●知事
皆さま、おはようございます。昨日から今朝にかけまして大変な災害がございまして、そのことも後ほど触れようと思いますが、被災されて避難されておられるかたがたにお見舞いを申し上げたいと思いますし、県としても全力を挙げてその復旧に取り組んでまいりたいと考えております。
まず私のほうから、1つは、地域資源活用法というのがございまして、中小企業地域資源活用促進法という法律が通っております。中小企業の皆さまが経済活性化を行う、しかも地域のさまざまな資源を生かして取り組みを行うときに、これを国として応援をしていこうと。もちろん県も応援をするわけでありますが、そういうスキームが、この6月にできております。そのための地域資源活用の基本構想を取りまとめまして、このたび経済産業省のほうに提出をさせていただくことにいたしました。
例えば二十世紀梨だとか、あるいは三朝温泉だとか皆生温泉だとか、あるいはですね、「とうふちくわ」だとか、あるいは大山とか、伏流水だとか、いろんな地域の資源があるわけでございますが、そういうものを列挙いたしまして、そういう地域資源を活用して中小企業が産業興しをする場合には、これに対して税制上の支援などが得られるようにするために、その基本構想を取りまとめて提出をさせていただきます。これが第1点であります。
それから2つ目ですけども、今日、ナシの初出荷となります。二十世紀梨の初出荷となります。農家の皆さまには、丹精込めてこのナシの収穫までずっと作業されてこられたこと、敬意を表したいと思います。明日、大阪の中央市場におきまして初売りをいたしますが、私も行って応援をさせていただきたいと思っております。それから、関西圏でキャンペーンをさせていただきながら、25日にはジャマイカの選手団にも二十世紀梨をプレゼントしようというように思っております。
●知事
それから3点目に災害の件でございますが、今のところまだ集計が随時変わっておりますけれども、床上で2戸、それから床下で57戸の浸水があります。今朝から[防災]ヘリコプターを飛ばしまして被害状況の把握に努めております。もちろん現地で町役場と一緒になりながら、その状況の把握もさせていただいております。私自身も夕べ10時ごろ、県庁のほうから訪ねまして、そして、ちょっと状況を見たりさせていただきましたが、今朝、[防災]ヘリコプターを飛ばすなどしますと、だいぶんその実態が分かってまいりました。
一時期、通行止めの箇所も多かったんですが、現在までに片側通行でなるべく通せるところは通すようにいたしておりまして、現在も通行止めの箇所は八東~岩美線、1線だけです。この1線は山志谷の峠越えのところでありまして、これは峠でございますから、北側と南側からそれぞれ入っていこうと思ったら入っていけますので、孤立集落ということはありません。
心配しましたのは、[若桜町]舂[つく]米が一時、夕べ孤立をいたしました。舂[つく]米へ上がる道が茗荷谷で通行止めになりまして、ただ、通信はできるということでございましたので、朝を待ってというように思っておりましたが、これは現在、片側通行で通れるようになっております。
そういう意味で、徐々に今、交通機能は回復しつつありますが、1線だけ通行止めが残っております。そうした道路につきましては至急、応急的な復旧をさせていただきたいと思いますし、本格的な手当が必要なところは、国と協議をして、ちゃんとした工事をやっていく箇所が出てくるとは思います。
それから、八頭町の徳丸などで土砂崩れ、土砂災害が起こっております。これも復旧に努めてまいりたいと考えておりますが、若桜町の屋堂羅で、川が家の下を今、流れた状態になっています。今もヘリコプターで確認をいたしましたが、住宅の下をですね、河道、川の道が詰まってしまいまして、閉塞しまして、木材だとか土砂で埋まりましてですね、河道が閉塞をされて家の下のほうをむしろ川が流れるような格好になっております。これも速やかな応急措置から入っていかなければならないと思います。川を復旧させるために、それをどけていかなければならないだろうと、今、うちの土木技師と話をしております。
そんなこともありまして、若桜町には土木技師2人を派遣することを今現在でもう決定をさせていただきました。若桜町とは今朝も町長とうちの防災[局]とで連絡を取り合っていますが、応援が必要なら災害応援隊のようなことも考えていこうということであります。八頭町とも同様に連絡を取り合っているという状態であります。以上、災害関係でございます。
