●知事
おはようございます。まず、きょうあすと、私ども鳥取県の全域におきまして、東部、中部、西部それぞれにノーレジ袋の推進協議会を立ち上げさせていただくこととなりました。東部、中部、西部それぞれの地域に分かれた格好にはなっておりますけども、できるだけ実効性のある形で、幅広く環境推進活動を鳥取から発信していきたいと、こういう取り組みであります。
従来、他県でも大手スーパーを中心とした、こうした地域ごとの取り組みはありましたけれども、きょうはとりあえずまず第1回目の集まりをし、立ち上げをいたしましたが、そうしたスーパー系統だけでなくて、コンビニエンスストアだとか、地域の販売店ですとか、また、クリーニング事業者とか、そうした方々、さらに市町村はもちろんのことといたしまして、消費者団体、また、連合婦人会などの婦人団体、そうした皆さんにも集まっていただきました。
洞爺湖サミットの年であり、全世界から日本の環境推進活動に熱い視線が注がれる中でありますが、環境先進県の実を上げるべく、他の自然環境だけでなくて、身の回りの人による環境に対する負荷、これも鳥取県から減らしていく活動をやってみてはどうか。こんな取り組みをきょうから始めたところでございます。
最終的には、できれば個別の事業者さんと地域あるいは住民団体が協定を結ぶなどして、実効性のあるノーレジ袋の推進活動になっていけばいいなと思っておりますが、きょうからまずはその話し合いを本格化させようということであります。昨年から準備をしておりましたが、まず集まってみようじゃないかというところまで話が進んできたということです。
●知事
それから、昨日でありますが、岡山県の石井正弘知事、それから岡山県の幹部の皆様に鳥取県智頭町の方へお越しをいただきまして、初めて岡山、鳥取両県による知事会談、行政の意見交換会をさせていただきました。
これまでも議会レベルなど、そうした交流はございましたし、民間で例えば真庭[市]と倉吉市が連携をしていろんなことをやっていますが、そういう動きに加えて、県庁同士の正式なおつき合いといいますか、対話のチャネルが開かれたことは、私は歓迎すべきことだと思っています。
今まで中国山地を境として壁があったような思いがございましたが、これでその壁が取り払われて、特に3本の矢にも相当するような鳥取自動車道、北条湯原道路、米子自動車道、これらの開通や4車線化など、交通の結節点を結ぶこと、また、観光や産業振興でもお互い協力すること、これをやっていければなというように思っております。
昨日、基本的な考え方は石井知事と本当に近いことを確認をさせていただき、安心をしたと申しますか、意を強くいたしました。特に道路問題では、喫緊の現在の厳しい状況の中で、歩調を合わせてやっていこうということを確認し合いましたことも大きかったかなと思っています。
道路問題につきまして、今、世の中がいろいろ動いていくわけでございます。与党が再可決をしようという動きが固まってきたという報道もなされていますが、これもまだ流動的な面があるのかもしれません。
●知事
いずれにいたしましても、これからは一般財源化の推進が与野党を問わず強まってくる中で、どうやって鳥取県のような高速道路の整備が遅れた地域の担保をとるかということになってくるだろうと思います。その意味で、ここ最近、まず電話で宮崎[県]の東国原知事と御相談を申し上げまして、これからは共同歩調でやっていきましょうというお話をいたしました。
先方の方のスケジュールの都合がまだ、いろいろあるみたいでして、具体的に日付がきちんと設定し切れているわけでもないんですが、可能であれば来週の月曜日にでも2人で集まって、まず話をしたり、それから、特に高速道路の整備が遅れた地域から声を上げる運動を全国に向けて呼びかけていく必要があるんじゃないか、こんな話をさせていただいているところであります。
●知事
このように道路問題が叫ばれていまして、ガソリン代がとかく言われるわけでありますけども、県内では水産業の方の厳しさも増しているわけであります。先般お話し申し上げましたとおり、県として調査を行おうと思い、[試験船]第一鳥取丸による航行調査をいたしました。漁場の状況を日本海で調べさせていただきまして、通常よりも、例年よりは若干早目に春イカの動きが出ているかなという感触を持っております。
したがいまして、これも緊急避難的な措置ではありますけども、漁業者の皆さんの期待の高まりもございますので、県として民間のイカ釣り漁船を傭船しまして、借り上げまして、あしたからさらに具体的な漁場調査の方に入らさせていただこうというふうに考えております。
