○山陰中央新報 太田満明 記者
恒例の質問にしているんですけれども、初夢はどうでしたでしょうか。
●知事
初夢。初夢は、あんまりうなされた記憶はありませんので、それなりに安らかな寝覚めだったんじゃないかと思っております。寝る前にですね、ちょっと雪かきをやりすぎまして、アンメルツを塗って痛めた腰をいやしながら寝た成果か、すっきりと眠れました。
○山陰中央新報 太田満明 記者
うなされなかったということですか。
●知事
うなされなかったということですね。
○読売新聞 北島夏記 記者
今おっしゃった、教育で英語に親しめる環境という、具体的にはどういった環境というのを知事は構想されていますか。
●知事
小学校で、英語に早いうちから親しめるような。ちゃんとした授業ということではないかもしれませんけれども、英語を学んで楽しむ、そんな場づくりをモデル的にもやれないかということで、今これは教育委員会と話をしているところであります。
おそらく、モデル市町村を選んで、そこでやっていくっていうスタイルになるんじゃないかと思います。これはちょっと教育委員会が今、検討中のところがありますので、向こうでの考えも聞いていただければと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
それは小中一貫、鳥取市が今考えていますよね。ああいうかたちになるんでしょうか。
●知事
一貫校ですか。一貫校とはちょっと違います。その発想ではありません。一貫校については、これはマニフェストにも書いてあるんですけれども、中高での一貫校を公立としても、取り組めるかどうか、取り組めないかどうか。これは県民の皆さまのご意見を今聞いておりまして、来年度というわけではありませんけれども、来年度はその議論の年にしたいと思っています。
○山陰中央新報 太田満明 記者
来年度、今年度ですか。
●知事
ですから新年度ですね。
○山陰中央新報 太田満明 記者
今年度ですか。ああ、来年度か。
●知事
ええ。新年度です。
○読売新聞 北島夏記 記者
4月からそれを始めたいということですか。それとも4月から議論を。
●知事
議論はもう既にやっておりまして、本格化してくるのは多分、新年度に本格化してくるかなと思いますね。
○読売新聞 北島夏記 記者
教育の場で実際にこれが実践されるとしたら、その次の年度ということになるんですか。
●知事
いえいえ、英語の話ではなくて、今、中高一貫教育の。
○読売新聞 北島夏記 記者
ああ、中高一貫教育の。失礼しました。
●知事
これは今、意見募集をしているところです。
○中国新聞 土井誠一 記者
その話に関連してなんですけれども、知事は小学校のうちから英語を学ぶというのは、これはいいことだとお考えですか。
●知事
私は、いろんな学びのチャンスを子どもたちが持つことは、それはいいことだと思います。国語教育がおろそかになるんではないかというご意見は確かにありますけれども、国語は国語としてしっかりと、朝の読書だとか、そうした活動を通じて、力を蓄えていただくことは当然であります。それとはまた別に、違った言語がある、しかも世界の共通言語としての英語という存在があるということは、私は入れていっていいんじゃないかと思っております。
例えばローマ字教育なんかをやりますけれども、ローマ字を教育するということだけでは、やや中途半端なんじゃないかと思うんですね。これからますます国際化が進展をしてきて、子どもたちが大きくなるころには国際人としての素養が必要となってくると思いますので、鳥取県はそういう場づくりを一生懸命やって、子どもたちの未来を開いてあげることが必要ではないかと思います。
○読売新聞 北島夏記 記者
例えば、その英語教育については、どこか先例となるような他の都道府県のモデルですとか、参考例というのはあるんでしょうか。それを導入する背景というのが何かありますか。
●知事
それは、私は国際人を育てる環境づくりを割と小さな子どものうちからやっておくほうがいいんじゃないかと思うんです。英語がすべてではないことはわかりますけれども、ただ早いうちに別の言語と出会っておくことは、後々の語学とか素養の成長の上で助けになると思っております。
例えば海外では、台湾など非常に英語教育を小学校のレベルから熱心にやっているわけでありますが、子どもたちの発音を聞いていても全く違いますね、日本の子どもたちと。ですから、それはやはり割と言葉を覚える段階の早いうちでも、ある程度の親しみを持っておくことが必要なんではないかと思います。
