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出前授業(学校)

上期の思い出4 上小鴨小学校での出前授業

 上期の6・7・9月は、最終的に累計12校、総時間数18時間の出前授業を東中部の小学校で行いました。今回の思い出は、初の中部での出前授業となった上小鴨小学校です。

 令和2年7月9日(木)に実践した出前授業は、「古代の道具を調べよう!」の授業で、縄文時代から古墳時代までのまとめの学習でした。

 児童たちは、教室に並べられた縄文時代~古墳時代の本物の出土品に興味津々。この出土品が何の道具なのか、いつの時代のものなのかを観察して予想してみようと課題を提示すると、またまた児童たちはやる気満々。児童たちに観察のポイントを聞いてみると、「形の違い」、「色や手触り」、「使ったため汚れているところがないか」などと未来の考古学者を思わせる発表がありました。

 観察後の予想でも、甕(かめ:現代の鍋)について「土器に黒い煤が付いているから火にあてたもの」と鋭い発表、鍬の歯については、「儀式のお面」とか「鍬の先の部分に似ている」など想像力と観察力の高い発表をしていました。

 本物の出土品に触れる学習は、児童の高い集中力と推察力を育てることにつながると思いました。

観察のポイントを発表 なかなか鋭い!

児童みんなが集中して観察中

出土品の説明を熱心に聞く児童達


鳥取市立東郷小学校で戦国時代の授業をしました!

 令和2年9月15日(火)に東郷小学校で戦国時代の授業をしました。東郷小学校での授業は2回目、1回目は3ヶ月前でした。教室で児童たちと出会うと、「お久しぶりです。」、「今日の授業を楽しみにしていました。」と嬉しい声をかけてくれました。

 今日の授業のテーマは、戦国時代、児童たちは自分たちの地域の近辺だけでも16城ものお城跡があることを知り、「そんなにお城あるのはすごいところじゃあない?」とびっくりしていました。

 そして、児童たちお待ちかねの城攻め体験、これはお城の役割を考えるためのもので、今回は堀切と土橋について体感しました。並べた長机を堀切に見立てた体験では、「これを越えて攻めるのは難しい。」、テープを張って土橋に見立てた体験では、「これで攻めたら絶対負ける。」、「攻めるのが怖い」などの声が聞こえてきていました。

 体験後の感想では、「お城は守る方が有利。」、「戦国時代はお城がないと地域を守れなかった。」、「社会が乱れていて、いつ戦になるか分からないから怖い。」と戦国時代の様子について実感を持てたようでした。最後は、このような社会だから平和を求めて天下統一に向かったというまとめになり、授業は一件落着。

 この後、補足の授業で鳥取城攻めについて説明すると児童からは「鳥取に秀吉が来ていたんだ。すごい。」との声。中世の陶磁器や古銭を実際に見ると大変興味を持って、観察していました。

お城の数は何城かな?

堀切体験 これは越えられない

土橋体験 一人ずつしか攻められない


学校での文化財活用 上期の思い出 その2

【湖南学園での歴史学習】
 6月16日(火)に鳥取市立湖南学園で「埋文センターミニ博物館へようこそ!」と題して歴史科目の導入のための授業をして来ました。歴史の導入として、各時代の出土品の用途を児童にクイズ形式で予想してもらい興味関心を高めようとするものです。
 クイズに用意した出土品は、16点。児童達は初めて間近で見る本物の出土品に大変興味を持って観察し、クイズの解答を考えていました。児童からは、弥生時代の木製の鍬の歯を「お祭りで使うお面じゃあないかな。」とか、縄文時代の黒曜石の鏃(やじり)を「石のペンダントかな」など、柔軟な発想の解答があれば、古墳時代の甕(かめ)(現在の鍋にあたるもの)について「黒い煤(すす)のようなものが付いている。」など鋭い視点の発言もありました。
 答え合わせの時に、校区にある遺跡から出土したものがあると分かると、児童達からは「すごい!」の声が聞こえました。
 自分たちの校区の歴史にも興味を持ってくれたようでした。
 学校の歴史授業も興味を持って学んでくれることを期待しています。

 

出土品観察中

煤かな?出土品を熱心に観察中

 

学校での文化財活用 上期の思い出 その1

 埋蔵文化財センターでは、コロナ禍の中でしたが、今年度も学校教育で地域の文化財を活用していただく取り組みを展開してきました。

 9月は、これまで紹介できていなかったものをいくつか取り上げます。

 

【逢坂小学校での地域学習】

 7月21日(火)に鳥取市立逢坂小学校で地域学習の授業をしました。この小学校区は、奈良・平安時代に気多郡(現在の旧気高郡)の郡役所跡(上原遺跡群)があり、当時、気多郡の中心だったと考えられている場所です。学校自体も遺跡の中にあります。