漁場がうまくいくということになれば、イカ釣りの漁船の皆さんも安心して漁に出られる。重油が高くなっているわけでありますが、それを節約できる。こういう重点的な出漁体制が整うことになると思いますので、県としても追加的に、さらにイカ釣り船の傭船をあしたからやって応援をしていきたいと思っております。
●知事
さらに、あしたですけれども、従来、企業支援のネットワークをもっとしっかりしようと思っておりました。かねて商工団体の皆さんと話し合いをさせていただきましたし、向こうからもそういった提案もございましたんですが、商工会議所さんとか商工会とか中央会、そうした商工関係団体には、いろんな企業指導ができる、バックアップができる人材がおられます。そういう人材を束ねてやっていけないだろうか。
厳密には商工会議所は、例えば鳥取市の商工会議所は鳥取市の中のことだけということになりますけども、例えば商工会ですね、郡部の方に人材がいたりしましたら、その人たちを活用して、相互乗り入れといいますか、ネットワークとして個別の企業さんの事案に対処していくという、これはちょっと全国的には珍しいかもしれませんけども、圏域にあまりとらわれずに企業支援を、県内の人材だということで活用しながらネットワークを組んでいこう、こういう取り組みを開始をしたいと考えております。
それで、明日、関係の商工団体にもおいでをいただいて、調印をさせていただき、新しい企業支援ネットワークを組まさせていただこうと考えております。
あわせて、県内のさまざまな商工事業者のニーズがございます。また、大枠で産業振興に向かってどういうビジョンを考えていったらいいかとか、そうした、個別の企業単位のミクロな議論でなくてマクロの政策立案というのも必要になってくると思いますが、これについては、そうした商工団体のトップの皆さんと定期的に話し合う場をこれからセットしようと思います。
商工会議所ですとか経営者連合会とか中央会とか、そうした皆さんと、シーズンに1回ぐらいとか、定期的にお会いをすることもやってはどうかと。これもあした皆さんと話し合って、そうした体制に向かっていきたいと思っております。
私の方からは以上です。
○日本経済新聞 斉藤徹弥 記者
各社どうぞ。
○日本海新聞 小谷和之 記者
道路の話なんですけども、従来、知事は、道路財源の部分では、特定財源の堅持という立場でさまざまの場面で訴えてこられて、中国5県でもそのような表明をされたり、県議会の決議でも道路特定財源の堅持というものをなされておるわけですけども、先日の5県知事会議では、そういう従来の姿勢からちょっと方針といいますか、ちょっと姿勢を変えて一歩踏み込む形で、政府・与党案を、いわゆる暫定税率を復活した上での一般財源化を支持するという姿勢を表明されたわけですけども、その理由なりねらいなりというのを改めて教えてください。
●知事
先ほども申しましたが、我々地方部にとりまして非常に見通しの悪い状況が続いていると思います。さらに、与野党間の力のバランスによって不透明感は増していると考えております。通常の行き方でありますれば、特定財源をきちんと堅持をいたしまして、その特定財源の使い道は、片方で道路整備の5カ年計画なり10カ年計画として示されるわけです。この示される計画に従ってやっていくことで、私たちの高速道路の整備もおのずから進みますし、生活道路の整備も進んでくる。これが従来のやり方だったわけであります。
ですから、理想を申し上げれば、きちんとこうした枠組みを堅持しながらやるのが、地方団体といいますか、我々地方部のように高速道路の整備などが遅れているところでは得策であっただろうと思います。
それであったんですけども、しかし、大分情勢が変化をしてまいりまして、参議院の方では野党が多数を占め、一般財源化の議論が参議院の方で出てきております。さらに与野党協議を進めようということで、福田総理[大臣]が一般財源化を容認をするという非常にセンセーショナルな発言をされて、与野党協議の再開といいますか、現在、今、与野党協議が道路問題で行われるようになりましたが、そのきっかけになったことは、これは否めない事実であります。
こういう情勢の中で我々はどう考えるべきかということだと思うんです。一般財源化というのは、これは質の問題でありまして、あともう一つ量の問題が隠されています。2兆 6,000億[円]の暫定税率の議論がございまして、2兆 6,000億[円]が必要かどうかというのは、これは量の議論でございます。あと、じゃあその2兆 6,000億[円]も含めた財源をどういうふうに使うか、これをだれが決めるかというのが、特定財源なのか一般財源なのか、この議論であります。
