●知事
皆さん、おはようございます。昨日、私どもの県議会が閉会をいたしました。その結果といたしまして、 3,387億円余りの当初予算が成立をいたしました。あわせて各種の条例も成立をさせていただきました。まずは、これから新年度に向けまして新しいかじを切っていく下準備が整ったと考えております。
3,387億円の当初予算の中には、 130億円の経済・雇用対策も含まれるわけでございます。1月、そして2月の補正予算もあわせて考えますと、15カ月予算で 350億円規模の事業費が確保されたことになります。当初予算ベースで 1,400人、またそのほかも含めまして 2,700人ベースの雇用の受け皿の仕組みができ上がるわけでございます。
これからは、その執行に全力を挙げなければならないわけでございまして、現在も増え続けると見込まれております失業者の方々の安心のためにも、また地域での雇用の確保のためにも、こうした予算を生かしていかなければならないと考えております。
●知事
あわせて人権救済条例にかわる新しい仕組みとして、[鳥取県]人権尊重の社会づくり条例の改正によります専門相談体制を整えさせていただくことも条例上決まりました。これも近年ののど骨とも言えるような、のどに刺さった骨とも言えるような、そういう懸案でございましたけれども、ただ立ちどまっているだけで何もしないということではなくて、前進をしていく、実際に目の前で救済を求めておられる方々に手を差し伸べる、その活動を地方自治体としてふさわしい形態で始めることが重要と考えまして、このたびのスタートを切らせていただいたところでございます。
このほかにもさまざまな仕組みをオープンをさせていただきましたし、組織の改正も進めさせていただくこととなりました。了承された結果といたしまして、くらしの安心局を設置をすることになりました。土曜日、日曜日を消費生活相談のオープン日にさせていただくなどの改善も図らせていただくことにいたしております。
また、組織的には現在の雇用情勢を考えまして、雇用人材総室長を創設をし、従来、ばらばらで動きがとりにくかった面もございました雇用対策がスムーズに動くように体制を変えさせていただくことにいたしました。9月に成立をいたしました砂丘条例[日本一の鳥取砂丘を守り育てる条例]を受けまして、砂丘事務所も4月1日から発足をすることになったわけでございます。
こうしていよいよ始動を始めるということになりますが、その実現を期するために、明日、幹部会を招集をさせていただくことにいたしまして、これから15カ月予算で組ませていただきました経済・雇用対策に万全を期すこと、また人権相談をやるには全庁的な応援体制も必要でありますので、全庁的な応援を求めることなど、話し合いをさせていただくことにいたしておる次第でございます。
●知事
それから一つ、まことに残念といいますか、憤りも感じますのは、対岸の北朝鮮におきますミサイルないし人工衛星の発射準備が進められ始めたという報道がなされている点でございます。アメリカとか日本の国防当局者によって、その状況が伝えられているという報道になっておりますけれども、本来は拉致被害者もおられる、そういう人道的な問題を抱えている当県といたしましては、残念な展開であると言わざるを得ないと思います。
国際社会に対して誠実に対応していただくことから、まずは信頼関係が生まれるのではないかと考えます。いずれにいたしましても、政府で全力を挙げてこうした事態の阻止を図っていただきたいと思いますし、私どもも現場として情報伝達訓練を昨日実施いたしましたが、できる限りの体制を整えさせていただくことは、これは急がなければならないと思っております。
ただ、いずれにしましても、本県に直接落下する可能性が今、大きく伝えられているわけではございませんので、過剰なことを住民の皆様に今から準備していただく必要はないと思いますけれども、ただ、行政として不測の事態に対応する体制は整えて、皆様の安心を図らせていただきたいと考えております。
●知事
健康関係でいえば久方ぶり、10年余の期間を経て結核の集団発生がございました。集団発生という言葉からしますと、非常に多くのかたが罹患をした、患ってしまったというニュアンスがありますけども、これは数え方の問題がございまして、3人の発症者がおられる。あとお二人、それに感染したと考えられるかたがおられる。
