平成11年の鳥取県の鉱工業動向は、生産指数が対前年比15.9%と大幅に上昇し、出荷指数も9.6%の上昇となった。生産、出荷ともに2年ぶりのプラスとなった。一方、在庫指数は▲7.2%と低下し、2年ぶりのマイナスとなった。
鉱工業指数を生産、出荷、在庫別で見ると、生産は、前期比で1.期に11.2%と大幅な上昇となり、2.期以降も順調に上昇を続けている。また、前年同期比でも1.期に4.6%のプラスとなって以降、プラス幅が拡大し、4.期には25.9%となっている。主力の電気機械工業、パルプ・紙・紙加工品工業が大きく上昇したことが寄与している。出荷も、前期比で1.期から4.期まで上昇を続けている。前年同期比でも1.期にプラスに転じて以降、プラス幅を拡大し、4.期には14.7%になっている。主力の電気機械工業、パルプ・紙・紙加工品工業が大きく上昇したことが寄与している。在庫は、前期比で2.期にわずかに上昇したが、全体としては、減少傾向で推移している。前年同月比では、年後半に減少幅が拡大した。パルプ・紙・紙加工品工業、電気機械工業の減少が寄与している。
以上のことから、生産は、業種間による格差があるものの、全体としては下げ止まり、鉱工業全体としても回復に向かっていることが伺われる。
第1表 鉱工業指数の推移
平成7年=100 ()内はパーセント
分類
|
平成10年
|
11年
|
1.期
(1~3月)
|
2.期
(4~6月)
|
3.期
(7~9月)
|
4.期
(10~12月)
|
生産
|
92.2
|
106.9
|
101
|
103.7
|
107.9
|
114.4
|
前期(年)比
|
(▲9.5)
|
(15.9)
|
(11.2)
|
(2.7)
|
(4.1)
|
(6.0)
|
前年同期比
|
-
|
-
|
(4.6)
|
(13.8)
|
(20.1)
|
(25.9)
|
出荷
|
96.4
|
105.7
|
101.3
|
104.7
|
106.2
|
109.7
|
前期(年)比
|
(▲7.2)
|
(9.6)
|
(5.7)
|
(3.4)
|
(1.4)
|
(3.3)
|
前年同期比
|
-
|
-
|
(3.4)
|
(8.6)
|
(11.7)
|
(14.7)
|
在庫
|
99.7
|
92.5
|
94.7
|
95.6
|
90.2
|
89.8
|
前期(年)比
|
(0.4)
|
(▲7.2)
|
(▲3.4)
|
(1.0)
|
(▲5.6)
|
(▲0.4)
|
前年同期比
|
-
|
-
|
(▲4.5)
|
(▲3.7)
|
(▲11.5)
|
(▲8.6)
|
(注) 年平均指数及び対前年比、前年同期比は原指数、四半期別指数及び対前期比は季節調整済指数
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(1)生産の動き
鉱工業生産指数は、前年比15.9%と2年ぶりの大幅な上昇となった。四半期別の推移を前期比でみると、1.期は11.2%の上昇、2.期は2.7%の上昇、3.期は4.1%の上昇、4.期は6.0%の上昇となった。
生産動向を主要14業種について前年比でみると、主力の電気機械工業が35.0%と大幅に上昇したことが主たる要因となっている。その他、パルプ・紙・紙加工品工業が19.7%、一般機械工業が12.6%、窯業・土石製品工業が7.9%など9業種で上昇する結果となった。
一方、繊維工業が▲6.2%、食料品・たばこ工業が▲1.5%など5業種で低下する結果となった。
第2表 生産寄与度
業種分類
|
9年
|
10年
|
11年
|
鉱工業
|
1.4
|
-9.5
|
15.9
|
鉄鋼業
|
0
|
-0.3
|
0
|
金属製品工業
|
-0.4
|
-0.5
|
-0.3
|
一般機械工業
|
0
|
-1.1
|
0.5
|
電気機械工業
|
0.6
|
-3.4
|
14.1
|
窯業・土石製品工業
|
0
|
-0.3
|
0.3
|
プラスチック製品工業
|
0.3
|
-0.1
|