国レベルで申し上げれば、財務省が決める権限を最終的に持つのが一般財源でありますが、特別会計なので国土交通省の方が主導権を握れるというのが特定財源ということだと思います。それから、地方レベルで申しますと、特定財源のものは、これは使途が決まっていますので、道路目的に使いましょうということが決まっていますが、そのほかに一般財源があると。査定権は、どちらにしろ、それは首長なり、議会と話し合って議会が議決するという仕組みになっています。
地方レベルの話で申し上げれば、私ども鳥取県の場合は道路特定財源だけで賄い切れてません。それに一般財源を積みまして整備事業、維持補修事業をやっていますし、さらに過去の借金返しもやっているわけであります。ですから、質の議論としての一般財源か特定財源かという議論で、特定財源が一般財源化されたのが地方部分について起こったとしても、我々としては、量的な面では変化がないということになろうかと思います。
ただでさえ足りないという状況で継ぎ足して使っているわけでございまして、そういう意味では、我々は、この部分は地方の方はそんなに影響はないのかもしれないと思っています。
さらに、国全体の方でありますけども、一般財源化をするとあわせて、今、政府・与党が与野党協議の場でこういう方針でやっていくという中には、5カ年の道路整備計画を作るんだと言っています。これが次のポイントになってくるんだと思うんです。
もう既に国レベルでは与野党間で、野党はもともと一般財源化を言ってて、与党側、政府の方も一般財源化ということを政府・与党の合意として示している状況にありますので、一般財源化がどちらにせよこれは進んでいってしまう。その中で計画を作っていって、それでどの道路を造っていくかという、そういう振り分けがこれから起こってくるということになります。
ですから、私どものような地域では、この大きな流れとして一般財源化に棹さすことはできない、それを邪魔立てするといいますか、その流れを止めることは、私はかえって得策ではなくなってきているんではないかなと思い始めております。
そしてさらに次は、その中で、ただ、全国的に見てまれなんですけれども、道路整備の高速道路整備率が50%を切っている宮崎[県]だとか鳥取[県]だとか、こうした地域は、ほかと違って国の責任でハイウエーのネットワークを整備してもらわなければならない、こういう主張をしなければいけないわけであります。これを国として取り入れてもらわなければなりません。ですから、その点で戦術を転換をしていく段階に来ているんだろうと思うんです。
一般財源か特定財源かというところで、要は道路整備の計画とセットの特定財源という土俵が今消えつつある中で、そうであれば、国民のさまざまな議論がございますので、一般財源化のところは、我々としてはやむを得ないにしても、ただ、地方で遅れている道路整備を整備することという条件ですとか、それから地方の生活道路などを行う道路整備財源を確保するということですとか、また、臨時交付金という、こういう技術的な制度がございまして、これも、ただ 100億[円]事業ベースの話でございますので、こうした事業の後継措置をどう考えるか。こういう担保をつけながら、条件をつけながら、その上で、そうであれば一般財源化も容認の余地があるといいますか、やむを得ないというように私たちは申し上げた方がいいのかなと思いました。
ですから、5県の知事会議でいろいろな議論が実は飛び交いました。飛び交いましたが、私は強く、地方の道路整備が遅れたところ、鳥取県のようなところ、これは国費をもって国の責任でやってもらわなければならない。これは条件として出さなきゃいけないし、地方の財源に穴が空くようなことになってはならない。こうした条件を提示しながらであれば、一般財源化もやむを得ないということかなと思いまして、お互いに5県で合意をさせていただいたということであります。
もう既に世の中は、一般財源化は既定路線として定まりつつある状況になってきましたので、私たちはもっと現実的に、取るべきものをきちんと取るような運動をする必要があると思います。これは、4月政局だとか5月政局だとか言われますが、それ以降も続く闘いになると思います。恐らくは予算編成時期まで、この地方の立場を主張していくことは強めていかなければならない状況であろうかと思います。
○日本海新聞 小谷和之 記者
ただ、その一般財源化の中では、財務省マターになるということですよね、その予算査定が。そうなると、いわゆる地方の特殊性というのがどこまで考慮されるか全くわからんようになるという懸念もあるんですけれども、知事の方はその辺を年内といいますか、かかるだろうということで、さらに強めていくということなんですけども、その辺が非常に見通しの見えない中で、じゃあどうやって鳥取県、遅れている道路整備を進めていくのか、取り組みとしては。
●知事
