、今、市町村のほうでも企画をし始めていただいていますが、例えばミニ観光ツアーを競技地の市町村のほうでつくる。それでそこから、だから観光地に、敗退するとたちまち暇になりますので、それで何か何時間かおきぐらい、何回かちゃんと観光にも行けるような、そういうミニ観光ツアーというものをやって、空き時間を、むしろ鳥取ファンになってもらうためにやってもらってもいいんじゃないだろうか。もちろん、これは実施側として宿泊施設と競技会場を結ぶことなど、貸切りバスを結ぶことなど、貸切バスをこれは基本計画の中でも、我々としては用意を考えております。こういうものを組み合わせながら、おもてなしの交通ということをねんりんピックでやっていきたいと考えております。
かねて、私ども、自治体デジタル倫理原則というのを連休前に策定をさせていただきました。そこに残った課題がAI(人工知能)をどうするか、県庁としてAIをどう使うかということでありました。それで、私どもで推進本部をつくりまして、事務的にも今、調整を進めてきたわけでありますが、このたびまとまりました。明日、また、関係会議を開いて、来月から施行させていただこうと考えております。題して、人間主導AI(えぇ愛)ガイドラインというものでありまして、やっぱり機械任せにしない、それから、行政ですからそれぞれのいろんな困った人たち、そういう人たちのニーズを吸い上げて、我々仕事をしなければいけません。ですから、AIに頼らずに自分たちで、例えば電話とか、電話相談であるとか、あるいは関係団体に行くとか、あるいはアウトリーチ(必要としている人に必要なサービスを届ける)型でアプローチしていくだとかも含めて、やはり汗をかいていかないといけないわけですね。それで、愛情をもってやっていく、そういうえぇ愛ということも重要でないかと。単なるアルファベットのAIだけではないよという意味であります。
それで、その考え方は、まず、自治体デジタル倫理原則を反映して、AI任せではなくて人間主導ということを考えていくこと。それから、権利侵害、人権に関わるようなことも発生しています。中には犯罪につながるようなことも、このたび、素人さんがAIを使ってスパイウェア(コンピュータに不正侵入し、ユーザの個人情報や行動を監視して、ユーザが気づかないうちに外部に情報を送信するプログラム)をつくるとかいうこともありました。ですから、いろいろと個人の情報の保護やあるいは知的財産の侵害リスクなど、適正なことをやっぱりやっていく。そういう意味では、当然自治体デジタル倫理原則というものを反映していこうというのは1つの考え方ですし、それから、業務をリスク分けしようと。これは、多分、自治体としては初めてではないかと思います。
それで、我々もちょうどこれの作業をしているときにヒントがありまして、EU[欧州連合]がこういうふうに4段階に分けて、そのAIのリスクというものに応じた対策というのを、このたび、EUのAI法として制定、決められたわけですね。それに準じて容認できないリスク、アンアクセプタブル(容認できない)リスク、それから最小限、ミニマルなリスク、そういうEUの設定した4つのカテゴリーのリスクに応じて、業務はここまでという、そういう紐づけをしていこうというものであります。
今、具体的には、禁止業務、これは容認できないリスクというものであり、EUも、例えば政策判断だとかには使うなってしています。それで、我々の考え方にどうも世界中がくっついてきた感じがありまして、間違ってなかったなと思っているんですが、民主主義だとか地方自治の本旨に反するようなことにならないように、意思決定だとか民意の集約、これは住民の意志が基本であるし、最終的ないろんな判断をやはり我々人間がやっていくということで、機械任せには決してしないということですね。
議会答弁、そのままAIでやるということは、御法度というふうに我々は考えます。それから、人権侵害の恐れがあるもの、これも禁止すると。そういう禁止業務というものを、リスクが非常に高いものについては設定をします。
