1 ミス・ワールド日本代表 佐々木エルザさんについて
●知事
皆さん、おはようございます。このたびミス・ワールド[日本代表]に佐々木エルザさんが選ばれました。心から祝福を申し上げたいと思います。佐々木さんは、日本女子体育大学で学びながら、この栄冠を勝ち取られて日本代表となったわけであります。
私も来週お会いする計画にしておりまして、その際にふるさと大使を引き受けていただこうかと考えております。世界に向けて羽ばたいていく中で、鳥取県のいいところを宣伝していただけないだろうか、このように考えております。
●知事
ここのところ、秋でもございますので、いろいろとイベントがメジロ押しでございます。先週はアジアの中華コスプレ大会[第1回中華コスプレアジア大会]を鳥取県の中部、燕趙園で開催されました。NPOの皆さんが本当に張り切って運営をされていたと思います。
この週末は、鳥取砂丘で全国のゆるキャラカップ[第3回ゆるキャラカップin鳥取砂丘]をやろうということでございます。これにも30以上のゆるキャラたちが出てこられまして、そのかわいさのみならず体力を競い合うと、こういう趣向でございます。
また、これから環境立県に向けていかなければならないと考えておりますが、ノーレジ袋推進を鳥取県としてもやっていくべきだと考えております。その意味で、東部、中部、西部、それぞれに検討をしてまいったところでありますが、その話がまとまって、11月10日にノーレジ袋デーを実施をすることになりました。
11月に入りまして、まず1日にそのための啓発といいますか、PR[ノーレジ袋推進県民大会]をみんなでやろうという、そういう大会を予定をいたしております。ぜひ県民の皆様にも取り組んでいただきまして、環境先進県・鳥取県にふさわしいエコスタイルのあり方を考えていただきたいと思います。
●知事
ただいまは、金融機関の皆様や商工団体の皆様と一緒に話し合いの機会を持ったところでございます。現在、景気はいまだ不透明感が漂っております。これは容易には晴れないんだろうと思います。昨日は株価が 8,000円台を回復したというふうに言われているわけでありますが、考えてみれば、 8,000円台といったら昔は18,000円台のことだったわけでありますが、ちょっとの間に 8,000円台といえば本当に1万円を切った 8,000円台でございます。
こういう水準であって、まだ相場が予断を許さないところであります。円の方も96、7円のあたりを今動いているわけでありまして、90円ぐらいからは大分改善をされてきておりますが、円高傾向が是正されているものの、いまだ今後の状況はわからないということであります。
そのわからない原因というのは、アメリカだとかヨーロッパだとか、各国に広がった景気停滞、リセッションという言葉でございます。ですから輸出に依存している製造業を多く抱える鳥取県内でも、ある程度の期間にわたりまして景気の不透明感をぬぐえないんではないかと考えております。
実は、鳥取県でも緊急に商工団体の御協力をいただきながら、県内の業況調査と金融調査をさせていただきました。その結果、回答を寄せられた企業の3分の2は現在の会社の状況は悪化をしているというように回答を寄せてきております。
そして資金繰りでございますけれども、資金繰りについて従来と変わらないと答えている企業が半分ほどございますけども、3分の1の企業は金融を受けることが厳しくなってきている、こういう回答でございます。その厳しくなってきているという回答の半分ほどは、貸し渋りということがあるのではないかという、そういう回答になっています。
冷静に分析をしてみますと、その厳しくなっている原因としては、自分のところの会社の状況によるものだというかたが3割ほど、それから全国の景気の動向によるものだというかたが2割ほど、業界全体の停滞感だというかたが2割ほどございまして、合わせて7割ぐらいはそうした状況を言っておられまして、金融機関ひとりが責任を負うというものでは決してありません。しかし、金融を受けにくくなってきているという状況を訴える声が広がってきているのも、これはまた否めない事実であろうと思います。
そういうことから、今朝は緊急に金融機関のトップの皆様方、それから商工団体のトップの皆様方と会合を持ったわけであります。私ども鳥取県としては、新しい融資制度[鳥取県企業資金繰り対策特別融資制度]を明日からスタートをさせようと考えております。これは小規模事業者の融資の枠を広げようというのがまず一つございます。