ですから、私は幅広く国民の皆さんに、これは全国のということでございますが、共感を得なければいけないと思うんです。今、多くの地方団体、特に都市部の地方団体は、地方の道路特定財源が確保されればそれでいいじゃないかという空気も出始めていると思います。残念ながらこれには地域差がありまして、既に高速道路の整備が大方できているところと、今、国費をもって国が直轄でブルドーザーのように事業を始めたところと、これは差がございます。その辺は、我々のような特殊な地域があるということを全国の人に理解してもらうことが、一番のポイントになってくるかと思います。
その意味で、単独で闘っていてもしようがないんで、5県の知事会としても、そこはその条件の中で入れてもらうということにして共同歩調をとることになりましたし、昨日も岡山[県]と、鳥取自動車道、あるいは北条湯原道路という高規格道路も含めまして、それぞれで一致してやっていきましょうという話し合いをさせていただいたりしましたが、さらに、私たちと高速道路の整備率でいわばビリ争いを残念ながらやっている宮崎[県]のような地域と連帯をしていくことがこれからの戦略かなと思っています。
整備率が 100%に達している県は結構あるんです。その片方で40%そこそこで争っている地域もありまして、ここらは国が責任持ってその 100%のラインに上げていくのが私は筋合いではないかと思います。そうしますと、これは正直申し上げてどこに重点投資をするかということになろうかと思います。ですから、幅広い国民の皆さんの共感を得ていく、それから与野党に訴えかけをしていく、これがポイントになってくるんではないかと思います。
残念ながら、その特定財源の中でしっかり整備計画を盛り込んで、あとは自動的に出てくれるという、そういう自動販売機的なシステムは、なかなかこの状況では難しいかもしれません。
ですから、財務省の査定の中という大枠の中に入ることになろうかと思いますけども、ただ、国の予算はなすべきことをなすわけでございまして、そのために税金を集めたり国債を発行したりしてでもやってきたのがこれまででございますので、従来、国[土]交[通]省に向けて中心的にこの道路整備の課題を我々が訴えかけてきたこと、これをもう少しウイングを広げまして、国民や与野党の共感を得ながら、財務省が最終的に査定をして予算が国会で承認をされる、そのシステムの中で、私たちの山陰自動車道なりの幹線道路が生き残っていく方向を何とか作っていかなければならないんだと思います。
それは、従来のやってきたこと、年々箇所づけをめぐって要望活動してきたことと似たような話かもしれませんけども、そのウイングが広がっていくというイメージなのではないかと思っております。
○山陰放送 山本収 記者
そういったウイングを広げていかなければいけない、窮状を訴えていかなければいけないというのの一つの手段が、来週予定に上がっている宮崎知事との連携だと思うんですけれども、具体的にどのような訴えを宮崎知事と連携してやっていくお考えですか。
●知事
今、コアのコンセプトでしかちょっと話をしてません。ですから、月曜日会ってみてどう訴えかけるかということだと思いますが、お互いに話し合いましたのは、高速道路の整備率が私ども43%、向こうは40%。その前、我々は36%だった。ちょっと追い抜いたところでありますが、こういう状況というのは、いかにも残念な状況だと。
両県で声を上げていかないと、今、要は2兆 6,000億[円]も要るの要らないのという話すらあるわけでありまして、こうした地方の道路整備に向けて財源を割くことに対する理解を国全体で得られないんじゃないかと。
ですから、今、来週というタイミングになるとは思うんですけども、向こうのスケジュールもありますが、来週以降、これは少し息が長くやっていく必要があるんじゃないかと思っています。ここらはお互いに、何となくキーコンセプトとしては一致していると思います。
我々2県だけでなくてもいい話だと思いますんで、高速道路が整備率が非常に遅れていて、特に地元の地域間格差の状況で悩ましい部分があると、それを解消するための唯一の手段とも思える命綱がこうした高速道路整備だと、そんな条件が一致しているようなところにも入っていただいたりして、高速道路が必要だけれども整備が遅れているところが連帯する仕組みを構築していきたいという状況です。
まだ、これ詳細まで話し合ってみないとわかりません。向こうも何か忙しそうで、あちこち飛んで回っていまして、一度電話でしっかり話をさせていただいたんですけども。
○読売新聞 北島夏記 記者
宮崎県との共同歩調は、これは知事の方からいつごろ持ちかけた話ですか。
●知事
今月に入ってから話を始めました。
○読売新聞 北島夏記 記者
直接知事同士でお電話で。
●知事
はい。話もしました。
○読売新聞 北島夏記 記者
宮崎の知事はどういった御反応でしたか。
