○NHK 辻浩平 記者(幹事社)
それでは、初めての定例記者会見を始めたいと思います。
じゃあ、知事の方から日程などを先にどうぞ。
●知事
皆さん、おはようございます。
本日から、こうして定例記者会見として皆さんと一緒に県政について語り合うような機会を設けさせていただきました。以前、片山知事のときは毎週月曜日という定例になっていましたけれども、記者クラブの方の申し入れを私どもの方でもよく考えさせていただきまして、木曜日というような開催日とさせていただきました。
そういうわけで、通常とは曜日が違いますけれども、従来どおり県民の皆様とのコミュニケーションを図る重大な機会として、この定例記者会見をこれからも尊重してやっていきたいというように自分は考えております。宮崎県とは違いますので、そこは御安心をいただきたいというように思っていただけたらと思います。
●知事
それで、県民の皆さんとのコミュニケーションという重要な機会でございますけども、自分のこれからの鳥取県の県政運営のスタイルとして、そうした方面を県民の皆さんとコミュニケーションを増やしていきたいというように考えております。
この記者クラブを通じた、そうしたことはひとつもとよりでございますが、あわせて、例えば従来、市町村との間で行政懇談会、年に数回やっておりましたが、市町村長を一堂に集めて会する機会だけでなくて、市町村に出かけていきまして、その市町村の方々と個別の課題、地域の課題を話し合って問題意識を共有したり、解決策を話し合う、そういうことを随時やっていきたいと思います。
例えば2年くらいかどこかで一巡するぐらい精力的にそうした機会を作っていくことを、例えばやってみたいと思いますし、あるいは自分として今非常に興味を持っておりますといいますか、選挙運動でも訴えさせていただきましたが、産業界との対話ということも早速図らせていただきたいというふうに考えております。
今、私も就任以来、いろんな方々とお会いをしてきておりますけども、例えばJA中央会[鳥取県農業協同組合中央会]のかたがたが先日お見えになりまして、3組合長さんと早速話す機会を持ちましょうということを合意させていただきましたし、[鳥取県]商工会連合会の方々が来られまして、今、商工会の方では連合会として中小企業を支援するセンターを各ブロック別に作ったばかりであります。
4月にスタートしたところでありまして、これが機動的に動くかどうかというのが一つの、その地域の商工行政と大きくかかわることだと思いましたので、それについて早速商工会のそうした[支援]センター職員、あるいは幹部の皆さんと話し合う機会を作ろうということを話し合ったり、そんなぐあいに順次対話の機会を作ろうと、今、準備を始めたところでございます。
●知事
来週の予定について話すのが恒例かなと思いますが、週末は、例えば仁風閣の100年とか、それから三徳山の関連行事だとか、そういうところに出かけていきまして、鳥取県の歴史を題材にした観光情報発信につながるようなことのバックアップを自分なりにもやっていきたいなというように思っております。
今、県政課題について各部からヒアリング中でございますけれども、それとあわせまして国の機関だとかとやはりちょっと対話を開いておく必要があると思いますので、来週、できれば東京とか広島に出張する機会を作りたいというように思っております。大体冒頭としては以上でございます。
○NHK 辻浩平 記者(幹事社)
ありがとうございました。
そしたら、各社、質問どうぞ。
○日本海新聞 荒木隆宏 記者
まずヒアリングが一通り終わったのかなと思うんですけども、副知事時代から2年間ありますけども、そのときと比べて変わった点とか、何か違和感があるような点というのはありますでしょうか。
●知事
今、あと県土整備部など一部除いて、一通りの話は聞かさせていただきました。実感としては、副知事時代に抱えていた課題からつながってますんで、すんなりと皆さんの話を聞くことができたと思いますし、職員の皆さんもある意味安心されたんではないかなと思います。こちらの方もあんまり昔と変わらん人間でございますから、その辺はあったと思います。
いろいろと話し合いといいますか、各部局との協議の中で、自分として今、鳥取の新時代を切り開こうと思っていて、それについて若干の指示を始めたところです。今、いろんな準備作業が始まっていると思います。例えば次世代改革のための推進体制を庁内に構築するようにその中でも指示をいたしまして、その組織づくりを今考えていると思います。そのほかもいろいろございますけれども、おおむね順調に今、各部からの懸案事項の説明は進んでいると思いますが。
○日本海新聞 荒木隆宏 記者
特に違和感というのはないですか。
●知事
違和感。意見が合わないとかですか。
○日本海新聞 荒木隆宏 記者
ええ、それも含めて。
●知事
それほどの違和感ということはないですね。ただ、課題として、やはり従来残された課題がまだあるなという、ちょっと感覚は持ちました。例えば中海沿いの堤防など、国[土]交[通]省とまだこれからきちんと道筋をつけていかなきゃならないことがあるなとか、さまざま、従来の課題を引き継いでいる部分があるなという印象は持ちました。
○中国新聞 土井誠一 記者
初日の幹部会議で障害者自立支援法の問題点の洗い出しを指示されたように記憶しておりますけれども、ほかに福祉関係で指示されたことはございますか。
●知事
福祉保健部と協議を昨日いたしまして、障害者自立支援法につきましては総点検をしようということを言いました。国の法律として問題があることもあると思いますし、それから県の方に基金が積まれてきてます、2月補正[予算]で。それを活用してできること、またそれ以外にも何か手を打たなければならないことがあるかどうか。それを早急に整理しようじゃないかという話をまず一つしております。
それからあと、特別医療費の問題で、これ、選挙の争点の一つにもなっておりましたけれども、これについては予断なく見直しを、まずは考えてみたらどうかということを話し合わさせていただきました。今、県民の皆様からアンケートといいますか、パブリックコメントが寄せられているところでございまして、そういうものを参考にして、県として、まずはちょっと見直し案を考えてみて、それで決めるということじゃなくて、再度各方面に諮ってそれを検証していくということだと思っております。
当初、福祉保健部の方で、予定としては6月の県議会で決着しようと考えていたようでありますけども、私はそんなに急ぐ必要はないだろうと思います。そういう話をさせていただきました。6月目途でよくよく見直しをして世間の御意見を聞きながら、そして9月ぐらいに提案するということでも、それは遅くはないと思いますので、そういう指示をさせていただきました。
○NHK 辻浩平 記者
見直し案を考えてみたというのは、今の案からちょっと見直してみてはどうかという意味ですか。
●知事
