1 日時
平成26年3月10日(月)午前10時~11時30分
2 場所
白兎会館「飛翔東の間」
3 出席者
教育審議会委員(21名)、委員長職務代行者、次長、特別支援教育課長ほか
4 概要
(1)諮問「鳥取県の今後の特別支援教育の在り方について」
・本諮問の審議を、学校等教育分科会に付議。
・答申内容については、学校等教育分科会の議決事項とすることで承認。
・学校等教育分科会は、平成26年10月を目処に答申すること。
(2)意見交換「特別支援教育の今後の在り方について」
○ビジョンの策定
・平成20年の答申がどの程度施策に反映できたのか振り返りが大事。今後5年間の計画では、特別支援教育の推進から、インクルーシブ教育へと変わり、学びの方法、人の配置、場所が論点となる。また、発達障がいに対しての具体的な指導方法など、専門性を高める研修や、医療的ケアの必要な児童生徒の対応を学校でどのように進めていくかなど、共生社会を進めていく広い視点で検討していく必要がある。
・今回の検討に文化芸術の部分についても盛り込んでほしい。
○障がいに応じた教育の専門性の向上
・現職教員が免許を取得するには時間がかかるので、免許を持った教員の採用や次世代の育成が課題となる。インクルーシブ教育システムの構築には、授業研究等の成果などの情報を教員間で常に共有できるよう、SNSなどICTを活用してはどうか。研修に参加するより、情報を素早く手に入れることができ、浸透が早いと思う。
○支援体制の整備(教職員)
・個別の教育支援計画の作成が保護者に受容されるためには、支援計画が最善の支援が受けられる方策と理解されることが必要。
・中部地区では保護者支援を倉吉養護学校の地域支援部の教員や中部教育局の自閉症専門指導主事が行っており、理解が進んでいる。
・保護者の支援は、先輩や保護者同士の交流、学びの場をつくることで、子どもとの関わり方や相談、体験の助言などの具体的な取組ができる。また、災害時の対策について、個別の対応策を備えておく必要がある。
・現状は園内研修や町の研究会での連続講座や、コーディネーターが県の研修に参加している。研修体制の充実をお願いしたい。
・発達障がいの子どもが通常学級に在籍するなど、インクルーシブ教育に向けてシステムは整ってきているが、人員配置等が足りていない。教員の悩みに即時に対応できるシステム作りが必要。学校としてはすぐに対応策を考えなければならないが、LD等専門員への相談も、日にちがかかる。
・派遣研修を増やして対応するなどできることを考えたい。学校での研修については、管理職の理解と意識改革が重要で、管理職への特別支援教育の研修を悉皆の研修とした。学校種により抱える課題が異なるため、学校種に対応した課題を学ぶ研修を計画している。
・倉吉養護学校はセンター的機能を充実し、地域に出かけて、就学前から高等学校段階への支援を行っている。保護者の思いや願いに寄り添うように就学指導の在り方を検討している。幼・保から小学校教育につながっているか、適切な教育と多様な学びの場が一致すると良い。情報や保護者の思いに答えて、福祉、医療と早期教育とが連携し、妊娠から就学までの適切な情報提供を行えるか、それぞれの子どものライフステージにつなげていけるかが重要。
・私立高校での教職員研修については、県教育センターや教育局に対応してもらっており、継続をお願いしたい。LD等専門員とは絶えず情報交換を行いたいが、予算の問題がある。学校アドバイザーと同じように、特別支援教育アドバイザーがほしい。
○学びの質の充実(児童・生徒)
・発達障がいと診断される児童生徒が増加しているが、単純に人数が増えたのか、診断基準の変更等により増加したのか検証が必要。障がいのある子どもは、絶対的基準ではできないことが多いが、必ず成長している。教育の効果は即時には出てこないが、その変化をどう記録し、評価するか。また、具体的支援で子どもがどう変わったのか個々に評価・分析をしなければならない。情報共有の手段、評価、分析の方法について検討しなければならない。
・様々な手立てをした結果、発達障がいと診断される児童生徒数が増加したと思う。今後、通常学校に特別な配慮の必要な児童が入学してくることになると、医療的支援なども増えていく可能性があるので、教員も認識を深め、準備をしておく必要がある。
・米子市では5歳児健診は希望者のみとなっており受診しないのが現状。就学時健診時や小学校に入学してから、学校から診断を受けるように言われ、保護者が混乱することがある。学校全体で、支援や診断について情報を共有し、保護者への伝え方、支援計画など、保護者の不安を取り除けるような連携をお願いしたい。
・就学前の取組については自治体の責任と考えている。平成27年度から新たな子育てサービス提供の計画を作成しているが、5歳児健診の悉皆受診については、計画に反映されていないので自治体の独自事業となるだろう。妊娠、出産、就学という一人の子どものデータを把握しながら小学校に入学することを考えなければならないが、設備面等はすぐにはできないため、支援の必要な子どもの情報を早い段階で把握することが必要。
○自立に向けた取組
・学校現場で必要な支援ができているか、子どもの悩みに応じているか日々悩んでいる。社会全体で子どもたちが発達段階に応じた支援が受けられるよう、幼保小連携、中学校区連携を通じて情報交換の場を持ち、交流していきたい。
(3) 報告事項 鳥取県教育振興基本計画(平成26年度~平成30年度)の改訂について
・計画の体系についてパブリックコメント以降の修正箇所を中心に報告