発症者のかたはお一人を6人分と数えますので、カウント上20人というカウントになりまして集団感染という法的な扱いになるということでありますが、いずれにいたしましても、この関係も私たちとしては接触をされた方々のフォローアップをさせていただきまして、安心を図らせていただきたいと思っております。
あわせて、結核は減ったとはいえ、まだまだ罹患が続いている、そういう病気でございますので、県民の皆様にも御注意を賜りたいと思います。県として新年度の末に全国の結核予防大会を誘致をさせていただいております。この運動を盛り上げる機運も進めていかなければならないと思います。
●知事
あと1点でございますけれども、観光関係でありますが、今週末から高速道路が 1,000円に料金が引き下げられることになります。ETCをつけておられる乗用車ということになりますが、これで観光の流れが変わるのではないかと思っておりまして、我々鳥取県としても声を上げていくことが大切と思います。
観光関係者のかたの御協力もいただきながら、「ようこそようこそ近いぞ!鳥取県キャンペーン」を実施させていただこうと思っております。現在は大消費地であります、車で来るという距離でございますので京阪神、中京圏、岡山、広島といった地域にキャラバン隊を派遣中でございます。
そして、皮切りの28日には私どもも参加させていただきまして、私も[鳥取市]河原[町]の方にお伺いしようと思いますが、河原の道の駅のところと蒜山のサービスエリアでキャンペーンをさせていただこうと思っております。
1,000名のかたにカレーとか、そうしたグッズを配布をさせていただいたり、あるいは温泉に訪ねていただく場合にも、提携の温泉では 100円、ワンコインで入っていただけるとか、それからあと観光施設、砂丘だとか、観光客が集客するような施設がございますが、そういうところでも、例えばラッキョウとかお土産物を無料配布をすると、こういうこともさせていただこうと思っております。
あわせて、鳥取県の知名度を山陰全体で底上げをしていかなければならないと考えておりまして、昨年の夏に、8月に島根県の溝口知事と、あるいは両県の若手職員で話し合いをさせていただきまして、そこで私も溝口さんの方にお話を申し上げたんですが、島根県ではTシャツを作っていまして、「鷹の爪」というキャラクターを使って、「島根は鳥取の左側」という、そういうTシャツを作っているわけであります。
それに対抗するわけでもありませんけども、やっぱり我々も同じように相乗効果を上げようと、私たちもTシャツを作ろうじゃないかと。これは島根県に公約をいたしまして、「鳥取は島根の右側」だと、こういうTシャツをこのたび作製をさせていただくことにいたしました。
関係者の御協力をいただきまして、3月の31日にその発売といいますか、お披露目をさせていただこうと。あちらは「島根は鳥取の左側」、「鳥取は島根の右側」だと、両県そろって山陰の知名度を上げようと、こういうような若い発想を生かしてやらせていただこうと思っています。
向こうは鷹の爪でございますが、私たちはわれらがアイドル鬼太郎を用いましてアピールをさせていただきたいと思っております。当日は境港から鬼太郎君もやってきていただけるようになっておりまして、そういう意味で、我々も観光シーズン、いよいよ春から始まりますが、その盛り上げを図ってまいりたいと思います。私からは以上です。
○日本海新聞 小谷和之 記者(幹事社)
では、各社、どうぞ。
○山陰放送 山本収 記者
先日、試験場での事故がありましたですけれども、それについての県の対策とか、そんなのがありましたら。
●知事
大平さんが残念なことに尊い命を失われたことは、私も本当にざんきの念にたえないと申し上げざるを得ないと思います。いろいろと熱心に研究をしてくださった職員でありますので、その死は悼まれますし、私は今、事務局といいますか、執行部全体に今申し上げているんですが、公務災害が発生しない体制をいち早くつくり上げなければならないのではないかと申しております。
