●知事
昨日、国の方で衆議院を補正予算が通過をし、関連法案も議決をされたということであります。こういう情勢ではありますけども、なお流動的な要素が残っていると思われます。おおむね国の補正予算のめどが立ったという、そういう見方もありますけれども、確定をしたとまでは言えないだろうと思います。
ですから、私としては鳥取県独自の単独での経済雇用対策、緊急にしなければならないのではないか、これを速やかに取りまとめをさせていただいた上で、臨時議会を開催をすることといたしたいと思います。1月27日が可及的な最短距離でありますので、事務的な作業も含めて考えますと、1月27日開催というのが最短距離でありますので、そこを調整の軸として、27日の開催を目指したいと思います。
その際に提案すべき内容でありますが、国庫補助事業を正面から計上するのは、現状では非常にはばかられる状況であります。いずれ2月議会が開催をされます。その2月議会の開催期間中に、これから60日ルールですか、結局関連法案が参議院で採決をされないときにみなし否決をするという、そういうルールがありますけども、少なくともそれが2月議会中に到来することになると思います。
そのときに今の補正予算の決着が図られることには遅くともなるだろうと見込まれます。ですから、国庫補助関係を中心としたものは2月に改めて提案をさせていただくこととして、現段階では単独でつなぎ的にも地域の責任で走らざるを得ないものを計上させていただいたらどうだろうかと、そういう作業をいたしたいと思っております。
具体的には、一つはこういう厳しい経済環境の中であっても、なお企業立地の拡張だとか、意欲的に取り組まれようとしている企業さん、こういう企業さんに対しまして、1人雇うと 100万円の助成をするというような雇用助成を企業立地促進のメニューに追加してはどうだろうかというのが一つでありますし、また、農林水産業の受け皿となるべきかと思います。
したがいまして、鳥取暮らしを提案をする、これを県内の職を今失っておられる方々のみならず、県外からもU・I・Jターンも兼ねて来ていただく、それも視野に入れました研修支援だとか就業支援をこの際、単独事業でも組んでスタートしてみてはどうかと考えております。
国も補正予算だとか、あるいは当初予算、新年度予算の中で今組もうとしておるようでありますけども、そういうものもいっそ我々の方で先行して走り始めるという意味も込めまして、それと農林水産業の受け皿づくりだとか雇用の場の創出に予算を計上してみたいと考えております。
このほか、すぐにでも取りかかれるような公共投資、維持・修繕系だとか単独事業の比較的小規模なもの、これを中心とした公共投資関係も一定程度予算計上をしてみてはどうかと考えております。今あらあら、まだまとめておりませんで、詰めも最後までやっておりませんが、恐らく30億[円]は超えてくるだろうと、30億[円]から40億[円]ぐらいの規模で最終的な線の取りまとめを図ってまいろうかなと考えております。議会側との折衝もありますので、1月27日開催を目指して最終調整をさせていただくことといたしました。
これに限らず、経済・雇用対策、国の方で早目に仕上げてもらいたいと考えております。衆・参[議院]での議論を急いでいただきたい。これは若手の5県知事会議、1人欠席しましたが、4県で話し合いをさせていただきました。この辺など、使い勝手のいい国の制度などもこれからアピールして、雇用・経済対策が速やかに実施できるように国にも働きかけを強めていきたいと考えます。昨日も厚生労働省を訪ねまして、渡辺副大臣にこの趣旨の要望をさせていただき、5県知事会議の考え方も申し上げたところであります。
●知事
次に、DBSクルーズフェリーについてでありますが、私どもの方にこのたび連絡がありまして、金曜日の米子-ソウル便で来県をしたいと。それで正式に鳥取県側に対して、平井[知事]と面談したいということだと思いますが、鳥取県側に対して今後の就航計画について説明をさせてもらいたいという申し入れが参りました。これは船の調達について一定のめどが立ちつつあることのあらわれだろうと思っております。
就航しないということではなくて、例えば2月に試験的にも就航を始めて、それで取りかかっていきたいと。船について、当初予定していた船が手に入るかどうかということは、全く私ども、まだ聞かされておりませんけれども、いずれにしても航路でございますので、船を確保してということではないかと私たちは期待をいたしております。最終的にはお会いしてみないと内容はわからないと思いますが、金曜日の米子[-ソウル]便で来県をされるということであります。
拉致被害者の救出活動を都道府県レベルで強めていこうという取り組みを始めました。昨日は東京におきまして外国特派員記者クラブですかね、要は外国人プレスのクラブでございますけども、こちらの方で私どもの同志と会見をさせていただき、海外メディアの皆さんにも協力を呼びかけたところであります。
