●知事
皆さん、おはようございます。昨日は、暫定税率の再可決など、いろいろどたばたといたしました。歳入についての欠損がふさがれるということは喜ばしい限りでありますけれども、一日も早く与野党間の協議が正常化をして、そして地域や、あるいは住民に迷惑のかからないような、そういう基本的なスキームを考えるべきだと思っております。
●知事
昨日の議決の中で、ふるさと納税も可決をされたわけであります。早速県の方でも、教育委員会が中心になりますが、子どもたちの教育のために本を読むため、また、体を鍛えるため、スポーツで思いっきり汗を流すため、そうしたジュニアスポーツや、あるいは本のプレゼントなど、そうした事業に充てていきたいと思っております。
これについては、全国の皆様に呼びかけて、鳥取県を応援をしていただきたいと思っております。例えば夏の帰省の時期など、こちらの方にゆかりの方々が帰ってこられるときにキャンペーンをやってみようかとか、いろいろと今アイデアを考えながら進めていきたいと思っておる次第でございます。
●知事
ただ、それにつけても、今回の道路の、公共投資がまだまだ見通しも厳しい中で、県内の雇用も失われてきているというのは、非常に気になるところであります。有効求人倍率が 0.7を切ったことはまことにショックでありますが、ただ、3月のああした大きな倒産事案などを見ておりますと、いたし方ない面もあったかと思っております。県としても、出納長をトップにして、きょう、関係部局で知恵を出し合おうという会議を開かさせていただきたいと思っています。
企業誘致や県内企業の立地、拡張など、我々としては最大限の応援をしていく、その活動を強めることは変わりがないところでありますが、さらに、当面の雇用の問題もありますので、県内の企業の皆さんにも協力を求めるような、そうしたキャラバンのようなことも必要かなと思っています。国のハローワークなどと協力してできるかどうか、ちょっときょう話し合いをすることにさせていただきました。
●知事
幾つか私どもの方から申し上げたいこともございます。一つは、硫化水素による自殺が全国で相次いでいることであります。こうして命を落とされる方々の苦しみ、それは本当に痛切なものがあり、そのことに対してまことに悲しみを覚えるわけであります。亡くなられたかたや御家族に対しては、哀悼の誠をささげたいと思います。
さらに、この硫化水素の自殺の背景としていろいろと報道されるようなこともございますし、また、そのことで周辺の方々に御迷惑がかかる事象も報告をされています。正直申し上げまして山陰でもこの硫化水素に絡む事案が否定できないところでございまして、そのことも、いろいろ原因の究明なども待たれるような事案もあるわけでありまして、そういうことから、県として関係機関と話し合って、この5月の連休の機会に自殺予防の緊急メッセージを出させていただくことといたしました。本日中にパンフレット、チラシを作成いたしまして、広く呼びかけたいと思っております。
自殺をしよう、死にたいと過去に思った人は、少なからずおられると思います。しかし、そのとき思いとどまって、その後、あのとき死にたいと思ったのは何だったのか。あれは結局苦しみから逃れるための自分自身の弱みだったかもしれない。そういうように思い至ったこと、それは結構多くの方が経験をされておられると思います。ですから、死にたいと思われることがあっても、周りの人に相談をするとか話を聞くことをぜひお願いをしたいと思います。
県の中にも、県庁で例えば福祉保健局など身近な機関もございますし、あるいは精神保健の関係のところもございますし、消費生活相談室もございます。さらに鳥取県内ではいのちの電話などもございます。そういうところにぜひ相談をしていただきたい。そういうような呼びかけをいたしたいと考えております。県のホームページでもその旨を訴えかけ、またチラシも配布させていただくなどして、そうしたメッセージを県としても関係機関の方々と協力して出させていただきたいなと思っております。
●知事
あわせて、硫化水素は非常に毒性が強いものでありまして、卵が腐ったような臭いがいたします。そういう場合には、 110番だとか 119番など緊急通報をしていただきたいと思います。余りそうしたところに近寄るとかいうことは、かえって二次的な被害を生じる危険もありますので、このこともお願いを申し上げたいと思っております。
6 三徳山世界遺産登録推進のためのロゴマークについて
●知事
それから、私どもの職員の方で、三徳山の世界遺産登録を目指そうということで、みんなで考えましてロゴを作りました。職員のほぼ手づくりによるものなんですけども、このように「三徳山 私たちは三徳山の世界遺産登録運動を応援しています」という、こういうロゴですね、こしらえさせていただきました。
職員が自分で作りまして、多少、もちろん体裁を整える意味で業者さんなんかにも御協力いただいております。いろんなグッズに使いまして、名刺とか、それからこのように三徳山の四季を紹介するようなそういうしおり、これもデザインなんか職員の手作りでしました。
