この写真、何をしているところだと思いますか? タイトルから味噌造りの一工程だろうとは想像できるでしょうが、はて?
味噌造りに絶対欠かせないのが麹(こうじ)です。麹が米や大豆を発酵させて味噌に変身させるのですが、これはその麹を仕込んでいるところです。
まず、蒸し上げた米に麹菌を振りかけ、まんべんなくまぶしていきます。
おっと、いけない。働いている方たちの紹介を忘れていました。
ここは日野町上菅の食品加工グループ「菅福元気邑(すげふくげんきむら)」の加工所です。みなさん、まだ薄暗い早朝からせわしく立ち働いています。
いま山村では、どの活動団体もほぼ例外なく高齢化が目立ち、それとともにメンバーの数も漸減しています。この菅福元気邑もそうでした。
でした・・と過去形で言うと、今は必ずしもそうではないことになります。ご覧下さい!
手前右の男子が石村勇人さん、29歳。手前左が真崎愛さん、20歳。いずれも日野町の地域おこし協力隊員で、石村さんは一昨年の9月から、真崎さんは昨年の9月から、この上菅地区を拠点に地域活動に励んでいます。
2人がグループに加入したことでグループの平均年齢は一気に若返り、また新しい活力が注入されました。
2人はこれ以外にもさまざまな活動をしているのですが、それについての紹介はまた別の機会に譲るとして、今は麹作りを急ぎましょう。
次の写真は、麹菌をまぶした米をセイロに詰めているところです。掌で押し込んだり、拳骨で叩いたりしながら、隙間ができないように埋めていきます。かなりの力仕事です。
詰め終ると・・
腕力部門は何と言おうと石村さんの担当。おばさま方としてはずいぶん楽になりました。
セイロを発酵機に入れ、35度で24時間温めます。しかし、それで完成ではありません。翌日のこの時間、今度は「切り返し」と言ってセイロから米を取り出してこの日と同じ作業を繰り返し、再び24時間温めるのです。
さて、セイロ詰めの一方では、大きな圧力釜の中で次の米が蒸し上がりつつあります。1度に60キロ!
蒸し上がるのを待つ間、しばし休憩。話がはずみます。ここがみんなで働く加工所の楽しいところ。
コーヒーブレイクには餅も焼かれます。この餅もここでついたものです。
こうした作業が何日も繰り返され、米麹が次々と作り出されていきます。
この後、米麹と大豆と塩を使って味噌造りの最終段階に入るのですが、今回の記事ではひとまずここまで。
最終的に2トンの量になるという菅福元気邑の味噌は、名づけて「元気みそ」。香りがさわやかで、味もまろやか。また、米麹も単独で販売されており、これも季節限定の人気商品となっています。
ご注文は下記へ。
〇元気みそ1kg=新味噌600円 3年味噌500円
※ご希望に応じて樽詰め25kg以上の注文も受け付けています。(1kgにつき600円)
〇米麹800g=700円(期間限定。先着順です)
〇ご注文先=電話0859-74-0136(小谷博徳さん)
さて、「冬は味噌造りの季節!」の後篇は「江府町宮市の巻」です。そちらでも地域おこし協力隊員が活躍しています。乞う、ご期待!
By 地域づくりサポーター 梅林敏彦
日野振興局 2015/02/13