●知事
皆さん、おはようございます。私のほうからは何点かまず申し上げたいと思いますが、1つは昨日急浮上いたしました食品関係の問題についてであります。残念ながらといいますか憤りを覚えますけれども、中国からの輸入食品から毒性が発見をされ、中毒患者が全国で出ておられますこと、遺憾の念に堪えません。
鳥取県といたしましても、昨日の問題発覚以降、私どもも精力的に県内の状況の調査を始めたところであります。例えば流通経路を調べまして今回の輸入食品がどのように流通しているか、これ県外にわたることもございますが、そうした卸関係筋を追いながら県内の流通を調べまして事業所のほうに指導を昨日から始めております。それで店頭からの撤去だとかそういうことを今進めているところであります。
ジェイティフーズ関係の23品目、それからそれ以外にも同じ製造所でつくったとされる数品目につきまして、自主回収も進められつつあるところでありますが、ぜひ県民の皆さまには、今例えば冷凍庫の中に入っているなどの事情はあるかもしれません。したがいまして、これには手をつけずに食べないということを徹底をしていただきたいとお願いをしたいと思います。
どういう品目が今問題になっているか分かりにくい、ということもあろうかと思いまして、私のほうから私どもの部局のほうに指示をさせていただきまして、ホームページに早速これをアップさせていただきたいと思います。情報が入り次第、この食品について問題があるというものは、県のホームページでも見れるようにさせていただきたいと思います。
それから健康についての被害があったとか、またどういうものが危ないのか知りたいといったようなご相談がありましたら、東・中・西[部]の総合事務所の中に生活環境局がございまして、ここの生活安全課のほうにお問い合わせをいただいたり、ご相談をいただきたいと思います。それから日野の福祉保健局、また鳥取県庁の中のくらしの安心推進課でも同様のご相談を受け付ける体制を早速に整えさせていただきました。
くれぐれも県民の皆さまにおかれましては十分注意を払っていただきまして、健康被害が広がらないようにご協力をお願い申し上げたいと思います。
●知事
それから2点目といたしまして、先般こちらのほうでもご案内を申し上げましたが、ネーミングライツについて、このたび関係の会社との合意を得ることができ、契約を締結する運びとなりました。
対象の会社は、まず県民文化会館につきましては、これは株式会社鳥取銀行です。鳥取銀行が「とりぎん文化会館」というネーミングを行うということで合意をいたしました。契約金額は1,500万[円]でございます。
それからもう1つの布勢の運動公園につきましては、コカ・コーラウエストホールディングスと契約を行うことになりました。県外の企業ではありますけれども、我が県内でコカ・コーラが取水をして、これがミネラルウォーターとして売られております。そうした関係などもありまして、私どものほうに手を挙げてくださったということであります。契約金額は1,000万円であります。そしてそのネーミングでございますけれども、「コカ・コーラウエスト スポーツパーク」と命名をするという合意になりました。
順次この両者とは契約を結ぶための調印式を来月、再来月ぐらいまでかかるかもしれませんが、日程を合わせまして行いたいと思っております。4月からのネーミングライツの取得ということになります。
○朝日新聞 井石栄司 記者
ちょうど1週間前、24日にアシアナの本部長が来られたんですけども、交渉事なんでおっしゃられないことも多いと思うんですけども、現時点でどういう交渉の方向性なのかという、ある程度。
●知事
アシアナ[航空] ヒョン本部長がお見えになりまして、ご用向きはですね、新年のごあいさつというご用件ではありました。ただ8月に突然ヒョン本部長、今回と同じようにお見えになるというときには運休のお知らせだったもんですから、私も戦慄を覚えながらですね、お会いをさせていただいたんですけれども、今回は前回とは若干雰囲気は違ったと思います。
ただヒョン本部長のほうからお話がありましたのは、12月に搭乗率が低下をしたこと、これについてはアシアナの本社として懸念の声があると、そういう率直なお話がありました。ですから私ども鳥取県といいますか、山陰の皆さんと一緒になってアシアナも頑張りますので、搭乗率を上げたいというお話でした。
私は早速副知事に指示をいたしまして、多分今週中だと思いますが、アシアナ便の搭乗率向上に向けてあらためて庁内で会議を開いてもらおうという指示をさせていただきました。目標としてはこの1月、2月、3月で搭乗率を向上させていくということだと思います。そういう方向性を見せることが、その当日ヒョン本部長とお話しさせていただいた感覚では、アシアナ航空側が4月以降、運行を継続するかどうか、これに影響すると思います。
幸い1月は、12月よりは搭乗率が向上をしているという兆候がはっきりと現れていますし、2月、3月に向けましても新しいテレビショッピングのツアーなど、材料もないわけではありません。ですから12月のようなことにはならないだろうとは思いますけれども、先方がもともと提示をしてきたのは70%という目標ラインでございますので、これに届かせようと思うと、それは相当の努力が要るだろうと思います。