●知事
それから第4点目でありますが、夕べですね、一部、報道機関の方からご取材をいただきましたので、私からこの場であえてもう一度、ご説明かたがたご報告を申し上げたいと思います。アシアナ航空が現在、米子とソウルの間で週3便の国際定期便を飛ばしています。これはここ数年、搭乗率が下がってきました。発足当初は70%を超える、74%という搭乗率のころもあったんですが、昨年、一昨年と、50%台、さらに最近は40%台の月も今年に入って出てくるようになっているという状況でございます。
月曜日にアシアナ[航空]の日本地域本部長の玄東實(ヒョンドンシル)さんがおみえになりまして、それで彼の言い方としてはですね、アシアナ航空として現在、路線の再編をしなければならないと。会社の経営の問題も背景にあるということだろうと思いました。その中で米子-ソウル便については10月28日で運休すると役員会で決定をしたと、こういうお話でございました。
その理由としては、搭乗率が、今申し上げましたようにここ数年、顕著に低下をしてきているということがあります。そして、日本国内で他の空港にもアシアナを飛ばしておりますが、その他の空港と比較しても、うちの県といいますか、この山陰の米子-ソウル便が、低下がひとり進んでいるという状態になっていると。このようなことでありますと、社として黒字化というめどが立たない。ですから、これはやむを得ないと、こういう話でありました。
その場で私ども、突然の話だったもので絶句をしたわけでありますが、と申しますのも、8月の初めにですね、オープンスカイ構想が出たときに、私も思うところがありまして東京のほうにアシアナ[航空]の本部を訪れました。そのときには、もっとこの米子-ソウル便を活用しましょうと、そういう意味でオープンスカイというものを上手に使いましょうというような話をお互いにしていたわけであります。その話に基づいて、鳥取県として、この搭乗率の向上策を9月議会に提案をしようと、今、準備をしていた最中だったものですから、大変に驚いたわけであります。
その、今週月曜日の申し入れの、そのお知らせの際にですね、私のほうとしては、これは山陰の国際定期路線として重要なものであって、アシアナ航空の経営上の問題懸念というのは非常によく分かるけれども、ただ、我々としてはこの存続について、もうワンチャンスもらいたいという気持ちが強いと。ですから、ソウルのほうにお願いに行くとか、あるいは私どもとして今、確かに赤字が拡大をしているという状況なのであれば、それについての運行支援、あるいは搭乗率の向上対策というものを私どもとして提案する余地があるというような話はぜひしてみたいとは思うんだがどうだろうかと、そのようなことを何度かお話をさせていただきました。
月曜日の段階では、まだそこのところの明解なお答えはその場ではなかったです。なかったですが、その後ずっと私どもはアシアナ[航空]側と折衝を続けておりまして、その結果ですね、来週の火曜日に、午後2時からソウルのアシアナ航空本社におきまして社長と面談することが、アポイントが取れました。ですから、お伺いをして運行の継続、すなわち運休回避ということについて申し入れをさせていただきたいと思いますし、私どもとしてのご提案もする必要があるだろうというように思っております。
これまで県議会のほうにも、報告なりご相談なりということは、昨日の常任委員会も含めてやっておりますし、今朝、県内の鳥取市、倉吉市、米子市、境港市の市長さん、それから榎本町村会長さんと話をしました。皆一様に、ぜひこの存続を一緒にやろうというお話でありました。市長会とか町村会でも考えをアシアナ[航空]に伝えたいというようなお気持ちがありました。これは向こうで判断されると思います。
それから米子の野坂市長は、たまたま延吉に行っていると電話で言っていましたね。何か会議があるんだと思います。その途中に、ソウルに月曜日に立ち寄ることになっていたからということでありましたので、話し合いまして、米子の市長もアシアナ航空の本社に一緒に行ってもらうということにいたしました。県議会もご同行いただきたいということで、今、調整をさせていただいているところでございます。県議会側からもご参加をいただけるのではないかと思っております。