そうですね、要は、事情としては障害者自立支援法というのができて、福祉と医療と負担のバランスをどう考えるかということがあると思うんです。福祉の世界では負担金が導入されてきていて、医療の方でこの特別医療費というものをどう始末していくかということで、これはちょっと避けて通れない見直し課題だとは思います。現に各県は、ここのところは1割負担を導入してきているというのが実情であります。ですから、本県もそれを素直にやってみたというのがどうも今までの見直しの考え方だったようです。私も今よくよく伺ってみたら。
それはそれで一つの合理性はあるんですけれども、ただ、それぞれの障害者の御家庭、あるいは障害者個人についていろんな事情があるわけでございまして、家計の問題であるだとか、あるいはお医者さんへのかかり方の実情、複数のお医者さんにかかっているだとか、いろんなことがあるわけでございますから、そういうことを踏まえて、やはり少なくとも今の提示している案から見直す必要はあるんではないかというように思っております。ですから、見直した上で、それについてまた御意見を伺ってどう考えるかということだと思います。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
その場合、この負担は県と市町村がそれぞれ半分ずつ負担してますよね。県財政も厳しいですけども、市町村財政はもっと厳しいですよね、独自財源で賄わなきゃいけないという、これに対してかなり市町村の、また首長と担当者の温度差はあるであろうと思うんですけども、この辺、市町村の考え方ということも非常に重要じゃないかと思うんですけど、どうでしょうか。
●知事
そうですね、市町村にも見直し案について投げかけて意見を求めるべきだと思います。結局これ、運命共同体になってまして、県と市町村は。しかも保険財政にかかわることでありますから、国保の。ですから、それはちゃんと時間的猶予を持って市町村の意見も求めるということだろうと思います。
ただ、問題なのは、非常に確かに気の毒といいますか、厳しい状況に置かれている障害者世帯もあるように思います。それが障害者自立支援法で負担を求められて、さらに上乗せして県の方で特別医療費まで見直すのかと、こういう議論の流れだと思うんですね。ですから、その実情はやはり考えなきゃいけない部分はあるだろうと思います。
ですから、市町村にも、もし我々が今の案から見直し案を作っていくのであれば、それについて市町村の御理解を得るように、当然それは説明をしたり、協議をしていくことが必要だと思います。
○日本海新聞 村上俊夫 記者
その見直しなんですけれども、自立支援法も総点検をされるということで、自立支援法の持っている欠陥にいわば連動する形で今度の特別医療費の助成見直しが設計されているんですよね。だから、自立支援法そのものの欠陥を見直すということになれば、必然的に今度の医療費見直しも連動して見直すことになるのではないかというふうに思うんですけれども、そういう認識でいいわけですか。
●知事
もちろん障害者自立支援法に内在している問題がつながっている部分であれば、それはそうだと思います。例えば1割負担がすべからくいけないということでも多分ないんだろうと自分は思っています、今は。ですから予断なく見直しをするということだと思いますが、当然[障害者]自立支援法の方で生じた問題を点検するのと、これは連動した作業にはなると思います。
○NHK 辻浩平 記者
見直しが必要という話ですが、知事の今の御認識としては、今の案では厳しい状況に置かれている人にとっては負担が多いものだと。今の知事の現在の案に対する認識はどういうものなんですか。ちょっと特定の人にとっては厳し過ぎるというふうに感じてらっしゃる。
●知事
やや今まで、ちょっと今までの議論の積み重ねがあるでしょうから、あんまりちょっと差し出がましいことを今申し上げるのは、やや口幅ったいところもありますけれども、例えばある障害者の方は2つのお医者さんにかかっていますと。そうすると、その2つのお医者さんで負担金を取られてしまうと。
これは非常に難しい問題であるんですけども、ただ、それがさらに薬局に行きましたと、医薬分業で。そしたら今度は薬局でも負担金がかかってしまうと。これがちょっとややほどきにくい不合理な点もあるのかなあと。例えばですね、いうように思います。
これ、どうやって整合性をつけるか、確かに難しいと思いますが、よく制度設計を考える必要はあるだろうと思います。もし1人の人に、医薬分業をしていないお医者さんにかかっていれば負担金は1回で済むと。ちょっとそこが実際の個々の障害者の実情に照らしたときに、やや再考を要するところではないかなあと例えば思うわけです。そんなぐあいでいくつか、これから議論すべき課題が私はあるだろうと思っています。
○NHK 辻浩平 記者
今の制度のままでは、一部の人にとっては厳し過ぎるという認識なんですか。どういう認識なのか、ちょっともう一度、済みません。
●知事
特に、要は、例えば大変所得のある障害者のかたであればあんまり問題がない部分だと思います。1割の医療費というのは国民全体、県民の普通の水準からして、これはむしろ軽いわけでありますから。ですから、そこは余り抵抗感はないんだろうと思うんです。
ただ、事象によっては非常に難しい世帯も、支払うことの負担感が余りにも大き過ぎるというふうに感じられる御世帯もあるだろうと思います。あるいは先ほどもおっしゃいましたように、制度設計としてちょっと不公平感が生じてしまうと。かかるお医者さんの数によって変わってくるとかですね。そこらはやはり見直すべき部分がどうしてもあるんだろうなというふうに思います。
私は、今はパブリックコメントを求めて、県としても意見を聞いているということでありますから、当然パブリックコメントで今やや否定的な意見が多いというように伺ってますので、そうであれば、ちゃんと県民の理解が得られるような案を示すのが県としての道理といいますか、マナーではないかなと思います。
○日本海新聞 村上俊夫 記者
それこそ市町村の財政が非常に厳しいという中で、見直してまだら模様になるというようなこともあり得るんですか。県としてはこういう上乗せ制度を作るんだけれども、制度をやるんだけれども、つき合えないというような市町村が出るというようなこともあり得るんですか。
●知事
それは市町村との相談次第だと思います。今までは斉一的にできてましたんで、比較的この福祉の分野というのは市町村の理解があるような分野だと今までは思っておりますので。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
ただ、そうしますと見直す場合、当事者のサンプリングされたりして具体的に数値を出してこないと、どういうのが大変だというのはわからない、我々にとってわからないんですけども、そういう作業もされますか。
●知事
単なるパブリックコメントを求めるということだけじゃなくて、福祉保健部に申し上げましたのは、やはり個々の御世帯、御家庭の実情なんかも調査してみたらどうだと、それはもちろんサンプリングですけど、特に困難な家庭というのはやっぱりあるんだろうと思うんです。そういうところも一度話を聞いて、お考えを聞くようにというように申しております。ですから、単なる統計的な調査ということだけでなくて、実情を現場で見てくるということもするように指示をしております。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