中部[総合事務所]の県民局の方で中心になって作ったわけでございまして、これをPRのグッズにさせていただきまして、三徳山の世界遺産登録という県民の夢に向かって、県庁も応援をさせていただきたいと思っています。既に倉吉の商工会議所さんなどで御協力をいただいておりまして、封筒に使うなど、そうした意味で県民的な広がりが出てくることを期待しております。
このロゴ自体、これはどなたでも使っていただきたいと思っていまして、あえてデザインは公開をして、ホームページなどでダウンロードしたり、あるいは県庁の中部[総合事務所]県民局の方にお問い合わせいただきましたら、この原画といいますか、それを御提供申し上げたり、そういうように活用していただきたいと考えております。なかなか、予算がない中ではありますけども、職員の手づくりでやっているということで、皆さんにも知っていただければなと思っておる次第でございます。私の方からは以上です。
○日本経済新聞 斉藤徹弥 記者(幹事社)
各社、お願いします。
○日本海新聞 小谷和之 記者
後期高齢者医療制度の不服申し立て審査会の件なんですけれども、先般、そういう県の方がまだ設置していなかったということがわかって、担当部局からの説明を聞いたんですけども、その中で印象を受けるのが、2月下旬から人選の作業を進めて、正式に連合などを通じて人選、人を上げてくるよう依頼したのが3月31日という時期。それで、担当部局の方は1日に審査会を設置しようと考えておられたようなんですけども、そういう手順を見てますと、ちょっと県の方の作業、準備が余りにもちょっとお粗末だなという印象を受けるんですけども、審査会がなかなか準備が、制度発足と同時にできなかったことについて、知事の所見をお伺いしたいんです。
●知事
非常にこのたびの私どもの手順が滞っていたこと、大変に、県民の皆様にもこの点はおわびを申し上げたいと思います。私もこれを承知しましたのは先週の末だったでしょうか。それで直ちに設置するようにと。それで、あともう一人の方が決まってないところがあるということだったので、それはすぐに御了解をいただいて、決裁は直ちにやるということにいたしました。
ですから、週明けにはその体裁は整っておりまして、今ではもう審査会は設置されている状態にはなっております。3カ月以内にお返事をする期間が制度上セットされていますので、その期間内には必ずお答えはできる体制にはなったとは思っております。
ただ、いろいろ反省すべきところは多いと思っておりまして、関係部局の方にそれについて猛省を促すとともに、原因をよく調べるように今申し上げているところでございまして、こうした事態が二度と起こらないように徹底をさせていただきたいと思います。
○日本海新聞 小谷和之 記者
1日からスタートするというのは、もう既に何カ月も、何年も前からわかっていると。これまで県行政の手法を見てますと、こういった法や規則にのっとったもののこういう審査機関なんかは抜かりなく作ってこられたし、それ以外でも県独自にさまざまな場面でセーフティーネットというものですかね、考えてこられて、この今回の事例を見ますと、ちょっとそういう意識が後退したのか、低下したのかなという印象を受けるんですけども、その辺どうでしょう。
●知事
審査会が、時折ちょっと任期が切れてしまうということは全くないわけではないんですけども、今回のように後期高齢者医療制度に非常に住民の皆さんの関心が高く、不服申し立てがあったときに迅速に対処しなければならない事象でございますので、私は気の緩みといいますか、組織の中にそうした現場感覚の欠如があったのではないかなというように思っております。
今回のことが現実問題として御迷惑がかかることがないように、直ちに審査を行うことこそ必要だと思ってまして、審査会の委員に就任された皆さんの御協力を得て、連休明けには開催をして、今抱えています事案を審査をしてもらうことといたしております。
今回、後期高齢者医療制度についてはいろいろと問題点も指摘されており、住民の皆様のお気持ちもあらわれていると思います。不服申し立ては、特にそのことについて訴えるものが予想される話でございますので、今回の手順の誤りというのは、私どもとしてはあってはならないことであったと考えております。
○山陰中央新報 太田満明 記者
その問題ですけれども、手順の誤りというのは確かにあったんですけれども、それより大事な問題というのは、部長にもそれを報告してなかったという問題だろうと思うんですよ。徴収ミスやら何やらで後期高齢者問題が国民、県民に相当の不安を与えている中で、遅くなったのはそれなりの事情があるのかもしれないですけども、少なくともそれを上司に報告してないということは何なんだろうなと思うんですけど。
●知事