逆に、積極活用業務と一番下にありますが、これは自治体デジタル倫理原則は守りますけども、そうしながら、業務の効率化や行政サービスの向上に向けて積極的に活用しようというものであります。具体的にはちょっとこっちにも書いてありますが、文章の校正とか添削、それから、読み手に応じた言い換え、翻訳みたいなこともありますし、また、アイデア出しのためのヒント集めなど、そうしたいろんなその業務でも使えるものはあるだろうと。それで、リスクが最小限のものは、これは積極的に活用していこうというものです。
私ども実は、これ、御案内のようにもう使っているものがありまして、[鳥取]県立病院で健診なんかあります。そういう人間ドックのいろいろと書き込んだものを皆さんつくって出されますよね。それで、あれをそのままAI-OCR(画像データからテキスト部分を認識し、文字データに変換するAI技術搭載の光学文字認識機能)で読み込んで、それで、もう自動的に端末から入っていく。それがデータベースになって、要は健康診断の時間短縮と省力化につなげることをやっています。非常に効果があります。もちろん、議事録作成なんかも実は我々もう既に導入しています。こういうようなことは、積極的に活用していこうということであります。それで、この間に高リスクなものは要注意業務、限定的なリスクのものは要配慮業務というようにさせていただこうというものであります。
例えば、要注意業務というのは生命・財産に大きな影響を及ぼす可能性がある社会インフラ整備であるとか、そういう管理、運用管理など、あるいは教育、機微な情報を扱う業務などであります。例えば災害の状況を判断する、これを完全にAI任せにするということはむしろ深刻な例えばたった一人の命が失われかけているところを見逃すかもしれません。ですから、こういうものは要配慮、要注意であると、それから採点なんかをやる、こういうものもあろうかと思いますが、これも間違うとその受験者の言わば運命に関わることもありますよね。こういうものというものはやはり要注意業務ではないか、リスク管理、データガバナンス(データを効率的かつ安全に活用するための管理体制やルール)、セキュリティ確保を特に注意して活用しようと。
具体的には、例えばこれ、間違う可能性があるということを当然想定してくれと、当然想定した上でそれに対する対策も整えた上で使うというふうにレベルの高い管理をする必要があるということであります。それから要配慮業務、これはAIの出力傾向の状況などを把握しながらよくフォローしてやってくださいというものでありまして、例えば県民の直接利用を想定した自動応答型のチャットボット(人工知能を活用した自動会話プログラム)的なものとか、あるいは婚活マッチングなどをそのまま提供してやっていく、いずれも便利なものではありますけども、ただ、多分くせがあるということですね。そのAIではじき出すアウトプット、これ、アルゴリズム(ある問題を解決する方法や、ある目標を完了するための方法が書かれた一連の手順のこと)という計算式に基づいて出てくるわけです。ですから、そこの過程がどうなっているかというと実は我々にはブラックボックス(過程でどのような処理をしているか、外部からは不明確である)的になっていまして、それで、そのくせというものをちゃんとつかんだ上で、あ、これはいかんなというときにはこのAIサービスを提供しないということも考えなければいけません。
そういうように、よくそのフォローアップ(一度行った行動や取り組みに対して、再確認し、強化すること)が必要だという意味で要配慮業務というふうにさせていただいております。こんなように4段階に区分けをしながら適切にAI活用をしていくというのをこのたびのガイドラインで定めています。
そこで職員に遵守してもらうものとして6項目制定させていただこうというものです。まず1つは、出力したものをそのまま利用しない。それから、2つ目には出力結果の根拠を確認する。よく言われるハルシネーション(生成AIが誤った内容、もしくは真偽を確認できない内容の回答を生成すること)というのが起きます。幻覚という言葉ですね。全くのうそが平気で人間の言葉で非常にすらすらと出てくると、これにだまされてしまうというのがAIの特性だと言われています。これは防止する技術が非常に今、重要で、それに対する世界中のアプローチが求められていますが、この出力結果の根拠というのはやっぱり確認して、これ、本当に、ほんとかいなということをちゃんと自分でももう1回調べてみるということを職員としても徹底する必要があるということですね。