授業は、5・6年生の5人が対象でしたが、校長先生の呼びかけに応え、地域の方も一緒に授業参加されました。

 児童たちは、先生から郡役所のことは教わっていましたが、学校の周りに広範囲に広がる郡役所遺跡の範囲図を見て、びっくり。郡役所の復元想像イラストを見ては、倉庫がたくさんあるなどの発見をしていました。地域の方々も手を挙げて答えてくださるなど、一体感のある授業になりました。

 この授業では、鳥取市教育委員会の協力により、教室内に上原遺跡群の出土品を教材展示しましたが、児童も地域の方々も大変興味を持たれていました。

出土品の用途あてで児童は、須恵器(すえき)の器は「お皿」、鞴羽口(ふいごはぐち:鍛冶の時の火力を強くする道具)は「ラッパ?」というように想像力たくましく予想を発表していました。

 授業後、児童からは「校区に多くの遺跡があって驚いた。」、「昔は栄えていたことが分かった。」など、地域の方々からは「役所跡のことは聞いたことがあったが、実際に話を聞き、出土品を見ると貴重なものであることがよく分かった」などの感想をいただきました。

地域の皆様も一緒に出土品観察


八頭町立郡家東小学校で歴史の出前授業をしました!

 令和2年6月17日(水)に、八頭町立郡家東小学校で「古墳の形のひみつ」という出前授業を行いました。

 実は、郡家東小学校近辺には稲荷古墳群があり、古墳にゆかりのある学校です。

 まず、授業の導入で、「この山にはたくさんの古墳があります。どこでしょうか?」との問いと一緒に学校が建てられる前の学校周辺の航空写真を提示された児童達、いろいろな場所を答えますが当てることができません。そして、この学校がある場所ということを知ると「えー!」と驚きの声と共に古墳への関心がぐっと高まりました。

 その後、前方後円墳が自分たちの地域にも造られるようになったこと、近辺には古墳時代の新技術である須恵器生産を大量に行っていた窯跡もあったことなどを知ってまたまた驚き。

そして、地元の八頭町教育委員会に用意していただいた稲荷古墳群、私都(きさいち)窯跡群の土器を実際に観察して、当時の地元の人達の技術に「すごい!」、「きれいに作っている。」などの声が聞こえていました。

 授業後の感想では、「自分たちの地域の歴史に誇りが持てる。」、「自分たちの地域は自慢できる地域だ。」、「八頭町のことをもっと調べてみたい。」など「ふるさと教育」を進める上で、うれしくなるものがありました。

張り切って手を挙げる児童たち!

考古学博士気分で予想を発表!


郡家西小学校で古代体験学習をしました!

 郡家西小学校で「古代の職人になろう!」という古代体験の学習をされました。今回の学習は、古代の組紐づくり、弥生のカゴづくりの体験です。

 児童達は最初、青谷上寺地遺跡で見つかった弥生時代のヒモやカゴの説明を聞きました。弥生時代は、釘などがないのでヒモでいろいろなものをくくりつけていたことで、ヒモの大切さを知りました。

 また、カゴは、現在、使われない「ヨコ添えもじり編み」という方法で作られていることを知りました。そして実際にヒモ、カゴを作り始めたのですが、その難しさに四苦八苦でした。

 学習の最後の感想では、「現代人は、知識は増えたけど、手先が不器用になっている。」、「自分たちは弥生時代で生きていくことができない。」など、古代人の生活の大変さ、工夫を実感できたようでした。

弥生のカゴづくりを頑張る児童達


鳥取市立東郷小学校で出前授業をしました!

 6月11日(木)に鳥取市立東郷小学校で出前授業を行いました。授業内容は「東郷小学校の近くの遺跡を調べよう!」でした。
 東郷小学校の校区には、山陰地方最古級の前方後円墳と考えられている本高14号墳、全国最古級の土のうや古墳時代の大土木工事跡が見つかった本高弓ノ木遺跡があります。
 授業が始まると、児童たちは学校周辺の遺跡が記されている地図を見て、周りに古墳が多数あることに驚き、また、本高14号墳が山陰地方最古級、本高弓ノ木遺跡の大土木工事跡、全国最古級の土のうという古墳時代の最新技術が使われていることにまたまた驚き、授業時間中、何度も「僕らの校区すごい。」、「本当すごい。」と言っていました。
 学習のまとめでは児童から「古墳時代の東郷の人達は、みんなの暮らしをよくするために新しい技術を取り入れていた。」という意見もありました。最後に古墳時代の当地域の人達に負けず、これからはみんなで地域のために頑張ろう!と意気投合しました。
 地域の素晴らしい歴史が子ども達の気持ちを刺激した時間だったと感じました。

授業の様子1

学校の周りの遺跡を調べる児童達

授業の様子2

地域の遺跡の出土品に興味津々

 

八頭町立郡家西小学校で歴史の出前授業をしました!

