「ハタハタ」と言えば 秋田名物として有名ですが、実は、鳥取県は兵庫県に次ぐ全国2位の漁獲量(2005年)を誇るハタハタ産地でもあります。鳥取県の漁場は山陰沖ですが、ここで大量に漁獲されるハタハタは、主に韓国東岸を産卵場とするグループと考えられています。一方、秋田県を始めとする日本海北部で漁獲されるハタハタは、能登半島以北の日本沿岸が産卵場と考えられています。つまり、ここ山陰には、ハタハタの故里はないと考えられていたのです。
ところが、このところ、ここ鳥取県沿岸でもハタハタが産卵していることが分かってきました。栽培漁業センターの調査では、湯梨浜町から鳥取市気高町の漁港や磯場で、平成15年より毎年のように1月頃にホンダワラ類の海藻に生み付けられたハタハタの卵塊が多数確認されています。また、採集した卵の飼育より2月の下旬から3月上旬にかけてふ化していることも分かりました。
鳥取県を生まれ故郷とするハタハタが、山陰沖で漁獲されるハタハタ資源に、はたしてどれくらい貢献しているのかは不明ですが、地元鳥取県生まれのハタハタがいることは、ハタハタ産地、鳥取県にとって明るいニュースの一つではないでしょうか。