●知事
皆様、こんにちは。まず冒頭、岩手・宮城内陸地震におきまして被災された方々、10人の亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、お見舞いを申し上げたいと存じます。
私もこの件につきましては、宮城[県]の村井知事と2度ほど連絡をとったり、岩手[県]の副知事さんと連絡をとったりしながら、我々として応援できることがないだろうか、それを相談している最中でございます。いずれにいたしましても、一刻も早く行方不明のかたが発見をされますことをお祈りを申し上げたいと存じます。
●知事
そして、ただいま5月の定例県議会が閉会をいたしました。私どもの提出した全議案が無事可決をいただきましたこと、大変に喜んでおりますし、これをばねとして県政の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
今議会の最大の焦点となりました[県立]鳥取東高[等学校]、それから[県立]米子東高[等学校]、[県立]倉吉東高[等学校]の専攻科問題につきまして、私は非常に活発な議論がなされたものと考えております。
最後の最後まで、それぞれの各議員がみずからの良心、見識に従って投票された結果が出ましたので、私はこの結果を尊重して、[県立]鳥取東高[等学校]の専攻科は明年度廃止をし、そして[県立]倉吉東[高等学校]、[県立]米子東[高等学校]については当面2年間存続をしながら、議会でも検討されるということでありますが、我々としても検討したり、それから民間の予備校などの私学との調整とか、そうしたことをやっていくべきではないかと考えております。
●知事
それから、最近の事件として一つ気になりますのは、ダガーナイフを用いた凶行な犯罪が東京の秋葉原で起きました。これは他山の石としなければならないと思います。我々でできることをいろいろと今対応を考えるように各部局に申し上げているところでありますが、まずは、[鳥取県]青少年健全育成条例に基づいて、青少年に対するダガーナイフの販売を禁止をする、そういう措置を講じるべきではないかと考えておりまして、これは可及的速やかにそれを行うように指示をいたしております。
それから、本日成立をいたしました議案の中で、鳥取県犯罪のないまちづくり[推進]条例があります。これに基づき、県の方で犯罪のないまちづくりの推進計画を作ることになっておりますが、この推進計画の中でも、このダガーナイフなどのそうした凶悪な事件に対する対応方針でありますとか、それから、最近の硫化水素の事件もございまして、こういうものが連鎖が断ち切れない状況がございますので、こうしたものにも、新しい推進計画の中で事業者の責務をお願いするなど、取り組みを書いていったらどうかと、こういうふうに検討を始めようとしております。
またさらに、本日の鳥取県の防災についての会議がございますが、ここでも地域防災計画を県として再策定すること、改正することにしております。この中にも硫化水素を取り上げさせていただきまして、こういう危険物による災害が起こった場合には、発災した場合に対する対応についても地域防災計画の中に明記をしようと考えております。このように安全・安心のまちづくりを推進をしていく手だてを講じていきたいと思っております。
4 北朝鮮による拉致問題の早期解決に向けた国への要望について
●知事
それから、次に、最近のことといたしまして、政府において北朝鮮と拉致問題についての話し合いがありました。これで北朝鮮側は再調査をすると、従来の拉致被害者問題は解決されたという立場はとらないと明言をしているわけでありまして、一定の前進であると私は思いますが、ただ、肝心なのは、再調査がしっかりと実行力をもってなされて、しかも私どもが望んでおります松本京子さんを初めとした拉致被害者の完全な帰国を望むわけでありまして、その結果が出ないといけないと思います。
ですから、政府側に早急に働きかけようと思ってまして、きょう[県議会が]閉会しましたので、明日、内閣府の中山補佐官初め関係者のかたに私どもの思いを伝えたいと思います。
拉致被害者の事件の一日も早い完全な解決を求めるとともに、今出されております経済制裁などの緩和については、ぜひ慎重に考えていただきたいと。あまりこれを急いで再調査の実が上がらないようなことにならないようにしていただきたいと思いますし、再調査にも、可能なら日本政府側の関与も行うなど、そうした対応力を高める申し入れを政府としてもしていただきたい。こういうことを働きかけに行く必要があると考えております。
●知事
