久しぶりの更新になります。
第一鳥取丸は12月中旬~1月下旬の間、定期修理(ドック)をしていましたので、その一部の様子をご紹介します。
今年度は大分県のドック会社さんにお世話になることになりました。
鳥取丸竣工以来初めての大分行きとなり、航海計画をたててみたところ、境港から大分まで約24時間の航海とのこと。冬の時期で道中の海の時化具合が懸念されましたが、幸い行き帰りとも天候に恵まれました。
境港から船を西に進めて関門海峡を通った後、豊後水道を南下していくと目的地の大分のドックに到着します。
上の写真は関門海峡を通過したときのものです。日本でも有数の船舶が輻輳する海峡ですので、乗組員一同細心の注意を払いながら航行しました。
長い航海の末、ようやくドックに到着です。
指定された係留場所にいくと本船の前に先客の船が係留中。船名を見たところ、大分県の練習船「新大分丸」でした。
上の写真の右手前の船が新大分丸、左奥が鳥取丸です。多数の学生を乗せる練習船だけあって鳥取丸より一回り大きな船です。
大分は境港に比べて暖かく、気候も良いと聞いていたので、ドック作業が捗りそうです。
上は鳥取丸の上架中の様子です。
鳥取丸を上架出来るドックにはドライドック(乾ドック)とフローティングドック(浮きドック)の2種類がありますが、今回お世話になるドック会社さんはフローティングドックでした。
フローティングドックの上架方法とはドック自体を海中に沈めた上で船を入渠させた後、ドック自体を浮上させて船を陸揚げするというものです。
写真は入渠させた鳥取丸の下から徐々にドックが浮上している状況です。
一時間程度で上架作業が終了しました。
フローティングドックはドライドックに比べて、上架作業の時間が短いことや凹型をしているために風通しが良く、塗装面が良く乾くこと等船体にとって優しい方法のようです。
上架をすることで普段海面下にあって見ることの出来ない底の部分の整備点検を行うことが出来ます。
船底の状況です。ちょうど一年前の前年度のドック時に船底を綺麗にしていますが、これだけの海洋生物が付着していました。
船の後ろの様子です。やはり海面下部分の塗装の劣化や錆が目立ちます。
右下でクレーンに乗っている職人さんが高圧洗浄機で着いた汚れを落としています。
この様に普段の整備で乗組員の手の届かない部分等をドック期間中に整備していきます。
錆や汚れを落とした後は錆止め塗料を塗布していきます。上の写真の黄色く見えるのが錆止め塗料です。
錆は鋼の船にとって天敵で、放っておくと錆が進行し、船体がボロボロになってしまいますので、こまめに整備することで船の寿命が伸び、長く使うことが出来ます。
錆止め塗料の上から仕上げの塗料を塗布したところです。整備前に比べるとまるで新造船の様に綺麗になりました。
ドック会社の皆様大変お世話になりました。
ドックを終え、1月28日に境港に帰ってきました。
2月からリフレッシュした鳥取丸でまた調査が始まります。
今年も第一鳥取丸をよろしくお願いいたします。