 令和2年6月9日(火)に、八頭町立郡家西小学校で縄文・弥生時代のまとめの学習として縄文・弥生時代の道具について学んでもらいました。

 歴史の授業が始まってまだ3時間目ということもあり、総数10点の縄文・弥生時代の道具(出土品)を前に、児童達は興味深々の様子。

 自分たちの住んでいる町内から銅鐸が出土していることを説明すると驚きの表情。そして、実際に出土品に触れるなどして、どの時代の何の道具なのかを既習の学習を思い出しながら予想しました。

 持参した出土品は、縄文時代の弓、石鏃(せきぞく)、地元の西御門遺跡出土の縄文土器、弥生時代の鋤(すき)、鍬(くわ)、地元の万代寺遺跡出土の弥生土器などでした。

 児童からは、「石の矢じりは黒曜石だ」、「土器に文様があるから縄文土器だ」、「土器の横に黒い煤がついているから料理をつくる道具だ」などの鋭い予想がありました。

 授業後、児童からは「米作りが始まって弥生時代に新しい道具が増えた。」などの発表がありました。

 また、「今日の授業で歴史が好きになった」、「自分たちの町内から貴重なものが出土していて、古くからの歴史があることは誇りだ」というれしい児童からの反響がありました。

 今回の授業では、地元の八頭町教育委員会から万代寺遺跡、西御門遺跡の土器を用意していただき、「ふるさとの魅力」満載の授業を町教育委員会の担当の方にも参観していただきました。

授業の様子

 


鳥取市末恒小学校で歴史授業を行いました!

 9月25日(水)に末恒小学校で戦国時代のお城について歴史授業をしました。児童たちは天守閣や石垣のない戦国時代のお城があることに驚いていました。

 お城の役割を調べるため、地域にあるお城の仕組みを体感する城攻め体験をした後には、児童たちから「城を守る方が有利」、「城がないと領地を守れない」などの意見がありました。

 また、一国一城令についても、「この令がないと江戸幕府も反乱が起きた時に大変」という意見もありました。

 授業後の感想では、「地域にお城があってすごい」、「教科書に出てくる秀吉軍との戦いがこの地域にあったとはびっくり」などがありました。

 

 城攻め体験 

城の役割についてグループ討議

鳥取市立世紀小学校で「総合的な学習の時間」の授業をしました!

令和元年7月18日(木)に鳥取市立世紀小学校第4学年で湖山池をテーマにした「総合的な学習の時間」の授業を行いました。児童たちは、これから湖山池についていろいろな情報を集め、学習を進めていくとのことでした。

今回は、その第1弾で「湖山池の歴史」の授業です。児童たちに湖山池の成り立ち、池の大きさの変化、周辺の遺跡などについてクイズ形式で授業を進めていくと児童たちは大盛り上がり。特に湖山池が以前は海であったこと、池の大きさも時代によって変化することなどに興味津々でした。また、竪穴住居跡の写真を「大きな日時計」、水田跡の写真を「駐車場」などの解答があり、子どもならではの柔軟な発想に感心しました。

 身近な教材の学習は、児童たちの興味関心を高めることが再認識できた授業でした。

 

やる気満々の児童達  

 

出土品に見入る児童達

 

 

  

鳥取市立浜坂小学校でお城の授業をしました!

○鳥取市立浜坂小学校でお城の授業をしました!

 令和元年6月27日(木)、青谷小学校に続き今週2度目のお城の授業を鳥取市立浜坂小学校第6学年で行いました。

浜坂小学校の目の前には、織田軍(羽柴軍)の鳥取城攻めの時、重要ポイントだった丸山城が見えます。

 授業では、織田軍の鳥取城攻めと鳥取城の支城である丸山城の構造について話をしました。その後、お城の構造を体験する城攻め体験をしました。

 児童からは、「有名な織田軍が鳥取を攻めに来ていたことにびっくりした。」、「学校の目の前に城が

あったとは知らなかった。」、「お城を攻めるのは大変。守る方が有利。」などの意見がありました。

 今回も地方の歴史と全国の歴史を繋げる授業となったと思いました。

 その後、児童たちは勾玉づくりを熱心に行いました。

 

織田軍の鳥取城攻めに聞き入る児童

めざせ!ピカピカの勾玉

  

鳥取市立青谷小学校でお城の授業をしました!