今回いろいろと問題点はあると思います。私は、その事案について原因をよく解明をして、その構造を正す必要があると思ってまして、職員管理サイド、それから担当部局の方に原因についてちゃんと調べるようにと、こういうように申しております。
今回は、組織的に対応がきちんとできていればよかったんでしょうけども、ややセクショナリズム的に担当者任せになってしまっていて、肝心のところが抜けてしまったのかなと思います。後期高齢者医療制度はいろいろと議論をされていて、大きな話の方に翻弄される中で、本来県が役割を担っているこの審査の部分に目が行かなくなってしまった。そんな組織的な病理が生まれていたのかもしれません。今後の教訓として、私ども、ここは真摯に受けとめなければいけないと思います。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
確かに県が役割を果たせなかったのは問題なんですけれども、広域連合という非常にわかりにくい、保険者の主体である広域連合というのは、非常に県民にとってわかりにくいシステムだと思うんですよね。本来、その辺の問題についてはどう思われますか。制度の根幹にかかわる問題なんですけれども。
●知事
結局、今、広域連合がやっているのは、私は、市町村単位で国民健康保険、あるいは前の老人保健制度もそうでありますけども、運営をされていたわけでありますが、小さい単位でこうした医療保険を扱いますと、例えばたくさんお金のかかる病気などがございました場合に、小さな単位の中でそれをみんなで負担しなければならなくなります。ですから、なるべく大きな単位で保険財政を行う方がいいだろうと、そういう制度設計で市町村の連合体でやろうというふうになったんだと思います。
私はこの市町村の連合体、確かにまだなじみがないですけども、保険財政、ある程度大きなところで、要は腰だめを持った状態で高齢者の医療にサービスを提供していこうという体制づくりでありますので、制度設計として、そこは一概に間違いとも言えないと思います。
ただ、やや縁遠い組織になってしまうというような面がどうしてもありますから、その構成自治体である市町村とよく連携をとって、最終的にはレセプト審査などを広域連合で行うんでしょうけども、それぞれの窓口となる市町村の方がしっかりと住民の皆様のニーズにこたえられるように、これから手法を確立していく必要があるんじゃないかと思います。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
ただ、確かに縁遠い存在であって、これだけ非常に切実な問題を抱えている制度にもかかわらず、縁遠いから、なかなか県民にとって、県がそういうふうな審査会を作るのも怠っていたいうぐらいに、新しい組織に対してなかなかなじみがなかったということもあると思うんですけども、例えば、非常に根幹にかかわる問題なんですけれども、連合会よりも都道府県が本来担うべき機関ではないかとは考えられませんか。
●知事
それは、私はその議論の余地はあると思います。市町村の連合体が行うのか、自治体である都道府県が行うのか、そういう議論の余地はあると思います。これ自体は、結局みんなが出資して作っているものです。
県も応分の負担をしていますし、市町村と同等の負担してます。それから国も一定の負担をし、保険者もし、また、高齢者の皆様にも保険料をちょうだいしていると、そういうみんなで共同出資してやっているところでありますので、その受け皿の団体を県という自治体にするのか、あるいは市町村の連合体、これは従来から国民健康保険はやっていますので、その延長で連合体でやるのか。これは選択肢として議論の余地はあるとは思います。
ただ、現在既にそういうふうにスキームができていて、まずは市町村の連合体で大分準備をして、湯梨浜[町]にも庁舎を構えて始めたところでありますので、今々これを直ちに県に移すとかいうのが現段階でなじむかどうかという議論はあると思います。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
聞くところによりますと、非常に面倒な事業なので全国知事会が反対をしたというようなことも聞いてるんですけど。
●知事
これは、かなり伝統的な論争のあるところです。保険財政をどこが扱うかという論争でありまして、地方団体は本来は国がやるべきだと思っているんです。といいますのも、国全体という大きなそういう枠組みの中で一つ一つの患者さんの診療負担を分け合っていく方が財政的には合理的なわけであります。しかし、最初に国民健康保険が市町村の制度として発足してしまったんですね。戦後、そのことが市町村の財政にも影響を与えるようになってしまいまして、従来から地方団体側で批判があったところであります。
それで、中間的なレベルで都道府県単位でどうだというような議論は時々起こるんですけども、全国知事会は、私は当時いませんでしたけども、伝統的には、都道府県という中途半端なことをするんでなくて、むしろ国が責任持つべきだというのが、恐らく知事会の伝統的立場だったと思います。