今回の事態の原因をきちんと明らかにするように現場の方には申し上げておりまして、その調査ももちろんさせていただくことといたしておりますけれども、きのう、おとといと、相次いで庁内にも危険箇所の一斉点検の文書を出させていただきました。
今回、閉じ込められてしまったということでございまして、こういう痛ましい事故につながったわけでありますが、同じような危険のある装置だとか場所が、職員が立ち回る先にあり得るわけでございますので、その安全性の点検を緊急にやるようにと、これは指示をさせていただいております。
また、管理体制の点検もする必要があると。人が人とつながり合って機能するのが組織でありますが、今回は研究員という特殊性もあったんでしょうけれども、お一人で行動されるという、そういう状況があったようでございます。そういう仕事のやり方の点検をする必要があるんじゃないかと。
これも今、文書で通知を出させていただいております。この点も明日、幹部会を招集した際に公務災害の防止について厳しく関係部局に話をさせていただきましたり、そのアイデアを庁内で意見公開もする、熱心に皆さんにもこの問題に取り組んでいただく必要があると考えております。
明日話し合いをさせていただいて、公務災害ゼロキャンペーンといいますか、公務災害ゼロ運動というものを立ち上げようと考えていたところであります。明日、幹部の皆さんに集まっていただきまして話し合いをしようと思っておりました。ただ、急がれますので、とりあえず文書で危険箇所の緊急点検などを示達をさせていただいたところです。
○山陰放送 山本収 記者
今回の原因としては、結局何が原因だったとお考えですか。
●知事
これは点検といいますか、調査を我々独自にもさせていただこうと今やっている最中でございますので、その分析をしなければなりませんけれども、設備に瑕疵があったのではないかと言われています。この点をなぜ修繕ができなかったのだろうかと思います。それから、どういう勤務体制かというのが所属として十分把握できていたのだろうかと、この点も気になるところであります。
そういう問題意識から、まずは危険箇所の緊急点検と職務執行体制、これを早急に再点検してくれと、こういう指令を今、全庁的に流させていただいたというのはそういうわけでございます。もちろん今の捜査当局といいますか、警察も当然のことながら調査されているというふうに伺っておりますし、我々も我々独自で調査も今、始めようとしているところであります。
○日本海新聞 小谷和之 記者
ちょっと話は変わりますけど、きょう関西広域機構の方で、関西広域連合の設置案といいますか、その内容が示されるということなんですけども、その内容の詳細はちょっとこちらはわからないんですが、知事の知ってる範囲で、どういうような内容になって、その広域連合への鳥取県として参加するのかしないのか、どういうケースだったら参加が可能なのか、その辺の知事のお考えをちょっと。
●知事
広域連合自体は、これは正式な広域連合ということになりますと、自治体でございますので、当然のことながら議会の議決ですとか大がかりな手続が必要になります。ですから、現在はまだその枠組みについて論議をしているという段階ではないかなと思います。
私どもからは副知事に行っていただきまして、議論に参画をしていただこうとしております。近畿の中でも温度差があるところだと思いますので、どういう結果になるのか、どういう話し合いになるのかは、ちょっと我々も予測が完全にはつかないところです。
ただ、漏れ聞いているところでは、きっちりした広域連合ですか、すべての団体の同じ仕事を同じようにやると、いわば自治体と余り変わりがないような、そういう広域連合でなくてもいいんじゃないかということも議論されるようでして、こういう仕事には我が自治体も参加しましょう、こういう仕事には我が自治体も広域利用ということで参加しましょうと、そういう緩やかな広域連合という、何かコンセプトがあるようです。きょうそういう話し合いもされるんでしょう、その結果を見て判断していくべきことだろうと思います。
私どもでいえば、例えばドクターヘリを単県で調達しようと思うと大変な金額的な負担になりますし、実は出動回数も考えますと、鳥取県の60万人の圏域で1機のヘリコプターがふさわしいかどうかというと、やや過大になると思っております。ですから、隣県などと一緒になってやるのは、私はアイデアとしていいんではないかと思っているんですが、これも議会の中でも常任委員会等で説明をさせていただいているところです。