それから、決して機密情報を入力しない、覚えさせない、AIにということ。それから著作権侵害等が危惧される情報というものは取り扱ってはいけない。また、違法行為や不正目的行為、これは当然だめということですね。それから、県庁生成AIシステムというものを実は本県は既に作っています。原則、これによってくださいということです。ちょっとこれ、分かりにくいんですけども、県庁生成AIシステムと言っているものは、エンジン(特定の機能やサービスを提供するソフトウェアやシステムなどのこと)は県庁の外、業者のほうにありますけども、それに入力をする部分、こっちから質問していくわけですね。それからアウトプット、答えを出してもらうところ、この質問したりアウトプットをもらう、これは県庁の中のこのシステムの中に納まっています。したがいまして、機密性が保持されるということですね。
ただ、県庁生成AIシステムを使わないと結局、例えばインターネット上出ているAIを使うとそこで、そこに例えば我々の情報を入れると、また、ばっばっばっとこれが漏れてしまうことになりますよね。だから、そういうことはしないように県庁のシステムを使ってくれということです。ただ、これもハルシネーションだとかいろいろなことが起きますので、出力結果を確認するとか、あるいは著作権侵害にならないかとかなどをやはり注意していかなければいけないというのは変わりません。こういう6つの遵守事項というのを制定させてガイドラインをスタートすることといたしたいと思います。
それから、新型コロナ対策の検証でありますが、これについては、今日、検証結果の報告書を出します。命と健康を守るために全国で最も感染者、死者を抑えることが叶いました。その背景はこういうことでありまして、我々も分析しながら取りまとめを、振り返りをさせていただきました。それで、治療薬やワクチンがない中で早期検査、早期入院、早期治療という鳥取方式、これをやったことで感染を、これを抑えることができたわけですね。そして、かかった人も即座に入院させるということを当初はやっていました。幅広い検査をすることによりまして感染の連鎖が止まるようにしました。入院協力機関の病床を確保したり、外来診療の幅を広げて9割以上の病院で検査診療機関になってもらったりしました。この辺は本県として、非常にうまくいったことだったと思います。
ただ、これがデルタ株、これですけど、こちらで言うとこれになりますけど、このデルタ株のときには感染者が急増しました。これまでのレベルと全然違うんですね、振り返ってみると。それで、このときには我々どうしたかっていうと、メディカルチェック(医学的検査)というものを行って、入院先の療養先を先生方の協力を得て、調整を強化したわけです。それで在宅療養や宿泊もこの際には導入させていただいて、入院を原則とするところから切り替えていきました。こういような状況だったので、これはこれで1つの成果は逆に上がったのかなと思っております。
それで、この第6波以降がオミクロン株です。それで、こっから先になりますけども、このオミクロン株どんどんとこう上がっていきました。それで第10波に向かっていくにしたがって、どんどん増えていきました。ただ、病原性は低下したんですね。したがいまして、陽性者コンタクトセンター等をつくったり、それから発生届を重点化したり、それから高齢者や医療施設のクラスター対策、これが重篤な患者に結びつくかもしれないので、そちらのほうに重点を移すような形をしました。それで、第9波、第10波も経過的にそうしたことを展開をしていったわけです。これが最終的なもんですが、オミクロン株の前と後では多分対策は違うんですね。それで、これ政府もきちんとそういう振り返りをすべきだと思います。