○日本経済新聞 斉藤徹弥 記者
政府・与党内でも、この見直し論というのが出つつあるという状況だと思うんですけども、知事として、どのようなところに問題があるというふうにお考えですか。
●知事
一番厄介なのは、負担感のことではないかと思います。保険料負担のところですね。思想として、長い目で見て、高齢者の皆様に対する医療が滞りなく行われるように保険財政を確立していかなければならない。しかも、全国民が加入できる国民皆保険という制度を堅持していこう。この意味で、後期高齢者医療制度の思想自体は、最初から間違っているとまでは僕は言えないと思っています。
ただ、現実問題として、今まで世帯の中で世帯みんなで負担をしていた保険料が、高齢者のかた個人にかかるようになってきてしまうところなどとか、あるいは低所得者の皆さんのところの負担が果たして、現在、今始まったばかりで検証が必要でありますけども、適当な状態であるかどうか、適切な負担と言えるかどうか、これは検証してみる必要のある課題だろうと思います。
そうした保険料負担のところが一番見直しの対象として考えていただきたいところだと思います。これは兵庫県とか京都府の知事さんともお互い話をしまして、共同でアピールしたこともございました。
あと、最近ちょっと話題になっておりますけども、まとめて定額制の医療費負担の制度がこしらえてきてます。かかりつけ医と言われるわけです。かかりつけ医を作ることは、私はこれは間違いではないと思うんですけども、ただ、このかかりつけ医と称する診療の負担のあり方が現実にそぐうかどうかという、これもやはり医師会の方で提起されていますけども、検証が必要な課題だろうと思います。
○日本海新聞 村上俊夫 記者
担当医制は僕はいいと思うんですけどね、それに定額制がセットされている。そのことによって、医療者の側は、ひょっとしたら持ち出しになるかもしれんという懸念を持っておられる。それからお年寄りの方は、必要な検査なんかしてもらえんかもしれん。両方からそっぽ向かれているわけでね。やっぱりこの定額制については、この見直し点の非常に大きな課題だろうというふうに思うんですけれども、なかなか、今、国の方では、運用上の問題でそういうところまで見直しが進むのかどうか、まだ緒についたばっかりですからわかりませんけれども、僕はやっぱり、言われたその負担の問題と、医療の質の問題と、2つの大きな問題点がある。そこのところは地方の実情としてしっかり発信をされて、制度見直しに反映されることが必要ではないかというふうに思いますけれども、どうでしょうか。
●知事
私もその2点、今申し上げたとおりでありまして、かかりつけ医制度、担当医制度といいますか、お年寄りのかたが近くの診療所に行って、ふだんから診療データも持っていていただいて、必要な検査をしたり健康チェックをして、また、場合によっては投薬していただくとか、そうしたこと自体は私は間違いではないんだろうと思うんですが、それを政府は負担の軽減といいますか、医療費の抑制のために使っているんじゃないかと私は若干疑うんです。それは本末転倒なところがあると思うんです。
今、定額制にすることで、確かにお年寄りの方も当面の医療費負担が低くなるかもしれません。今それについて反対している地域があったりして、まちまちでありますけども、やっておられるところで本当に効果が上がるかどうか、それは私は検証してみる必要があるだろうと思います。本来は、安心して医療提供サービスを受けられる。そのために今言われる後期高齢者の医療制度を創設しようというのが政府も言っていることでありますので、その実を上げられるかどうかを検証する必要はあると思います。
○読売新聞 北島夏記 記者
そうした問題点に対して、県としては、例えばその検証作業を実際県として行うですとか、そういった対策をとるのでしょうか。また、この制度自体が非常に、対象者の高齢者のかたに聞いてみると、定額制にしろ保険料の天引きにしろ、なかなか制度が複雑で、制度を考えるシンポジウムとか行っても、なかなかもとになる知識が違っていて議論がかみ合わなかったりとか、かなり戸惑いがあるようなんですが、それに対する対策というのは何か考えていらっしゃいますでしょうか。
●知事
私どもは、制度の発足前から、特に保険料負担のところは、問題を生じるおそれがあるんじゃないかということで指摘をさせていただいてまいりました。このたび、さきの山口[県第二区]の[衆議院議員]補[欠]選[挙]の結果もありまして、政府の方でこの後期高齢者医療制度を見直すべきではないかということで、昨日も政府側から検証作業をしてみたいという、そういう報道も始まっています。国全体で本来は検証すべきことでありましょうから、ぜひやっていただきたいと思います。
