防災・危機管理情報


都合谷(つごうだに)たたら跡

高殿模型
高殿模型 和鋼博物館(安来市)蔵
本床にある高殿で鉄が精錬された

位置図

金屋子神
いまも祀られる金屋子神
草刈をしながら林道を行き都合谷川を渡るとタタラ跡のある杉林に出る。
明治期の11年間、根雨の近藤家によってタタラが経営された。
タタラ場には高殿という製鉄工房があり、「村下(むらげ)」と呼ばれる総責任者のもと鞴(ふいご)を踏む「番子(ばんこ)」、鍛冶大工、砂鉄を採取する鉄穴(かんな)師、炭を焼く「山子(やまこ)」などの技術者集団およそ百数十人が集落をつくり生活した。
たたら場にはタタラの神、通常は金屋子神が祭られた。この神は一般的には女神であり、犬、蔦、麻そして人間の女を忌むといわれ仕事場へは女性を入れなかったという。

たたら跡配置

台座と大木
金屋子神社の台座と大木

溜め池
ふいごを動かす水車を回す水を蓄えた溜め池

石垣
鉄で栄えた往時をしのばせる石垣
この集落は山内(さんない)といい周辺の農村とは違う独自の社会を作っていた。米、酒、酢などの食料品は周辺の農村から購入しており、地元の産物の一大消費地でもあった。また農閑期の冬場になると上菅などの集落から鉄穴流しに稼ぎに出ていた人もいた。
・・「奥日野三千軒はタタラで食べていた」という言葉が残っている。
この山内集落は木の伐採により炭焼きにする木が供給できなくなると次なるたたら場へと移っていった。
都合谷たたらのあった明治期には鳥取県の和鉄生産額が全国の四割を占めるに至った。
ここの神社跡ではいまも初冬の荒神様の季節になると畑集落の人々がお祀りをしているという。

周辺地図

  

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