それで、そのオミクロン株の前、私どもは感染者数、死亡者数、全国で最小レベルということになりました。また、第6波~第8波、これは本県は追っかけたほうなので、比較的感染者の数が多く見えますけれども、この致死率御着目いただきたいと思うんですが、新型コロナが直接原因の方のみだと0.062%、ですから非常に抑えることができています。逆に言うと、それでだけ感染者を見つけたということもあるわけですね。それで、都会では、もうこの頃調べにいかなくなりました。保険も利かないとかいうことになったりして、保険というのは医療保険をもらえないとかいうこともあったりしまして、その辺は大分いろんな違いがあったわけでありますが、それで、こういうようなことを本県としても、取りまとめさせていただき、今後の県のインフルエンザの行動計画、新型インフルの行動計画に反映させていこうと思います。例えば、将来見渡してみて、例えばメディカルチェックを導入するとか、あるいはコンタクトセンターというアイデアもあるとか、こうしたものをあらかじめ規定をしながら、臨機応変に対応できるようにしていく必要があるだろうと思っております。それで政府のほうの取りまとめにも、私も参加をしていきたいと思っております。
それで来週5日の日に[株式会社]エイチ・アイ・エスとインバウンド観光(訪日外国人の観光)で全世界を対象にした誘客の協定を初めてこういう観光業者と結ぶことになります。それで、これによりまして、烏取のブランド力を向上したいということでありまして、例えばエア・カナダ、この間来ていただきました。それでああいうようなプロモーション(商品やサービスを宣伝したり広告する活動や手法)を地球儀レベルで今後広げていこうということであります。
また、昨年ドバイのほうに3名の若者が行きました。それで、あのメンバーがコア(中心)になりまして、関心のある学生さんなども寄って、TottoReborn!Youthというものを、このたび立ち上げることになりました。それで県としても、これの活動を助成していくことにいたしておりますし、日本財団さんなどとも話が出てきていまして、いわゆる笹川財団のほうの力も借りて、フィンランドへの派遣も検討していこうということにいたしております。
それから、いよいよ、我々の海の幸、山の幸が輝く季節で、天然イワガキの販売は6月1日から始まることになります。それで、このたび6月補正に入れたんですけども、漁獲量がなかなかこの養殖(正しくは増殖(イワガキが付着する人工礁の設置))で増えないですね。それで実はこういう岩のところに、この稚貝を貼り付ける(正しくは貼り付く)っていうことにしていたんですけども、これが、巻貝が食べに来るんですね。それで、なかなか育たないと。それで今、実証研究をしていたんですが、この砂地の上にやると、こちらのほうに、その漁礁というか、イワガキ礁を作ると、巻貝が食べに来ない。だから、これ残るということですね。
それで、この方式がだんだん分かってきまして、田後などでその試験、移設試験というものを、イワガキ礁を、こちらのほうの砂地のほうに移していく作業を始めて、イワガキの確保に努めていきたいと思います。また、スイカも5月30日の泊から販売開始ということになり、大阪[市]、あるいは東京[都]での今後の販促も図ってまいります。私のほうからは以上でございます。
○読売新聞 山内 浩平 記者
はい。ありがとうございました。質問のある方は挙手の上、社名と名前を名のった上で質問するようにしてください。
○共同通信 古結 健太朗 記者
共同通信の古結と申します。2枚目のねんりんピックのときの日本版ライドシェアの活用について伺います。これ、何点かちょっと質問があるんですけど、まず、自治体ライドシェアではなくて日本版ライドシェアを導入する方針ということでいいのかということと、その場合、日本版ライドシェアの場合、国交省の許可が必要だと認識しているんですが、その点について許可がもう得られているのか、今後申請していくのか、と最後に、どこの会社が主導するように話が進んでいるのかという3点教えてください。
●知事
これにつきましては現在、いろいろと水面下で調整してまいりました。それで、コミュニティ・ドライブ・シェアって我々いろんな方式を組み合わせていこうということでやっております。その基本外していません。ただ、いわゆるその日本版ライドシェアの道を国[土]交[通]省が開いたもんですから、これを本県でもやってみて、特に集中して交通量が増える、この[ねんりんピック開催中の]4日間の期間中についてやってみてはどうだろうかと、それで、これで実はタクシー会社などとも交渉してまいりました。