そうして、いろいろなかたで申し入れの団を組んでいきたいと思いますし、そのソウルに行った一環で、かねて準備をしておりました山陰の観光キャンペーンを、そのご当地でやるのに参加をさせていただいたり、境港のポートセールスの関係もありますので、海運会社を訪ねるとか、あるいはアシアナ航空に働きかけをお願いできるような関係機関もですね、訪ねてみたいというように思っております。そうした緊急的な対策を取らさせていただきたいと思っております。今、見通しがあるかと問われれば、不透明です。視界は不良な状態だと申し上げざるを得ないと思います。
ただ、長いこと山陰全体として国際航空路線の実現を願い、今までやってきた努力が10月28日で簡単に終わってしまっていいかというと、私はそうではないと思います。おそらくこの地域の皆さんも同じ気持ちだと思いますので、何とか、当面でも継続に向けてやっていきたいというように思います。
ただ、たとえですね、今回、針の穴に糸を通すようなことで何とかつながったとしても、根本は搭乗率にあります。搭乗率が下がっておりまして、これは日本からソウルに行く人もそうでありますし、韓国側からこの山陰、ないしその周辺に行く人もそうでありますが、そこのところが回復するといいますか、他空港の路線のようにいかない限りは、同じことが早晩繰り返されてしまうことになると思います。
ですから広く、なかんずくこの山陰地域の皆さまには、米子-ソウル便が国際航空路線としてあることが、この地域にもたらすメリットに、ぜひご理解をいただきまして、この路線の活用に大いに知恵を出していただき、また、ご協力をいただきたいというようにお願いを申し上げたいと思います。
そういう気持ちから、朝、溝口島根県知事、松浦[松江]市長にも電話でお話をしようといたしました。溝口[島根県]知事は、まだちょっとつながってないので今のところまだできておりませんけれども、松浦[松江]市長にもそうしたことをお話を申し上げました。松江市長もですね、やはりこれは山陰の問題だと、中海圏域の市長会でも話をする必要があるということをおっしゃっていました。
溝口[島根県]知事とは、実は一緒に東京で高速道路の陳情会をやりました。8月の盆前だったと思います。そのとき、実は私はそのアシアナ航空を東京で訪れていた時期だったもんですから、溝口[島根県]知事には、立ち話ではありましたけれども、なかなかその米子-ソウル便が搭乗率が悪いということがあるので、搭乗率対策というのをしっかりやっていく必要がありますということを申し上げましたら、[溝口島根県]知事はその場ではぜひそういうことをやっていきましょうというお話をされていました。今日も、連絡が取れれば今の状況をお話し申し上げてご協力を願いたいと思っております。私のほうからは以上です。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者(幹事社)
各社質問ありましたらお願いします。
○山陰中央新報 太田満明 記者
搭乗率アップということだけれども、10月28日に向けて2カ月ほどしかないわけですけれども、具体的にこの2カ月間の間に成果を見せるような方策というもの、ございますか。
●知事
民間のかたとか、あるいは今の行政関係者もそうでありますが、みんなで話し合ってですね、いろんな機会で活用していただくのがまず第一ではないかと思います。現在のところでも山陰の利用促進協議会で、これについてはいろいろな方策がありますので、そういう制度も利用していただいてご活用をいただくチャンスはあると思いますので、それをお願いしたいと思います。
アシアナ[航空]に行くときにはですね、むしろその10月の28日以降もぜひ継続してもらいたいと。少なくともトライアルをさせる期間ぐらいは継続をしていただかないと、搭乗率が実際、我々も頑張るんで、上がるかどうか見てもらうぐらいの期間は、少なくとも継続してもらいたいということは申し上げないといけないと思っていますが、そうしたことと併せて、じゃあ我々もさらなる追加的な搭乗率向上の施策を考えたいという話も持っていくことになると思います。
