現世の価値を見いだし、安らかで穏やかな日々を過ごそうと、日野郡日野町黒坂にある伯耆三十三観音霊場 第十番札所の「瑠璃光山 泉龍寺(せんりゅうじ)」を参拝した。
(※伯耆三十三観音霊場・・・延享元年(1744)、吉持甚右衛門が、雲光寺(第1番札所)に100日間参籠して、満願の早暁、観音様のお告げによって伯耆札所が生まれたといわれる。鳥取県西部を中心とした観音霊場。)
一礼して、味わい深い木造の山門をくぐりった。
境内の砂利の規則的な箒目(ほうきめ)の砂紋(さもん)が凛として静けさをもたらす。
200年以上も前に建立され、釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ・・・仏陀の敬称)を本尊とする本堂の前に進む。その前でそっと手を合わせて安寧を祈った。
泉龍寺には、幕末に鳥取藩の勤王派であった因藩二十士(いんぱんにじゅっし)が幽閉され、その遺品がたくさん保存されている。幽閉の間、彼らは文武に精進し、近くの青少年にも武術や学問を教えたそうである。(参考→2012年6月22日アップ「泉龍寺を中心に広がる歴史。結構深いです。」)
また、この寺の横には要害山(ようがいざん)という高さ360m余りの山がある。二カ所の平らな場所や堀切の跡があるという。台形状の山の形から往事を偲ぶことができる。
笑顔の和尚様のお話を伺いながらゆったりしていると、清爽な気持ちが満ちあふれてきた。無理せずに生きる喜びを見いだそうと思いながら笑顔で寺を後にした。
裏の山門
日本人は豊かな自然の中に神仏を見いだしたのだそうだ。
この小さな遍路の旅でストレスを癒し、心を生きる勇気で満たすことができた。
(by 県民局 林原みのる)
<情報>泉龍寺
所在地 鳥取県日野郡日野町黒坂421 →地図
電話 0859-74-0140
Webページアドレス http://www9.ocn.ne.jp/~senryu/
(参考)これまでの他の記事→★開運!歴史さんぽ★シリーズ
日野振興局 2013/01/15