県独自でというよりも、これ我々が直接見れない部分でありまして、後期高齢者医療制度自体、広域連合、市町村サイドの話になりますので、私どもで直接調査する手だてはないんですけども、いろんな御要望とか声を聞いたりしながら、必要に応じて、この春から夏にかけての国に対する制度要望の中で上げていきたいと思います。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
確かに県の立場が非常に不明というか、はっきりしないということで、なかなか問題把握も難しいとは思うんですけれども、例えば広域連合は議会を持ってもいますし、首長もいます。自治体という形になっていますけれども、非常に住民からは本当に縁遠い存在であって、直接顔が見えないから訴えにくいと思うんですよね。この辺を県がどう肩がわりしていかれるのかということだと思うんですけど。
●知事
昨日も広域連合の方で集まりがあって、いろんな御意見が出たと伺っております。それもむべなるかなだと思うんです。制度発足に際して、余りにも混乱が出てきたということがあります。もちろん初めてやることですから、ある程度事務上のミスだとか、市町村でもしようがないところはあるんですけども、ただ、そういうとこに追い込まれたことに対して、実際の現場の意見としては、非常なせつなさといいますか、憤りを自分たちも感じるところがあったんだろうと思うんです。
市町村の連合体でございますので、市町村の窓口を通して制度の改善要望など、広域連合で議論できるところだと思っています。ただ、県として、いわば県全体の後見役のような立場で御意見をいろいろとお伺いしながら、県独自の要望を出していくことは可能だろうと思っていまして、その範囲で役目を果たしていきたいなと思っています。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
今回後期高齢者が負担をしなきゃいけない制度ということなんですが、知事のお考えでは、高齢者の当事者というか、後期高齢者が負担することについての是非については、これはどうお考えなんでしょうか。
●知事
私は、今までも実は後期高齢者の皆さんも被保険者として、世帯の中でとか、御自身が世帯主であれば負担をされてたわけですね。例えば国民健康保険なんか典型的にそうなんですけども、高齢者の方々はもうあとは国[民健康]保[険]になってしまって、そこで実は保険料なんか払ってましたんで、今全く新たに発生したわけではないと思うんです。
ただ、今まで世帯の中にいて世帯全体で負担していたという形態がございました。これが切り離されてしまって後期高齢者の皆さんに負担が発生しているというところは、あんまり過大なことはできないんじゃないかなと、今までとの整合性をどう説明するのかなという懸念を持っていたもんですから、従来からこの点を問題なしとしないと御指摘を申し上げたところです。
今、政府・与党の方で半年間の緊急避難的措置がなされていますが、この継続だとか、その続行する際の見直しを私は早急に議論すべきだろうと思います。そうしないと、この制度の円滑な運営だとか信用力にかかわることになってくるんではないかと思っております。
○朝日新聞 井石栄司 記者
有効求人倍率なんですけど、1年前 0.7でしたよね。ショックが走ったとこがあると思うんですけど、今回はさらに0.68ということで、1年努力されて後退したわけですけども、どこに一番原因があったというふうにお考えですか。
●知事
我々でやるべきことを一生懸命やってきたつもりではいますけども、中国各県、軒並み前年同月よりも下げた格好になっています。やはり景気全体が今、サブプライムローン問題だとか円高問題、また、原油を初めとした原材料高、この影響を受けて非常に不透明な状況になってきたことが最大の要因だとは思っています。
ただ、私たちはしっかりとした雇用を地元で実現できる地域に生まれ変わらなければならないと思っています。山陽側だとか大都市部と比して、やはり我々の有効求人倍率は相対的に低いという状態は今も変わってないわけでありまして、ここの構造を是正していくために、人一倍の元気を出していかないといけないだろうと思っています。
いろいろと手を講じてきて、最近ようやっと、県内に立地を考えるような企業さんだとか、あるいは非常に厳しい業態の中で工場を統合していく際に鳥取の方に一本化していただくようなところとか、そういうように、今まで働きかけたことの、ある程度効果も見え始めているとは思うんですけども、何せ経済の地合いが非常に厳しいわけでありまして、まだまだ力不足に終わっているというところがあるかなと思っております。私どもとしては、持てる力を発揮、統合して、商工会の皆さんだとか関係者の方々と一丸となって、地域の活力を引き出すように努力を傾けたいと思っております。
○日本海新聞 村上俊夫 記者
きのう、税率がもとに戻るということで、凍結されてた道路関係の解除をされたんですけれども、これの具体の入札の手続というのはいつごろ始まるんでしょうか。
●知事