●知事
要はどげんかせんといけんということでしょうね、あの人。そんな感じだったですよ。
○山陰中央新報 太田満明 記者
知事、結局鳥取自動車道なり山陰道なりというものを、今後の国が10カ年計画を5カ年計画に縮めるなりという中で、どう勝ち取っていくかということになると思うんですけれどもね、結局は。そこの勝算というのはどうなんですか。
●知事
大方2兆 6,000億[円]という財源が10年間続けば、国[土]交[通]省の説明では、山陰自動車道なりなんなり、そうした基本的な幹線道路は概成するという説明だったです。それが多分全国の事業費ベースだと思います。あまりそこにうそはないと思うんで。
ただ、その中で何が必要かというのを完全に取捨選択しているだろうかというのは、私自身は若干疑問を持っています。マッサージチェアはどうしたとか、あるいはテニスコートがどうしたとか、そういう話すら出ているわけでございますし、外郭団体にお金が出ていったこと、我々から見て、これは指弾されるべきだと思うようなこともあります。
あるいは道路の路線についても、余りにも壮大な希有な構想もございますので、そうした構想なんかは、この際、その順位を後回しにしてもらうとかいうことも本当は議論してもらいたいと思います。
それをやるのが私は与野党協議ではないかと思っておりまして、従来から、本当はこれだけ道路事業費がかかるんですよ、だからそれに対する税率はこうですよという議論をしてくれと再三再四訴えかけていたんですが、そこの議論がなかなか今進んでないんですけど、それをぜひやってもらいたいと思うんです。
その中で、我々の鳥取自動車道や山陰自動車道がどういうランクづけになるかということだと思うんですが、BバイCといいますか、コストパフォーマンスのことを考えますと、決して全国の低レベルのところではないんです。なぜかといいますと、もう既に造るべきところから順番に造ってきてますんで、次こそ我々だという順番だったもんですから、そんなに全国の他の路線と比較して競争力がないわけではないだろうと思っています。
問題は、これだけ整備率が遅れていて地域間格差の原因になっていると、このことを全国の皆さんに理解していただければ、いわゆる田舎のむだ遣いだというステレオタイプの論調を封じることができるんではないかと思うんです。ただ、そのためにはやはり粘り強いキャンペーンといいますか、PR活動も必要になってくるだろうと思っています。
○山陰中央新報 太田満明 記者
その場合に、これまで遅れているんだ、次は鳥取の番だという言葉をよく言われるんですけれども、例えば鳥取にとって自動車道が必要だとかということを数値的にあらわすといいますか、だれもが納得できるようなものというのは、何か訴えるためにあるんでしょうかね。
●知事
例えば3次救急医療施設への到達時間でありますとか、先ほど申しましたコストパフォーマンスの問題ですね。これは、皆様すごく不思議に思われる面があるかもしれないんですけども、実はコストの方にからくりがあります。鳥取県内の道路、そんなにコストがかかるわけじゃありません。大都会で、地価の高いところでトンネルや橋梁を大分駆使しまして抜いていく、そんな窮屈な公共投資とは違いますんで、我々のところは、地権者の理解を得ながら、それなりの価格で整備は進んでいけるところでありますので。
ですから、費用単価が随分違います。ですから、我々のところぐらいは整備してもいいじゃないかという議論を引き出す余地は私は十分にあるだろうと思ってまして、これはコストパフォーマンスも、コストの低い部分だけよくなってきている原因なんですけども、訴えていく材料はあるだろうと思っています。
○朝日新聞 井石栄司 記者
答えにくい質問かもしれないんですけど、1本1本の道路に優先順位を求められていくということになった場合に、県内の高速道路を、知事の中では優先順位、どういうふうに位置づけられているのかという。
●知事
もちろん骨になる鳥取自動車道、山陰自動車道が必要でありますし、さらに北条湯原[道路]とか鳥取豊岡宮津[道路]とか、そういう自動車道路が特に必要性が高いと思いますね。江府三次線ももちろん必要度高いんですけども、ただ、今ちょっと事業の進捗に難しさを感じているところもありまして、特にあれは県内の路線が長いですから、例えば向こう5年とか10年で完成できるという状況ではちょっとないと思います。
ただ、現在開通を間近に控えた鳥取自動車道のようなところが、このまま、まるでローマのコロセウムのように単なる遺産になってしまってはしようがありませんので、これこそは最優先で開通してもらわなきゃいけないだろうと思います。
