●知事
皆さん、おはようございます。今、国の方におきまして経済雇用についての緊急の対策を練ろうという状況になってきました。私も火曜日に上京いたしまして、経済産業省だとか、農林水産省、国土交通省、総務省など関係省庁を回り、経済雇用の呼びかけをさせていただきました。我々の方からさまざまな要望を急きょ取りまとめて持ってまいりましたが、概ねそうした方向性を政府において踏まえながら、現在、与党の中での協議が進められていると認識をいたしております。10日にでもその対策を政府与党が決定するという報道になっております。
現在、流れているところからしますと、15兆円の規模でという政府与党案、また、民主党の方からは2年で21兆円というような案が示されています。いずれにせよ、素早い対応を国として行っていただきたい、断固たる方向性を導いていただきたいと念願をさせていただいている次第であります。
現在の中で、例えば国土交通省関係でミッシグリンクを繋げるという公共投資も盛り込まれる方向だと報道されております。それは3大都市圏のようなところに留まらず、地方において、山陰のようなところも、未だミッシグリンクが存在しているわけでありますので、是非こうした地域にも光を当てていただくように、最終の調整を行っていただきたいと思っています。この点は強く国土交通省の方にも働きかけをさせていただいたところであります。
県としても、その対策がまとまり次第、私どもの方の動きもしなければならないと思いますが、恐らく予算の成立が5月に必ず入るでしょうから、結果としては6月の頭にも始まります6月議会で対応分を皆で議論をするということになるのかなという感触を持っておりますが、この動きに注目をしてまいりたいと思います。
足もとの雇用情勢は非常によろしくない状況が続いているわけでございますが、今回の対策の中にエコ家電に対するポイントを与えようという、5%割引の制度でありますとか、また自動車やあるいは地デジ対応のテレビに対する措置も盛り込まれるようでありまして、このようなことで、消費刺激が起こってくれば我々のところでの地場の企業にも影響が出てくるのではないか、いい影響を期待したいというように思っています。
そして、県の方でやっております対策の中で正規職員を雇用するというものも、500人を上回る応募になっているなど、あるいは基金による雇用の方も100人超雇用が進んでおりますし、それぞれに効果を表し始めているかなと思っております。注意深く私どもも機動的に対処してまいりたいと思っています。
●知事
それから、次世代改革をこれまで2年間推進をしてまいりまして、今後2年間さらにそのピッチを速めていく必要があると思っておりまして、本日次世代改革本部を招集をさせていただいております。その中で、特定の緊急プロジェクトをやっていく、そういう組織を庁内に設置をさせていただきたいと、そのように考えております。
例えば、環日本海航路が開設間近になりました。6月にも船が動き出すようになりますと、大変急いで我々の方も準備をしていかなければならないわけでございます。緊急雇用、経済対策ということもございますし、UJIターンなど農林水産業への就業対策、そうした対策など喫緊の課題があります。
その中で特に時限的にでもやらなければならない、例えば、環日本海航路対策のようなものは、6月までにある程度成果を出していかなければならない。あるいはグリーンニューディールの政策についても、6月議会で一定のものを提案し、さらに9月で最終的な取りまとめをしていくというようなことになるのではないかと思いますけれども、これも急いでやらなければならない部分があるわけであります。
ですから、従来の庁内のプロジェクトチーム以上のパワフルな体制を作る必要があるだろうと考えております。民間企業でやっておられる例もありますが、緊プロと言いますか、緊急プロジェクトという方式なんかも面白いのではないかなあと思っていまして、今日、皆で議論をしてみようと思います。
例えば、向こう2ヶ月間、3ヶ月間に限っては、そのプロジェクトのリーダーがこういう人にぜひ手伝ってもらいたいという指名権を与えまして、人事当局も当然協議にあずかりますが、関係部局はそれに協力をしたり、もし人手の面で穴が空くというのであれば、全庁的にそれをフェイルセーフすると言いますか、補っていく。そういうあまり自治体でやっていないようなプロジェクトチームを発足させることも考えるべきでないかと思っております。
いずれにせよ、機動的な体制を整えたり、若手中心のサブチームなども従来通りやってみたりして、庁内の英知を結集できる体制を次世代改革の中で実現していきたいと考えております。
●知事