○NHK 三浦太一 記者
県政、さまざま課題があると思うんですけれども、今年に入ってですね、自分で、このテーマを今年は一生懸命やろうという、まず挙げるとすれば、どんなテーマでしょうか。
●知事
私は先ほど申しましたように、安心と活力を県民の皆さまと地域に提供する県庁でありたいと。それを自立と連携でやっていきたいというのが今の抱負であります。
ただ、そのうちでも一番今気になっている、緊急性が高いなと思うのは、経済の浮揚であります。年末に有効求人倍率が発表されましたら0.73ということでありまして、結局、平成19年は伸び悩んだ年になってしまったと思います。県としても随分な思いを込めてあちこち出掛けていったり、新しいファンドを作ったりやってきているわけでありますけれども、もう一度私は施策の点検をする必要があると思っております。
その意味で、緊急に今日午後に企業立地の戦略の会議を急きょ招集をさせていただいております。これは年末に急きょ招集させていただいたんですけれども。その心は、やはり成果を上げていくようなことにしていくために、我々が今やっていることをもう一度点検してみる必要があるんじゃないかということであります。東京事務所、名古屋事務所、大阪事務所、そうした県外の事務所もありますし、また本庁での組織もあるわけでありますが、もっと企業の誘致に効果的にやっていく手法があるのではないかと考えます。
今、ちょっと今日点検してみますけれども、例えば回るべき企業を回りきれていなかったりとか、やや足が鈍っていたりだとか、そういう面がなかったわけではないと思います。東京、名古屋、大阪でも、非常勤の職員の嘱託の方にお願いをしてやっているっていうことにとどまっているんではないかと私は見ておりまして、組織としてきちんと、取り組んでいく必要があるだろうと思います。
それから県内の企業の足場も、必ずしもよくないと私は感じております。いろんなデータもあり、これから平成20年、向上していくというデータばかりではない。むしろ厳しいという見方の企業人が多いと私は思っております。ですから企業の皆さまに、ぜひとも元気を出していただけるような取り組みを行政も連携してやっていかないといけないんではないかと考えております。
今、私どもの地域はターニングポイントなんだと思うんです。ハイウェイ網ができるということは大交流時代が到来をするということであります。海外にももっと開かれていかなければならないと思っていまして、海の航路を模索したりということも本気でやりたいと思っていまして、そんな大交流時代を見据えて、そのときにビジネスチャンスとしてですね、鳥取県の地場の企業が力を蓄えていく、羽ばたいていく、そういう方向へ持っていかないといけないと思うんです。
ですから商工会議所や商工会、中央会といった関係団体はもとよりといたしまして、個別の企業の問題意識もしっかりとくみ上げて、一緒になって行動していく、そんな県庁につくり替えていく必要があるんではないかと思います。今まで行政が下手な分野だったことは自覚をいたしておりまして、今日はそのために総点検をして、申し訳ないですが少し活を入れさせていただきたいという気持ちで会議を招集いたしました。
○日本海新聞 村上俊夫 記者
非常に大切なことだと思うんですけれども、そういう県の職員だとか、鳥取県で着実に努力する部分と、それからもう一つ、言われた逆風の大本に対してどういう対応をするのか。一部には北川三重県の元知事を中心として地方分権連合を立ち上げようではないかというような動きもあるようですが、その国の制度設計等について知事は、例えばその地方分権連合に参加をするというようなことも含めて、どういう迫り方をされようとしておられるのか、お聞かせください。
●知事
私は地方分権連合についてはお誘いを受けたわけではありませんで、その詳細は承知をいたしておりませんけれども、4月から活動をしてきて、知事さんの中にも、各県のパートナーも見つかったと思っております。今一緒に行動している若手の知事はもとよりでありますが、秋田[県]とか、話をできる知事さんはできてきております。私は予算編成も一段落したら、今村上[日本海新聞記者]さんがおっしゃるような、国全体を変えていってもらうことに取り組む時期が、来るだろうと思っております。これはちょうど選挙もあるという時期になってくるかもしれません。そうしたときに地方としての声を、しっかりと上げていかなければならないだろうと思います。
