先日、衆院選が行われました。結果を受け、今後どのような経済運営が行われていくのか、市場の反応はどうか、景気動向への関心が高まっています。
景気を統計によって捉えようとする際、消費・投資・生産・雇用など関連分野の指標を個々に見ても、景気全体がどう動いているのかはよく分かりません。そこで、複数の指標の動きを統計的手法により統合し、一本の指数で表す「景気動向指数」が作成されます。
景気動向指数にはいくつか種類がありますが、ここでは「CI一致指数」を採り上げ、近年の推移を見てみましょう。景気の動きとほぼ同じタイミングで、その変動幅やテンポを表す指数です。
グラフから令和元年に指数は低下傾向、つまり景気が下り坂にあったことが分かります。この頃、米中の貿易摩擦が世界経済に暗い影を落としていました。さらに令和2年前半には指数が大幅に下落。新型コロナウイルス感染症流行の甚大な影響を見てとれます。
その後、指数は上昇に転じましたが、ロシアの軍事侵攻や輸入物価上昇などを背景に令和4年中頃からは再び低下傾向となりました。直近ではやや下げ止まっており、今後、より明瞭な上昇局面を迎えるのか、毎月の動きから目が離せないところです。
本ページは、令和6年10月29日付「日本海新聞」掲載の同題コラム(鳥取県総務部統計課執筆)からの再録です。