いずれにせよ、これはアシアナ側も自分たちのほうのセールスも拡大をしたいと言ってましたので、両者相まってこの搭乗率の向上に向けてやっていきたいということだと思います。
その際に私平井のほうから、これ率直に申し上げましたのは、今のままの緊急運行支援、報道されている言い方では赤字補てんという、そういうやり方でございますが、この緊急運行支援につきまして現在のやり方のまま来年度進めることについて、平井個人としては、違和感といいますか、改めるべきではないかと思っていると。このことを強くアシアナ側に申し上げました。
エマーソンパシフィックとの契約が民間レベルでできたり、材料の好転ということもございますので、アシアナ側でも地元の事情をぜひもう一度よく考えてもらいたいという話をさせていただいております。この辺が今、交渉事になっておりまして、私どもとしては何とか搭乗率が上がっていく道筋を先方に見せながら、そのもう片方で今の運行支援のやり方についての姿を、変えていくことを模索したいというぎりぎりの交渉を今しております。
皆さま方ご高承のとおり、来週に入りますと予算の枠組みを議会のほうに政調政審というかたちでお示しをしたりという時期になりますけれども、アシアナとの交渉は今まだまとまってはおりません。ですからペンディングのようなかたちで、この点は当座ご相談をせざるを得ないかなと思っております。
ただアシアナにも申し上げておりますのは、議会の開会というものが迫ってきておりますので、議会の開会までにはこの話は決着をつけたいと。我々としてはぜひ運行を継続してもらいたいし、その際に広く圏域の皆さんが快く応援したいような、気持ちになる環境づくりも大切ではないかというふうに申し上げておりまして、今の支援のやり方を別の搭乗を、利用者に対する支援のやり方のようなベースに切り替えていくという道筋を我々は提案をしているということです。
これが受け入れられるかどうか、運行が継続されるかどうかということも、ぎりぎりの問題としてないわけではありませんし、もちろん。それから来年度以降のやり方の問題、これはまだ最終折衝段階にあるというのが、本当率直な現在の状況です。
○山陰中央新報 太田満明 記者
その点で通常ありました米子空港ビルに対する利用料の補助というものも、まだ出てませんよね、予算の中では。例年、米子空港の利用料に対する補助というものありましたよね、9,000万円。あれもまだ予算化されてないと思うんですけども、やっぱりリンクした話に当然。
●知事
いや私が念頭にありますのは、従来からアシアナと運行当初からやっているものは、これは別問題だろうと思ってます。
むしろ秋以降、話題になりましたのは運行が継続されるかどうかという点と、あともう1つ、これは私に対するいろんなご意見として寄せられたと思いますけれども、緊急運行支援という我々、私流に言ったら必殺技と言いますか、これしか今、当座運休を阻止する手はないだろうということで切ったカードでありますけども、このカード自体が問題になっていると思いますので、この在り方を議論すべきだと思っています。
それ以外のところは、従来からやっていることでありますので。ここに特段の問題点は感じておりません。
○読売新聞 北島夏記 記者
先ほど違和感、財政支援について違和感とおっしゃいましたけれども、このあたりちょっと詳しく、お気持ちを。
●知事
民主的にやっていこうというのが、平井のスタイルというつもりなんです。ですから、運休というのが決まったとき、いろいろと思い悩みながら、向こうはもう決定した後でありますので。ひっくり返すために、この運休の原因となった赤字のところに手を付けざるを得ないだろうということで、緊急避難的な措置としての支援を、われわれは提示をしたわけであります。
議会でも度々答弁させていただきましたけれども、これは未来永劫続けようというたぐいのものではないだろうと、申し上げておりました。県議会での議論だとか、あるいは県民の皆さまからのご意見でも、こうした緊急運航支援のようなやり方が適切かどうか。むしろその利用者促進のような、別のやり方がいいのではないかという、そういうお声も、私は少なからずあった、多かったと思います。
ですから、アシアナ便の搭乗率が今、去年よりは随分向上しまして、運航継続への道筋も、まだ向こうは赤字路線だと言っているんですけど、正直。高松とうちは赤字路線だと言っているんですが。ただ上向いてきているのも、事実でありますので。こうした状況の変化もあるわけでありますから、緊急避難的な措置は解消できないだろうかという問題意識で、アシアナに話をさせていただいたところであります。
ただこれは、もちろん折衝ごとでありますので、随分今、正直にしゃべっているもんですから。向こうとよく話をして、昨日の与野党のように妥当な解決を目指していきたいと思います。
○読売新聞 北島夏記 記者
アシアナからの反応はいかがでしたか、その話をしたときの。
●知事