0.1
|
パルプ・紙・紙加工品工業
|
0.9
|
-0.2
|
2.1
|
繊維工業
|
-0.1
|
-0.9
|
-0.5
|
食料品・たばこ工業
|
-0.3
|
-1
|
-0.3
|
輸送機械工業
|
0.1
|
-0.4
|
0.1
|
家具工業
|
0.1
|
-0.3
|
0
|
木材・木製品工業
|
0.1
|
-0.3
|
0.1
|
出版・印刷業
|
0
|
-0.7
|
0
|
(注) 秘匿業種及び四捨五入の関係で業種寄与度の合計は鉱工業の上昇率と一致しない。
(2) 出荷の動き
出荷指数は、前年比9.6%と2年ぶりの上昇となった。四半期別の推移を前期比でみると、1.期は5.7%の上昇、2.期は3.4%の上昇、3.期は1.4%の上昇、4.期は3.3%の上昇であった。
出荷動向を主要14業種について前年比でみると、主力の電気機械工業が21.0%と大幅に上昇したことが主たる要因となっている。また、パルプ・紙・紙加工品工業が18.0%と上昇したほか、一般機械工業が14.1%、窯業・土石製品工業が8.2%など8業種で上昇する結果となった。
一方、食料品・たばこ工業が▲4.4%と低下したほか、繊維工業が▲8.8%、金属製品工業が▲6.3%など6業種で低下する結果となった。
第3表 出荷寄与度
業種分類
|
9年
|
10年
|
11年
|
鉱工業
|
5.4
|
-7.2
|
9.6
|
鉄鋼業
|
0
|
-0.2
|
0
|
金属製品工業
|
-0.4
|
-0.2
|
-0.2
|
一般機械工業
|
0.2
|
-0.9
|
0.4
|
電気機械工業
|
3.9
|
-2.6
|
9.7
|
窯業・土石製品工業
|
0.1
|
-0.1
|
0.2
|
プラスチック製品工業
|
0.1
|
-0.1
|
0
|
パルプ・紙・紙加工品工業
|
0.5
|
-0.1
|
1.4
|
繊維工業
|
-0.1
|
-0.4
|
-0.5
|
食料品・たばこ工業
|
0.9
|
-1.4
|
-1.1
|
輸送機械工業
|
0.1
|
-0.3
|
0.1
|
家具工業
|
0
|
-0.2
|
0
|
木材・木製品工業
|
0
|
-0.2
|
0.1
|
出版・印刷業
|
0
|
-0.4
|
0
|
(注) 秘匿業種及び四捨五入の関係で業種寄与度の合計は鉱工業の上昇率と一致しない。
(3) 在庫の動き
在庫指数は、前年比▲7.2%と2年ぶりの低下となった。四半期別の推移を前期比でみると、1.期は▲3.4%の低下、2.期は1.0%の上昇、3.期は▲5.6%の低下、4.期は▲0.4%の低下となった。
在庫状況を主要12業種について前年比でみると、パルプ・紙・紙加工品工業が▲35.3%の大幅な低下となったことが主たる要因となっている。その他、電気機械工業が▲4.0%、食料品・たばこ工業が▲3.6%、家具工業が▲22.1%など9業種で低下する結果となった。
一方、一般機械工業が10.1%、金属製品工業が12.3%、ゴム製品工業が12.3%の上昇となった。
第4表 在庫寄与度
業種分類
|
9年
|
10年
|
11年
|
鉱工業
|
-1.9
|
0.4
|
-7.2
|
鉄鋼業
|
0
|
0
|
0
|
金属製品工業
|
0.2
|
-1.6
|
0.4
|
一般機械工業
|
-0.9
|
0.1
|
0.5
|
電気機械工業
|
5.1
|
-3
|
-1.5
|
窯業・土石製品工業
|
-0.4
|
0
|
0
|
プラスチック製品工業
|
0.1
|
-0.2
|
-0.1
|
パルプ・紙・紙加工品工業
|
-1.1
|
3.1
|
-4.4
|
繊維工業
|
0.4
|
-0.1
|
-0.3
|
食料品・たばこ工業
|
-5.4
|
1.9
|
-1.1
|
ゴム製品工業
|
0.1
|
0
|
0.1
|
家具工業
|
0.2
|
0
|
-0.5
|
木材・木製品工業
|
-0.2
|
0.3
|
-0.2
|
(注) 秘匿業種及び四捨五入の関係で業種寄与度の合計は鉱工業の上昇率と一致しない。