特に透析関係の方は厳しいという声が強いですよね。
●知事
そうですね、それも伺いました。もう決まってたんですか、あれは。そんなのじゃないでしょう。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
はい、違いますよ。これから、石を投げかけたというか。
●知事
だと思いますけどね。というか、私はそうであれば、やはり見直す必要性を感じたら見直し案を提示するのが筋かなと思います。
○時事通信 山下雄平 記者
鳥取自立塾をやめられるということですけども、その理由についてちょっと。
●知事
やめるというか、予算が今ない。その予算をこれから計上するかということだと思いますが、私は今、消極的に思っております。それはコミュニティーを振興するとか、あるいは草の根自治を促進するということをやめようということではありません。鳥取県から地方自治のモデルを作っていこうということを自分はやめようというつもりでもありません。
そうではなくて、全国から塾生を募って、それで鳥取県でそうしたイベントをやる環境に今あるかなあというと、ちょっと自分はまだ疑問を持ってますんで、今後のことはわかりませんけれども、今、今年する必要はあんまり感じてないんで、多分計上には向かわないと思います。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
全国から募ってやることに疑問というのは、そこまで、と考えたらいいんですか。
●知事
今までは片山さんというキャラクターがあって、それに、その顔を見たいということで来られた方もたくさんおられたと思うんですよね。自分もそういうふうに成長していけばあれかもしれませんけど、どうだろうかと思います。今々続ける必要があるかどうかというのは、まだ疑問があります。手間とコストとパフォーマンスの関係だと思いますので、職員の方の負担もありますので、当然事業をやるからには。それとの見合いだと思います。
むしろ県内で草の根自治を振興していくだとか、地方自治の仕組みをきちんとするようにいろんな対話の機会を作っていくだとか、そうした方向に自分は注力していく時期だろうと思ってます。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
地元、県内のまず草の根をしっかりやった上で、その延長で、また考えたいということですか。
●知事
県内で沸き立つような地方自治の文化というのを育てていく方が先決かなと思います。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
話変わりますけども、今回、マニフェストを前面に掲げられての選挙というのが大きな特徴だと思うんですけども、今後、県政運営の中でマニフェストという形を常に掲げながら、どういう形でやっていかれるのか、されないのか、その辺を教えてください。
●知事
マニフェストに書いた項目、重点項目を5つ、自分は掲げさせていただきました。これをもとにして次世代改革の推進本部を作ってフォローし、機動的に政策を立案して執行していくということを今やろうとしています。
ただ、マニフェストに書いてあることがすべてで、これを4年間やったら自分はもう終わりだとも思ってません。むしろあるいは若手の職員なんか、あるいは県民の皆さんなんかのいろんな御意見をいただいて、むしろそれぞれの政策課題に対応する、これはというような政策があれば、それもどんどん取り入れてやっていくべきだと思っております。
これとは別に、マニフェスト自体がちゃんとできつつあるかどうか、掲げられた政策が実行されているかどうかというのの検証は、またそれはそれで必要だと思います。それはまた別の観点から、自分の政治スタンスも含めまして、やっていきたいと思います。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
例えばほかの自治体では検証大会という形でいろいろ検証する場を設けながらやってるところありますが、具体的に検証の仕方というのはどういうことを、方策というか、方向としては。
●知事
平時としては、平常時としては[県]庁内でフォローするという内部管理型だと思いますが、私は、折り返し点の2年ぐらいで外部的な評価はしていただく方がいいだろうと思っております。そこでマニフェストにはこう書いてあったけれども、むしろこうじゃないかということも、その時点では出てくるかもしれませんし、マニフェストをローリングするというのは変でありますが、それをもとにして、じゃあ今後、県政運営をどうやっていくかということも含めて、外部評価をしていただくということは、自分はあっていいと思ってますし、そうしたいと思います。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
外部評価というのは、どういう形でされるんですか。考えてらっしゃれば。
●知事
そうですね、いろんなアンケートだとか、あるいは有識者の方の御意見を聞くだとか、ちょっとそこはまだ2年かけて考えてみたいと思います。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
あと、今回、県民がこれまでの主役はもとより担い手ということをかなり、県民運動って掲げておられますけども、やっぱり一番最初に県民に向け県民運動をどういう形でやっていきたいのか、実際も今日からスタートだと思うんですけども、呼びかける、何かそういうような考え方というのはどうやっていくのか、ちょっと教えてもらえますか。
●知事
例えば産業振興でいえば、農業の現場のかたがただとか商工業の現場のかたがたが、まずは動かなければならないはずの話でございまして、そういうかたがたの方でいろいろと、自らもリスクをとりながら行動していただくと。我々の方は、それでどういうサポートができるか、あるいは一緒になってできる政策は何かということを考えていき、実行していくということだと思います。ですから、そういう意味で、例えば産業のことでいえば、対話のチャネルを、冒頭申しましたように、まずは開いていくことから今始めているところであります。
これに限りませんで、本当の現場の方々の御意見を聞きに行ったりする機会も積極的に作っていきたいと思いますし、職員にも職員の立場でそれをやるように呼びかけていきたいというように思います。県民のかたに担い手になっていただくというのは別に産業のことに限りませんで、例えば地域づくりだとか県土保全だとか、いろんな分野があると思うんです。
例えば河川の維持管理みたいなことも地元でやって、それについて一定の補償をするというか、報酬を出すというようなやり方でボランティア、NPO、町内会の活動を促進していくと。しかも県土がきれいになっていくというようなやり方もあるでしょうし、いろんなアイデアは、僕はあると思います。