まあちょっと今、何とも、それは。運航の問題も今、最終判断をされようという時期だと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
利用者促進のような、だから搭乗者に対する支援の方向に切り替えるんだと、さっきおっしゃったんですけれどもね。そうは言っても、確かに議会っていうのもありまして。政調政審にも間に合わないという話でしたけれども。具体的には、議会の開会までに結論を出すということでよろしいんですか。
●知事
はい。私は利用者促進は、今やっている、いろんな施策を始めました、9月以降。その利用者促進の中で評判のいいのとか、効果があったもの、これは費用対効果で整理してもいいかなというのが、いろいろとあると思うんです。その辺を整理しながら、効果的な利用者促進策をやっていく態勢にしたいということでありまして。何かここでいっきょに予算を倍増させる、そういうことではありません。
○山陰中央新報 太田満明 記者
あまり踏み込んだ、具体的な話にはなかなかならないのかもしれませんけれども。今の利用者促進というのは、パスポート支援とか、団体客に対する支援とかありますよね。そのあたりを大体視野に入れておけばよろしいですか。
●知事
そうですね。従来やっているもので、効果があるもの。それはいろいろありますので。効果があるものを中心として、来年度展開していくっていうことになろうかと思います。これは山陰国際[観光]協議会であれば島根県側との協議が必要になりますし、アシアナ便の利用促進懇話会のほうでいえば、これは永瀬会長はじめ民間の皆さんみんな入ってますので。そこで話し合いながら、そうした促進策を打ち出していくことだと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
結論出る時期ですけれども。議会が20日からかな、始まるのが。
●知事
ええ、そうなんですよね。これは随分、その日程の話はアシアナ[航空]と、ヒョン本部長来られたとき、ヒョン本部長と随分話をいたしました。まあ理解いただけたと思います、わが県の仕組みにつきましては。ですから、議会開会前には、アシアナとしての返事があると思います。
○朝日新聞 井石栄司 記者
その際に、航空法の中で45日前ルールっていうのがあって、2月の中旬、15日前後だったと思うんですけど。サマースケジュールが始まる前45日ということになると、2月の中旬になるんですけれども。議会が20日からっていうことで、最後のタイムリミット、交渉のタイムリミットとしたら、どっち側をとったらいいんですか。
●知事
私は、ヒョン本部長と話し合ったとき、サマースケジュールのところはあまり念頭になかったもんですから。こちらの問題意識は、むしろ議会で当初予算の中で、どう提案するかということがありましたのでね。議会の話をわれわれは専ら言いました。多分アシアナ側のほうは、ご自身の運航スケジュールの決定時期を思い描いたと思います。ですから、お互いに議会の前までには、これ結論を出しましょうと。そういう別れ方になっているわけです。
○山陰中央新報 太田満明 記者
中旬という。
●知事
中旬だと思いますね。2月中旬ということだと思います。多分先方もそのサマースケジュールの問題があって、そういうやりとりになったんではないかなと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
それと飛行時間、発着時間ですけれども。利便性が悪いということがあると思うんですけれども。そのサマータイムの中で、そういう見直しってことはあり得るんでしょうか。
●知事
われわれは、それはお願いをしてきております。まあ運航するか自体も含めて、スケジュールの問題も、最終的には向こうの決定権のある話ですので。われわれとしては、粘り強くお願いをしていくということだと思います。
○日本海新聞 荒木隆宏 記者
その絡みでいいますと、2月13日に、新年度予算案を議会に示す議運があると思うんですけど。それには間に合わない可能性があるという。
●知事
まあその辺が、ぎりぎりのタイミングなんじゃないかと思いますね。さっきの井石[朝日新聞記者]さんがおっしゃっていたように、向こうのフライトスケジュールの問題もありますのでね。わが国の国内の手続からして、一月半というルールがあれば。そこはぎりぎりのタイミングじゃないでしょうか。
○山陰中央新報 太田満明 記者
場合によっては、追加提案というのもあり得るということなんですか。
●知事
私どもは、当たり前のことですけども、当初提案を目指したいということで、議運の時期の話も、先方には伝えてあります。ですから、その前には決着したいというのは、われわれの気持ちです。ただ、向こうも会社の中まとめなきゃいけない話が、いろいろあるんだろうと思いますので。そこがぎりぎりのところかなあと思いますね。
○日本海新聞 荒木隆宏 記者
先ほど副知事に搭乗率向上対策で庁内会議を開くようにということで、話があったというふうにお聞きしていますけど。本年度ということで、追加でアシアナの搭乗率向上対策というのを、まだ新たな対策を出される可能性もあるということでしょうか。