まあ、いろいろと今の利用促進協議会を利用したり、あるいはゴルフ場のツアーなんかが宮崎[県]だとか福島[県]では大変に繁盛してます。それが他空港とうちの差がついた原因なんですけれども、そうしたことを考えますと、例えば降りてからのバス利用についての何か援助であるとか、まあいろんな手だてはあると思います。そういうのを10月28日以降ですね、下半期に向けてさらに我々としては強化したいということを持っていく必要があると思っています。
○山陰中央新報 太田満明 記者
いっとき修学旅行が多かったかに思うんですけれども、今どのくらいになっているか知事のほうで把握は。
●知事
ちょっと今具体的な数字は持っていませんので、もしあれでしたら担当課のほうに言っていただきたいと思うんですが。
○山陰中央新報 太田満明 記者
定期的なやっぱり旅行というのは、修学旅行というのは大きなことになるんだろうし。
●知事
はい。そうした、教育旅行ですね。いわゆる教育旅行もそうした追加支援の中に入れるかどうか、ぜひ検討する必要はあると思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
その追加支援というか、搭乗率アップの施策、具体的に。
●知事
呼び掛けですか。
○山陰中央新報 太田満明 記者
例えば9月補正なんかでこういうことを予定しているみたいなことがあれば。
●知事
今は、当面ですね、予定をさせていただいていますのは、こちらから向こう側に行く際のある程度の団体に対する助成とかですね、それからあと、インバウンド対策でいえばですね、向こうでの広報活動ですね。メディアを使った広報活動だとか、あと、交通機関の利用などに対する援助とかですね、いくつか今メニューを考えているとこでありまして、これから政調政審とかでご説明させていただくことになると思います。
○日本海新聞 小谷和之 記者
先ほどトライアル、挑戦させてもらう間のその期間はいただきたいというご説明だったんですけども、そうなると、端的にいえば金銭面、赤字面の補てんを県のほうがその期間にどのぐらいまで打ち出せるかというのが会社側の要望になってくるのかなと思うんですが、それ、聞くところによりますと今、月に1,000万円近い赤字も出ているようで、それを県のほうで埋めるとかそういうふうな考えはお持ちでしょうか。
●知事
今現実にですね、昨年度、一昨年度と1億近い赤字が県からの補助がいってもなお出ているという状態で、現在も月1,000万ぐらいの赤字だということでありますので、そこは避けて通れないと思います。
今トライアル、一時、もうとにかく挑戦するという意味でもですね、緊急的に運行支援を考えるという中には、そうした現在もやっているその運行支援の拡大ということは必要になってくると思います。それがないと、向こうは今、運休したと、決定したと知らせてきたというのが実情でありますので、それを打ち破るためには、そのぐらいのことがないといけないと思っております。
○日本海新聞 小谷和之 記者
避けて通れないということは、もう会社側から何かしらの要望があればそれに答えるつもりはあるというとらえ方でいいんでしょうか。
●知事
そこを今話し合う必要があると思っています。
○日本海新聞 荒木隆宏 記者
緊急支援で金銭的な支援もする考えをおっしゃられましたけど、当然税金をつぎ込むわけで、あまり多額になると当然県民の理解も得られない可能性もあるんじゃないかなと思うんですけども、そういう意味で、あらためてなんですけども、この米子-ソウル便の米子空港に就航している意味といいますか、メリットというのはどういうふうに考えておられるんでしょうか。
●知事
この山陰における産業立地ということを考えますと、東アジア全体の経済がどんどん発展をしているわけでありますから、その東アジアの中に国際路線を持っていることの経済産業立地の経済的効果というのは大変に大きいと思っております。企業誘致などに行っても、その米子ソウル便の話をすると、まあ一定の評価は得られるという感触もあります。これは、いろんな場面でこうしたことの重要性というのは高まってくるだろうと思います。
観光のことを取りましても、現在その韓国から日本へ入ってくるそうした旅客は増えてきているわけであります。空港によってはですね、宮崎空港とか福島空港にもアシアナ[航空]は飛ばしておりますけれども、かなりのお客さんが乗るようになってきて、かつては我々のほうが上をいっていた搭乗率が今、逆転しているという状況にあるわけです。この山陰でもですね、そうした観光上の魅力というのは確かにあると思っております。ですから、そうした意味で観光振興の重要な道具としてこの米子ソウル便がこれから発展する可能性を持っていると思います。