4月の17、18、19日と常陸宮殿下、同妃殿下のお成りをいただくことになりました。県民として、地域を挙げて歓迎を申し上げたいと考えております。両殿下におかれましては、鳥取市にお着きになられまして、そして、[世界]砂像フェスティバルのオープニングを記念したレセプションにご出席をいただき、開会式においでをいただいた後に、石谷家住宅とか、あるいは[鳥取市]用瀬[町]の流しびな[の館]、それから、鹿野かちみ園など県内もご覧いただくように、今段取りを調整をさせていただいているところであります。
そうした両殿下のお成りもいただきながら、いよいよ[2009]鳥取・因幡の祭典が開幕をいたしますが、賑わいがこの地域にやってくるように期待を申し上げる次第であります。
それから、[県]中西部では、山陰文化観光圏が設置をされたわけでありますけれども、これも組織体制を強化しようと、常設の事務局体制を今週末から発足をさせたいということでありまして、明日、米子のコンベンションセンターにその設置をいたすことになりました。これも関係者が集まってオープニングをしようということになっています。
いずれにいたしましても、いろんな形で高速道路も1,000円と安くなりましたし、山陰の方に訪れていただくかたを、是非、誘客をしていきたいというふうに考えています。私の方からは以上です。
○毎日新聞 宇田川はるか 記者(幹事社)
各社質問があればよろしくお願いします。
○日本海新聞 村上俊夫 記者
国の新経済対策に関連して、要望されているわけですけれども、昨日は地方6団体と、それから政府の話もあって、その例の直轄事業の負担金の問題について話があったんですけれども、国交省側との協議が持ち越しみたいな形になっているんですけども、この辺をどういうふうに評価をされていらっしゃるのか。
●知事
協議のテーブルが設けられて、全国知事会として各省庁と話し合いを始めたこと自体は画期的なことであったと思います。ただ、正直申し上げて、先週のこの会見の場でも申し上げましたが、鳥取県でも河川関係で580万円ほど庁舎の建替費用が混入していたと。私としては非常に残念なことだと思いますし、なぜその内訳が示されないのかという、そういう不信感はやはり持つわけであります。
これは、恐らく全国の知事が共有しているところだと思います。幾つかのステップが必要なのかもしれませんけれども、最終的には、これを、直轄事業はこれは国の事業であって、国が全額やりますと。これは地方の事業ですと。重要性の高いものは助成ということもありますけれども、そういうことで棲み分けをしていく。これが私としては素直な姿ではないかと考えておりますので、そういう意味で直轄事業の負担金は、将来的には廃止していく方向で、国と地方の役割分担を整理すべきだろうと思っております。
これは勿論、地方でやるべきものについては、財源も移譲してもらうというようなことの整理が必要になりますが、そうした長い方向性はあると思うんです。ただ、当面緊急には、まず今の内訳が示されない請求書というのは、前回も申し上げましたけれども、正されるべきではないかと思います。
それから、また、使途についても、通常の人件費でありますとか、あるいは庁舎の建設費用というような、はたして県民の税金で賄うのが正しいのかどうか。我々であれば県の庁舎の費用というのは、県民がみんなで議論して、それの必要性を侃々諤々(かんかんがくがく)のことをやるわけであります。それが他に請求書を回せるということ自体が驚きでありまして、私としては、こうした使途のことは、まず是正されるべきであろうと思います。
○日本海新聞 村上俊夫 記者
是正すべきだということなんですけれども、現実にもおっしゃった部分もある。しかし、どう考えてみても、出先機関の人件費が、言わばこの総額請求の中で付け回しされていると。この辺を、その内訳を出してくださいということだけですむんでしょうかね。
●知事
ですから、私はこれも何回か申し上げてきましたけども、少なくとも維持管理系は、もう国は国でやるべきではないかと思うんです。地方は地方として維持管理の経費は全部持っているわけでありますから、これについてはバランスも取れませんし、説明も本当はつかないのではないかと思うんですね、45%も払わされているということは。
また、負担の率も建設でも今、3分の1でありますけれども、はたして国が責任を持ってやる事業ということであれば、こうした率が正しいのかどうか。単純なフリーライダー論を取ることが、はたして正しいかどうかという議論はあると思うんです。それは地域も応分の負担をということはあり得るかもしれませんけれども。
ただ、その中でもその中に紛れ込んで、人件費だとか、あるいは庁舎の建替費用みたいなものは、これは別に河川や道路の建設とは関係ないところでありますので、そんなものを紛れ込ますことはおかしいだろうと思います。
非常に痛し痒しなのは、これは法律に基づいた負担金でありまして、現在これだけ事業費がかかりました、それに対する負担率がこうです、よってその請求額はこうですというものは、法律に基づくものでありますので、これは払わないと県の方は法律違反になってしまう。だから、制度を早急に改めてもらうというのが、なければならないと申し上げておりまして、この点は火曜日に国土交通省に行きました時に、春田事務次官にも厳しく申し上げたわけであります。