●知事
それは現在のツールを使ってということだと思います。呼び掛けを改めてさせていただいたり。それからもちろん、パスポート助成だとか、いろんな制度を今まで作ってますんで。予算がある中で、その中でできる限りやっていこうということだと思います。新たな追加補正とか、そういう考えはありません。多分今からでは、ちょっと間に合わないと思いますね。
おかげさまで2月は、1月以上に伸びるだろうと、これは素直に見込まれる状況だと思います。ただ、本当は目標として70%が。そういう目標なんですけども、それに届くかどうかってことはありますね。いずれにせよ、2月、3月。この下半期、10月から3月まで。最後残された2月、3月というところで、搭乗率が上がってくる姿をぜひ、私どもとしては、地域として作り上げたいと思いますし、皆さんのご協力もいただきたいと思います。
向こうからお客さん呼ぶというのも含めて、それはご協力をいただきたいと思います。それがアシアナ[航空]との、今ぎりぎりまだこれから半月ぐらいですかね、交渉ごとありますけども、その際に、あちらとの交渉にもインパクトを与えることになろうかと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
感触はどうなのでしょうか、4月以降の計画について。
●知事
今は審判を待つような気分ですけども。ただ私は、8月の騒ぎがあって、山陰の皆さんと一緒に向こうのカン・ジュアン社長を訪ねて以降、山陰の圏域挙げての取り組みがあったことは、アシアナ航空には非常に好意的にとらえられたと思います。もちろん数字という結果を出さなければいけない部分はありますけれども。
ただ圏域として、この路線に対する情熱を持っているし、これから伸びていくポテンシャルもあるということは、伝わったのではないかと思っていまして、私は4月以降の運航に期待感を持っています。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
「せんたく」について、先ほどおっしゃった、「せんたく」への参加についてお尋ねします。知事これまで、知事に就任されてから5県知事会議の、ある意味呼び掛け側の一人に立って結成されました。そのグループとの違いというか、知事の位置付けが何かということと、先ほどおっしゃいましたが、混乱した政治状況の中で生活者の視点に立っての提言が必要だということですが。そのせんたくへ参加される動機が、今のねじれ国会なのかどうか。この辺について、考え方を教えてください。
●知事
率直な心境を申し上げるべきだと思うんですが。まず前段のほうですね、5県知事会議は、政策集団として、地域間格差を解消していこうという志を共にする40代の知事で集まろうじゃないかという旗揚げでございました。これはこれからも私はやっていきたいと思いますし、同志の皆さんともこの点は合意をしております。
来年度に向けて、若干テーマ性を持ってやってもいいのかなと思うんですね。生活者とか教育とか、あるいは地域間格差、さまざまなテーマありますけれども。われわれの政策集団としての勉強会は、続けていこうと思っております。
これとは今回「せんたく」の話はちょっと、外から降ってわいたような話でございまして。全く異質なものだと思います。あちらはもともとの「21世紀臨調」[(新しい日本を作る国民会議)]という官民といいますか、政治・経済両方をまたぐような、学会をまたぐような、そうした連携軸の中で、政策提言を行ってきた集団であります。各県の知事も有志の方々はこれまでも入っておられました。この21世紀臨調が基本的な母体ではないかと自分は思っております。
そちらのほうで今、衆議院議員の選挙もあるかもしれないと。そういう中で、政党としてきちんとした政策を掲げて国民の審判を仰いでいただきたいと。この辺だったと思います。その際に、今回文書を拝見しましたけれども、生活者とか地域の視点、それから地方分権の視点で、政党に政策を立案して、これを掲げてやっていただくように、われわれとしては呼び掛けていこうと。こういう趣旨だろうと思いました。
そういう意味で、5県の知事会は、状況が非常によく似たもの同士の意見交換、それから政策提言の場だと思っておりますが。今回は神奈川県の松沢知事だとか、都市部の皆さんも入っております。ですからいろんな利害関係を持ったといいますか、バックグラウンドを持った人たちの集まりにはなりますが。そこでただ生活者だとか、地域を豊かにしようとか、地方分権を掲げていこうとか、そうしたことで合意ができて、政治を動かす一つのきっかけになるのであれば、これはこれで、参加してみる値打ちのある運動かなと思いました。
ただ自分として気になっておりましたのは、どうしても選挙という言葉がその「せんたく」の文書の端々に出てくるわけであります。何か特定の政党に依拠するためのものであっては、私も参加しづらいなと思っておったんですけれども。今回山田知事にも、昨日話をさせていただく中で、十分確認をいたしましたが、全くそういうことは心配無用だということでございましたので。