今、各部と話し合いを始めたところでありますけども、県民の皆さんの御意見も聞きながら、今までとは違った行政と民間が公的活動を行う境目がだんだんと低くなるように、私は持っていきたいと思ってます。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
産業面、特にマニフェストで強調しておられましたけども、経済・雇用振興キャビネットですね、マニフェストに掲げておられます行政と民間との話し合う、戦略的な話し合いの場を持つ、これは知事、メンバー構成というか、おおよそどういう位置づけで、いつごろ、どのような形で立ち上げると、今の、もし具体的に決まっていなければ知事の考えでも結構ですので、お聞かせ願えますか。
●知事
なるべく早い段階で作りたいと思っておりますが、実は商工関係の人たちの話も聞き始めてます。あるかたは、東・中・西、全部一緒にしてやられるとぼやけてしまうし、話がしづらい。だから地域割りにしてくれないかというような御意見もいただきました。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
この相手のかた、経済界のかた。
●知事
そうです。私もそうだと思います。ですから、あんまり大きな全県一律のものを考えるよりは、東部は東部の課題がありましょうし、中部は中部の課題、西部は西部の課題ということで、それに即してやっていった方が現実的かなあと思いますので、例えば東・中・西に分けて設置をするとか、ちょっと工夫を考えてみたいと思います。まだ人選までは頭にありません。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
これは、産業では経済団体とかのトップとか幹部のかたなどを想定したグルーピングになるんでしょうか。あるいは業界代表というか、あるいは代表ではなくて民間でいろいろやっておられるやる気のある方を集められるとか、この辺の構成というのはどういうイメージで今考えておられますか。
●知事
そこの中間的なぐらいを考えたいなと思ってますが、余り役職だけでやるものでもないと思いますので、それが例えば任期が、キャビネットの任期が4年とかいうように長期にするよりは、むしろ短期にして、それで個別の政策課題ごとに作り直していくだとかということができる方が僕はいいだろうと思いますが。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
少し構成が変わって、ある程度の期間で問題解決の道筋がつけば、また別のグルーピングとかって。
●知事
それは、その方が機動的じゃないかと思います。発想は、要は県庁の中に民間の人のアイデアを入れていかないと、政策立案過程の途中で入れていかないと、やはり、いわばちょっと役人的な、ちょっと頭の体操的な部分の政策ばかりになってしまう危険もあるということだと思います。
実際、起業家のかたにいろいろお伺いしてみますと、やはりちょっと何か使いづらい制度になってるとかというような話は聞こえてきますので、そうであれば、今まで県民と県政の間の距離を近づけるという改革を進めてきたわけですから、いっそ県民の方の御提案に基づいて政策を作っていくと、それも何かオーダーメードで作っていくぐらいの、そうした商工行政があってもいいかなと思います。
もちろん片方で、骨太な商工行政も、また片方でやっていく必要があると思いますよ。例えば企業の誘致活動であるとか、あるいは液晶とか、あるいは食品加工業だとか健康関連産業というものを推進していくと。それは今、県の方でもやってますけども、そういうことを片方でやりながら、それとはまた別に、そういうふうに大変伸びていく企業を支えるだけでなくて、幅の広い企業はたくさんあるわけでありますから、そういうところに対する一定のケアもできるような、そうした行政を地域の発想でやっていく必要があるんじゃないかと思います。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
知事はトップセールス、企業誘致もトップ同士の者でやることも考えておられるとおっしゃいましたけども、そういうトップセールスに力が、今後、早速かかられるとか、そういう何か予定はありますか。
●知事
今、商工労働部の方に言っておりますのは、近々東京に行きたいと思っていますので、例えばシャープさんとか、あるいはリコーさんだとか、そうした大どころの企業も訪問したらどうかということを今、話をしておりますが、ちょっとまだセッティングできてません。
○NHK 辻浩平 記者
そうやって力を入れておられる経済関係ですけども、商工労働部、企画部ともに人事、部長の人事はどれぐらいの目途になってますでしょうか。
●知事
これはなかなか、私ちょっと意外だったんですけども、来てみたら2人、部長さんが欠けてるという状態でありまして、何とか早く解消したいとは思うんですが、人繰りのこともありますので、できるところから先に手当てしていきたいと思いますが、全部、そうですね、どうしても夏までに引っ張るものも出てしまうかもしれませんね。ちょっと今考えてます、それは。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
そうすると知事、6月の補正予算の際には、今のままで編成作業は突入していくというようなことになるんですね。
●知事
一部はそうなる面もあると思います。ちょっと間に合わない部分もありますので。
だけど、片方で、今申し上げましたように、次世代改革推進本部というのを作って、そこにキャップをつくりたいと思ってます。例えば商工行政系だったら出納長さんみたいな人だとか、そうして推進役の人も作って、それで予算要求だとか政策立案なんかは上の方が事実上代替するということは、僕はできると思いますので、なるべく補っていきたいと思います、一時的な問題だと思いますので。
○日本海新聞 村上俊夫 記者
その辺は、例えば5月の発令というようなことはないということですか。
●知事
いや、そうでもないです。私の気持ちとしてはすぐに発令したいなという気持ちはあるんですけども。
○日本海新聞 村上俊夫 記者
組織の見直しは、それこそ改編に伴う条例の整備等もあるでしょうから、定例会での議決ということもあるでしょうけれども、しかし、やっぱり人事については早い方が体制を作るという点ではいいのではないかなというふうに思いますけどね。どうでしょうか。
●知事
気持ちは一緒なんですけど、あとは現実に人繰りがつくかどうかということです。
○日本海新聞 村上俊夫 記者
それともう一つ、さきの知事選での争点になってました同和行政についてなんですけれども、山内さんは、同和行政については、これは一般施策化すべきだという主張が明確に出てましたけれども、個別、市町村でも県でも見直している自治体が増えてます。この辺について平井知事はどういうふうにお考えでしょうか。
●知事
私は、同和行政が人権政策全般をリードしてきた面は確かにあったと思います。もしこの同和問題の解決に向けたいろんな行政努力がなければ、今ほど各種の人権施策といいますか、そういうものは体系的に生まれてこなかっただろうと思いますので、私は大いにこれまでの行政について評価しております。