それから、そのほかでも、例えば文化の交流だとか、あるいは国際交流を通じたその地域と地域のつながりを作るとか、そういう上でも地元にいつでも乗れる飛行機があることの利便性というのは、これは明らかだと思っております。
かつては一生懸命チャーターをしてですね、そしてここから飛ばしていたというのが実態だったわけでありますが、定期的にいつでも飛んでいて座席の予約さえすればということになって、国際交流だとか文化的な交流もやりやすくなったのも事実だと思います。こうしたいろんな意味での海を越えたつながりというのは、これから発展することはあってもしぼんでいくわけではないんだろうと思います。
ですから、これからの将来のことを考えればですね、可能ならばこの運休という方針を何とか回避をしてもらって、少なくともこの山陰においてこの路線というのはこのように活用されますよという姿をこれから数カ月で何とかアシアナ[航空]にも理解をしていただきまして、継続をし、さらには発展をさせていくという方向に転じていただけるよう働きかける必要があると思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
さっきの災害の件ですが、若桜町で家の下を川が流れているというのはどういう。家の下というのはがけの下ということですか。
●知事
屋堂羅という集落なんですけど、河川がこういうふうに流れています。家が2軒ございまして、この川に土砂や木が流れている様子が[防災]ヘリコプターから見えています。ですから、ここが詰まってるもんですから、普通なら川の水はこういうふうに流れていくんですが、これがこちらの家が建っているほうに、迂回して流れるようになってしまったと。
○山陰中央新報 太田満明 記者
下を流れるというのは、家の下が何かえぐられているか何か。要は崩れるような可能性があり得るんですかね。
●知事
ですから、こちら側に、本来川のほうに入っていくべき水が、こちらのほうにうまく入っていけない。少なくとも、入っていく量がだいぶ絞られているように見えます。ですからその分だけ、上のほうに、上というか家の下のほうに流れ込んでいると。えぐられている状況なのかどうかは、さらに見てみないと分からないと思いますね。
○山陰中央新報 太田満明 記者
要は、家屋の被害がありそうな、崩壊とか。
●知事
その家自体は持っているように見えますけども、それは、よくこれから調べてみる必要があると思います。若桜町が、当然現地のほうにも入られると思いますし、県のほうでも、そういう意味で土木技師を2人派遣して、何とか早くこの川の流れを元に戻してあげると、応急的にも、というようなことをやらなきゃいけないと思いますね。
○山陰中央新報 太田満明 記者
住民のかたは避難しておられるんですか。
●知事
ええ、避難されてます。
○山陰中央新報 太田満明 記者
今何人ぐらいが避難されているんですか。
●知事
今避難されているかた、自主避難は。
●法橋誠 防災監
避難総数は、現在が14世帯39人。これが[午前]6時現在で、もう少ししたら[午前]9時現在のが取りまとまりますので、ちょっと数字が動くかもしれません。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
ソウル便なんですけれども、追加支援も対症療法的な意味合いになってくると思うんです。需要の掘り起こしというのは、官だけでなくて、民のほうがむしろ中心にならなければいけないと思うんですが。実際にその韓流ブームとかあったときには、結構こちらから向こうに行くお客さんって多かったと思うんですよね。この減少の原因とかを分析することとか、あと対岸の魅力を圏域の人たちに伝えるような努力が必要ではないかなというふうに思うんですが。その辺、官と民の役割とか、今後どの辺にてこ入れしていかなきゃいけないか、その辺知事に何かお考えがあったら教えてもらえませんか。
●知事