そうした党派性のない純粋な政策提言のグループとしてであれば、私もむしろ鳥取県の声を、これからの政治を動かす可能性のある運動の中で、盛り込んでいけるように努力したほうが、県民のためになるかなあという判断をしたところであります。
5県知事会議との関係ですけども、佐賀県の古川知事がもともとこの政策集団、新しい「せんたく」の旗揚げの中に入っておられます。古川知事からは発起人の会を開く前に、われわれのほうに相談がありました。自分としては今回、北川[前三重県知事]さんとかいろんな呼び掛けもあって、これに参画をしていこうと思う。その際に、5県知事会議で今までやってきたこととの関係も深いと、古川知事は思っておられると。だからその5人の、取りあえず代表のようなかたちで発起人に加わる。そんなつもりでいいだろうかと、こういうお話がありました。私どもは、ぜひそうしてくださいと。いわば3期目の兄貴分でありますので、そのように申しまして、皆さん同意をされたという経緯があります。
ですから、私も実はずっと悩みながら考えていたんです。宮城[県]の村井知事はまだどうされるか、はっきりされてないようでありますが、多分徳島[県]の飯泉知事だとか、山形[県]の齋藤知事なんかは、参画のほうに回ってくるんではないかなあと思います。今の全国の知事さんの状況を見てますと、参加される方も、参加されない方もおられまして。ここは、それぞれのご関心で動かれているなあと思っております。
○日本海新聞 村上俊夫 記者
ストレートに関係するわけではないんですけれども。その5県知事、若手の知事の集まりですが、さらに一段若い大阪の知事が誕生しました。その大阪の知事、関西の知事圏に何らかのかたちでコミットしたいというお考えも述べられていますけども。大阪の新知事とどういうお付き合いをされるのか。それから5県の知事会に加入を呼び掛けるというようなことはないのかどうか。それからもう一つは、府債を発行しないという発言をされたんですけれども、鳥取県を預かる知事として、あの発言をどういうふうに聞かれたのか。
●知事
まずこの度の新しい橋下 徹[大阪府]知事のご誕生には、心からエールを送りたいと思います。率直に、子どもたちのために府政を変えていこう、未来のために府政を変えていこうというメッセージを発信をされまして、府民のご支持を得られたわけでありますから。ぜひ思う存分、活躍をしていただきたいと思います。
また、われわれと同じ若手のグループに入るような年齢でございますので、これから大阪[府]と鳥取県との連携は、さらに強めなければならないと思っていた矢先でありましたので、私としては、今回の新知事誕生に期待感を持っております。
近畿の知事会への加入につきましては、今事務的にその働きかけといいますか、手続を進めようとしております。いずれ橋下知事のところにも、これは今お忙しいでしょうから、年度明けになるかもしれませんが、話をしに行こうと思っておりまして、われわれの事務局のほうに今、そういうことを言っているところです。
橋下知事は、大阪が果たす役割について認識をされているなあと思いました。選挙運動中とか、その後の発言を見ておりましても、大阪が元気にならなければ西日本が元気にならないと。そういう思いを述べられておられますが、私はそのとおりだと思います。
結局、特に鳥取のように、関西圏と近接性を持っていて、さらに鳥取自動車道や鳥取豊岡宮津自動車道で新たに結ばれる地域でありますので、これからますます関西とは、切っても切れない関係になってくるわけであります。そういう意味で、近畿の中の鳥取県という、そういう視点も必要じゃないかと私は申し上げているんですが。そういう意味で、ぜひ西日本を元気にするために、大阪も盛り上げていっていただきたいと思っております。
5県の知事会議に入ってもらうかどうか、これは話し合いで、われわれもほかの知事さんのご意見を聞いてみなければ分かりません。政策が合えば入られることもあるかもしれませんけれども。どちらかというと、われわれ5県のほうは、地方部のほうが主体でございまして。問題意識がすんなり合うかなというところは、これからちょっと分からないような気もいたしますけれども。
ただ、例えば倉吉と大阪とは、淀屋という線で結ばれているなど、いろんなご縁が大阪とはあります。多分橋下さんも、そういうことはまだご存知ないでしょうし、そうしたストーリーなんかも絡めて、善隣友好関係を築くようにやっていきたいなあと思っております。
○朝日新聞 井石栄司 記者
地方部ということで考えると、大阪の橋下新知事よりも、高知で就任された新しい知事のほうが、より近いと思うんですけども。5県知事会に高知の知事を加えるっていうのは、話としては出ていますか。
●知事
これはもうちょっと、また5人で話をしてみないと、言えないことなんで。私からちょっと申し上げられないですけども。今、高知[県]の新知事も登場されて、県政のほうに入ってきておられますけれども。若干聞こえてくるお話では、当面県政自体に専念されたいと。そういうスタンスのようでありまして。あまり他県と連携してというところまで、それは無理もないと思いますが、まだ頭が回らない感じかなと思ってまして。まあおいおい、どうせどこかで顔を合わせますんで、これからもいろんなかたちで、意見交換はきちんとやっていけるだろうと思っております。