それから非常に厳しい赤字であって、売り上げが落ちているといったような状況にある、非常に厳しい状態にある企業さんには1.67%という特別金利を適用しましょうということ。それから借り入れの期間も、借りかえを認めることで、1回から2回借りかえを増やすことで、30年間という長期の借り入れも実現するようにしようという県単独の施策をあしたから実施をしようと考えております。
また、国の方も同じ日にセーフティーネット融資を拡大をすることにしていまして、中小企業の方々、ほぼ全ての業種と言っていいと思いますが、大方、そのセーフティーネット保証を受けられるように、あしたから制度が変わるということであります。
これに向けまして、県庁としても相談窓口[鳥取県中小企業資金調達緊急相談窓口]を開かさせていただきますが、この対策というものは個々の金融機関や商工団体、それぞれに行っていただくものでございます。今朝の会議では、こうした新しい制度を設けることについて話し合いをさせていただきました。
金融機関からお話がございましたのは、自分たちとしてもできる限り今の厳しい経済の実情というものを考えて、取引先を精力的に回ったり、新しい融資制度をPRをしたり、最大限努力していきたいという言葉が寄せられました。
商工団体も含めて話がありましたのは、単にそうした金融の話だけでなくて、厳しい時代を乗り越えた後に企業が成長していかなければならないので、新しい挑戦をする会社を支える指導体制を充実しようとか、また零細企業で経営の基礎をしっかりとやっていただきたいところに対して、商工団体など、経営相談を充実する必要があるんじゃないかというようなお話だとか、そうした声も寄せられたところであります。
これらの対策をみんなでやっていこうという合意ができたと思っておりますので、これからぜひ企業の皆様にも窓口を活用したり、金融機関も活用していただきまして、今のこの厳しい時期を乗り切っていただきたいと考えております。県も制度を硬直的に考えずに、現場から寄せられた声を今後も柔軟に取り入れて、制度融資のあり方など、見直しを進めるべく努力してまいりたいと思います。私の方からは以上です。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者(幹事社)
各社、質問ありましたらお願いします。
○山陰中央新報 太田満明 記者
今朝の新聞を見ると、麻生首相が道路財源の中から1兆円を地方に回したいという話がありますけれども、あれは知事、どういうふうに思われますか。
●知事
現在、私どもあんまり情報がないんですね。多分数字というか、大枠だけがひとり歩きしているんではないかと思います。その詳細を見てみなければ何とも言えませんけれども、その1兆円がどういうふうに配分をされるのか、現実に道路整備を必要としている地方に手厚く配分されるべきだと思うんですけども、そこがどうなのか。これは一般財源化の議論と絡んでいますので、ですから非常にまだ不透明だと思っています。詳細を聞いてみないと、なかなか評価のしようもないかなと思っているところです。
ただ、大切なのは、特に高速道路の整備が山陰地域は遅れていると思います。これは全国とのさまざまな格差の原因になっていると考えておりまして、この点はしっかりと取り組んでいただきたいという気持ちであります。これは与野党の議員の皆様に働きかけなければならないところであります。
今、同じような境遇に置かれた宮崎県とも話をしておりまして、来月中に両県で改めてこうした高速道路問題について問題提起しようじゃないかという話し合いを今しているところです。いずれにしましても、こうした高速道路問題は別の課題として厳然としてあるわけでありますから、1兆円が地方に配られることがこちらの方に影響しないように、政府としては慎重な配慮を求めたいと思います。
あわせて最近の政治状況として、景気対策を優先して解散先送りという議論がありますけども、私はこれはやむを得ないだろうと思います。むしろアメリカでホワイトハウスにブッシュ大統領がマケイン候補とオバマ候補を招いて金融対策を話し合ったように、与野党で国民生活を第一に考えて合意形成を行っていただき、速やかな追加的措置を決めていっていただきたいと思います。