それで、じゃあそれが今、だんだんと時代に合わせていくとどうなるかということだと思うんですが、県の方も正直申し上げて、あんまり争点にされていたのがちょっと不思議だったんですが、既にもう一般化という、彼女が言う一般化という、今、部分にもう到達しつつありまして、もうほぼ同和だけの問題で作っている施策はなくなりつつあると私は思っておりました。ですから、そういう意味ではあんまり、ちょっとあちらの主張もよくわからなかったというのが正直なところであります。
大切なのは、一人ひとりの人間として人権が尊重され、命だとか暮らしだとか、あるいは人格だとかが尊重される社会が構築されることでありまして、これは同和問題に限らず、外国人のかただとか、あるいは障害者のかただとか、いろんなかたがたも含めて、そこはちゃんと担保していく社会でなければならないと思います。鳥取県は、その意味で人権の先進県でありたいという気持ちは変わりません。それは同和だけをやるというようなことでは当然ないわけでありまして、余り主張の差がよく見えなかった感じがいたしました。
○日本海新聞 小谷和之 記者
マニフェストの項目なんですけども、いろいろアンテナショップを東京とか大阪に新たに設置していくと。産物のブランド化も含めて関係業界からの期待ということもかなり大きいものがあると思うんですけども、これ、ショップについての具体的な戦略と申しますか、何を目指していくかというのと、設置時期を含めて、考えがあれば、ちょっとお願いしたいんですけど。
●知事
これは、どうしてもちょっと予算を伴うもんですから、今すぐ取りかかれないと思います。ですから、今、各部に、農林水産部だとか商工労働部にはその指示を出して、今、検討させ始めたところです。私としては、鳥取県の商工のすぐれた製品だとか、あるいは民工芸品だとか、また農林水産物、こういうものが東京とか大阪のような大消費地圏で評価されてテストされる、そういう店は、私はぜひとも必要だと思いますので、これはやっていきたいというふうに思います。
ただ、過去、作った時期もありましたけれども、あんまり物がうまく売れなくて、ちょっと効果が薄いのではないか、手間ばっかりかかってコストがかかったじゃないかというような御指摘があって、それがちょっと県庁の中のトラウマになっているところがございますので、そうではなくて、民間の方ときちんと連携して、それで共同で店舗を出すだとか、あるいは民間で出す人の支援をするだとか、あるいは県がやるにしても、民間のノウハウを相当幅広く導入するとかして、要は売れるものを置いていくというようなスタイルもとったら、そうしたテストショップというか、アンテナショップを作った方がいいんじゃないかと思っております。今、それを検討を始めたばかりだというふうに御理解いただければと思います。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
ちょっと話題は文化面になるんですけども、県立美術館という、美術館が県内に、東部というんですか、欲しいという声もあるんですが、財政との兼ね合いもあるんですけども、特に博物館の中で美術を見るということに対して県民のニーズ、それでいいのかっていうことあるんですけど、それについて、県立美術館についてどういうお考えをお持ちですか。
●知事
今、県立博物館で美術館を代用しているというのは、自分自身も不自然な状態だとは思います。ただ、今おっしゃったとおり、じゃあそれを今々造れるとかいうような状況かどうかというのは、これまた別問題だろうと思います。
県民のかたの御意見にも随分多く接しました。美術館をぜひともすぐ造れという強い口調でお話しになる方もおられましたけれども、また片方で、今、巡回美術展をやってて、あれでいろんなところに、むしろ県[立]博[物館]の収蔵品を持っていって展示をしていて、それはとってもいいと。むしろ今のスタイルでやった方が安上がりじゃないかという方がおられたり、あるいは県内を見渡してみれば、倉吉や米子に市立の美術館があるというか、博物館的なものを含めまして、ないわけではないと。
そのほかにも町中に民芸の工芸館があったり、いろんなものはあるわけでありまして、むしろほかの道を模索すべきじゃないかという御意見も、それにも接しました。
一つの夢といいますか、究極の目標として美術品の展示施設、立派なものが欲しいというのは、確かに県民全体の夢かもしれませんけども、それは夢として持つこととして、じゃあそれを計画に計上するかというと、まだちょっとそこまで自分は踏み切れる段階ではないんではないかというふうに思っております。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
それはまた考え方の中で進められると思うんですけども、当面、県立博物館などで美術を見るときにも駐車場が余りにもない形で、安心した形で、まず現実として楽しめない、絵も楽しめない、そういう駐車場関係というのは非常にそれ、まず急がれるかと思うんですけども、特に鳥取ですね、その辺ちょっと、話がずれるかもしれませんけども、その辺いかがですか。
●知事
駐車場問題はなかなか悩ましいですよね。スペースにどうしても今、現状で限りがあるわけでありまして、本当は法務局とか、ああいうふうなとこときちんと話ができればいいんだろうというふうには思っております。もう一度鳥取市とかと話し合ってみた方がいいんではないかと思いますね。これは緊急避難的な話になるんだろうと思いますけど。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
今回の統一選からマニフェスト選挙が本格的になったんですけど、実際こういう選挙をしてみられて、どうでしたか。マニフェストを作って訴えるということについて。
●知事
そうですね、マニフェストの細かいとこまで県民の皆さんにつぶさに読んでいただいたかというと、それは確かにわからないかもしれませんけども、ただ、自分として、骨として主張したことは次世代改革をやりましょうだとか、産業の振興だとか地域づくりを発展させるような新時代を切り開きましょうとか、そうした骨の部分はマニフェスト選挙になったがゆえにメディアの皆さんも取り上げてくださって、明確に戦えることはできたかなという手ごたえは感じております。ですから、一定の効果はあっただろうと思います。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
問題点って、どういうことがありますか。
●知事
やはり今、A4[判]、1枚でマニフェストを配れという制度設計になっているんですけども、私の場合、ホームページに全文掲げさせていただいておりますが、それは多分A4[判]で六、七枚ぐらいあるんじゃないかと思うんですね。とても入りきるものではないわけでありまして、今、ちょっと地方の首長向けの、そこの部分は、パンフレットの配布の部分は、やや制度的に不十分ではないかなというように思います。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