今の経済については、原油高対策のように、全く日本国政府だけでも何ともならないことはあるとは思うんですが。ただ、政府としてやっていただかねばならいことも、いっぱいあると思うんです。それは特に今の国内の経済発展、地域発展があまりにもまだら模様になってきている。一部に集中して富をもたらされていて、分散されていないということであります。これは国家としての効率にも反するものだと、私はにらんでおりまして。国としても地方部が元気になるような、産業の分散政策などを本気で始めてもらう必要があるのではないかと思います。
それによって、例えば今、洞爺湖サミットが開かれようとしておりますが、環境面に対する負荷も和らいでくると思いますし、それから実は国全体としてのコスト高も、下がってくるんだろうと思うんです。それが今忘れ去られて、どちらかというとムードで「寄らば大樹の陰」で、東京[都]だとか愛知[県]だとか、そうしたところに集中しているのが現状だと思いますので。これをもう一度、国の屋台骨から立て直してもらうことが必要だと思っております。そうした意味の地方分権連合に参加するかどうかはともかく、地方としての一体性のある運動には、私は身を投じていく覚悟はあります。
○山陰中央新報 太田満明 記者
先ほど知事の言葉の中で、海の航路を本気で模索したいという話がありましたけれども。江原道との交流再開の話の中でフェリー就航の話がございましたけれども。具体的にはいろんな垣根といいますか、国際間の航路になりますので、そう簡単ではないんだろうと思うんですけれども。話がどこまで進んでいるか分かりませんが、何か進んでいるものがあればお教えいただけますか。
●知事
今は摸索中という段階でありまして、この場で申し上げられるような状況では、正直ありません。ただ、精力的に県庁職員とか境港の管理組合の職員に、韓国のほうに出掛けていってもらっています。
私自身も今、日程の調整をしておりますけれども、江原道平昌(ピョンチャン)で開催されます向こうの雪祭りで、今日はねずみ男が出てきましたが、鬼太郎の雪像を造って、あ、これはちょっとまだかな。もう遅いですね。鬼太郎の雪像を造ってみようという、今考えをしておりまして。それは向こうで実はテレビが始まるそうです、ケーブルですけれども。そういうタイミングをとらえて、鬼太郎で売り出そうかっていうんですが。その鬼太郎の雪像を造って、平昌で鳥取県のPRをさせていただくときに、その関係先も回って、航路開設に向けた協力を呼び掛けていきたいと思っております。これは船会社とかも行ってみたいと思っております。
○山陰中央新報 太田満明 記者
県内でも当然、手を挙げる業者があるのかどうかということだろうと思いますけど。
●知事
県内の業者というと、日本側で航路を開設するんですか。
○山陰中央新報 太田満明 記者
業者がですよね。フェリーってなると業者が。
●知事
荷物ですか?
○山陰中央新報 太田満明 記者
はい。
●知事
それは当然ながら、その荷物を例えばロシア向けだとか、韓国向けだとか、それは考えていかなければならないと思います。これも行政だけでできる問題ではありませんので、民間の皆さんと一緒になって、この夢を追い掛けてみたいと思っています。
○日本海テレビ 松本俊 記者
雪祭りについて、もう少し詳しくお話をしていただきたいと思うんですけど。
●知事
この平昌の雪祭りは、韓国でも集客力のあるイベントでありまして。日本でいうと、札幌の雪祭りと同じようなイメージで、考えていただいたらいいんじゃないかと思います。その舞台になるのは、『冬のソナタ』のロケ地にもなりましたスキー場のところでございまして、景勝地で開かれ、観光客にも親しまれているところであります。
そこで鳥取県が、実はスキーのメッカでもあるということも含めて、鳥取県の温泉だとかゴルフリゾートだとか、そうした魅力を訴えてまいりたいと考えております。この平昌にまいりますのは、江原道との交流が再開されたということ、これについて江原道の皆さまに感謝を申し上げるとともに、これからの交流のきっかけとして、このイベントに参加をさせていただきたいという気持ちであります。併せて米子-ソウル便のこともありますので、鳥取県のほうに観光でやってきていただける方々を増やしていきたいと思い、そのPRもその場でさせていただきたいと考えております。
今調整中でありますけれども、このイベントには韓国江原道のキム・ジンソン知事も鳥取県側のイベントに参加をしていただけないかと、今呼びかけをしているところであります。今調整中のこといろいろございますので、また整いましたらご報告をさせていただきたいと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
