鳥取県の経済は、弱い動きが続いている。
・景気動向指数の一致指数は、全国と同様に景気の悪化を窺わせている。
・企業経営者の景気判断(BSI)をみると、平成20年10~12月期はマイナスとなっており、1~3月期には
製造業が大きく低下し、平成21年7~9月期までマイナスが続く見込みとなっている。
・個人消費は、総じて弱い動きとなっている。
・住宅着工は、依然として低水準で推移している。
・設備投資は、前期に続き低調に推移した。
・公共工事は、前期を下回り、減少傾向にある。
・生産動向は、鉱工業生産指数は低水準で推移していたが、大きく低下した。
・企業倒産は、負債総額、件数とも増加する傾向にある。
・雇用情勢は、有効求人倍率が依然として厳しい状況にある。
全国の景気動向指数は、平成19年末から低下しており、このところ急激に低下している。
鳥取県の指数は、平成18年から低下しており、景気上昇の動きを見せないまま推移している。平成20年10月からの動きは、国と同様に急激に低下しており、一段の景気悪化を窺わせる。
企業経営者の景気判断は、20年10~12月期は製造業、非製造業とも前期と比べてマイナス幅が拡大し、依然としてマイナスが続いている。
また、21年1~3月期も、製造業、非製造業ともマイナスとなった。これを11月調査時の見通しと比較すると、いずれも悪化し、特に製造業では28ポイント悪化し-80となった。例年、1~3月期は10~12月期に比べて悪化する傾向にあるが、製造業の急激な悪化が目立っている。
全産業の景気は、21年7~9月期まで11期連続のマイナスとなる見通しとなり、厳しい景気判断となった。
大型小売店販売額(店舗調整済み)は、百貨店が平成18年2月以降は、平成20年3月を除き前年を下回っている。
一方、スーパーマーケットは平成19年10月以降は店舗改装効果もあり、前年を上回る傾向にあったが、平成20年7~9月期以降は、前年を下回った。これを全体でみると、7期続いて前年を下回り、年計でも3年続いて前年を下回った。
ホームセンター・家電量販店販売額は、店舗新設の効果もあり、平成20年7~9月期まで4期続いて前年を上回ったが、10~12月期は前年を下回った。
乗用車新車新規登録台数は、平成15年以降は減少が続いており、平成20年も前年を下回った。四半期でみても平成17年7~9月期以降は減少している。
個人消費全体としては、弱い動きとなっている。
新設住宅着工戸数の年計は、平成20年まで4年連続で前年を下回った。
この間、貸家が低調で、貸家系の着工戸数は、平成17年4~6月期から平成19年10~12月期まで11四半期続いて前年同期を下回った。また、平成19年7~9月期以降は、建築基準法改正の影響も加わり、大幅に減少した。
平成20年は、7~9月期を除いて前年同期を下回った。7~9月期の増加は、前年同期が建築基準法改正の影響で大きく落ち込んだ反動によるものと考えられ、住宅着工は、依然として低水準で推移している。
用途別着工建築物工事金額の平成20年10~12月期は、「宿泊業、飲食サービス業」が大型投資があり前年同期を上回ったが、その他の業種は全て下回った。前期の増加も平成19年の建築基準法改正の影響による大幅な減少の反動によるもので、平成18年以前の水準を下回るものであり、平成20年度も低調に推移している。
公共工事請負金額は、平成11年度から減少傾向が続いている。
平成20年10~12月期は、市町村及の発注が大幅に減少したことにより前年を下回った。
平成19年1~3月期から5四半期連続で2桁の減少が続いており、前期は一時的に持ち直したが、今期には2桁の減少となった。
平成20年10~12月期の鉱工業生産指数(季節調整済)は、11月、12月が大幅に低下し、平成17年基準(平成15年1月以降)で最低となった。また、月ごとの指数でも12月が最低であり、平成20年平均も最低となった。
業種ごとに四半期の指数をみても、金属製品工業、電子部品・デバイス工業、プラスチック製品工業、パルプ・紙・紙加工品工業、繊維工業が最低となり、その他の業種も食料品・たばこ工業を除いて、前年同期を下回っている。
平成20年10~12月期の負債総額は、前年同期に大型倒産が多数発生したこともあり、5四半期ぶりに前年を下回った。
平成20年の動きをみると、建設業等で大型倒産が発生したことが影響し、7月までの累計が前年を上回るなど、急激に増加した。このため、件数、負債総額とも前年を大幅に上回った。
また、原因別にみると、販売不振が大半を占めている。
平成20年10~12月期の有効求人倍率は0.60倍で、5四半期続いて前期を下回った。
また、四半期の有効求人倍率が連続して0.6倍台となったのは、平成13年10~12月期から平成15年7~9月期(8四半期連続)以来のことであり、依然として厳しい状況が続いている。