出前講演会『日野郡の狛犬』により燃え上がった狛犬熱、未だ冷める気配がありません。
ということで、今回は日南町宮内の西樂樂福(ニシササフク)神社の狛犬を訪ねました。
なぜ西樂樂福神社なのかというと、その理由は狛犬の形にあります。
阿形・吽形とも玉に乗っていて、広島県に多い形で『尾道型』というのだそう。高さもあって堂々としています。
日野郡に多い来待石で作られた『出雲式』狛犬とは異なり、少し色も白っぽく感じ、尾の先が開いているのも特徴的。
しかも日野郡にはこの一組しかなく、県内でも数が多いわけではありません。
こちらの狛犬、県立博物館『狛犬データベース』によれば制作年は安政2年(1855年)。安政期の歴史的な出来事といえば、『安政の大獄』『桜田門外の変』など。明治(元年1868年)まであと少しの激動の時代から、広島で多い形の狛犬がこの地にいる理由を考えると、この狛犬がより可愛く見えてきます。
この西樂樂福神社の本殿はすでにありませんが、狛犬のいる参道の奥には立派な藤で知られる『神宮寺』があります。(神宮寺の‘日野ごよみ’記事は
こちら)
藤の季節に神宮寺を訪れる際には、是非この狛犬たちにも注目してみてください。
日野振興局 2014/09/18