そういうようなことでのドクターヘリだとか、あるいは広域的な観光のスキームとか、本県も参画をして値打ちがあるような広域事務もあるのではないかと思います。今、まだ話し合いが始まったところだと思いますので、私どももそれに参画をさせていただきながら議論の経過を見させていただきたいと思います。きょうの段階で参加するしないという判断材料までは至っておりません。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
先ほどの林業試験場のお話なんですけども、さっきおっしゃったのは、施設の修繕と、それから勤務のあり方です。これ今、点検という、なぜ把握できなかったのかというところの問題ですが、これは結局県の管理体制に問題があったという認識でいらっしゃるということですか、先ほどおっしゃったのは。
●知事
それぞれの職員が孤立がちになっていたんではないかという気がいたしまして、この点は、私は反省すべき点があるだろうと思います。そういう意味で、今回の事故も教訓として厳粛に受けとめなければならない点は、私はあるのではないかと思っていますが、調査もさせていただきたいと思っております。
○読売新聞 北島夏記 記者
今のところで孤立しがちというのは、危険が伴う作業を一人でやっているという執行体制のことでしょうか。
●知事
結局研究をする、例えば乾燥施設自体が危険ではないんですね。それは必要な実験機器でありますし、当然活用してやらなければならない。今回の職員は、乾燥についてのいわばベテラン研究員でありまして、御自身でその施設もいわば管理をする立場にもおられた面もあるんだと思うんです。
何が起こったのか、私どもも完全には今まだ把握できておりません。ただ、そういうところにオーバーラップして施設の管理責任を全体として負うべき立場の人間であるとか、他の職員もその安全性についてクロスチェックで確認をするとか、そういう体制はとり得なかったわけではないんじゃないかと思います。
現実問題は、そうした状況ではなかったようでございまして、その辺が私としてもじくじたるものがありますし、残念でならないところがあります。今回、緊急点検をしろと、施設管理の人的な面と、それから物的な実際の危険を伴うかもしれない施設のあり方、ここの点検を命じたのは、その辺に理由があります。
全体として公務災害、特に死亡ということで、一番重大な結果をもたらしたわけでありますから、二度と起きないような体制づくりを全庁でつくり上げなければならないだろうと思います。そのために、必要であれば私はその施設の、例えば瑕疵が今あるのであれば、リーズナブルなやり方ということになろうかと思いますけれども、予備費を使ってでも緊急に直すべきものは直していくべきだろうと思います。
今回、どういうタイミングで脱出用のノブが作動しない状況になってしまったのかというのは、これはちょっと今わかりかねるところでありまして、原因はこれからも調査しなければならないと認識しています。
○毎日新聞 宇多川はるか 記者
今回の事故は、設備に瑕疵があって、それをクロスチェックする体制というのが今の状況として整っていなかったという、そういう認識ということでしょうか。
●知事
私はそういうふうに認識をしておりまして、その面では非常に残念な事態であったと言わざるを得ないと、先ほどざんきの念にたえないと申し上げましたが、そういう趣旨でございます。
ですから、私どもとして、まずはいち早く全庁的に同じような、そういう瑕疵がないだろうか、これを点検する必要があるだろうと思っていますし、この点については予備費を執行してでも緊急に直すべきものは直す必要があるだろうと思っています。
○山陰中央新報 太田満明 記者
施設の問題というよりも、今回の場合、2人で行動してれば防げたはずなんですよね。そういうマニュアルがなかったということがまず問題じゃないかと思っているんですけれども、ただ、何が危険なのかというのは、御当人たちは危険性を今回でも感じてなかったとおっしゃってるんですよね、もともと。この程度の行動だから、そんなに危険じゃないという。そこのところが一番問題なのじゃないかなと思ってるんですけども。