春田次官もその席でということだと思いますけれども、確かにそれは庁舎の建設の費用だとか、透明性だとか、やはり考えないといけんとこがあると思いますと個人的な感想としておっしゃっていました。昨日は大臣交えての議論でありましたけれども、これは大胆な見直しを話し合うべき時期に来たと思いますので、私もその全国知事会の戦列に加わりまして、今後とも主張してまいりたいと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
さっきの緊急プロジェクトの話なんですけど、DBSの関係なんですけれども、具体的にはこれどういったプロジェクトになるんですか。同時に、釜山の方にこの前の日曜日に船が入ったと思うんですけれども、何か状況を聞いておられますか。船が入ったらある程度先が見えるんじゃないかなと思うんですが。
●知事
まず、緊プロですね。緊プロというのは、例えばシャープがやっているんですね。民間でも有名な取組みなんですけれども、研究開発をして新商品を出そうと。その時に10名程度のチームを組むわけです。それを各部局からピックアップしまして、その優秀な人材を集めて一気にやってしまおうと。
こういうやりかたでありまして、自治体の場合ですと、どうしても本籍地と言いますか、兼務辞令をやって、本部があるけど片手間にプロジェクトチームに参加しますという、そういうやりかたなんですが、ここを逆転させて、実際にそのプロジェクトチームの方に重点を置いて、時限的にでも参加をしてもらうような、そういう手法を公でありますけれども、パブリックセクターでも導入したらどうかと。
それを緊プロとして我々もやってみたらどうだろうかと。バッチなんかも付けたり、いろいろと分かりやすく進めてみてはどうかと思っているんですが。ここでやるべきことは、緊急にやるのは、荷物集めだとか、あるいは観光客集め、そうしたことが6月に就航をするということになりますと、向こう、もう二月ほどの間にやっていかなければならない。正直申し上げて、最初の船が満杯で行くかどうかというのは、なかなか難しいと思います。
ただ、7月とか8月とか段々定着してくる時期に、ある程度のものを確保したいという気持ちがありますので、我々としては鳥取県自体の地域づくりにも貢献できることでありますので、山陽だとか関西だとか、広域的なターゲットを睨みながら企業回りをやったり、いろんな説明会をやったりとか、そうした重点的活動を展開していかなければならないだろうと思っております。
そういう意味で向こう1年間ゆっくり検討したらいい、動いたらいいということではなくて、その就航までの時期、その後もしばらくの間は存在するような、そういう緊急的なプロジェクトを興す必要があるだろうと思っております。今日それを話し合ってみようと思っていますが。
それから、船については、今はまだ情報は私ども得てはおりません。また、これも私どもとしては、できるだけ早く料金設定だとか、就航日だとか、あるいは船の階層のグレードとか、この辺を明らかにしていただきたいと申しておりますが、今日現在ではまだ具体的な話は入ってきていないと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
その料金設定、あるいは日程がない上で商談というのはできますか。
●知事
今も、そういう概括的な話を各方面とさせてはいただいておりますが、まだ迫力がどうしてもできないですね。ですから、そういう意味では、代理店契約もしっかりとしていただいて、それで、こういう料金でツアーを組みませんかということじゃないと難しいと正直思っています。ですから、この点についてはDBSクルーズの方に急いでもらいたいと、これは繰り返し申し上げております。
○山陰中央新報 太田満明 記者
DBSの方は5月の初めに、その辺りは明らかにするという話だったと思うんですけども、正直5月から一月だと遅いんだろうと思うんですけども。
●知事
ですから、我々は多少フライング気味に、もう就航は確実ですから宣伝活動は始めたいと思っています。
○山陰中央新報 太田満明 記者
知事はどの辺りの就航を見ておられますか。
●知事
はい。
○山陰中央新報 太田満明 記者
だから、この前の日曜日に船が釜山に入って、2ヶ月かかって改造しますよね。だとすると、いわゆる処女航海というのはいつになるというふうに思われますか。
●知事
それはちょっと情報がないですね。6月の中旬以降から下旬にかけてというくらいが、正直なペースじゃないかと思いますが。
○山陰中央新報太田満明 記者