金融対策が取引材料に今なっているようでありますけれども、これに時間をかけ過ぎて、今の経済悪化、経済停滞が助長されることがないようにお願いを申し上げたいと考えております。
あと、急遽浮上しております減税ですね、2兆円が今度は直接支払い、直接現金給付ないしはクーポン券というような動きになってきております。私は、確かにこうした政策減税も万能薬ではありませんので、どうしても効果というものは額面ほどには出てこないという面があろうかと思います。ですから、やり方をいろいろ工夫をこれから考えなければならないのではないかと思っています。
もし国で現金給付だとかクーポン券ということを設定をされようというのであれば、地域の商店街だとか地域の消費活動が実際に活発になるように、それもある程度将来に向けて持続性があるといいますか、その政策がきっかけとなって相乗効果が生まれるような工夫を求めたいと思います。
単なるばらまきだけでありますと効果が限定的になりますので、地域で知恵を出してということであれば、鳥取県として知恵を出しながら、できるだけ効果のあるようなやり方を模索すべきではないかと思います。
○NHK 三浦太一 記者
解散は先送りやむを得ないという話なんですが、じゃあ先送りを仮にするとすれば、いつぐらいが適当だと知事はお考えでしょうか。
●知事
これは、経済情勢とのかかわり方というのが私は住民の感覚ではないかと思います。急に経済ががたがたとしてきたもんですから、選挙に時間を割いている場合かなという声が国民の間で高まっているのが現状だと思います。ですから、そうした政策的対処の完成度といいますか、実現と絡まって、この解散の時期が議論されるべきだと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
この今の状況というのは、例えば来年度予算、当初予算に影響してきますか、何らかの。
●知事
解散のことですか。
○山陰中央新報 太田満明 記者
解散云々じゃなくて経済状況。結局歳入が変わってきますよね。
●知事
ええ。それは大きな影響があると思います。まず歳入が組みづらいことがあって、これは地方側にも地方交付税の原資に影響してくる可能性があると思います。我々は今 6,000億[円]、概算要求、減らされている地方交付税の現状なので、これを復元すべきだという話を国の方へ持っていっているわけでありますが、これも、そもそも原資が欠けていきますと大変難しくなってくるわけでありまして、心配をしております。
○山陰中央新報 太田満明 記者
これから当初予算にかかっていくんで、方針出てくるんだろうと思うんですけれども、何かその辺、今のところございますか。
●知事
難しい局面だと言わざるを得ないと思います。歳入面では厳しさを増す一方で、地域経済が、徐々に実体経済、冷え込んでくる危険がありますので、それに対するカンフル剤を考えなければならないだろうと思います。その意味で、県の予算編成も二兎を追うような感じになってしまいますので、我々も一定程度埋蔵金を探すとか、そうした努力をしていかなければいけないのではないかと思います。
財政フレームの 300億円の基金を守ろうとか、そこは変えないように頑張りたいと思いますけれども、今後、来年、再来年というふうに長引いてくると、そうした目標設定にも影響しかねない状況だろうと思っています。
○山陰中央新報 太田満明 記者
ジオパーク、残念だったんですけど、感想を。
●知事
ジオパークについては、まことに残念な状況だと思いますが、その後聞こえてくる話からすると、私は火を絶やすべきではない、くべ続けなければならないと思います。それは、山陰海岸の持っている値打ちというものは普遍的なものがあると思いますし、現在、まだ解明し尽くされていないミステリーが眠っているということだと思います。ですから、兵庫県とか京都府ともう一度体制を組み直してチャレンジをやっていきたいと思います。
先般、放送大学の西田先生とも話をいたしましたけれども、学術的なバックアップ体制もお願いをしたいということもありますし、それから地域として砂丘の解説員のような、砂丘レンジャーみたいな、そういう体制づくりも図っていきたいと思っております。
先般、「日本一の鳥取砂丘を守り育てる条例」を実行していくためにも、鳥取砂丘再生会議というのを準備会議、させていただきましたけれども、皆さん非常に意気軒昴だと思います。
