令和2年4月臨時県議会付議案に対する知事提案理由説明要旨

令和2年4月臨時県議会付議案に対する知事提案理由説明要旨

 これより、本議会に提案いたしました付議案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 本議会に提案いたしました議案は、予算関係2件、条例関係1件の合計3件でございます。
 新型コロナウイルスの蔓延により、世界中で感染者271万人、亡くなられた方19万人に及び、経済も社会も未曽有の混乱の中にあります。4月16日には、本県も含む全都道府県で緊急事態宣言が発令されました。本県でも3人の陽性者が発見されましたが、いまだ全国でも2番目に少ない数にとどまっています。この感染を押しとどめている時間差を活用し、受入れ病床数を12床から322床に大幅に拡大し、軽症患者の受入れ可能な宿泊施設を400室以上確保するとともに、PCR検査能力を1日196件まで引き上げて、ドライブスルー方式等も導入し、医師が必要とする場合、全て検査する他県より積極的な調査を実施することとするなど、初期段階で徹底的に感染拡大を阻止する戦略で臨んでおります。一方で、地域経済や雇用、教育をはじめ、県民の日常生活に甚大な影響を生じており、現在の危機的状況をできるだけ早く打破するために、機動的な経済、雇用対策等を講じることが急務となっております。
 このようなことから、4月20日に閣議決定された国補正予算も活用しながら、感染拡大防止対策のさらなる強化と地域経済、雇用を支える本県独自のきめ細かな対策を展開することとし、本日、ここに臨時議会を招集し、県議会各位の御審議を仰ぐことといたしました。新型コロナウイルスがもたらした危機的状況を鳥取県一丸となって乗り越えていくために、全身全霊をささげて、難局打開に邁進してまいる所存でございますので、議員各位、県民の皆様の格別の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 それでは、議案第1号、令和2年度鳥取県一般会計補正予算(第1号)について御説明申し上げます。
 初めに、新型コロナウイルス緊急対策についてであります。
 新型コロナウイルス感染拡大に対応する医療提供体制をさらに強化するため、ECMO(体外式膜型人工肺)や簡易陰圧装置等の配備を進めるとともに、入院病床の拡大・確保や宿泊療養施設を活用した軽症者の受入れ体制を整備します。
 また、感染の有無を判定するPCR検査機を追加導入し、ドライブスルー方式等によるPCR検査により、安全性、効率性の飛躍的向上を図るほか、嘱託医、保健師、看護師等の増強も含め、保健所の体制強化を行います。
 また、地域での感染拡大を防止するため、事業所内でのマスク等購入や鳥取型オフィスシステム導入など、感染防止対策を支援するとともに、マスクについては、県民、企業等から寄附されたマスクを基本に、県備蓄マスクからも支援し、難病等で必要とされる方々にお渡しするマスクバンクを創設するとともに、民間事業者と連携してマスクの流通を促進し、県民の購入機会を確保する仕組みを緊急に構築いたします。
 さらに、学校の臨時休業中の児童生徒の学びに資するオンライン教育環境整備など、家庭学習や子供たちの生活を様々な形で支援することといたします。
 次に、経済雇用緊急対策についてであります。
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う全国的な報道や旅行、外出控えの影響で、食のみやこ鳥取県を担う飲食、宿泊、観光事業者等に特に甚大な影響が生じていることから、事業継続を応援するため、事業者向けに10万円、総額3億円の緊急支援を行います。
 また、中小企業が危機を突破するために行う新分野への挑戦やビジネスモデルの転換に対する50万円、総額2億円の緊急支援制度を創設して、従来にない踏み込んだ企業支援を行うことといたします。
 さらに、中小企業の厳しい資金事情を踏まえ、5年間無利子、10年間保証料なしの総合的な緊急融資制度、総額400億円を構築いたします。
 また、休業中の期間を活用して行う教育訓練や共同研修など人材育成の取組を支援するとともに、休業中の従業員の方々に農林水産業やボランティアなどで活躍していただくなど、地域での人材活用も展開してまいります。
 農林水産業につきましても、消費の低迷による価格下落など、甚大な影響を生じていることから、和牛肥育農家の経営安定制度を拡充するとともに、県産魚の消費拡大や原木の安定供給対策など、きめ細かな支援を行ってまいります。また、自宅で過ごす巣籠もり需要に対応いたしまして、ふるさと産品を県外の知人等に配送する支援も開始いたします。
 さらに、新型コロナウイルスの影響で文化芸術の表現の場が失われることがないよう、無観客公演などを支援するとともに、感染拡大終息後のV字回復期の観光誘客キャンペーンなど、鳥取県が再び元気を取り戻せるよう、各種プロジェクトを推進してまいります。
 以上のほか、4月13日の大雨、暴風により被害を受けました智頭町大呂の地滑り災害、農地、農業用施設災害などの復旧費用を計上いたしました結果、今回の補正予算の総額は145億8,000万円余となり、補正後の予算額は3,577億3,000万円余となるものであります。
 次に、議案第3号、鳥取県税条例の一部を改正する条例につきましては、国の新型コロナウイルス感染症緊急経済対策に伴う地方税法の改正を受けまして、厳しい状況に置かれた納税者の実情に即し、徴収猶予の特例を講じるとともに、自動車税環境性能割の特例延長などを行おうとするものでございます。
 以上、本議会に提案いたしました諸議案につきまして、その概要を御説明申し上げました。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

Copyright(C) 2006~ 鳥取県(Tottori Prefectural Government) All Rights Reserved. 法人番号 7000020310000