●知事
ですから私は、施設の瑕疵がどの時点でどういうふうに発生したのかよくわかりません。ひょっとすると、そのときに起こったかもしれませんし。ただ、おっしゃるように、人と人とが協力し合いながら仕事をするのが組織でありますから、その組織としてのフェイルセーフ、安全確保のためのかばい合う、支え合うという機能が弱かった面はあるんじゃないかと思います。
もし万が一閉じ込められたような場合に緊急通報するような何か仕組みがあるとか、いろんなやり方があると思うんです。それから施設の点検も本人任せでなくて、専門家が見ないとわからないこともあるでしょうから、同じ施設にいる別の立場の者が見たり、そういう体制もあり得たんではないかと思います。
ただ、研究自体はテーマが分かれていて、誤解なきように申し上げたいんですが、本人たちは非常に一生懸命研究もしているのは事実なんですね。ですから、例えば乾燥であれば、これは毎日その乾燥がどういうふうに進んでいるかという状況を、これは研究でありますので、チェックをして、しかも顧客である製材業者だとか、そういうかたもおられますので、そこに対する責任もありますから、そういうチェックを自分で出ていってやるということは日常的に、これは別にうちの研究機関に限らずあることでございますし、研究の中身になりますと専門性が高いですから、どうしても個人プレーの要素が多くなるのは、これはやむを得ないところがあると思います。
ただ、それでも安全衛生管理としては、別の視点でのチェックなりサポート体制というのは考えられていいんではないか。それは別に人が足りる足りないということではなくて、組織の中の意識の問題だとか、組織の中の役割分担の問題とか、あるのではないかと、これは反省すべき部分だろうと思います。
そういう意味で太田[山陰中央新報記者]さんがおっしゃるように、普通の実験施設なので、それに立ち入って、まさかそういう危険が発生するとは多分当人たちも思っていなかったんだと思うんですね。ただ、そのときでもやはり、万が一のことがあったらこういうふうにして救出されるような仕組みというところを何か考えておかなきゃいけなかったんだろうと、そこは思います。明日、各職場のトップに集まっていただいて、この点も話し合って、公務災害を追放する運動というのを立ち上げなければならないと思っています。
○朝日新聞 井石栄司 記者
予算が通ったばっかりでこんなことを聞くのもあれなんですけども、今年度はいろいろ、土地開発基金を取り崩したりして余裕がなかったというのは重々承知した上で、今後、退職金というのが2010年代の前半から急カーブを描いて増えていくことが予想されるんですが、退職用の積み立ての基金は、この10年ぐらい11億円のままずうっと据え置かれていて、備えというのはされてないんですけども、今年度は余裕がなかったからやむを得なかったと思うんですが、次の任期というか、を考えると、どこかの地点で何らかの手を打っておくのも必要なのかなと思うんですが、この辺について知事はどう今後対処されていかれるか。
●知事
そこは、財政的な腰だめをどの程度持つかということだと思います。今、我々の方ではとりあえず22年度末の 300億[円]の財調型基金の確保というところに一つの力点を置いてやっております。おっしゃるようにその後、うちは他県と違いまして退職手当の山は他県よりも遅くやってきます。他県はもう今、団塊の世代が卒業してくるということで、大阪だとか、大変なことになっていますけども、私どもはちょっと採用の波が違いまして、少しずれてやってきます。
それが平準化にある程度なっていて幸いしている面もあるんですけども、いずれにせよ、将来の退職者の数に伴う動向も含めて、新年度以降、財政フレームをよく点検しなきゃいけないだろうと思います。今、退職基金を積み増す必要性までは、緊急には考えておりませんけども、財政推計は当然ながらやっていきたいと思います。
○読売新聞 北島夏記 記者
24日に自民党本部で経済再生戦略会議に出られたと思うんです。そこでどういった要望ですとか現状をお伝えになったのかをちょっと。
●知事