それから先ほど、ちょっと1点漏らしましたけれども。府債、借金をしないという橋下知事の方針がありました。あそこで言う借金をしないというのは、すべての借金ということなのか、ちょっと私もまだよく真意は分かりません。借金にもいろんな借金があります。
鳥取県の場合は、ただ何せ税収が乏しい。交付税もそんなに今は伸びている状況ではない。しかるに、3千数百億[円]の予算を賄わなければならないということでありますので、地方債の発行は、ある程度やむを得ないと思います。
大阪の場合は、税収の規模が大きいですし、実はその交付税の規模は、税収に比べると微々たる量でございます。ですから、税収構造、財政構造が全く違いますので、橋下知事と同じ議論を鳥取県でできるかというと、ちょっと無理があるかなあと思います。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
入札制度が改革されて以来、県土整備部に言わせれば、談合が入るすき間がなくなったというふうに評価しているんですけれど。その中でこの間、談合の疑いがありという、審議会の結論が出まして、無効になったんですけれど。これについてはどういうふうにお考えですか。
●知事
実情は調査をしていると思いますし、公[正]取[引委員会]との通報関係だとかも、やっておられると思います。われわれも原因はよく調べる必要があるだろうと思います。もしあったとすると、非常に残念なことでありますし、システムのさらなる点検も必要になってくるだろうと思います。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
つまりこの前の談合が起きたのは、3,000万以下だから、指名競争入札で、従来のやり方の分で起きてるわけなんですよね。で、本来なら1,000万以上を、一般競争入札するっていうのが、全国知事会での一様のスタンスなんで。中国地方でもほとんどがもう1,000万以上を一般競争入札の対象にするっていうふうに切り替えているわけなんですけれども。鳥取県の場合は、いろいろ業界からの意見とかありまして、3,000万以上というだけで。今回の予定価格は、1,000万代でしたから指名競争入札になっているわけですけども。そういう意味で、今後一般競争入札の業者の対象を広げていくということをお考えになってはどうなんでしょうか。
●知事
それはまた、これからよく検討してみたいと思います。とりあえずは、夏にスタートさせた新しい仕組みで不具合があるというご指摘がありますので、そこの改正作業に入っているところでありまして、その次の段階だと思います。今、とりあえず夏に始まりました新しい入札制度がありますが、これについて不具合があると、使いづらいと。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
一般競争入札制度においては、全く談合が今起きてないので効果が現れているわけなんですが、従来どおりの指名競争入札の部分でやっぱり談合が起きちゃっているということなんですが。
●知事
ですから、今やっておりますのは、従来夏に始まりました新しい入札制度で不具合といいますか、モディファイ、修正すべき点があると。ここに今改正作業をやっています。その後また、今後も随時どういう問題があるか検証しながら改めていくということになってこようかと思います。おっしゃるように、要は不公正な取引慣行を排除したいという1点でございまして、それのためにどういう仕組みがいいか、おっしゃるように一般競争入札に全部すれば解決するかというとそうではないかもしれません。
これは、いろいろと分析してみて、何が鳥取県として、現場としてフィットするような談合防止であり、また適正な競争が計られる制度かということは、これからも不断の努力として続けていきたいと思います。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
でも、やっぱり起きたのが指名競争入札だったなという結果が出ているわけなんですけど。
●知事
今回の原因は、よく調査をさせていただきたいと思います。
○日本海新聞 荒木隆宏 記者
来週の日程なんですけども、商工関係の行事がかなり入っているようでして、その中で、愛知、長野に出張ということでトヨタやエプソンを訪問されるようなのですが、この辺のねらいといいますか、どのような目的を持って。
●知事
中京圏と我が方の鳥取県内の企業とのいろんな商談関係だとか、企業誘致の可能性なんかを探る必要があるだろうと思っています。そういう意味で、トヨタはシンボリックなところでありますので、行く必要があるだろうということでアポイントを取らせていただいたところであります。