具体的には例えば皆生タクシーさんとか、サービスタクシーさんとか、日交さんだとか、県内では皆さんもよく知っているような、そういうタクシー会社も含めて今回やってみようかというところまで話合いが来ております。それで、人材を得ていかなければいけませんので、人材募集なども今後課題にはなりますが、そういうのが整ってくれば、これ国交省のほうに当然、この日本版ライドシェアというものを適用申請させていただきたいと思っております。
○共同通信 古結 健太朗 記者
ありがとうございます。ごめんなさい。1点、この日本版ライドシェア、県内全域で適用するという理解でよろしいですか。
●知事
これですね、多分地域性があると思っていまして、先ほど申しましたように、このコミュニティバスだとか、それから観光ツアーなどである程度のことはできるかもしれません。例えば一気にやってきたときに特に土日も絡みますが、夜の繁華街周辺だとか、そういうところは多分タクシー会社としても、こういう日本版ライドシェアの可能性というのを見いだすかもしれませんし、また、中山間地でもやれなくはないのでやってみようかということがあるかもしれません。今、どこの地域に限ってというところはまだ調整中であります。
○共同通信 古結 健太朗 記者
ありがとうございます。
○読売新聞 山内 浩平 記者
読売新聞の山内と申します。コミュニティ・ドライブ・シェアのところで関連した質問ですが、このねんりんピックの期間が終わった後、ある程度の効果とか検証されると思うんですけれども、それを踏まえた上でその後、継続的に使っていくのかっていう、知事はかねてから地域の実情に応じたやり方があるべきだというふうにおっしゃっていますけれども、今後というか、それ以降についての活用っていうのはどのように考えているんでしょうか。
●知事
それ以降の活用も視野に入ってくると思います。だけど、まずはやってみるということだと思っています。今、観光地でも箱根だとか、あるいは石川県の温泉地だとかで行われている例もありますし、もちろん大都市部では本格的に入れている会社もあるということであります。ただ、本県の場合、そもそも台数がそんなにあるわけじゃないですし、それからお客さんの需要ということもありますし、それで、アプリって言っていますが、アプリはこれ同時にそのマーケット調査っていう意味合いもあるんですね。それで、マーケットが十分あるかどうかっていうことの判定もまだできているわけでは正直ありません。
ですから、まずは多客期、集中的にやって来る、全国からやって来るこの多客期に焦点を当ててやってみて、その反省の中で、あるいは総括の中で、今後、じゃあ、どういう方式が本県としてコミュニティ・ドライブ・シェアにふさわしいのか、この地域だったら、例えば都市部の繁華街だったらこういう日本版ライドシェアってことをやってみてもいいなということになるかもしれませんし、ちょっとそこは今後の相談だと思っています。
○読売新聞 山内 浩平 記者
ありがとうございました。
○日本海新聞 松本 妙子 記者
すみません。日本海新聞の松本です。ドライブシェアの関連でお聞きします。このねんりんピックの期間で交通需要がすごく増えるというお話だったんですけれども、それをカバーできるライドシェアの台数とか、その見通しとか、どれくらいドライバーが必要かという目標っていうのがあれば教えてください。
●知事
これ今、市町村のほうに協議を始めました。それで、市町村とよく相談して、例えば選手がこれぐらい、家族がこれぐらい、また、普段からこれぐらいの人がいる、その辺を組み合わせて何台ぐらいということを判定していかなければならないと思っています。それで、もちろん現行のタクシー台数で大丈夫なところは必要ないでしょうけれども、多分、でも、この[ねんりんピック開催中の]4日間はそれ以上の需要があること確かなので、やはり一定数はあると思います。これ今、市町村と、あるいはタクシー会社交えて、まだ調整中でありまして、まずはアイデアを我々としては実行可能なように予算として確保させていただきたいというとこです。
○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
山陰中央新報の岸本です。会見内容とは異なるんですけども、赤字の鉄道路線をめぐる議論について伺いたいと思います。23日にJR西日本のほうが木次線の沿線自治体と公共交通の在り方について協議する意向を示しました。3月には岡山と広島両県をまたぐ芸備線でのその路線論の存廃を議論する再構築協議会が設置されたばかりでした。鉄道網の在り方をめぐる議論がこの進む中で、このタイミングで木次線を対象にした協議の意向が示されたことについて知事はどのように受け止めましたでしょうか。
