6月
8日から
19日の
2週間に渡り、マアジ表層トロールを実施しました。
本調査は今後のマアジの漁獲量を予測する為に実施している調査で、隠岐海峡及び隠岐諸島北部の全26地点を調査しました。
今回の調査は天候に恵まれ、全工程を通じて穏やかな海が続き、順調に調査を進めることが出来ました。
写真は投網地点の魚探の様子です。
水深30メートルから40メートル地点で反応が見られます。
網を引く場所により、一匹の稚魚も入らない場所もある中、多い箇所では一網で約9キログラムもの稚魚が入ることもありました。
又、6月後半の22日から25日まで、北海道大学・水産科学研究院の皆さんと水産試験場との共同研究の一環として、同じく、マアジ表層トロール調査を実施しました。
一般に漁獲効率はトロール漁具における網口サイズ・形状と曳網速度によって、変動すると言われていることから、今回の調査では船速・ワープ長・カイト支持ロープ長の3つを調整し、網口形状と採集量の変化を調べました。
最初の調査は、船速とワープ長を調整する曳網試験です。
船速は対水船速を用い、3ノットから3.5ノットの2段階で、ワープ長は300メートル・250メートル・200メートルの3段階で調整し、船速とワープ長の変化がもたらす網口形状の変化を調べます。
実際の水中での網口の開き具合は、網に取り付けられたセンサーと水中カメラによって確認されます。
この水中カメラ…
よく見ると、2枚のまな板によって固定されています。
カイト支持ロープ長の調整試験では、支持ロープの途中3ヶ所にアイ(輪)を取り付け、ロープの長さを調整することにより、カイト迎角を変化させます。
前述と同様のセンサーと水中カメラで網口の開き具合を確認します。
最後に、先の曳網試験がもたらした結果をふまえて、採集試験を実施しました。
船速・ワープ長・カイト支持ロープ長の変化によって、漁獲されるアジの量にも変化が見られました。
又、今回の試験では曳網場所により多くの『カメガイ』が網に入りました。
このカメガイ、浮遊中その可愛らしい容姿から、クリオネをも彷彿させる癒し系の生物ですが、暖水域を生息域とする固い殻のある巻貝の仲間だそうです。
尚、このカメガイが魚探に反応する正体不明な散乱体の張本人である可能性がある為、持ち帰り反応の程度を詳しく解析するそうです。