防災・危機管理情報



 中部担当の自然保護監視員が、日々のパトロールの中で発見したこと、感じたこと等を綴りながら、中部地区の魅力的な自然の数々をご紹介します。
 

2009年5月26日

がんばれ! ニホンミツバチ

 上を見上げるとシイの大木が枝を広げています。
 ひょっとしたらと、急な崖を用心しながら大木の根元に近づいてみました。

 案の定、根元の穴から盛んに働き蜂が出入りしています。
遊歩道を登り始めるとすぐ、右側の崖の上にシイの大木。黄色っぽい花を咲かせています。
この花も立派な蜜源となります。
根元の小さな穴。蜂が盛んに出入りしています。この中に空洞があり、ニホンミツバチが巣を作っているのです。

 市販されている蜂蜜の多くは、養蜂家が飼育しているセイヨウミツバチのものです。
 セイヨウミツバチはヨーロッパ原産種を改良したもので、明治以降、日本に輸入され普及しました。動物でいえば家畜のようなものです。

 これと異なり、ニホンミツバチは日本在来の野生種で、山中の木の洞、神社の狛犬の台座、家屋の床下などを利用して営巣しています。

 春4~5月頃、女王蜂は、娘である新女王に古い巣を譲り、多くの働き蜂を引き連れ新しい営巣場所を求めて飛び立つ「分蜂」を行います。 大木をくりぬいたものや適当な箱を用意してやると、この分蜂群が住み着くことがあります。

 自然のままでよいのですが、この時さらにキンリョウヘンという中国原産の蘭の一種を箱のそばに置いてやると、花に惹かれるのか集まってきて定着する率が高いようです。
用意した新しい箱。古い板で作るとか、内側に黒砂糖を溶かして塗るとか、呼び寄せるには様々な工夫があるようです。
(鳥取市内某所にて)
キンリョウヘンの花に団子状に固まった分蜂群。群れが箱の中に入った後は、花はかじられてぼろぼろに。
どうやら新しい箱が気に入り全員が中に。入口には門番なのか、ウロウロしているものも。秋までにはたっぷりと蜜を貯めることでしょう。

 分蜂して団子状の群れを作ったとき、大騒ぎになって駆除される例も多いようですが、ニホンミツバチはおとなしく、そっとしておけば刺されることもありません。いずれどこかに飛び去っていきます。

 セイヨウミツバチが原因不明のまま全滅したり、数が減ったりして野菜や果樹の受粉に影響が出ているといわれます。
 元々から日本に住んでいるニホンミツバチに、受粉作業をさらにがんばってもらいたいものです。             (自然保護監視員 浜辺正篤)



中部総合事務所環境建築局 2009/05/26 in 県立自然公園,国立公園,植物,中国自然歩道,野鳥



問合せ先

中部総合事務所 環境建築局 環境・循環推進課

(自然公園担当)
電話:0858-23-3276  Fax:0858-23-3266

(野生鳥獣・狩猟免許担当)

電話:0858-23-3153  Fax:0858-23-3266

  
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