●知事
我々地域としては非常に重く受け止めるべき展開かなと思っています。正直JRさんはJRさんなりに、これまで地域交通を支えようと努力してきたわけでありますから、その貢献は多としたいと思います。ただ、私ども地域側からすると全国を通じたネットワーク、JR西日本の管内もありますが、もちろんそれを使って東日本のお客さんや東海のお客さんも来ます。ですから、全国を巡るやっぱりネットワークという意識、認識がやっぱり大事じゃないかと思っています。それで、これを国策としてどういうふうに維持していくのかこの観点がどうも欠落したままですね、この区間の乗車人員を限って見ればこれは廃止も含めて検討すべきではないか、代替輸送にすべきではないかという議論でありますけども、非常に違和感があります。
したがいまして、これから[JR]木次線でまた、十分な議論がなされていくことになると思いますし、従来の[JR]芸備線に加えましてその展開に我々注視したいと思いますし、併せて県内でそうした可能性がささやかれている箇所、[JR]因美線の智頭から南のところ。また、鳥取から浜坂までの山陰本線、これらについて私どもとしてはまずは利用促進を図ったり、それでJR側と一緒に観光列車をつくっていったり、様々な努力を現場でもやりながら今後の動向に注視してまいりたいと思います。
○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
ありがとうございます。お話にもあったように、県内でも赤字路線というものはあって、今後木次線などと同様に、鳥取県のほうにも公共交通の在り方についてJRのほうから申入れがされる可能性もあると思っています。それで県としてはそういう場合にはどのように対応していきたいというふうに思いますでしょうか。
●知事
私どもはその先手を実は取っていまして、[鳥取県]東部地域にいずれも属するもんですから、その東部地域についてはJR[西日本]さんと市町村、それから関係の交通機関も含めて、既に協議会(鳥取県東部地域交通まちづくり活性化会議)を発足をさせて課題の分析や利用促進策の実行につきましてプラットフォームをつくっております。当面はここで議論をしていけば足りるのではないかと思っています。
○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
ありがとうございます。最初のお話にもあったように、国が日本全体の鉄道ネットワークの在り方を検討すべきだというのをこれまでも平井知事がおっしゃってきたところだと思います。ただ、現状国は再構築協議会という形で協議するというところにとどまっていて、全体のスケジュール感というのはまだ、明らかになってないという状況だと思うんですが、これについてはどのように思われますでしょうか。
●知事
これについてはやはり我々地域で連帯して、先般の中国地方知事会でもアピールを出させていただきましたが、やはり国も相応の責務を認識していただき、ネットワークの維持についての考え方を出していくべきだと思います。そもそも国鉄改革のときに、JR各社に分割をする際、併せて私どもの智頭急行線になっているところなど整理が全国的になされているわけですね。それで、これらはもうJRに引き継がない。ただ、JRに引き継いだものはJRのネットワークの中で全体としての採算性を取りながら運用していくというふうになっていたはずであります。
それで、それが、いつの間にか忘れ去られて分割してここは路線として持たない、持つという議論になってきているというのはやっぱり我々も例えば倉吉線の廃線を受け入れたり、若桜線も私ども三セク運営に移ったり、また、智頭急行線も国鉄から離れてから、私どものほうで建設までやってきたと。それで、こういうような地元の事情からするとやはり鉄道に対する考え方が哲学として欠けているんじゃないかなと、国に対して強く御意見申し上げる必要があると思っています。それでこの辺はやはり同様の課題を抱えている地域でも連帯をしながら、全国知事会も含めてしっかりと問題提起をしていきたいと思います。