キム・ジンソン知事ですけれども、鳥取県に来られる正式な予定とかありますか。正式にと言い方はおかしいんですけど。
●知事
私どもとしては、ぜひ来ていただきたいと思っておりますが、新年度になるかもしれませんね。それはまた調整してみたいと思います。まだ予定はありません。
○日本海新聞 荒木隆宏 記者
県内のことなんですけれども。今年3月には志戸坂峠道路が開通しますし、これから毎年、姫鳥線が順次開通していくことになりますけど。それをにらんだ活用策というか、なかなかそれがまだ出てきてないと思うんですけれども。その辺も含めて、今後その高速道路を活用した、県の展望といいますか、聞かせていただけませんでしょうか。
●知事
高速道路がいよいよ3月に志戸坂峠から智頭[町]のインターチェンジのところまでやってくることになります。さらに[鳥取市]河原[町]そして鳥取市の中心部に延びてくるわけでありまして。いよいよ大交流時代が幕開けをするという情勢になってまいりました。私ども鳥取県としては、ぜひこの機会をとらえて、鳥取県はとても仕事になじむところですよ、ビジネスになじむところですよという、そういう運動を展開していきたいと思います。
そういう観点で、私は近畿圏とか山陽圏とのつながりを重視していきたいと思います。近畿圏とは、向こうでのイベントなんかもやって、観光だとか企業誘致なんかにつながるようなPRを、精力的に展開していきたいと思っております。それと併せて、行政レベルででも意識を共有したり、また近畿一円となって行うような観光イベントなんかに、参加できるようになったらいいなと思っておりまして。
つまり近畿の中の鳥取県ということですね。海外から来るお客さんにも、認知をしてもらうとか。それから近畿の中でも、観光の目的地としての認識を高めてもらうとか、そういう意味で、私は近畿の知事会に参画をさせていただいたほうがよいのではないかという気持ちをもっております。これは今までも、何かチャレンジした時期もあったそうでありますが、実現してこなかったわけでありますけれども。私としては、そういうこともやっていく必要があるだろうと思っています。
併せて年末の全国知事会議のときに、岡山県の石井知事にもお願いをしたんですけれども。最近いろんな理由があって、岡山県と鳥取県との間で、対話がスムーズにいっていないんではないかということも言われておりました。ただ、そうした問題も解消されてきていると思いますので、石井知事に、事務局レベルでいろんな話し合いを持つことはあるんですけれども、もっとレベルを上げて、対話を岡山県と鳥取県の間でも開いてみませんかというお願いをいたしました。私はそのときの印象では、石井知事はオーケーくださったんじゃないかと思っているんですが。
そういうことも含めて、山陽側、岡山県との対話というのも、これからはしっかりとやっていく必要があると思っておりますので、私自身もそうした石井知事と話し合う、懇談するチャンスを作らせていただくとか、そんなこともやってみたいと思っております。今岡山[県]から鳥取県のほうに、岡山[県]のほうが景気がいいところがありまして、特に自動車関連産業など元気でありまして。そうしたところの影響で、こっちに進出しようという企業さんもあります。ますます絆が深まってくると思いますし、そういうことを促進するためにも、そうした山陽側とのパイプを太くしていきたいと考えております。
○日本海新聞 荒木隆宏 記者
先ほど企業誘致の件でも、県外の東京事務所だったり、大阪事務所の話がでましたけれども。今回これどこの県でも、大阪事務所も大阪、近畿圏ということになっていますけれども。組織的な県外事務所の充実みたいなのもいるんじゃないかと、今お話をお聞きしていて思うんですけど、その辺についてはお考えどうでしょうか。
●知事
それはちょっと今日、まず点検させていただきまして、県外事務所の在り方について、予算編成時期までに考えをまとめていきたいと思います。例えば大阪事務所も、大阪だけでなくて、関西一円とのパイプを作ってもらう関西事務所といいますか、関西事業本部といいますか、そんなふうに改組していくことも必要かなと考えております。まだ今、検討段階といいますか、自分の腹の中で考えているところです。
○山陰中央新報 太田満明 記者(幹事社)
ほかにありますか。はい、ありがとうございました。