また、放送を通じて北朝鮮向けに昨日は収録をさせていただきました。このラジオの中に、私は松本京子さんの御家族のメッセージを盛り込ませていただきました。そのメッセージというのは、家族で、みんなで待っていますと、そしてそれまで元気で暮らしてくださいという、そういうお言葉でございまして、非常に胸に詰まるものがありますが、それを代弁をさせていただきました。
私自身からも国への働きかけなど、地域も頑張ることを申し上げたり、それからさまざまな最近の動きなんかも含めて放送の中には盛り込ませていただきました。いずれにいたしましても、国は早急に対策をとるべきだと思いますが、地方側でも動きを起こしました。[米国の]オバマ政権が1月20日に誕生するので、これに向けての書簡も送らせていただくことを発表させていただいた次第でございます。
明日は大阪[市]に参りまして、鳥取・大阪の交流フォーラム[大阪・鳥取交流フォーラム]を開催をさせていただきます。これは淀屋の御縁がございまして、淀屋が大阪[市]に立地をしておったわけでございますが、闕所ということで一たん取りつぶしに遭います。この期間中、倉吉[市]で操業していました。
牧田仁右衛門が操業しておりましたが、これを御縁として、これからのビジネス展開や地域づくりなど、あるいは鳥取[県]と大阪[府]の交流について橋下[大阪府]知事、あるいは堺屋太一さん、それからファミリー[株式会社]の稲田社長さんも交えて話し合いをさせていただく、そういう公開フォーラムを予定をいたしております。私の方からは以上です。
○日本海新聞 小谷和之 記者(幹事社)
それでは各社、どうぞ。
○朝日新聞 井石栄司 記者
補正予算なんですけども、30億から40億のうちで雇用対策と経済対策というのは、それぞれどのくらいの比率になりそうなんですか。
●知事
今、トータルで積み上げてということなんで、ちょっと正直不分明です。半分ないし半分強が公共投資関係になろうかなと思います。予算額ベースで30から40億[円]ぐらいかなと、今作業しておりますけども、実際の実行事業費ベースですと、その倍ぐらいのベースになるかと思います。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
先ほど国の60日ルールになりますと、国庫補助使えるのが3月、早くても末ぐらい、そういう政局になればですけれども。それを待たずに県独自で予算化しなきゃいけない鳥取県の現状ですね、前倒しでやらなきゃいけない状況について、知事はどういう判断をしておられますか。
●知事
今、年末年始をまたいで 1,000人を超える雇用調整が行われてきております。我々の集計では、昨年末までよりも、今後、年度末までの方が数が増える、その 1,000人強のバランスが、この年明けの方が大きいわけであります。ですから早急に対策を打たなければならないということと、それから雇用の受け皿を、従来我々は現計予算の中でやろうとして臨時職員の採用などに踏み切ったわけであります。
しかし、それでは限界がありますし、継続的な雇用、また働く人たちの気持ちを考えれば、新しい雇用の場を創造する方にも精力を割かなければならない。そのためには現計予算が必要になると。ですから予算を現金化して議会の承認を得ておく必要があるわけであります。残念ながら補助制度が使えませんので、単独でスタートをするというのが今の痛しかゆしの選択でございます。
これをやらなければ空白期間が長引きますし、国会が、私は参議院で、もうさっさと議決してもらえばいいんじゃないかと思うんですけど、衆議院とは違う結論を出すのでも構わないわけでありますから。ただ、引き延ばし戦術になりますと長くなると。これは県民の方に、地域の経済へのダメージが広がることを意味しますので、つなぎ的にも地方が走り出すべきではないかという判断です。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
財源については、2月補正とか当初予算の分の前倒しなのか、あるいは新たに何か捻出方法、その30億から40億ですか、これについてはどういう。
●知事
それは、やりくりして身銭を使うという以外は、現段階ではありません。1次補正[予算]の中、既に成立した国の補正予算の中のものは計上できますけども、それは限定的ですね、数億[円]ぐらいにしかならないと思います。本当は2次補正予算のものを使って、もっと予算枠も膨らますなどをして経済効果を早く出したいですけども、ただ、それをやれるほど大きな県でもありませんので、当面、いずれ単独で帳じりを独自に合わせることになってもやむを得ない、耐えられる規模ということで選択を今考えています。
ただ、御指摘のように、国の2次補正予算も遠からず成立するかもしれない、その蓋然性はある程度高くなっていると思います。昨日も造反はありましたけれども、2名の自民党からの離脱といいますか、逃げた人が2名ということでありますので、そうしたことからいえば再議決も可能だというのが恐らく与党執行部の判断なんでしょう。