ホームページに掲載、選挙前までですよね、それは。
●知事
そうです、選挙前に。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
だから、選挙後もそれができるようになるべきだというふうに、ホームページに掲載が選挙後も記載できるようになればいいというふうなこともお考えですか。
●知事
いや、それは選挙前にやはり掲げるべきものだと思います。選挙を戦う際の、アメリカでいうとアジェンダというんですけども、選挙を戦う際のテーマといいますか、いうことでありますから、選挙前に示さないと有権者のためにならないと思います。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
最初のときは2月12日で一応出されたんですけども、作成された期間というのはどれぐらいの時間かけられたんですか。
●知事
こっちに帰ろうと腹くくったころからですね。あれはだから2月入るくらいからですかね。正直な話、ニューヨークから成田に飛ぶ飛行機の中でもパソコンに向かってたたいてましたから、キーボードを。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
マニフェストを作るときに、一人で考える、もっとスタッフたくさん一緒になって考えるとか、そういう方法というのも、どうお考えですか。
●知事
現実問題としては、自分もやってみてわかりましたけど、だれかに頼めることではないんで、やはり私の場合は自分で、自分自身が副知事をやってましたし、ある程度のことは県政のこと、課題は見ておりましたし、海外におりましたけども、インターネットなどで取り寄せ可能な情報というものをもとにして作ってみたというところだと思います。
ただ、それは2月の12日の時点でして、その後は、今度はいろいろと各地を回りながら、自分が書いたことを検証するのも半分ありましたけども、書いてることは大体そんなもんだったかなという思いを持ちながら、確かにこういうことは書くべきだなあというのは追加していったりして、マニフェストに整えていきました。
本当は政策スタッフがきちんとおって、そういうマニフェストを作るというのが本来だと思います。もともとこれはイギリスの制度に端を発するわけでありますが、イギリスでは政党が国政選挙を戦う際にそうしたマニフェストというものを作ってやるわけであります。それは政党のスタッフが全国を通じたものをこしらえてやるわけでありまして、それが一番いい姿だと思うんですけど、北川元[三重県]知事さんがおっしゃるローカルマニフェストというのは、ちょっとやや無理がそこはあると思うんですね。
地方選挙の場合は一人ひとりの候補者になってしまいますので、その一人の候補者が冊子ほどのものを作ったり、あるいは細かな公約といいますか、マニフェスト項目を作っていくって、なかなかしんどい作業でありまして、この辺はなかなか厄介だろうと思いますね。常に抱える課題だと思います。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
今度、このマニフェストが、今度は知事自身もこれに縛られますし、県民も逆に縛られていくわけなんですけれども、それぐらい意味を持つものと見ていいわけですよね。
●知事
私自身は縛られると思いますが、県民の皆さんにはそこに、ホームページには書いてありますけども、もしこれがおかしいとか、あるいは追加すべきだということは、それは全く否定するものじゃありませんということが書いてあります。これは私が提示した問題意識でありまして、ほかのものを封殺したり、これで県民が縛られるというところまで予定しているつもりはありません。
ただ、自分はこれを掲げて選挙を戦って信任を得たと思っておりますので、[県]庁内の皆さんにもこれを推進する体制をしっかり整えて、その実現を図るということを働きかけたいと思っております。
○日本海新聞 村上俊夫 記者
議会との関係なんですけれども、知事選を戦われるに当たって与党に軸足を置くというお話もされて、自民党と公明党の推薦を受けて戦われたと。しかし、議会も知事も両方、県民から直接的に選ばれているということで、役割がやっぱり違う側面があると思うんですけれども、今後の議会との対応と、それから例えば滋賀県だとか宮崎[県]だとか、いわば知事与党的な議員が現実にその後出てきていると。首長とその議員との関係について、知事はどういうふうにお考えですか。
●知事
それは私だけでなくて、むしろ議会の皆さんの議員それぞれのお考えもあって決まってくることだと思います、知事と議会との関係、あるいは会派との関係ですね。それはこれから議会を招集して、会派が形成されて、それでだんだんと関係づけができてくるんだろうと思います。
ただ、自分は県民の代表として選ばれたということでありますし、現に80%を超える得票率をいただきました。マスコミの出口調査を拝見しますと、無党派のかた、あるいは民主党を支持されるかたとか、共産党のかたも10%ぐらいいたかもしれませんが、そうしてそれぞれに御支持をいただいているというのも自分の現実だろうと思ってます。
ですから、自分としては公正な県政というのを、県政運営というものを、それはきちんと心がけていきたいというように思っております。共産党さんと一戦交えたんですべてシャットアウトするとかいうことでも僕はないだろうと思ってますんで、前知事のときもそうでありましたが、そうした会派も含めて、県議会に当たって要望を聞く機会を、それぞれの会派ごとに作っていくだとか、きちんと対話する機会をとって、県民のいろんな幅広い御意見を県政に反映していくということを心がけていきたいと思います。
○山陰中央テレビ 大坂和正 記者
知事と呼ばれ出して、まだ日がたってないと思うんですが、県のトップとして、これから仕事をされるわけですけれども、そうした場合のリーダーシップ、自分の色というものを今後どのように出していかれようと思いますか。
●知事
自分はいろんなかたと、県庁組織の中で幹部のかたがたと今、話をしたりして、今スタートしましたけれども、若手の職員とか、そうした職員ともいろいろ話し合ってみたいと思います。つまり県庁の中がどうしても固定的なハイァラーキー[階級組織]になってチャネルが限られてしまうということで、いわば本来の方向性を見失ってしまうということを自分は一番恐れるものでありまして、年が若いということもありますが、風通しのよい県政を庁内の庁風づくりとして取り組んでいきたいというように思っとります。
例えば出先機関とかに行ったりということも含めて、若手の方と意見交換をしたりということをしていきたいと思いますし、次世代改革の本部を作る際も、単に幹部が集まって、それで各部の所管する今の現状を話し合うというだけでなくて、若手の人のプロジェクトチームみたいなものをあえて作って、そういうところでも意見を出してもらって、いいものをどんどん拾っていくとかというようにしていきたいと思います。