やや地域によって温度差があるんじゃないかという懸念も持たれるところではありますけれども、近々、近畿ブロック知事会議とか、あるいは全国の知事会議を招集されているところでございますので、私としては京都、兵庫の知事さんと、この問題を話し合う時間を持ちたいと今模索をしているところです、調整をしているところであります。ちょっと一休止おくような格好になっていますけども、できるだけ早く世界ジオパークへの加盟が実現するように体制を作りたいと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
日本ジオパークの議事録といいますか、見ますと、結局広範囲でやっておるということは一つの評価対象ではあるんだけれども、逆にそのことがうまく連携がとれてないということが、どうもまたこれマイナス要因になっているようでして、ということは、これまで3府県あるいは6市町の間で、県が違うのでスムーズな連携というのがなかったんだろうと思うんですが、そのあたりを今後どういうふうに解消していかれようとしているのか。
●知事
新温泉町さんが今まで中心的役割を果たしてこられたわけで、その御労苦は多といたしたいと思います。ただ、さらなるレベルアップが必要でしょう、そういうふうに思います。私は兵庫県とか京都府と話をさせていただいて、学術的なバックアップ体制の強化だとか、あと県もある程度入らせていただいて、特に学術的、地質学的なスタッフをそろえるとかになりますと、県という存在も必要になってくると思いますので、そうした県の役割も強化をする必要があるのではないかと思います。
ちょっと話し合ってみないと、具体的な方策、今決められる状況ではないと思いますが、恐らく皆さん賛同いただけると思います。その意味で次のチャレンジを考えるということだと思います。聞いているところだと、天の橋立の扱いも改めて考えようじゃないかというお話でございまして、そこら辺も含めて枠組みを一部変えていく可能性があると思いますね。
○読売新聞 北島夏記 記者
地方分権改革のことで、先日、天神川が対象に入っているという通告がありましたが、千代川は同じ対象であっても外れておりますよね。そのあたりの理由ですとかいうのは国交省から伺っているんでしょうか。
●知事
私が直接聞いたところですけども、あちらとしては、洪水などの被害の規模が千代川の場合は天神川に比較して大きいと見込まれることを言っていました。
○読売新聞 北島夏記 記者
それから、この河川については、県の方から積極的に国側に移譲を求めるケースもあれば、地元市町村の方が県管理でなくて国管理が要るという地域もあるようですけれども、知事の現在のお考えとして、積極的に天神川あるいは千代川の移譲を求めるお考えなのか、そうではないのか。財源の問題もあるとは思うんですが、そもそも県に移譲するべきとお考えなんでしょうか。
●知事
私は、それは財源との見合いだと考えております。千代川も移譲を受ける考え方もあろうかと思いますけども、現在、殿ダムを実施中でありますし、非常に事業規模が大きい状況にありますので、これを県側に移管することのリスクは高いと思います。天神川ももちろん事業中の箇所もございますけれども、それについての財源や人的な手当てを国がどう考えるか、これを聞いて冷静に判断すべきだろうと思います。
県によっては、すべての河川の移譲を求めるとおっしゃっている県もあるようでありますが、私は、河川は道路のバイパス的区間と違いまして、財政的なインパクトが非常に強いことと、それからあと災害と裏返しの関係になっている面が強いことからしまして、道路よりは国の方になじむ側面が多いと思っています。
ただ、今でも例えば二級河川とか準用河川だとか、地方側の管理の川はもちろんあるわけでありますから、絶対的にどこが区分けの線引きだよというのは本来ないと思いますので、その意味で天神川の現況を総括しながら、財政的な役割分担、それから災害時の国としての支援のあり方、これらを考慮材料として判断する余地はあると思っています。
○読売新聞 北島夏記 記者
そうすると、千代川に関してはダム事業部分も大きいので、ですけど、天神川については財政措置によっては受け入れるという考えですよね。
●知事
これは検討に値するというところだと思います。ただ、まだ何も材料が示されてないです。今、事務的に折衝中ということだと思いますが、私はまだ伺っておりませんので判断する材料がありません。