そして、明晩から、ブラジル移民 100周年などの行事の関係がございまして、鳥取県を外すことになりますが、その中で、21日にブラジルで大規模な移民 100周年の記念行事が予定をされております。サンパウロで行われますが、皇太子殿下が御臨席のもと、県知事も10人ほど集まるようでございますし、各県の関係者も集まる中での式典となります。
鳥取県からは代表団が参りますけれども、今、ブラジルでは傘踊りが認知をされているそうでありまして、これは鳥取県人の向こうでの御活躍があったからこそだと思いますが、その式典の一環として傘踊りをされるということでありますので、私も及ばずながら下手な芸を披露させていただこうかなと、列に加わろうかなと考えております。
議会の皆さんも今一生懸命練習をされているというふうに伺っておりますので、そうした意味で、鳥取県の移民の皆さんの御労苦に感謝を申し上げながら、鳥取県の存在もアピールをさせていただきたいと考えております。
そのほか、第二アリアンサ[鳥取村]などを訪れたり、それから北米の方に戻りまして、ニューヨークでジェトロ関係者とか、それから大使さんだとかと面談をさせていただくことにいたしておりますし、そういう意味で、これからのアメリカとの販路開拓などについても話し合いたいと思っております。
それから、近年、平成12年から民間で交流が始まっておりますバーモント州も訪れることにいたしております。平成14年に[米子]がいな祭にバーモント[州]の太鼓グループが参加をしたりしておりまして、平成16年には鳥取県国際交流財団とバーモント州の日米協会が姉妹組織締結を行っています。それから、ことしに入りまして鳥取大学とバーモントの大学との間の学術交流協定が成立するなど、徐々に民間レベルでの交流が高まってきております。
その意味で、バーモント州政府の方に打診をさせていただきましたところ、バーモント州のジェームズ・ダグラス知事が面談いただけるということになりましたので、お会いをいたしまして、これからの交流促進についてメモランダムを交わすなどやってまいりたいと考えております。私の方から以上です。
○朝日新聞 井石栄司 記者(幹事社)
各社、質問ありますか。
○毎日新聞 小島健志 記者
ちょっと話はずれるんですけども、公務出張のマイル問題なんですが、鳥取県ではどのように扱っているんでしょうか。
●知事
これはこれから検討することになると思います。国の方で、例えば政府としてそういう出張者の旅費を出したものとしてマイルをキープするという制度を今交渉されると言ってますんで、それに注目をしております。そういう制度がうまいことできれば、我々もかなりそれを活用できるんじゃないかと思っております。
鳥取県の場合、ちょっと他県とか国と事情が違いますのは、マイルのプログラムと表裏一体となったマイレージカードを使って、それで県職員の出張の航空券を割り引いてもらうという、そういう制度になってまして、ここがどうやって整理がつくのかというのは、我々もちょっと難しいところでありますね。今の国の動きを見て検討する必要があるだろうと考えております。
○日本海新聞 小谷和之 記者
先ほどアキバ[秋葉原]の無差別殺人を受けて、ダガーナイフの県内での販売を禁止する。
●知事
青少年に対するですね。まずは、ツールは限られてまして、本当は国の方の法律で、凶器の携帯や所持を禁止する法律の方の規制が一番強いと思います。これを待っているのも、私はやや遅きに失するかなと思いますので、少なくともできる手は順次打っていく必要があるだろうと。
○日本海新聞 小谷和之 記者
未成年者への販売を禁止。
●知事
これは、[鳥取県]青少年健全育成条例には凶器の販売についての制限規定がありますので、その制限規定を適用したいということです。
○日本海新聞 小谷和之 記者
その条例の中にダガーナイフの販売、所持を禁ずるというような文言でいくと。
●知事
知事の指定というのがありまして、これ審議会の審議を経てから指定に入ります。ですから、手続にちょっと時間がかかりますが、できれば月内とか、なるべく早い段階で指定したいと思います。
○日本海新聞 小谷和之 記者
販売、所持もだめだという。
●知事
販売ですね。未成年者への販売。
○日本海新聞 小谷和之 記者
所持はいい。
●知事
所持などは、これはですから凶器の携帯の方の国の法律が本来だと思います。それで、私は安心・安全のまちづくりのための今回成立した[鳥取県]犯罪のないまちづくり[推進]条例に基づきまして、県でこれから協議会を作って、それで県としての推進計画を作るんですが、その中に、事業者のかたにも御協力いただきながら、特に凶悪な刃物類の販売だとかそういうものを抑制する措置だとか、例えば、これは民間の事業者の協力を得てということになろうかと思いますが、どういう目的に使うかとか、そういうことを成年者であれば開示をしていただくとか、何らかの措置が必要なんではないかと思っております。