日程はもう明らかになっていますのでね、日程というのは木曜日の朝に入って、木曜の夜出て、また土曜日の朝入ってくるっていう日程ですよね。あと、ある程度限られてくると思うんですよね、具体的な日にちというのは。
●知事
それはそうだと思いますが、まだそこは船の仕上がり具合だとかを見て、最終的に決定されるんだと思います。具体的なところは待つしかないですね、我々としても。
○山陰中央新報太田満明 記者
なかなか待ちというのは大変で、具体的な働きができないから。
●知事
ただ、航路の効用とか、あるいは、ある程度のお話はできると思いますんで、積極的にPR活動は始めていく時期に入ってきたと思っています。
○毎日新聞 宇田川はるか 記者
先日、要望書を出されました臨床研修制度の見直しについてなんですけれども、定員増以外の部分で、医師の偏在をなくす抜本的な対策というのは具体的にはどのようにお考えでしょうか。
●知事
今、定員については、この間、厚生労働省の江利川[事務]次官とか、大谷官房長とかお話をさせていただきました。それで、我々のほうが懸念しておりましたのは、都道府県ごとに定員が設定される案を持っているんですけれども、それと併せて現在の実績値を基にして上限をかけてしまおうと。これをやられますと、鳥取県なんかは30人台になっちゃうわけですね。
今よりも、逆に募集定数が減ってしまうようなことになりますので、何を一体目的としてやるのかなという疑問を我々持っていたものですから、若手の知事と連帯して話をしに行きました。厚[生]労[働]省の方は、それについては、地方の方に研修医が配分をされるようにというのを我々としては考えますので、最終的な検討の中で、調整していきたいという趣旨のお話がありました。検討の経緯を、我々も経過をこれからもみていきたいと思います。
それと併せて、抜本的に、地方の方に研修医が回れるような手立てというのは、幾つか考えられると思うんです。これまでも、厚生労働省に働きかけといいますか、提案をしてきているわけでありますが、例えば、医療圏を設定している都道府県の方にある程度そうした調整権を与えるとか。
あるいは、地方の方での研修医が定着する魅力を感じる部分がそれぞれにあります。例えば長野[県]の佐久[総合]病院とかですね、そうしたものを、それぞれの地域がそういう工夫でやっていけるようなことを、国としてもバックアップすることは、私は考えられるんじゃないかと思っております。
今回、趣旨がまだよく分からないんですけれども、補正予算の中でも、医療についての、そうした医師の偏在是正も含めた対策を打つ基金を設けようという動きもあるようでございまして、これは中身に注目していきたいと考えております。
鳥取県も、正直申し上げて、今、研修医の定着率がいいとは思いません。どこら辺に原因があるのか、我々も自己反省を含めて、検討する必要があると思っていますし、対策をうたなくてはならないと思っています。私は、鳥取大学の方に協議の場を提案をしたいと思っておりまして、そして、鳥取大学と我々とで研修医が定着するためにはどういうことを地域としてやっていったらいいのだろうか、もちろん、大学側の努力が一番重要だと思いますけれども、我々地域の方でもバックアップすべきことはしてまいりたいと、こういうように考えております。
○山陰放送 秦卓史 記者
土日にありましたミサイルへの対応ですけれども、どういうふうに県庁内では総括が行われたんでしょうか。
●知事
私共は、これは市町村のご協力もいただいて、県民の皆様が必要としている情報について、かなり早いスピードで出すことができたのではないかと。それは、我々なりに総括できると考えております。ただ、課題もみえただろうと思っています。
今回、この発射、ミサイル関連飛翔体の発射について、情報伝達をするというのは大規模な自然災害だとか、あるいは鳥インフルエンザとか、新型インフルエンザとか、あるいは大規模テロリズムだとか、そうしたさまざまな事象にも応用できるものでありますから、一つのいい実践訓練にもなったのかなと思っているんですけれども、それでも、情報の伝達の仕方としてもっと分かりやすく、県から市町村へ流すべき部分もあったかなという点もございますし、それから、市町村において、いろいろと温度差があったのも事実だろうと思いますが、そのことがどうそれぞれ評価され得るものなのか、この辺も検証していく必要があるだろうと思っています。
今後、また、国民保護の問題だとか、災害対策だとか、市町村とも話し合う機会がございますので、今回の状況をお互い総括してみて、今後、県民の皆様が適時に、迅速に情報を得られる、そのあり方について、向上する手立てにしていきたいと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
先程、触れました、分かりやすく市町村に出したほうがよかったものというのは、具体的にはどういったものでしょうか。
●知事