今、自民党も与党として現在、経済・雇用対策の追加をやろうとしていまして、その機会に全国知事会を代表する形で小職も呼ばれました。そこで申し上げましたのは、一つは地方財政全体に対して雇用、経済という面での応援をしっかりやってもらいたいということです。
現在、地域経済活性化の交付金が配分されておりますけども、これは非常に使い勝手もいいですし、今回も 350億[円]の経済・雇用対策に役立ちました。これを増額をぜひしていただきたい。これは全国知事会もそういう決議といいますか、要望を今までもやってきておりまして、それを申し上げたり、このほか交付税が 5,000億円、雇用対策として[平成]21、22年度に配分をされることになっておりますが、これを延長していく必要があるんじゃないか。もっと見通しがないと対策を打ちにくい。
また、厚生労働省系の雇用にかかわる基金事業がございますけども、非常に使い勝手が悪い。これも改めていただいて、使い勝手のいい形で増額をしていただく必要があるんじゃないか、この辺も申し上げました。
あと、鳥取県の現場感覚でお話しいたしましたのは、農林水産業の雇用を、振興を図ること。県はだいぶ単独でやっておりますけども、国も食品加工業とか製材関係だとかも含めて、関連産業もあわせた雇用対策をやる必要があるんじゃないか、その仕組みについて提案を申し上げたり、それから医療・福祉関係では、お医者さんの数で、厚生労働省がこの間、各紙で報道されていましたけども、例えば鳥取県だったら90名、お医者さんの配分枠があるように、研修医の定数を増枠しましょうと。
現在、鳥取県は67人でありますけども、90名に増えるんだったら大変いいんですけども、ただ、全く同じスキームで、現在の研修医を受け入れている実績で上限をつけますよというふうになっています。これでは逆に半分ほどに減ってしまうということになります。国の方の議論も混乱しているんだろうとは思うんですけれども、こういうまやかし的なことにならないように、ぜひ自民党としても襟を正していただきたいと、これも強く申し上げました。
恐らく政府の方では、研修医の定数配分については当然ながら地方部の今逼迫しているところに配慮することになるんだろうと思うんですが、まだスキームが[平成]22年度なもんですからきちんと固まっていませんので、今後もこういった訴えかけが必要かなと思っております。
介護労働者も処遇が悪いということがございますが、その根本原因は、[施設において]3人の高齢者に対して1人の介護職員ということを前提に[介護保険]制度が組まれているんですが、実態は鳥取県もそうですけども、2人の高齢者に1人というような実態にございまして、これが処遇が悪くなる原因になっていると思います。
現実を見た体制づくりが必要じゃないですかとか、それから、今回予算も認められましたDBSクルーズ[フェリー]航路のように、地方として先導的な取り組みをやっていることに、国も高速道路も含めた支援を行うべきではないだろうか、こういうことも申し上げました。
その場を仕切っておられたのは町村(まちむら)会長だとか、それから林芳正代議士でございましたが、最後に林さんの方から、大体地方団体側の考えは自分たちの景気対策のスキームづくりにも方向性として合っているという話がございましたので、我々の方で要望したことも受け入れていただけるものではないかという感触を持ちました。全部が全部じゃないと思いますが、例えば交付金の増額とか、地方の視点に立った経済・雇用対策に結びつくことを願っています。
○朝日新聞 井石栄司 記者
先ほどおっしゃった研修医の算定方式の中で、二重基準みたいなものが一つの中に盛り込まれているというものに対して、この間の議会でも触れておられましたけども、同じように試算してみたら、ほかの県でも似たようなことが起きているという、この辺に対して4県知事会というか、ほかの県と連携して、国に対して何か情報を発信していくお考えはおありなんでしょうか。
●知事
今、国が説明会をつい最近やったはずですね。
○朝日新聞 井石栄司 記者
18日に。
●知事