○日本海新聞 小谷和之 記者
販売禁止となれば、特にそういう購入目的云々に関係なく、とにかく販売したらだめだということですか。
●知事
そう、未成年者については、販売した方が、これ罰則つきの条例になっていますので、かなり強いと思います。
○読売新聞 北島夏記 記者
採血器具の使い回しの問題で、県の方で今調査をされていると思うんですが、ちょっと気になっているのは、市町村の主催する健康事業での使い回しの実態というのは、国の依頼を受けて県が調査をして把握していると思うんですけれども、それは一貫して県の方では公表されないと。それから、もう一つ、病院とか、それからきのう発表がありました県の主催の健康事業、これについても公表はされているんですが、当初取材を拒否されたりとか、発表が1週間程度遅れたりとか、ちょっと対応に問題があるような気がするんです。例えば国の調査であれば、県がまとめ役であっても、県が公表する立場にないという姿勢なんですけども、知り得たからには、今、相談窓口も開いていることですから、積極的に公表するべきだと思うんですが、知事のお考え、どうでしょうか。
●知事
このたび、県の健康増進事業で行っておりました採血器具、これは針は使い回しておりませんので、感染の可能性は極めて低いと思っておりますが、消毒をしながら、同じキャップといいますか、それを使っていたということでございまして、この点については、県民の皆様におわびを申し上げなければならないと思っております。いろいろと相談窓口も作らさせていただいて、真摯に対応をさせていただきたいと思いますので、御協力をお願いを申し上げたいと思います。
今御指摘ございましたように、県では独自に、まず医療機関に対して最近の使用状況の調査を行い、これはもう公表いたしました。それをやっているときに、国の方から非常に幅の広い調査が来ておりまして、現在その調査の集計を行っているところです。恐らく具体的なその中身は、多分、国の方の調査でありますんで、国と、これは要件に当たるかどうかとか、そうした調整を行ったり、現場の医療機関だとか市町村と事実確認を行ったりして固めながら集計していくことになると思うんです。
ですから、そういうことで、ある時点で、それはでき上がれば、もうこれで間違いない、数字は動かないという、その名称は動かないということになったときには、私は開示可能ではないかと思いますので、北島[読売新聞]記者おっしゃいましたけども、市町村の分を開示を拒否するということはする必要はないんじゃないかと思いますので、それは担当部局とよく話をしてみたいと思います。
ただ、国の調査でありますので、国の要件を確認したりして進めなければならない部分が今回ございますので、そういう意味で、ちょっと時間が多少かかるかもしれないと思いますが、いずれにせよ公表すべきものだろうと思います。
○山陰放送 山本収 記者
イカ漁のことで、今回の議会でもいろいろな支援の予算なんかもついていますけれども、その中で、きょうあすとイカ釣り船が一斉に休漁ということになっていますが、それに関して知事の感想をお願いします。
●知事
非常に今、原油の高騰で、漁業者のかたが大変追い込まれた状況にあること察するに余りあります。その意味で、このたび私どもも議会の方に提案をさせていただきまして、例えば船の抵抗力を小さくして省エネに資するようなことをやった場合だとか、それから順番に休漁日を設定しまして、そして輪番で回ってきたときにはそれを補償するようなお金を出すような仕組みをやるとか、いろいろと考えられることは手は打ってきております。
ただ、残念ながら抜本的な問題、すなわち油がどんどんどんどんウナギ登りに上昇していること自体に、なかなか地方自治体の手ですべて始末できる状況ではないと思っています。今ようやっとサウジアラビアが増産に踏み切ろうという報道もなされ始めて、世界的な油の需給バランスも変わりつつあると期待していますけども、ぜひ早期に正常化していただいて、相場を鎮静化させることがまず第一だと思いますし、それから、これは全国の漁業者が連帯して求めていることでありますが、国としても、今、 102億[円]の基金での措置をやっていますけれども、もっと力強い施策を出してもらわないと、なかなか、漁業の将来が危ぶまれるんではないかと思います。
県漁協も昨日、本部を作って国への要望活動を強めようとしておられますので、私ども県としてもそうした皆さんと連帯をして、国への働きかけを強めなければならないと思っております。
