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さようなら、紫金山・アトラス彗星。

紫金山・アトラス彗星

 県内でも話題となった紫金山・アトラス彗星ですが、徐々に太陽系から遠ざかりつつあります。彗星には、ハレー彗星のように周期的に地球に接近するものもありますが、紫金山・アトラス彗星は、二度と地球に接近しないといわれています。

 紫金山・アトラス彗星をきっかけに、星空を見上げたり、関心をもった方も多かったのではないでしょうか。とりネットでは、その時々の天文現象についてのお知らせを掲載していきます。どうぞご期待ください。

【写真提供:小川敦司 氏(令和6年11月4日撮影)】

 

紫金山・アトラス彗星が接近中!

彗星の画像

 現在、紫金山(しきんざん)・アトラス彗星が接近しています。紫金山・アトラス彗星は中国の紫金山天文台と南半球(南アフリカ)のアトラス望遠鏡で発見されました。

 当初は巨大な彗星になる予想もされていましたが、現在は肉眼で見える程度の明るさで彗星の尾が見える予想がされています。ですが、江府町のパークレンジャー、中本義明さんによると、肉眼で見える尾のある彗星は10年に一度程度しか現れないほど珍しいもので、さらにこの彗星の軌道では二度と地球に近づくことのない彗星だそうです。

 彗星は明るさや見え方を予想するのが難しいため、どの程度見ることができるのかまだ不確実なものではありますが、貴重な機会ですのでぜひ星取県の夜空を眺めてみてはいかがでしょうか。

【写真提供:小川敦司 氏(令和6年6月撮影)】

 

《参考》紫金山・アトラス彗星の観察チャンス(国立天文台)
    https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2024/10-topics05.html

国際宇宙ステーションから見えた彗星

彗星の画像

 国際宇宙ステーションから、NASAのマシュー・ドミニク宇宙飛行士が撮影した紫金山・アトラス彗星の姿です。撮影は9月22日で、下に青く見えるのは地球です。ドミニク宇宙飛行士が自身のSNSに投稿した内容によると、肉眼ではぼうっとして見えたが、カメラのレンズ越しに見ると、彗星の姿が見えたとのことです。

(画像提供:NASA)

紫金山・アトラス彗星の鑑賞イベント

県内で開催される主なイベント

 紫金山・アトラス彗星の接近に伴い、県内でも鑑賞イベントが開催されます。興味のある方は会場に足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

 

※イベントの内容は予告なく変更になる場合があります。イベントの詳細や最新情報は、各施設にお問い合わせください。

地域 イベント名称 日時 主催(会場) 料金 定員・予約 お問い合わせ
鳥取市 宇宙ふしぎ探検「紫金山・アトラスすい星をみよう」

10/19

18:00~20:00

鳥取市さじアストロパーク

(鳥取市さじアストロパーク)

無料 

定員40名

要申込み

鳥取市さじアストロパークHP
鳥取市

臨時観察会

「紫金山・アトラスすい星を見よう」

10/18、20

18:30~19:30

鳥取市さじアストロパーク

(鳥取市さじアストロパーク)

無料 申込不要  鳥取市さじアストロパーク 
江府町

エバーランド星空自然観察会

~彗星と夜の生物を観察しよう~

10/19

18:00~20:00

エバーランド奥大山

(エバーランド奥大山)

無料 申込不要 エバーランド奥大山
米子市

天体観測会

「紫金山・アトラス彗星を探そう」

10/14~16のいずれか晴れた日

20:00~21:00

米子市児童文化センター

(米子市児童文化センター)

無料

定員40名

要申込み

米子市児童文化センター
倉吉市

自然ウォッチング

「紫金山・アトラス彗星を見よう」

10/20

18:00~19:30

倉吉博物館

(鳥取県立美術館駐車場)

無料

定員なし

申込不要

倉吉博物館

江戸時代は星取藩! ~ 大ほうき星の出現

 夜空にぼんやりと輝き、長い尾を引く彗星は、その姿から「ほうき星」と呼ばれてきました。不吉な前兆とされたこともあり、江戸時代の古文書にも、ほうき星に関する記述があります。

 以下に紹介するのは、『境港市史』所収の「門脇家文書」の一節です。

 文久元万延二酉五月箒星戌亥方ニあたりて、五月廿三日頃より出現、尾長誠ニ真空より南長々敷引張処、追々星も小く尾も短く相成、盆後迄ニ消しニ相成候、出懸ケ星大星光り強候処、次第ニ情溥く相成候

 (文久元年(万延2年)5月23日頃から、北西の空にほうき星が出現し、南に向けて長い尾を引っ張っていた。やがて星は小さくなり、尾も短くなって、盆の後には消えてしまった。出始めた頃はとても大きい星で光も強かったが、次第に薄くなっていった。)

 文久元年は1861年ですが、鳥取市さじアストロパークの織部隆明さんによると、この彗星は「テバット彗星」と考えられるとのこと。ちなみに、次に地球に近づくのは23世紀だそうです。

 電気のない江戸時代は、今よりも夜空が暗く、ほうき星は怪しく光って見えたことでしょう。当時の人々の驚きが目に浮かぶようです。

 江戸時代、鳥取藩は「星取藩」でした。

 出典:『境港市史』資料編, 境港市, 1989年3月
  

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