令和元年6月24日(月)に鳥取市立青谷小学校第6学年で2回目の出前授業を行いました。戦国時代の歴史学習に合わせて、地域にある城跡を教材に学習を進めました。戦国時代の織田軍の因幡攻めと学校近くにある亀後城跡の話し、また、お城の構造を知るための城攻め体験と盛りだくさんの授業に児童たちは盛り上げっていました。

 児童たちからは、「近くに亀後城というお城があったことを知らなかった。」、「教科書に出てくる織田軍との戦いがあったことに驚いた。」という感想があり、地域の歴史を全国の歴史と結びつける授業となったと思いました。

 

○織田軍の因幡攻めに聞き入る児童 

城攻め体験・お城って攻めにくい!

 

 

 


センターで青翔開智高等学校の日本史授業を行いました!

 令和元年6月27日(木)に青翔開智高等学校2年生の日本史授業を当センターで行いました。授業は「最新の発掘調査成果からみた因幡の古代社会」と題し、当センター職員が古代山陰道や因幡国府、気多郡衙(郡の役所)の構造や特徴などを解説し、青谷横木遺跡から出土した土器や木簡等の本物の出土品に触れながら、郷土の歴史を学習しました。
生徒からは、「古代山陰道の通るのに通行料が必要だったのか?」、「駅家で馬を乗り継ぐと、駅家にいる馬の数が偏ってくるのではないか?」など、鋭い質問が数多く寄せられました。生徒たちは現在、各自で研究テーマを決め、論文作成に取り組んでいることから、なかには考古学の研究方法に興味関心をもった生徒もいたようでした。
 授業終了後は、展示室で現在開催中の「西いなばの遺跡展」を見学し、近年、貴重な出土品が数多く出土した西因幡地域の歴史に思いをはせ、現代にも引けを取らない古代人の技術の高さに驚きを隠せない様子でした。

         じゅぎょうのようす

         授業の様子


米里小学校で出前授業を行いました!

令和元年5月24日(金)に、鳥取市立米里小学校で縄文~古墳時代のまとめの学習の出前授業を行いました。

 内容は、縄文~古墳時代に使われていた道具(本物の出土品)12点を実際に観察し、何に使われた道具なのかを予想、確認しながら縄文時代、弥生時代、古墳時代の社会の様子を復習するというものです。

 実は、この中には米里小学校近辺の遺跡から発見された出土品も含まれており、その事実を児童たちが知ると興味関心が一段と増し、盛り上がりました。

 道具から当時の社会の様子を考えた児童たちからは、「縄文時代はおおらかでいい」、

「弥生時代は米作りがあって、生活が安定していていい」などの意見がありました。

 授業後の児童たちの感想には、半数程度の児童から「今日の授業で歴史が好きになった」、「米里地区には古くから歴史があり誇りに思う」などがありました。

授業の様子

この古代の道具はなんだろう?

授業の様子

こんな風に使う道具だったのか!!


青谷小学校で出前授業を行いました!

令和元年5月7日(火)に、鳥取市立青谷小学校で縄文・弥生時代のまとめの学習として縄文・弥生時代の道具について学ぶ出前授業を行いました。

 総数11点の縄文・弥生時代の出土品(道具)を前に、児童達は興味深々の様子。実際に出土品に触れるなどして、どのように使われたものなのかを既習の学習を思い出しながら予想しました。出土品には「貨泉」(レプリカ)もあったのですが、教科書に載っている吉野ケ里遺跡の出土品と同じものと気づく児童もありました。また、この「貨泉」が地元の青谷上寺地遺跡から出土したものということを知ると児童たちからは「すごい!」などの歓声がありました。

 授業後、半数の児童から「今日の授業で歴史が好きになった」、「近くに有名な青谷上寺地遺跡があることは誇りだ」というれしい反響がありました。

授業の様子1

多くの出土品をまえにワクワク

授業の様子2

何につかう道具だろう? 縄文時代? 弥生時代?

授業の様子3

まとめの発表の様子

  

イベント等の申込

令和6年度鳥取まいぶん講座申込(4月18日(木)~募集開始)


刊行物の御購入


センター紹介

 久松山地域は戦国時代以降鳥取城が築かれ、鳥取藩32万石の中心地でした。現在でもこの地域は県庁があり、行政の中心地となっています。

 しかし、戦国時代から遡ること約800年前の奈良時代、県庁から4キロほど離れたこの国府町に国史跡因幡国庁(現在の県庁にあたるもの)がありました。今ではひっそりとした田園地帯ですが、因幡三山(甑山(こしきやま)、今木山(いまきやま)、面影山(おもかげやま))に囲まれ、当時の面影を残す万葉の歴史と古代の出土品にあふれた万葉の里となっています。
 この歴史豊かな万葉の里の一角に埋蔵文化財センターはあります。


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