ですからリーダーシップとして、何か上から上意下達で全部引っ張っていくというようなスタイルよりも、むしろそれぞれの県庁のいろんな職員が沸き立つようにして県政を運営していくというスタイルを目指していきたいと思います。自分はそういう意味で、リーダーというよりもコーディネーターというか、そうしたスタイルを自分としては持っていきたいと思います。
対外的にはある一定のリーダーシップをとって、国だとかに物申していくということは、それは当然やっていきたいと思いますが、庁内では、そういう意味で双方向といいますか、上方から下方とか、上方伝達、下方伝達だけでなくて水平伝達、そういうものがコミュニケーション、幅広く図られるような、そうした世界をこの県庁の中に作っていきたいなと思っております。
○山陰中央テレビ 大坂和正 記者
前知事がされてきたことで、県の職員もこれまではそれに従ってきた部分もあるというのもあって、どうしてもその比較というのもされてしまうのではないかと思うんですが、そのあたりについてはどのようにお考えですか。
●知事
それは仕方ないですよね。ただ、目指す県民の幸せを第一に考えよう、そうした県政を作ろうという、そういう理念とか哲学自体は前知事とは共通だと思います。やや芸風が異なるというふうに自分は思ってます。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
副知事時代には、若い人たちとの交流、話し合いの機会というのは余りなかったんですか。
●知事
いや、積極的にやろうと思ってやってたつもりですけども、例えば庁内のIT化を進めようというとき、若手のかたのプロジェクトチームをあえて組織して、課長さんとかじゃなくて、主事のかただとか運転士のかただとか、そうした方々中心のプロジェクトチームを作ってやっていました。非常に効果はあったですね。そう思います。やはり現場の方で本当に悩んでいることを解決していくということが大切だなあというふうに実感しておりますので、そういう意味で次世代改革の推進本部を作るに当たっても若手の意見が反映されるような仕組みを作るようにと、今、企画の方に指示をしております。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
若手といいますと、やっぱり主事クラスということですか。
●知事
主事、係長、課長補佐とか、そういうクラスですかね。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
次世代改革推進本部は、具体的には今月末にはもう必ず作られる方向ですか。
●知事
準備が整い次第と思ってます。今月内を目標にしてます。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
今月いっぱい。
●知事
はい。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
あと告示前にも私はお伺いしたことがあったんですが、今、鳥取[県]は総合計画を作っていませんけども、決してハードで引っ張るものではないんですが、たしか知事は、目標はあってもいいんではないかというようなお話をされていましたが、今後、総合計画と同様なものは作っていかれるような考えはあるんでしょうか。
●知事
自分自身は中・長期的な近未来ビジョンといいますか、そういうものを作る必要があると思ってます。県内のいろんなかたの御意見を聞いて、県庁がどこに向かってるかわかりづらいというお話がありました。確かに年々の予算は大変に報道されたりしてわかるわけでありますが、じゃあこの地域、将来どうなるのかといったときに、何にもよるべきところがなくてという話は聞きました。
確かにそうだと思いますので、私はいわゆる長期計画、5カ年計画というものではなくて、中・長期的にこういうことがあったらいいなと、中・長期的というか、近未来ぐらいですかね、近未来的にこういうことがあったらいいなというのは、夢も含めて、目標とすべきものを書いたり、その実現のための課題というものも書き添えるような、そうした、計画ではないですが、ビジョンのようなものは作った方がいいと思ってます。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
マニフェストで次世代改革という、これこそ将来を見て、次の世代のための改革をやりたいということを掲げておられますが、これとリンクするというんでしょうか、マニフェストがあって、その先にこういう夢があるんだというものを描きたいというような考えですか。
●知事
そうですね、それはマニフェストの4年間よりも先を見通したような話で、そのためのステップとして、じゃあ今年度の予算で何を事業化しましょうかという議論ができる、そういう材料になると思うんです。それをやっていきたいなと思います。次世代改革の本部を作るのとあわせて、そのための組織も作っておく必要があるだろうと思ってます。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
それは次世代改革推進本部とはまた異なる。
●知事
中でもいいかなと思うんですけどね。ただ、いずれにせよ県民の皆さんの御意見を幅広く聞くような仕組みというのも、この部分については非常に重要だと思いますので、ですから、全体がスタートするのは6月議会の後になるかもしれませんね。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
スタートが。
●知事
スタート、実質上ですね。作業はもう既に始めればいいと思うんですけれども、例えば県民の皆さんの意見をどうやって集めていくかとか、そうしたツールづくりが必要だと思います。
○日本海新聞 荒木隆宏 記者
先ほど国に物申すということを続けていくということで、早速来週に東京に行かれるということですけども、三位一体改革で地方財政運営の自主性を高めるという点ではすごい中途半端な形に終わっとると思うんですけども、これから知事会なんかもおっしゃっておられるように第2期分権改革ということでやられるということになってて、課題をどういうふうにとらえておられますでしょうか。
●知事
そうですね、今、地方分権推進委員会の方で議論がスタートして2回目か何かだと思いますが、これから地方分権の議論は深まってくるだろうと思います。正直申し上げて、鳥取県は非常に財源的に厳しい実情にあると自分は思ってまして、そういう意味で税財源をどういうふうに確保できるかというのは最大の関心を持ってます。鳥取県のような地域が普通に行政をして、県民の方に喜んでいただけるぐらいのことをして、それで立っていけるような、そうした地方分権の姿でなければ僕は意味がないと思いますので、その辺の主張をきちんとしていきたいと思っております。
例えば税の組み方についてもいろいろと議論はあるでしょうから、例えば余り法人課税が中心の県税の体系というよりは、消費課税だとか所得課税が主流の課税体系になった方がいいとか、いろんな議論はこれからでき得ると思います。世の中もそういう雰囲気になりつつあるんではないかと思っておりまして、随時発言をする機会をとらえていきたいと思います。