いずれにせよ、全国レベルで見て、我々は基本的なネットワークをつなごうという段階でありまして、他は既に基本的なネットワークはできていて、さらにそれに付加的に道路を造るという新しい段階の部分でございますんで、我々の方はプリミティブな部分だよという主張をしていくことで、全体として道路事業の進捗を訴えていきたいと思っています。
○毎日新聞 小島健志 記者
一般財源化ではなく、暫定税率の方なんですが、5月補正の予算が今組まれている状況が始まって、今後どういうふうに予算の方は組んでいくんでしょうか。
●知事
まだ6月補正、私も全然聞いてないです。今、多分財政課の中での査定段階だと思います。近々、予算の要求状況だとか査定状況が公表される時期だと思います。来週月曜日ぐらいですかね。ですから、もうそこまで来ているんですけど、私もちょっと内容までは見ておりません。
ただ、5月の12日ごろまでこの大騒ぎが続いていって、そのころにはもうさすがに決着は見えていると思います。予算の提案時期は5月の末になりますので、ちょっと、通常のルールですと政調政審という事前の議会への説明の時間帯なんかもありますが、そこでどこまできちんと説明できるかはありますけども、予算の提案までには、このごたごたした4月、5月の騒動を反映した予算編成にならざるを得ないかもしれません。
○山陰中央新報 太田満明 記者
その場合、暫定税率、4月の29日、30日に再議決があるのか、あるいは5月に両方ずれ込むのか、いろいろあるだろうと思うんですけれども、間に合わなかった場合に、予算の組み替えということも念頭に置かなければならないという話があったんですけれども、そういう話になってくると、5月補正というのはどうなりますか、その兼ね合いは。
●知事
ですから、例えば4月の、ちょっと今その公表時期は、順々に来ますね、財政課長、総務部長、それから私と。この公表の、何か大阪[府]の橋下知事も誤解しているんじゃないかと思うんですけど、我々はもともと要求書も、要求ベースもみんな公開していますんで、何か大阪[府]が一番進んでいるみたいなことを言うんですけども、大阪[府]の方が遅れてるんじゃないかなと思うんですが、橋下さんとは、またいずれ予算の公開についてお互い意見交換したり、財政民主主義を話し合ってみたいなと思います。彼が応じればですけども。
そうして鳥取[県]と大阪[府]とで一緒になって予算をオープンにして、住民の皆さんに参画していただいて、よりよい民主政治につながっていくようなことは、橋下[大阪府知事]さんといずれ話し合ってみたいなと思ってるんですが、それはちょっと横におきまして、今回は、こうやって順々に確かに予算査定進んでいくんです。
それに応じて一たん公表したりということはあるかもしれませんが、最終的には5月の末に開会する議会のところで我々が提案して初めてなされるものであります。それが難しければ、例えば、6月にかけて県議会は進みますんで、後で追加的に提案をするという可能性もあります。
私の見るところでは、非常にドラスティックな場合、すなわち暫定税率の再可決に結局なってしまった。私は与野党協議が進むのが一番いいと思ってるんです。与野党協議が進んで、これだけの、例えば10年間だったら50兆[円]の道路計画にして、税率をこういうふうにして、再セットしてみんなで議決しましょうとかいって、非常に安定的な姿で解決がなされるのが最も望ましいと思うんですが、再可決ということに仮になったとします。そうであれば、極小の影響になりますし、さらに国に対して我々は穴があいたところの財政補てんを求めてますので、そういうことで、ほぼ現計予算を維持しながらやっていけるかもしれません。
ただ、一番ドラスティックな場合が、その暫定税率が再可決ということもしないとか、再可決に持ち込んだけれども再可決ならずとかいうことになった場合、2兆 6,000億[円]丸々穴が空くことになります。
この場合、2つやり方があると思うんですが、一つは、予算の執行を停止して年度末まで様子を見るというやり方もありますけれども、ただ、もう一つのやり方が、予算の減額を行うとか組み替えを行いまして、少なくとも財源がありますので、財源更正を行ったりして、どういうふうな事業を優先的にこういうぎりぎりの状況でやっていくかという見きわめをして、予算編成をやり直すというやり方であります。
この後者の場合で、5月、6月の県議会の間にそれを御提案することが、私は、4月29日、30日のあたりではっきりすればスケジュール的にできなくはないだろうと思います。ですから、そこはそういう緊急避難的な、今年度のこの異常な状態の中で、組み替えるということもしなければいけないかもしれません。
○日本経済新聞 斉藤徹弥 記者
よろしいですか。じゃ、ありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。