これに限らず、名古屋事務所も使いまして、これまでも中京圏とのコンタクトを深めたり、企業誘致の可能性を拾いに行っていますが、なかなか今までのところは苦戦を正直しております。ですから、そのきっかけを何とか作りたい。そんな思いです。トヨタと具体的な何か進展をするということにはなかなかならないと思います。まずは、突破口を開きに行こうということだとご理解いただければと思います。
それから、松本[市]のほうにまいりますのは、エプソンイメージングデバイスが、鳥取県内に立地をしております。松本に本拠があるセイコー系の企業であるわけでして、その本体のところに私どもとしても話し合いをさせていただいたり、向こうの現場などもできれば見させていただこうと、こういう考えです。我々としては、今鳥取県で展開をしておられますエプソンイメージングデバイスのさらなる展開といいますか、活用といいますか、特に雇用にいい影響が出てくるような展開をお願いをしたいと。この辺の要請活動に行くということです。
○山陰中央新報 太田満明 記者
予算も大詰めになってきていると思うのですが、途中ですべてのことはお話しできないかもしれませんが、現段階で初めての予算編成に取り組む心情といいますか、苦労といいますか、お話しいただけることがあれば。
●知事
当初予算編成の真っ最中でございまして、昨日も随分夜遅くなりましたけれども、かなりしんどい予算編成の年だなという思いです。各部局のほうからは、人が変わったということもあるんでしょうが、かなり意欲的に提案も出てきていますし、これから鳥取新時代の扉を開いていく萌芽は今回の予算でも示せるかなと思います。
ただ、その片方で財政状況全体には厳しさもありまして、特に財政誘導指標を私どものほうで示させていただきました。何とか、この4年の任期の出口のところで300億[円]の基金を確保しておきたいということですとか、それから借金の現在高を増やさないようにしようと。この足かせが結構重いです。重いもんですから、そのためにかなりやりくりをしなきゃならないという実感を持っています。
その1つとして、予算編成作業と並行して、組織の効率化に切り込んでいかなければならない状況だと認識をいたしまして、県庁内の各組織の協力を求めながら今ぎりぎりの効率化をやろうとしております。鳥取県は人口60万[人]を切った最小県でございますので、そういう意味で他県と同じ仕組みを作っておく必要はないだろうと。ですから、各県、部長、次長、課長、課長補佐とハイラーキありますが、そういう階層も取ってみる試みをしてみようかと。
次長とかあるいは課長補佐とか、決裁権を持ったトップ、組織のトップ以外のところは、ほかの仕事もしてもらうなどして効率化できないだろうかとか。それから、本庁と地方機関とで重複した仕事をやっていたり、合理化できる余地があるようなところはそういうところを整理したり、地方機関同士でもそうであります。そこらをやらなければ今回どうしても財源が出てこないという状況に突き当たりました。今それを最後のつめをやっているところであります。
ただ、その片方で県民生活の利便性を上げていくということもやりたいと思ってまして、パスポートの申請を例えば本庁で休みの日でもできるとか、あるいは通常なら[午後]5時で終わるようなパスポート申請もそれ以降、夜にかかるくらいまで受け付けるようにするとか、この辺をいろいろなやりくりをしながら、県民生活のほうはむしろサービス利便が向上するような工夫を考えようじゃないかということをやっています。非常に難しい状況の中ですけれども何とかまとめ上げたいというのが今の心境です。
○読売新聞 北島夏記 記者
以前の会見で、減収補てん債の検討をまだ決めかねている、決めていないということでしたが、その後減収補てん債を発行するかどうかのお考えと、減収となる額をどのくらい見積もっていらっしゃるかあらためてお伺いしたいと思います。
●知事
減収補てん債自体は、今年度の、若干私の言い方が悪くて混乱したかもしれませんが、今年度の決算で発行するものであります。減収額は地方税のほうで、13億[円]とかいろいろと減収があります。これは、算式がいろいろありまして、発行可能額は必ずしもその額ではありません。交付税上どこまで歳入カウントしているかっていう額がありまして、これは国のほうの指導などで決まってくる部分などがありまして、これは実は多めにセットしているんです。
各県それでセットしながらも交付税で見込んだほど税収が入ってこない。それで歳入ギャップを産んでいるというのが現状なんです。我々もこれを計算してみますと、影響額30億[円]とかそういうオーダーで、そういう計算では出てきます。
決算対策として、この減収補てん債の発行は一定程度はやむを得ないかなと今思っております。まだ、歳出のほうが締め切れていませんし、歳入のほうもそうしたやりくりを今やっている最中でございまして、これでどれほど相差が出てくるか、要は来年度の予算のために財源をこれだけ確保しなければならないということの反面として、今年決算対策で何をやっていくかと、今、作業をしていまして、もうちょっと時間をかけて考えたいと思いますが、減収補てん債の発行は避けられないと思っております。