県の単独事業については、今リリースした状態でやっておりますので、通常ベースと考えていただければいいと思います。あと、我々が期待しておりますのは、国の補助事業が解除されてくることでありまして、これは内示いただき次第、公告の手続に入っていきたいと思っています。今、実は準備をしていました。認証を受けられないと前に進めないんですが、我々のところで入札にかけるための準備をして待っていくという体制で来ておりますので。
○日本海新聞 村上俊夫 記者
再議決、再可決、13日とも言われていますけれども、いつになるかは別として、そうすると5月の下旬ぐらいにはスタートできるということでしょうか。入札です。
●知事
そうですね、それは国の方の認証次第でというふうに御理解いただきたいと思います。今はまず補助事業の方がほどけてこないだろうか、そこを期待をしております。その後、5月の12、13[日]という、そうした境目のところで、また交付金事業についても解除がなされてくればありがたいと思っていますが、そこはまだ、一般財源化の議論に相当深くかかわるところでありますので、議論は多いところだと思っています。当面は補助事業のところからほどけてこないだろうか、これをお願いをしていきたいと思っています。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
その道路で、一般財源化は、きのう首相が言われてたように21年度からということで、20年度は今の道路予算でやっていくということなんですが、実際に1カ月の税収不足が国、地方ともありまして、直轄の高速道路、ここの進捗がどうなるかというの、実は本年度に限っても非常にその財源不足を生じていますので怪しいと思っていますが、この辺の見通しと、あるいは何か国に要望されるべきことの必要性を感じておられるのか、この辺。
●知事
昨日も申し上げましたけども、私は、今回、喜んでばかりいられるような状態ではないと思います。 1,800億[円]が穴が空いたのは事実であります、4月分として。これに対して赤字国債を発行してでも補うかどうか、国にその考えがあるかどうかは、今の状況を見ていると、私は懐疑的であります。
そうしますと、その分は確実にパイは小さくなるわけでありますが、小さくなる中で、地方に対する補助金だとか交付金を優先したいということになれば、直轄の事業費の方がへこんできてしまう。これは山陰自動車道だとか鳥取自動車道に影響を及ぼす可能性があります。
ですから、昨日関係部局の方に指示をいたしましたのは、早速その箇所づけだとか国直轄事業の働きかけを改めてやる必要があると申しました。そうした運動をして、当地の道路の必要性を訴えていかないといけない局面だろうと思っています。
○山陰放送 牧田光国 記者
姫鳥線については、予定どおり開通を目指して。
●知事
私どもとしては、予定どおりの開通を目指していきたいと思っておりますが、3月の29、30[日]の県内の高速道路開通時期に国[土]交[通]省の方々と直接お話をしました際には、彼らもぜひしたいと言ってました。したいけれども、何せその財源があるかどうか、そこにかかっているという話をしてました。これは多分正直なところだと思います。ですから、今、私どもとしては、この山陰の置かれた特殊性というものを国全体で理解していただかなきゃいけない時期だと思うんです。
一般財源化がなされるというのは、選択の対象になってくるという、その要素が非常に強くなってくることだと思います。私は、山陰側が今国家的な高速道路ネットワークから外れていること。これは異常なことでありますので、これは正すべきだという議論はしていただきたいと思っています。このことを訴えかけなければ、一般財源化がなされた後で実現していくかどうかは、ややおぼつかなくなってくるかなと思います。
ですから、我々としては、何とか予定された時期に着々と鳥取自動車道をつなげていただきたいという気持ちでこれからも運動を展開してまいりますが、それは今後の一般財源化がなされる後の議論とか、国の方の予算どりなどにかかってくるんではないかと思います。
○毎日新聞 小島健志 記者
東国原知事との会見があったんですが、その成果と御感想を伺えますか。
●知事
宮崎[県]の東国原知事と思いを共通することができたこと、これは非常に喜んでおります。同じ高速道路遅滞地域でございますので、そのことをお互いに一緒になって世の中へ訴えかけていこうという合意ができたことは、これからの武器になるだろうと思っています。
私とは、やっぱりタレント出身の知事さんなんで情報のチャネルが異なりますから、宮崎と一緒に動けるということは、我々にとってもメリットはあるだろうと思います。こうした我々のような地域が一緒になって、国全体のこれからの議論をリードしていかなければならないと思っております。
○日本経済新聞 斉藤徹弥 記者(幹事社)
よろしいですか。どうもありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。