【担当】
【専門】
- 鳥取県ゆかりの近現代の工芸家(民藝運動の工人や、伝統工芸の作家など)の仕事に関する調査・研究を主に行ってきましたが、近年は工芸と美術(絵画や彫刻)との境界があいまいになる、横断的様相を呈する創作活動の背景に関心があります。そのような視点から、現在は白磁の重要無形文化財保持者となっている陶芸家の前田昭博(まえた・あきひろ)の作品を紹介する企画展「前田昭博 白瓷の造形」(平成21年)や、昨年生誕110年を迎えた彫刻家で陶彫の第一人者である辻晉堂(つじ・しんどう)の作品を紹介する企画展「生誕100年 彫刻家 辻晉堂」(平成22年)などを開催しました。
- 一方で、その当時に重要な創作活動を行いながらも、時代の流れとともに現代においてはほぼ忘れ去られているような制作者についても、できる限り丁寧に光を当て、調査・研究・紹介していくことにも努めています。そのような視点から、富山県出身で戦後に鳥取県工業試験場において活動したプロダクトデザイナーの小島基(こじま・もとい)の仕事にスポットを当てた企画展「知られざるプロダクトデザイナー小島基と戦後鳥取の産業工芸」を平成26年に開催しました。
- また、国内外の優れた工芸やデザインを紹介するという意図で、「柳宗悦(やなぎ・むねよし)展」(平成24年)、「バーナード・リーチ展」(平成29年)、「ザ・フィンランドデザイン展」(令和2年)を全国巡回展というかたちで開催しました。
【ひとこと】
- 平成11年に鳥取県に来てからは、市民がもっと手軽に表現活動の魅力に触れられるように、アーティストによるワークショップなどさまざまな普及的プログラムを企画することにも挑戦しています。
※写真は、平成20年の夏休みに当館で行ったスペシャルワークショップ「鳥取スローポスト開局!」の会場の様子です。講師には、「郵便」というシステムと美術を結びつけた作品を制作しているアーティストの太田三郎(おおた・さぶろう)をお迎えしました。