そうなりますと蓋然性は高まってきているのかもしれませんけれども、もし2次補正予算が成立して、今回我々が計上するものに活用できるものがあれば、それは前倒しをできるだけさせてもらって国庫を充当するという、そういう我々の知恵も今後は考えなければならないと思っています。その辺は、県の2月補正予算の中で最終的な帳じり合わせということは考えていきたいと思います。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
金曜日のDBSの先ほどお話しされたことについてですが、どういう話を持ってこられるかというのは、今はわかんない状態ということなんですか。
●知事
わからないですね。それは恐らくぎりぎりまで調整されて来られるんじゃないでしょうか。まだ正直伝えられてないです。憶測を出ません。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
以前から今年の2月、来月就航というのを一つの時期にして物が進んできたと思うんですが、それが延期になるとか、そういう否定的な話になるようなことは、今、知事もないだろうというふうにおっしゃったんじゃ。
●知事
そういうことではなさそうですけどね。ただ、試験運航からスタートをするとか、そういうやりくりがあるかもしれませんし、それはやむを得ないでしょうね。だんだん今、ずれ込んできていますので。
○朝日新聞 井石栄司 記者
来年度予算に支援策を盛り込もうと思ったら、事業計画というのがある程度、その前に明らかになっておかないとできないと思うんですけども、現時点で境港に支店もなければ船も調達できたかどうかはっきりしないという状況で、荷物も集められない、客も集められないというこの状況下で2月の下旬にスタートしたとして、当面なかなか厳しい状況があろうかと思うんですけども、何か県が支援する条件というのは向こうに対して提示するんでしょうか。
●知事
今、そこまでちょっと具体的な構想は、我々の方でも考えていません。まずはお話を聞いてということだと思います。あと、私たちとしては、この航路計画は対岸の韓国側と協調してこれまでも促進してきましたので、対岸の方の地域レベルでの支援策というのも参考にしなければならないと考えております。
○山陰中央新報 今若靖男 記者
渡辺喜美議員の離党についてですが、その離党の理由の一つに定額給付金に対する批判というのが今回ありました。平井知事は定額給付金の支給方法は銀行の含み資産になるんじゃないかということで、以前、疑問視されるような発言がありましたけども、渡辺さんの定額給付金を理由とする離党についてどうお考えになるかということと、渡辺さん、橋下知事には何か新しい国民運動をやらないかという誘いをされたようなんですが、平井知事にあったのかどうかについて。
●知事
まず、渡辺喜美さんの[自民党]離党についてでありますけども、気持ちは理解できないわけではないと思います。ただ、恐らくそうした今の定額給付金についての考え方で、議員の心理として、良心を問われるというのは与党のすべての議員に共通した今の悩みではないかなと思います。
そこで離党に踏み切るというのは、渡辺喜美さんの場合は民主党側が同じ選挙区で候補者を立てていないという、そういう地域事情も多分にあるんだと思いますので、それほどこれが急速に波及していくものでもないのかなと個人的には見ております。
それから、渡辺さんから誘いがあったかという御質問ですけども、昨夜、私、同じことを妻に聞かれましたけれども、ございません。私のところには何らのアプローチもありませんし、誘いもないうちからこういうことを申し上げるのもなんでありますけども、受けるつもりもありません。
と申しますのも、確かにそうした議員心理としての行動というのは理解できない部分がないわけではありませんけれども、渡辺さんがこれまでおっしゃっているのは、小泉構造改革が進めてきた新自由主義的なやり方というものを追求しようとしているのではないかと私は政治のベクトルとして感じています。それは鳥取のような地域にプラスになるかマイナスになるかということを私は考えなければならない立場だと思いますが、今、それがプラスになるという感覚は持っておりません。
ですから、むしろ従来の構造改革路線を修正をしていくということで、本当の意味のセーフティーネットを張って安心できる暮らしや雇用を考えていく手法の方がいいのではないかと思いますので、あまり政策全体としての共感は持っておりません。
6 三洋電機コンシューマエレクトロニクスの職員採用について
○読売新聞 北島夏記 記者
鳥取三洋、三洋コンシューマエレクトロニクスが自社での採用をちょっと見送るんじゃないかという報道が一部ありますが、三洋CEの採用状況、採用方針などは、知事は伺っていらっしゃいますでしょうか。
●知事
私も報道を見て初めてそういう話を知りましたけれども、ただ、県には一切連絡はありません。これは部局レベルにもありません。ですから、我々としてその報道が正しいのかどうか、ちょっと検証できる立場にありません。
今後、情報収集はしてみたいと思いますし、関心を持っていきたいと思いますが、私たちとしては鳥取[県]での雇用というものを三洋[電機]全体でも考えていただきたいという気持ちです。ただ、ちょっと今、報道の真偽も我々として確認しようもありませんので、これ以上はコメントできないと思います。
