新型コロナウイルス感染者が全国的に増加しており、鳥取県内でも陽性者の数が2桁に増えています。
その状況を踏まえ、鳥取県の新型コロナ感染症対策本部のアドバイザーを務めていただいている鳥取大学医学部ウイルス学分野の景山教授にお話を伺いました。
鳥取大学医学部ウイルス学分野 景山教授
Q 最近、新型コロナ感染症の方が全国的に増加しています。
A 今は、東京を中心とする大都市から地方へと感染の広がりを見せています。
今後、諸外国との往来が戻るにつれ、外国からウイルスが持ち込まれる機会も増えます。
このようにして、流行が拡大する可能性が考えられます。
新型コロナウイルス感染症が世界から消滅することは考えにくく、季節性インフルエンザと同じように新しい感染症として位置づける必要がありそうです。
Q 行政検査は現在の数でも精一杯という意見があります。
A 唾液による検査が可能になり、安全に検査材料が得られるようになりました。
しかも、簡単に大量検査が可能になりつつあります。
一方、精度の問題が指摘されていますが、他人に移さない程度の微量のウイルス量まで、すでに検出可能です。
「実験用に使用しているこれらのPCR機器も活用できればよいかもしれません。」
Q 検査数を増やす狙いは何ですか。
A ワクチン開発にはしばらく時間がかかりそうです。
そのため、早期診断・早期治療の通常医療に向けて、対策を整えていく必要があります。
まずは、大量検査が可能な環境整備が必要です。
検査数をふやせれば、早期診断が可能になります。
早期診断により早期治療に結びつ けることが出来れば、流行規模を抑えられます。
Q 諸外国の事例は参考になりますか。
A ニュージーランドは、新型コロナウイルス感染症の流行初期に外国からの入国を厳しく規制しました。
そのため、非常に感染者が少ない。
日本を初め欧米は多くの外国人が入国して感染が広がりました。
特に経済的つながり が強い中国(感染源)からの入国を止めるのは難しかった。
Q 最も気を付けるべきことは何ですか。
A 高齢者と持病のある人を守るということです。
そのためには、流行が大きくならないようにしないといけません。
根拠の確かな情報に基づいて行動しましょう。
日野振興局 2020/08/24