○読売新聞 北島夏記 記者
改めて天神川、この間、国道の移譲に関するメリットは触れられましたけども、河川、特に天神川を県に移譲することによって、もちろん財政措置を伴ってですけれども、それのメリットというのはどうでしょうか。
それと、国交省との今後の打ち合わせの段取りというのは、その後、どうでしょう。
●知事
河川も道路と一緒でございまして、もし地方側に移管されれば、自治体で議会、住民の判断で決められるようになりますから、地方分権の理念としては理解し得るところだと思います。
本来、国も民主主義ですから、国会議員を通して議論する余地はもちろんあるんでしょうけども、ただ、どうしても地方側は要望するという、陳情して、やってもらえるかどうかわからないというところでありますが、もし地方移管ということになれば、金額の多寡は、多い少ないはありますけれども、やるやらない、自分たちで決められるようになりますから、その面でのメリットはあろうかと思います。
ただ、実際に抱え切れる経営能力が我々に本当に与えられるかどうか、それは財政の問題や人の問題でありまして、ここのところの見きわめが重要であると思っています。
○読売新聞 北島夏記 記者
次回、国交省側と折衝する時期というのは、具体的に決まってますか。
●知事
期限としては、何か年内いっぱいというふうに聞いていますから、それまでにはおいおい情報が入ってくるようになるんだと思います。
○毎日新聞 小島健志 記者
情報公開条例で1点、開示目的の制限についてなんですけども、知事から罰則規定を盛り込むような指示を出されたということはあるのでしょうか。
●知事
いや、それは教育委員会の例の話ですか、学力テストの開示問題。
○毎日新聞 小島健志 記者
ええ、そうです。
●知事
これは教育委員会の方で今、多分たたき台を考えられている段階だと思います。私自身はこういう案というのをまだ示されておりませんし、それから今おっしゃるような、こういうふうにしなさいという指示を私の方で出したことはありません。
教育委員会が今までのいろんな議論を踏まえて、市町村とかと話をしたことも頭に入れて、ぎりぎりの努力を今されているところだと思いますので、それを見守りたいと思います。
○毎日新聞 小島健志 記者
開示目的に制限をかけるということ、今までにプラスアルファですね、そのあたりに関しては、いかがだと思いますか。
●知事
それはちょっと、具体の制度を見て考えないといけないと思います。今回の場合は、教育委員会が自分で条例提案できないもんですから、私どももある程度教育委員会の補完的役割を果たすという意味で、教育委員会の出してきた案を条文化して出していくということに本来すべきだと思いますので、教育委員会の意向をできるだけ尊重していきたいと思います。ただ、そこは、どういう設定ができるのかは、ちょっと私もまだ想像できません。
○毎日新聞 小島健志 記者
特に今回、教育委員さんとの懇談というのは、どういう趣旨で行う御予定なんでしょうか。
●知事
きょう、夕方懇談ということで、特に議題を具体的に設定しておりませんけども、きょう、皆さんが教育委員間の協議会をやっていると思いますから、その結果も当然議論の対象になると思います、学力テスト公開問題ですね。
今後の教育委員会の運営についてということで私はテーマ設定を向こうからいただいていまして、それ以上ちょっと、おいでいただかないとわからないです。でも、大いに議論しなきゃいけない時期だと思いますので、11月末に開会する議会も考えれば、胸襟を開いてお話し合いをさせていただきたいと思います。
○読売新聞 北島夏記 記者
ちょっと関連しまして、条例の改正、制限についてなんですが、県教委側から、あるいは教育委員会の方から知事に対してどういった制限が考えられるかとかいう御相談はありましたでしょうか。それとあわせて、知事がお考えになる制限というのが、いろんな制限の仕方があると思うんですけれども、どういった制限が加えられるというふうに知事は想定されているのか、知事御自身がお考えなのかというのをお聞かせいただけませんか。
●知事
これは仮定の議論なので、まずやはり現場として市町村の教育委員会や市町村とも話をしながら案づくりを進めておられますので、その状況を見たいと思います。県教委でどういうことを今考えられているかはわかりませんが、一般的にいえば、今も情報公開条例だとか個人情報保護条例などでいろんな定め方はありますけれども、開示される情報の項目についての制限を設けることとか、それから開示請求を行うことができる人についての制限であるとか、また適正利用というような制限を設けている条項も今でもあります。