○読売新聞 北島夏記 記者
知事としては、自社採用、あるいは本社採用であれ、鳥取県の雇用を確保ということなんでしょうか。それとも。
●知事
鳥取県での事業活動をここでやってもらうと。そこで、ここで、鳥取[県]に住んでおられるかたが仕事をするパイが維持される、発展していくという方向性を考えてもらいたいと思います。キャリアシステムの問題、人材養成の問題もあるんだろうと思いますけども、私ども、正直情報がこの点、まだありません、今朝の段階で。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
職員間での電子メールなどを公文書として情報公開の対象にする場合、電子メールの保存規定が、どうも鳥取県も作られてないみたいなんですけれども。電子メールで皆さん、やりとりなんかされますよね。それは公文書であるという認識はおありだと思うんですけど、それの保存期間とか、どういう文書を対象にするのかという、そういう保存規定が、他県でもまだ作られていないところもたくさんあるみたいなんですけども、鳥取県も作られてないということなんですが。
●知事
情報公開条例の問題だろうと思うんですが、情報公開条例の中で、鳥取県が他県に先駆けてやったことの一つとして、文書による、要は可視的な文書だけでなくて、情報組織、すなわちコンピューターの中で管理されている情報についても、要は紙のものと同じレベルで文書としての情報公開対象にしますよということを規定をいたしております。
ですからペーパーの管理と同じレベルで、電子メールも含めた電子情報についても、県庁組織の中で持っているものは管理をされたり公開をされたりということになっていまして、一応の制度としての仕組みはあります。恐らくおっしゃりたいのはこういうことじゃないかと思いますが、ただ、どこまでこの文書が、このカテゴリーに該当するかというのを判断に迷う場合があるじゃないかということですよね。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
そうです、そうです。
●知事
そういう場合についての方針なんかは、それは整理をしてみたらいいと思います。それを文書管理規則でやるのかどうかということはあるかもしれませんけども、そうした文書の保存イコール情報公開ですから、現在、これはどこの県もそうだと思いますが、組織共用文書に当たる場合が保存だとか公開だとか、そういうことになっていまして、例えばここの記者クラブもそうですけども、こうやってメモしますよね。メモして自分で持っているだけでは、これは役所の文書になるわけではありませんし、メールだとかも、電話がわりで単にやっているものもあるだろうと思いますが、そういうのが組織共用文書というカテゴリーに一般的に当たるとも思えないものもありますから、そこは明確にするということじゃないかと思います。
今も実は、恐らく他県もそうだと思いますが、制度は、仕組みはありますし、それに分類して保存したり情報公開したりというシステムはでき上がっています。あとは細部の明確化のためにですね。
○山陰中央新報 弥重節子 記者
その期間とか対象とか。
●知事
解釈をはっきりさせるということですかね。それはこれからも整備をしていく必要はあると思います。
○毎日新聞 小島健志 記者
雇用対策ですけども、最終的に何人ぐらいの雇用の確保につなげていきたいとお考えですか。
●知事
ちょっと今、そこは集計作業中です。それからカウントの仕方もございます。例えば先般、年末に公表させていただきました 200人以上というのも、今整理していますけども、運用としてそれを拡充することで 300人ぐらいの、同じ予算規模の中でやっていけるんじゃないかという、そういう整理なんかも含めてしておりますので、今、作業した上で、そこは積み上げてまいりたいと思います。
ちなみに、募集していました臨時職員ですけども、50人応募があって42人受験に来られました。そのうち30名強を採用させていただくということになろうかと思いますが、そのほかのかたは正直な話、募集要件をクリアする形のかたではなかったようでありまして、そういう方々はむしろアルバイトの方に回っていただいて、そちらで応募していただけるように紹介していきたいと思います。
いずれにせよ、そういう形で今、年末からの、これも動き始めまして、それで枠もまだ残っています。それからその予算も 200人以上と言っていたものが 300人ぐらいに今、運用上拡充できないかという議論もしていますし、それから先ほど申し上げた農林水産業とか、これも数百人ぐらいの規模にはなると思います。
100人というオーダーよりは大きなオーダーですかね、ちょっとその辺はまた予算額と、それから制度設計と絡めて考えてみたいと思っています。まだきょうの段階で数字は持っておりません。
○日本海新聞 小谷和之 記者(幹事社)
そのほか、各社ございますでしょうか。ないようですので、以上で終わります。
●知事
どうもありがとうございました。