減収補てん債の中にも、交付税措置が入ってくる非常に有利性の高いものもありますし、単なる決算対策だけのものもありますし、そこらは今分析をしまして考えていこうとしています。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
2月補正での使い残しというのは、何百万、何億くらいという。
●知事
ちょっと今それは精査中です。例年2月補正[予算]でだいぶん減額補正。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
100億近く。
○日本海新聞 村上俊夫 記者
総務部長段階ではマイナス95億。
●知事
大体似たようなもんじゃないかと思いますけどね、それは。
○日本海新聞 村上俊夫 記者
今のそのマイナス95億も含めて、当初予算では総務部長段階では不足財源150億という数字が出ているわけです。片方で、取り崩し額140億のギャップもある。今度、95億が2月補正の段階で不用額になりそうだというのは分かるのですが、今言われた財源が非常に厳しいということですが、150億の不足は心配なく終わりますか。現段階で150億。
●知事
そこは、やりくりをしなければ予算が組めませんので、それはやります。そのために1つの工夫として今年度のうちに減収補てん債で、決算対策をしておいてある程度基金を来年に向けて積み戻していくということをしておかないと、いけないかなという思いはあります。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
減収補てん債の発行以外の方法として、来年度から3年間の交付税の追加交付ということもあったと思います。これは、政策の問題で政策判断だと思いますが、知事が減収補てん債の発行をせざるを得ないと判断されたのは、やはり基金の取り崩しをなるべく減らしたい。知事がおっしゃったように300億の数字を確保しておきたいというようなところが、1つ動機としておありなのでしょうか。
●知事
これは、後世鳥取県に住まわれる方への約束事だと思うんです。私が任期を終える3年後までには、基金は300億[円]を割り込むようなことにはしないで、次の人にといいますか、次の期にバトンを渡していくということは最低限守るべきことだろうと思っていますので、そのために片方でやりたい事業はいろいろあると、もう片方で尻を決めて後々にきちんと引き継いでいかないといけない財産を残したいというところのやりくりですね、これが悩ましいところだと思います。
この300億のキャッピングを外してしまうという手もあるかもしれませんけども、当面そういうことではなくて、財政誘導指標は守っていきたいと、これは自立的にルールとして守っていきたいと思いますので、そこの悩みだと思います。
あと、これはうちの県に限らず、これは今回は予定外の減収があるんです。交付税の計算のときに、これだけ税収が入りますよという見込みがあります。これは、国のほうのガイドラインがありまして、ある程度見込むもんであります。我々は我々なりに抑制的にやったものが、それでも比べると相差としての額がありまして、これが20億30億の穴埋めで当面地方債を発行しておかないといけないかなという分ですね。それは出てくると思います。これは、他県もそうじゃないかなと思いますね、今回は。
○朝日新聞 井石栄司 記者
ネーミングライツなんですけども、以前に今回初めに手を付けたこの2つが成功したら、コンベンションとか、倉吉未来中心とか広げていかれるという話だったんですが、ネーミングライツの先進の横浜とかでは、あまりにもいろいろネーミングライツをやりすぎて、市民からその施設に寄贈したものは、民間企業の営利のために寄贈したのではないというようなかたちで批判の声が出てきたりしているのですが、鳥取県としてはどこら辺までの範囲でネーミングライツというのを取り入れていくつもりなのですか。
●知事
私は、無制限にやろうとは思いません。ネーミングライツにふさわしい施設かどうかというのには、当県の場合には自ずから限度があるだろうと思っております。集客施設でないと企業側もネーミングライツを取得するインセンティブが働かないと思います。
また、言いだしたら例えば図書館とか、どこだってやってやろうじゃないかということは財政的に考え得るんですけども、ただ、県民感情としてこれはむしろどっかの企業が持っているかのような印象を与えるのにはふさわしくない。そういうように思われるところもありましょうから、自ずから限度があるだろうと思います。
これは、もう少し検討してみたいと思いますが、今本当に企業側にも評価をしていただいて、実は宮崎県も含めてネーミングライツの取得に苦労している県は多いんですけども、我々は2施設成功をしましたので、さらにお話のあった[米子]コンベンション[センター]とか、もう若干やれるかどうか検討してみたいと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者(幹事社)
ほかにありますか。ありがとうございました。
●知事
はい、ありがとうございました。