○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
ありがとうございます。ちょっと最後にJR西日本の鉄道をめぐる議論というのは、木次線をはじめとしてほかの路線にも波及していっている今の状況だと思うんですけども、今後、JR西日本の沿線自治体、意見は平行線になっていくところもあると思うんですけども、どのように議論をしていくべきだというふうに思いますでしょうか。
●知事
やはり我々中国地方知事会を先般私どもの鳥取市内で実施をいたしました。それで、[鳥取市]青谷[町]におきましてこの問題も議論しました。皆一致してやはり鉄道としてネットワーク維持について国は考え方を明確にすべきだということをアピールさせていただいています。さらに全国知事会のほうでもこのことは研究していこうというふうに去年の総会でもなっておりまして、我々としても、全国知事会も含めた問題提起など強力に国交省あるいはJRのほうにやっていきたいと思っております。
今こうやって少しずつ何かこう、まずは[JR]芸備線だ、次は[JR]木次線だというふうに出てきていますけれども、問題の構図はすごく大きいのでやはりそのことは、やはり国民的議論を経て方向性を出していくべきではないかと思っておりまして、それぞれの地域の議論は進むでありましょうけれども、国全体を通じた鉄道の在り方の議論というものも、私どもは責任を持ってやはり提起をしていかなきゃいけないと思っております。
○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
ありがとうございます。
○朝日新聞 清野 貴幸 記者
朝日新聞の清野といいます。人間主導AIガイドラインの件なんですけれども、もし分かればでいいんですけれど、都道府県単位でこのようなガイドラインをつくっているのはほかの都道府県で例があるのかどうなのかということと、あと、仮にこれに抵触するような職員がいた場合にそれを懲戒処分の対象とかそういうふうなことになるのかどうか。それは例えば禁止業務だとそうなるのかとか、要注意業務だったらセーフだとか、何かそういうようなものはあるんでしょうか。
●知事
まず、同じようなものは正直まだ我々認識しておりません。特に、ここにちょっとあります、書かせていただきましたが、EU(欧州連合)がこのたびAI機能についてのリスクアセスメントをやったんですね。それで、リスクアプローチとして4段階のリスクというのがあるというふうにAI法の中で、議論で提起させています。それでこの考え方出たのはもう[令和6年5月]20[日]、21[日]かそこらだと思いますね。まだ、1週間たつかそこらのことでありまして、ですから、こういう考え方で4段階で分類して業務に当てはめるというのはどこの自治体も正直できてないと思います。
私どもは検討している最中にAI[規制]法が出てきましたから、これを取り込んでやったという意味で、我々はリーディングケース(先例)になっているんじゃないかなというふうに思っております。職員の処分につきましては、これは長い慣行がありまして職員は地方公務員法である意味、言わば1つの権利義務関係を我々県庁という、鳥取県という自治体との間で持っていますけども、ただ、この懲戒権の運用というのは、それはやはりそれぞれの個人の権利にも関わるところでありまして、慎重にこれまでも運用してきています。その蓄積の中でこの非行為をどう考えるかということになると思いますので、個別のケースになると思います。例えば、この中でありますが、違法行為不正な目的での利用禁止というのが我々の今回の遵守事項で書いてあります。それで、これなんかは対応によっては、例えばこないだのケースで言うとAIを使ってマルウエア(悪意あるソフトウェア)を作ったということありますよね。それで、もし、そうすればこれに抵触することになりますが、やはり懲戒事項に当たる可能性は非常に高いと思います。ですから、それは個別の事案に応じて懲戒権は運用していくことになります。
○読売新聞 山内 浩平 記者
そのほか、ございませんでしょうか。はい、質問も尽きましたので、以上とさせていただきます。ありがとうございました。
●知事
どうも、ありがとうございました。