これは、私も、その場にいなかったんですけれども、後でお聞きをしますと、1回目の情報提供は問題ないと思うんですけれども、2回目の時ですか、洋上にミサイルが落下したというのを修正をして送ったと。その修正をする前のところが、要は地上に落下したという部分を塗り替えてやるわけでありますけれども、見ようによっては紛らわしい面もあったのではないかというご指摘もあったわけでございまして、そういうところは率直に我々も反省して、今後より分かりやすいようにするために、文例を幾つか細分化して用意しておくとか、対処方法はあったと思いますので、工夫をしていかなければならないと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
もう1点すみません。ミサイル関連ですけれども、先程言われましたのは、将来的な国民保護という観点でいうと、大規模自然災害、インフルエンザとかテロとかという、比較的情報を確実に出していかなきゃいけないものに対しての対処というのが、有事に対しても、迫りくる有事というのはどちらかというと確実に情報を伝えなくてはいけない種類のものだと思うんです。今回のミサイルタイプは、非常にタイムレース的ないわば、ちょっと側面が非常に今回の訓練の中でもあったと思うんですが、そちらに偏り過ぎたという反省はありますでしょうか。
●知事
これは、結局、タイムレースをしながら正確な情報を出すというのが正しい姿だと思うんです。と申しますのも、今回のは、事前に伝えられていたところでは、もしミサイル関連飛翔体が発射されれば10分程度で着弾すると。そうすると、この10分の間に、例えば、市町村の中の放送を通じて、有線[放送]なりなんなりを通じて、それで伝達をすることがないと、もう結果が起きた後になってしまうわけでありますので、事前に注意を呼びかけるためには10分以内という、非常に今までに例のない情報伝達が求められたわけであります。
だから、どうしても、急いでお伝えをしようという方に我々の方の意識もいきましたし、それ自体は、方向性としては正しかったんだと思うんです。ただ、結果として、それが、紛らわしいものが一遍流れ込んでしまったと。ただ、紛らわしいものが流れ込んだからといって、例えば地上に着弾しましたと放送したところは1個もありませんけれども、そういうように懸念もあったというのも事実だと思うんです。
ですから、工夫を重ねて、今回のように、特に、迅速に情報伝達しなければならない類のものの場合は、こういう対処をマニュアルとして考えましょうという総括は、これからもやっていかなければならないと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
よろいですか、その関連で。県から市町村に伝達するというのは、これは確かに上手くいったと思うんですけれども、最終目的は60万県民に伝えるということだろうと思うんです。ところが、町村の中で防災無線というもので放送しますよね。ところが、これ防災無線でやったところで全員に伝わらない。だから、天気のいい日は声が上にあがっちゃうから響かないし、雨や風の時には、これも遮断されて届かない。だから、いかに県から市の方に情報が伝達されたとしても県民に何処まで伝わっているかという部分になると、不安な部分があると思うんです。これは市町村の問題だと言ってしまえばそうなのかもしれないんですけれども、目的は県民すべてに伝えるんだということだとすると、このあたりというのは是正されなければいけない部分でもあるんじゃないかなと思うんですが。
●知事
私は、そういう意味で、市町村も今回、いい訓練になったと思うんです。だから、是非点検をしていただきたいと思います。また、今般の経済対策の中で、私ども鳥取県から火曜日に総務省などに要請活動させていただいた1つは、Jアラート[全国瞬時警報システム]という、これは国民保護関連でありますけれども、通報システムがあります。
このJアラートに対して、この際、緊急的な意味でも今回のような教訓もありますから、Jアラートに対する整備を加速させるといいますか、抜本的な手立てを打ったらどうだろうかと。これは提言として持っていったわけであります。
だいぶんここはカウントしていただいたような感触を持っていますので、今回国の方から最終的な取りまとめで出てくる可能性があると思いますが、そういうものが出てくれば、Jアラートというさらに的確に大音量で、サイレンもシグナルを作ってやるような、そういう一斉同報システムが県内でも整備されることになるだろうと思いますので、その際には国の方の施策が示されれば、市町村と協力して、それを導入していくのも1つの方策だろうと思っています。
○時事通信 京正祐之 記者
補正に関連してなんですけれども、エコポイントとか、自動車関連のですね、補助っていうのは、鳥取県にとっては比較的効果的なのかなと思ったのですが、環境自動車の買い替えというのが10年以上乗ってないといけないというような条件が付いてたりというのが今のところあるんですけれども、そういうのを鑑みても地場産業というのには、この補正で影響がある、評価される、知事としては評価しているということであるんでしょうか。