ですから、そういうものを多分参考にされていろいろ考えられるんじゃないかと思っておりますけども、具体的なアイデアは教育委員会の方の提示を待ちたいと思います。
○読売新聞 北島夏記 記者
具体的なアイデアについては、全く投げかけはなかったんですかね。
●知事
教育委員会からですか。
○読売新聞 北島夏記 記者
具体的なアイデアについては、教育委員会側からは示されては。
●知事
まだないですね。
○読売新聞 北島夏記 記者
ないですか。
●知事
はい。多分あちらも今、委員会の構成が変わっているところですから、きょう本当に初めて話し合うんじゃないでしょうか。私もちょっと詳しいことは知りません。
○日本海新聞 村上俊夫 記者
制度上の問題ですけれども、教育委員会はその開示について判断をする組織ではあるんですけれども、制度全体の設計ということになると県が主導するといいましょうか、そういう立場だと思うんですが、つまり実施機関の個別の、いわば使い勝手ということをあまりにも優先すると、制度が本来担保している県民に対する情報の公開の決定というところが損なわれるという、いわば矛盾みたいなものが起こるというふうに思います。先ほど知事は、やはり教育委員会の意向を尊重するというふうにお話しになりましたけれども、やっぱりそこのところには一定の制度をつくるものとしての思想が必要だと思いますので、現場といいましょうか、実施機関の側が出したくない情報は出さなくていいというような制度のあり方は、基本的には誤りだと思うんですけれども、そこのところはどういうふうにお考えでしょうか。
●知事
それは、提示されるものを見てみないと何とも言えませんけども、制度の基本を外すことまではできないと思います。そこのところは、我々は我々の見識としてチェックすべき事項だと思います。ただ、議場でも議論されていましたけれども、子どもたちの序列化とか子どもたちへの悪影響という具体的なものが想定をされて、それを防止するということであれば、その目的と手段との関係性、牽連性がきちんとあるのであれば、それは我々も提案するということになるのではないかと思います。
確かに制度自体、所管は知事部局側ということになりますけども、片方で教育委員会は条例提案権がないという、そういう限界もございまして、ですから教育委員会の意見もしっかりと聞いた上で、あちらがその分の執行権を持っているところでありますから、その教育委員会の考え方もしっかりと聞いた上で、議会で民主的に議論してもらって決着をするというのが、私は地方自治法の本来の考え方ではないかなと思います。知事部局としては総合調整権にわたる範囲内のことをなすべきではないかと思っています。
○読売新聞 北島夏記 記者
けど、その改正の仕方ですが、開示される立場とか所属とかによって、あるいは目的によって制限するというのは、かなり知る権利とかを制限することになりませんでしょうか。その危険性がちょっと心配なんですけれど、知事は、改正に当たってはこの点を気をつけるべきだ、留意するべきだという点をちょっと改めて。
●知事
これはちょっと、具体論はまた実際に出てきたもので判断するしかないんですが、一般論として申し上げれば、条例を改正しようというのであれば、その改正の目的があると思います。この改正の目的が全国学力テストを開示することで子どもたちへの具体的な悪影響を排除しようという目的であるとすれば、それと、その目的に照らして合理的な制度改正というところが縛りなのだと思います。
これが知る権利と、それからあと、それに対しての公共の福祉の観点といいますか、別の政策目的からの制限が加えられる限界点だろうと思います。何から何までやってもいいということではもちろんありませんで、その辺をだから今、厳密に教育委員会も議論しているんじゃないかと私は考えております。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者(幹事社)
ほかにありますでしょうか。なければ、ありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。