○産経新聞 奥村泰雄 記者
DBSクルーズの話なんですけど、今、境港の国際フェリーターミナルの工事は凍結状態ですよね。このままクルーズの準備が長引いた場合、いつが工事着工のデッドラインになるんですか、いつまでに工事をしないと予算が消化できないというか。
●知事
今、私どもがDBS[クルーズフェリー社]側から伺っておりますのは、2月以降の就航ではないかと伺っておりまして、それに間に合わせようと思うと、恐らく秋でしょうね、9月、10月というタイミングであれば多分間に合うかもしれません。ともかく、ちょっと正確には工期を組んでみたりしなきゃいけませんけれども、最低3カ月かそこらはかかると思いますんで。
○産経新聞 奥村泰雄 記者
秋の早い段階で工事にゴーとすれば。
●知事
それは間に合うと思いますね、秋に入って早い段階であれば。今、DBS[クルーズフェリー社]側でその出資についての調整を行ったり、船の調達についてのいろんな努力をされてまして、我々もできる御協力はしようと動いているんですけども、まだめどが立っている状況ではないのが現状でありますので、今は着工をとどまっているというのが正直なところです。
○産経新聞 奥村泰雄 記者
じゃ、動きがなければ、秋までこのままの状態が続くという。
●知事
そうです。ただ、あちらも諸準備がありますので、そう長くかかる、検討期間長く、これ以上長くなるわけでも多分ないだろうと思いますけども。
○産経新聞 奥村泰雄 記者
結論が先に出ると。
●知事
結論は、もちろん秋までには当然出ている状態だろうと思います。
○毎日新聞 小島健志 記者
公金外の県の管理するお金の調査についてなんですが、いつごろまとまりそうですか。
●知事
これは今、一次的な集計をしつつあるところでして、その情報の確認をどうも事務局でやっているようです。6月いっぱいぐらい集計かかるかもしれないですね。来月早々には出るんじゃないかと思いますが、ちょっとそれは事務の進みぐあいによります。
○山陰中央新報 太田満明 記者
最後。ブラジルですが、長旅になられますが、一言、決意表明といったら大げさですけども、抱負か何か、一言お願いできれば。
●知事
今回は、サントス港に笠戸丸が着岸して 100年目を迎える節目ということになります。皇太子殿下初め日本側からも主だった人が行き、この 100年間、決して平たんな道ではなかった移民の皆様の御労苦をねぎらいたいと思っておるところでございます。
この機会に、鳥取県の県人会のゆかりの方々、また、鳥取県の先人たちがその地を開くと決意をし、汗を流された第二アリアンサ[鳥取村]、これらを訪れて、往時の御労苦をしのび、また、関係者を心よりねぎらってまいりたいと思います。
正直申し上げて、一部には鳥取県がまるで棄民をするかのようにブラジルへ送り出したこともあるんではないかという指摘もあるぐらいでございまして、その御労苦に対する私どもの誠意も示す必要があるだろうと思います。 100年たって、一通りの繁栄を、そのブラジルの子孫の皆さんは遂げつつあるわけでありますけども、それをもっともっとこれからも応援をし、日本とブラジルとのきずなを深めていって、それは鳥取県の地域の発展にもつながるようにしていきたい。そういう願いを込めて参りたいと思います。
○日本海新聞 小谷和之 記者
産廃処分場の件なんですけども、平井知事はこれまで、前任者[(片山前知事)]と違って積極的に参与の姿勢を示しておられるんですけれども、県が今後計画実現に向けたサポートということでどういった支援が考えられるのかという点と、あと、今、地域振興費として出すお金の条例は公布されとるようなんですけども、それを実際に動かしていくための施行規則というんですか、それがまだ整備されてないようでして、それをどういう話、計画の進展ぐあいの段階を見きわめて、そういう施行規則を作っていくのかと、その2点を手短で結構ですので。
●知事
これについては、産廃処分場を実際設置することになった場合には、周辺の住民の皆様、地域の皆様の安全を保障するとともに、進行について県も協力する必要があると思っておりまして、以前定められました産廃処分場周辺対策の条例[鳥取県産業廃棄物処理施設設置促進条例]を動かす必要があると思います。規則等の諸手続がまだ明確でない部分については、速やかに手続を整備をしたいと思います。そうして地元の皆さんにも安心していただいて協議の輪に入っていただけるようにしたいと思います。
○朝日新聞 井石栄司 記者(幹事社)
ほかなかったら、以上で終わりますが、いいでしょうか。じゃあ、ありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。