18日ですか。それの意見募集をしているようでありますけども、そこでももちろん意見を出していきますが、私は関係県の知事には協調して声を上げましょうという話はしております。国の方の出方も見ながらということになろうかと思いますが、今、関係県の間では、そうした研修医定数がきちんと地方部に配慮した形で配分されることの重要性を訴えること、これも我々もこの中にリストアップするようにしています。
○山陰中央新報 太田満明 記者
今、DBSの話がちょっとあったんですけれどもね、3月末に引き渡しという予定だと思うんですけれども、そのあたりの何か情報というのは入っていますか。
●知事
詳細は担当部局、商工労働部の方に改めてお問い合わせをいただいて字にしていただきたいと思いますけれども、私が報告を受けている状況では、3月末までに引き渡しを受けて、釜山だったと思いますが、韓国のドックへ持っていって、およそ2カ月かけて改修をすると。それでスケジュールは固まったと聞いています。
○山陰中央新報 太田満明 記者
固まった。
●知事
固まったと。ですから、もう実はその前の払い込みといいますか、実際売買でございますので、売買契約の執行は予定どおりといいますか、想定していたとおりに今動いていると伺っています。4、5月で改修ということになれば、6月始動かもしれないですね。いずれにせよ、現実のものとなってきたことは喜ばしいと思います。
ただ、きのうも境港ですか、きのうかおとといか、国の方で、我々の方で働きかけて北東アジアゲートウェイということをやっていますので、国[土]交[通]省が日沿連という日本海沿岸の自治体の連盟と一緒になってシンポジウムをやったんですね。そこでも出されていましたけれども、安定的な運航をかち取るためには、まだ日本海航路の信用性といいますか、実用性について必ずしも評価されていないところがあると。だから、それを打ち破っていくためには、やはり自治体のサポートも必要だという、そういう議論があったそうなんですね、講師の方から。
そういうことで、非常に厳しい環境ではございますので、韓国側と協調しながら、我々は我々の方の領分の範囲内でございますので、韓国側とは全然支援の幅は大きく違いますけども、我々も境港市とか、あるいは中海市長会と一緒に支援体制を進めていく必要があるだろうと思っています。早速ポートセールスだとか、そうしたことに本格的に向かわなければならないと思っています。
○山陰中央新報 太田満明 記者
結局処女航海といいますか、いつ始まるのかというのがはっきりしないと、商談会というのも組めないだろうと思うんですよね。いつ、それこそ船が動くかわからないのに、会社の方もそんな計画立てれないと思うんで、そこのところは決まりそうなんですか。
●知事
我々もこれは、ずっと実は会社側の方に働きかけをしておりますが、観光に訪れる人、旅客の運賃レートとか、フレート料金、貨物料金ですね、こういうものを決めないとセールスも思うように進みません。それから、いつからどういうスケジュールでやるか、これも決まらないと思うように進みません。急いでそうした基本的なフレームを決めてほしいと、これはかねて言っておりまして、船の改修もいよいよ動き始めますので、ぜひ会社側から早目に対応してもらいたいと思っています。
あと、日本での法人設置もずれ込んできておりますけども、これも手続を今やっていると伺っています。場所の方は境港市も協力して確保したと聞いておりますので、早晩法人も設立されるんではないかと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
それと、船に乗る従業員の問題ですね、サービス業務で相当数の人が必要になると思うんですけれどもね、それこそ鳥取県で雇用をお願いするみたいな話というのも出てきませんか。
●知事
それはあり得るでしょうね。これからの話し合いの中に入れさせていただきたいと思います。当然ながらランドオペレーション、現地でのオペレーションが必要になりますので、運用がですね。それは当然ながら鳥取県側で採用も考えられると思います。その辺は我々も期待しているところでして、やっていきたいと思います。現在も着々と人集めが進んでいるようでして、船長さんとか、そういう中枢人材も決まりつつあるようです。
○日本海新聞 小谷和之 記者(幹事社)
そのほかございませんでしょうか。ないようですので、以上で終わります。
●知事
どうもありがとうございました。