●知事
今問題なのは、消費が鈍っていることだと思うんです。ちょっと大騒ぎになっていますけども、商品券なんかもですね、長蛇の列ができたりするようでありますが。ああいういろんなことで消費が刺激されていかなければならないんだと思うんです。特に鳥取県の場合は、電子電気関連だとかですね、それから自動車の部品関連などが主産業として製造業の雇用人員も高いところでありまして、ここに、私は良い影響が出でくるんではないかなという期待を持ちたいと思っています。
詳細実は、我々もその買い替えが何年ですとか、細かい情報を得ているわけではありませんけども、今報道されているところでは、そういう家電の購入とかですね、自動車の購入に対して促進策が打たれることは歓迎できると思っています。
特に大きな雇用を抱えている三洋CEのような会社がございますが、これは白物家電ですとか、自動車搭載品の生産が主力でございますので、そういう意味では良い材料になり得るだろうと思っています。その他のいろんな企業さんも、同じように期待感の持てる話ではないかと思っています。
ただポイントとしては、今おっしゃるように、出来るだけ使いやすくしていただきたいというのはあると思いますし、それから、どうせ対策を打つならば早く発効するようにしていただかないと、買い控えが起きてしまうと思いますので、速やかな実施を求めたいと思います。
○山陰中央新報 錦織拓郎 記者
直轄事業の、さっきの話に戻るんですが、内訳の昨日の知事会との会合で内訳を、国土交通大臣、石破大臣とも開示してもいいんじゃないかとそういう姿勢を示されたようです。あと、鳩山大臣も負担についても言及されているようなんですが、やはりこういった知事会等の働きかけは、成果がでとるというふうに、その辺り見てもよろしいんでしょうか。その辺の評価というのは。
●知事
私はですね、今は、昨日は物別れ的に報道もされていますけども、話し合いの場が持たれて、それで相互に共通理解を持てるベースを作っていこうという、この動きは私は重要なものだと思います。画期的だと言っていいと思います。今まで我々にとって直轄事業の負担金というのはブラックボックスだったんですね。何度その請求書の中身を明らかにしてくださいと、個別の団体で言っていっても、今まで1度も明らかになったことはありません。
ですから、鳥取県も、そういう意味で積年の課題だったわけでありますが、ようやっとここにきて、先端が開かれたというのは、私は評価できると思います。そして、金子大臣だとか、石破大臣の方からですね、その内訳を示すなど譲歩してもいいような発言もあったようでありまして、これからの協議に一定の期待は持てるだろうと思います。
ただ、その中で、さっきいろいろ話があるような、とても県民には理解が持てないような使途のものであるとか、そういうものはぜひ排除していただきたいとか。あと、維持管理系のように、やはりどう考えてもバランスが悪いじゃないかと思えるようなことは、即刻でも廃止をしていただきたいと思っております。
今回、国の方では2兆4,000億[円]ほど地方対策を考えるという報道になっていまして、詳細よく正直分かりません。ただ、その中では、負担金に対する措置も盛り込まれるんではないかと思いますが、その辺は期待できるとは思うんです。ただ、その際も使い勝手の悪いことにしてもらいたくないと思いますので、あまりにも付け焼刃的になって、使いづらいような仕組みにはしていただいきたくないなと思っています。今回の話合い自体は一歩前進と受け止めたいと思います。
○山陰中央新報 錦織拓郎 記者
冒頭説明がありました、山陰文化観光圏の事務局設置、職員さんの体制ですか、ちょっともう少し詳細等をお願いします。
●知事
これはですね、今まで山陰文化観光圏を幹事役として両県またがってやっておられたかたが、コンベンションビューローにおられるんですけれども、このかたとそれとあと、私どもの方で資金的にはお金を出すわけでありますが、県費において出します雇用を1人と、これで発足をさせていただきたい。
ただ、ここにいろんな観光についてのいろんなプランがございましたり、活性化させるためには、いろんな方々のご協力が必要でありますので、例えば観光協会だとか、あるいは旅館組合だとか、JRさんだとかですね、様々なセクターの方々に協力をしていただきながら運営をしていくということであります。島根県の方でも同じようなものを、今作られようとしていまして、鳥取[県]側と島根[県]側とで常設事務局を持って、この間に調整する組織を作りながら全体を動かしていこうと、こういう考え方であります。
○毎日新聞 宇多川はるか 記者(幹事社)
終わります、ありがとうございました。