今おっしゃるように、韓国の魅力を圏域で発信するような事業も、今追加してやろうとしておりますけれども。ただ、今おっしゃることで大切なことは、たとえ今我々が七転八倒しまして、何とか首がつながったといたしましても、搭乗率が上がらない限りは、同じことがまた半年後、あるいは1年後と、繰り返されてくると思います。エアライン航空会社はビジネスですから、社会奉仕でやっているわけではありませんので、これは仕方ないことだと思います。
ですから、この米子-ソウル便というものを活用していただいて、例えば観光客を呼び込む。そのためには、最近でしたらゴルフ場だとか、そういうブームがあるわけでありますが、そういうツアーをどうやって、こちらで商品造成をしていくか。これは先方の消費者といいますか、旅行客のニーズを考えて、こちらのほうの体制を本来は組み直さなければいけないわけです。例えばそういうことが必要になってくるとかいうことだと思います。こちらから向こうに行くでも、そのソウルを経由して世界に行くこともできますし、また、いろいろな旅のテーマが、実はこういうこともあるんだということを知ってもらうことも必要だと思います。
ただ、いずれにせよ、こういう努力は、官の努力だけで当然できるわけがありません。おっしゃるように、県民の皆さま、圏域の皆さまに、ぜひこの重要性というものをご理解いただいて、活用していただくということがなければいけないと思います。米子の商工会議所の会頭さんとか、それぞれ頑張って元気出してやろうじゃないかというお話しが聞こえてきますし、今はまだ、昨日からちょっとこういう騒ぎになってますんで、まだ全貌は見えていませんけれども、多分、多くのかたがたにご協力いただきながら、ここで踏ん張ろうという元気を出していただきたいと期待したいと思います。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
同じアシアナ航空で、その後好調だと聞いて、さっきおっしゃった宮崎、福島ですか、その成功例というものも、かなり参考になると思うんですけれども、そういうことでの参考にしていくというのはいかがですか。
●知事
ええ、それはおっしゃるとおりだと思います。そうした今の韓国の旅行客のニーズというものを分析して、それに応じた商品造成ができるように、そういうことも予算として考える必要があるだろうと思います。
ただこれも、先ほど申し上げたことと一緒でありまして、予算ができたからというものでもないと思うんですね。むしろこれを利用して、じゃあ観光振興やってやろうじゃないかと。そうすると工夫しなきゃいけないこととか、やっぱり付き合わなきゃいけないこととか、いろいろあるわけでありますが、そういうのを乗り越えてやってみようということで、立ち上がっていただきたいと思いますね。
現に宮崎[県]などは、冬でもゴルフができるということで、最近は売れているそうでありまして、そういう意味で、もし私どもが運休ということになれば、恐らくは、そういう宮崎[県]とか福島[県]に、そうした航空便が流れてしまうと。なかなか帰ってくるのが難しいということになるんじゃないかと、今思っております。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
江原道との関係も、大きな玄関窓口、ホットラインだと思うんですけれども、空港がね。その意味では大きいですよね。国際交流では特に。
●知事
そうです。アシアナのヒョン本部長も、来られたときにおっしゃってましたが、国際交流にやはり陰りが出てるんじゃないかということも、懸念をおっしゃっていました。そういう面もあると思います。私は折に触れまして、キム・ジンソン知事に交流をやりましょうというメッセージを送り続けております、今日までですね。先般も、ある江原道の新聞社の首脳が来られまして、そのときにもメッセージを託しました。交流再開ということをお伝えしていただいたと伺っております。
ただ、これからまだこれも協議をしてやっていくことだと思いますが、そうした今ちょっと閉塞状況にある、交流のパイプも開いていくというのは、この米子-ソウル便の搭乗率回復と大きく影響のあるものだと思いますので、頑張ってみたいと思います。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者(幹事社)
ほかにありますか。なければ終わります。ありがとうございました。