先日も当選後、徳島県の知事と電話で話をしまして、よく似てるんですよね、状況が。彼は今ある防災での共同した取り組みをぜひやってもらいたいという話を言ってまして、それは快く、そうしていきましょうという話を申し上げまして、こちらの方からは、地方分権でいろんな議論が起きてくるだろうから、多分課題は共通するので、一緒になって声を上げるようなことなど、共同歩調をとれることはやっていこうじゃないかということを申し上げましたら、彼も同意してました。
いくつか似たような境遇の県というのは、僕はあると思います。そういうところと連携して声を上げていくというのが自分は効果的かなと思うんです。自分は今、就任したばかりでありまして、全国知事会でどれほど重みを持って、あるいは各省庁、重みを持って取り上げられるかということは、それは当然あるだろうと、それは自分の限界として率直に思いますので、ですから、むしろ他と連携して声を上げていくということで、鳥取県の皆さんにとって有効な方策を模索していきたいなと思います。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
徳島県との連携もですけど、島根県の知事とは何かお話はされましたでしょうか。
●知事
島根[県]の知事さんとも数回お話をしております。これからもそうした機会を作っていきたいと思います。島根の知事さんと最初にお会いしたときに、トップもかわることですし、ぜひお互いに。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
島根の知事って、まだ知事じゃないでした、済みません。
●知事
ええ、向こうは。トップも代わることですし、ぜひお互いに話し合う場を作ろうじゃありませんかと。そうしたら、あちらも非常に、そうだそうだという感じだったですね。ですから、鳥取と島根の関係も、ある意味リセットしてやっていけるんではないかと自分は期待をしております。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
どういうことを共通テーマとして考えてらっしゃいますか。
●知事
例えば一つは中海圏を中心とした観光の問題でありますとか、あるいは水質の課題ですね、環境問題。それから地域づくりの課題も共通していると思いますし、いろんな面で一緒にやっていけることは多いと思います。
18 鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例について
○NHK 辻浩平 記者
人権条例ですけれども、現在、見直し検討委員会で、早ければ来月にも検討委員会としての結論がまとまる見通しです。その後、県が結論を受けてどういうふうにしていく方針なのかというのをお伺いしたいと思います。
●知事
まずはその検討委員会の結論を見て考えることだと思いますので、検討委員会の検討を見守るというのが今の自分の考え方ですね。この辺は前知事から、前知事さんは、これは駅伝みたいなもんだと、県政というのは。次の人にバトンを渡して、またその人が一生懸命走ると言ってましたから、バトンを落とさないように、そういう話かなと。前のところで引き継がれて、今、検討がちょうどしかけでされてますので、その部分は引き取って、検討の結果を見て、じゃあ次のステージを考えるということだと思います。
○NHK 辻浩平 記者
これまでの流れですと、弁護士会の協力がなかなか得られないというのがあって、検討委員会には弁護士の先生も入られていろいろ意見言われてますけども、ずうっとこれまでの委員会の話を聞いてますと、難しいんじゃないかという意見がすごく多いような気がしますけれども、知事御自身としてはどういうふうにお考えですか。
●知事
それは、まずは検討委員会の検討を見守ってだと思います。今、これまで鳥取県で知事部局でも条例を出しましたし、議会の方でも一致して結論を出したこともありましたし、それに対して全国から意見も寄せられる、県内の議論もあるということで始まった検討でございますから、率直にその検討内容を受けとめていきたいと思います。
○日本海新聞 荒木隆宏 記者
さっきの話に戻るんですけど、地方分権改革推進委員会の中で、17日ですかね、東京の法人2税を地方に配分するという構想も提案されたんですけど、それについて知事のお考えは。
●知事
それがワークするかどうかは、ちょっとよく考えなきゃいけないと思いますね。いわゆる財源として、今、やや問題があるのは、税源が随分偏在しているというのは率直に国民の皆さんで考えていただきたいことだと思うんです。東京[都]とか神奈川[県]とか愛知[県]とか、そうした地域に税源が集中してしまっていて、それがそれぞれの県庁をもちろん支えるわけでございますけども、片方で、それが乏しくて疲弊している地域があるという、この現実ですね。
それを是正していくということは一番の課題だろうと思いますので、その税源偏在を是正するための知恵として、法人2税を分与していくだとかいうこともありましょうし、あるいは税体系ごと切りかえてしまって法人課税よりも消費課税の方を都道府県の方に入れていくだとかいうこともあるだろうと思います。私は今、百年の大計に立って地方の仕組みを変えようという議論がなされていると思いますので、思い切った税源見直しとかがあっていいと思います。
○山陰中央テレビ 大坂和正 記者
1時間ほど経過したんですけども、初めての定例会見で、記者が矢継ぎ早に質問をして、インターネットでもこれは流れるということになると思うんですけれども、感想はどうでしたか。
●知事
いや、本当に新鮮な気持ちで、やっぱり自分は新入生かなと思いますね。フレッシュマン。ただ、本当にここに立ってみると、昔の、2年前の副知事の時代の記憶がよみがえるわけでありますけども、ただ、それ以上に県民の皆さんと語り合ってるなという印象を持ってまして、この1時間ですか、もう1時間たったんですかね。本当に楽しまさせていただきました。
これからも毎週、こういう場を作っていただけますし、必要があれば臨時的に集まっていただいて話すことは全然やぶさかではありませんので、従来同様、開かれた県政を作っていきたいという気持ちで今はいっぱいです。
○毎日新聞 山下貴史 記者
県警の警部補の氏名非開示問題の関係で、最高裁の判断で一律非開示に反対意見も出ました。前知事は検討に値するとしながら、結局次の知事、議会に任すということでしたけれども、そのあたりについてどういう、施行規則の見直しするかしないかを含めて、検討課題として知事の中でどういうふうにお考えでいらっしゃるかお聞きしたいんですけど。
●知事
それは、警察の方の御意見もあるでしょうけれども、県として情報公開を進めているということもありますので、よく考えてみたらいいと思います。次の議会なんですか、規則ですかね、あれは。規則ですか。
○毎日新聞 山下貴史 記者
規則です。
●知事
ちょっと最高裁の判決を分析してみたいと思います。
○NHK 辻浩平 記者(幹事社)
よろしいですか。各社よろしいですか。
じゃあ、どうもありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。