防災・危機管理情報


北条川における「AI技術を活用した河川管理高度化」

 鳥取県は株式会社建設技術研究所と協力して、「持続的で実効的な河川管理」及び「豪雨時における安全避難」の実現を目的に、北条川において河川監視カメラ・水位計等から得られるデータとAI(人工知能)技術を用いた新技術の開発(河川管理の高度化)を取り組んでいます。

北条川の氾濫と対策(放水路整備)

 昭和62年台風19号では、県中部を中心に記録的な大雨となり、由良川・北条川流域で甚大な被害が発生しました。北条川のJRに並行する区間は、人家密集地と県道羽合東伯線に挟まれており、河川改修には相当の期間を要することから、洪水を最短で日本海へ流下させて、家屋、田畑の浸水被害を軽減させる北条川放水路を整備しました。北条川と北条川放水路をつなぐ分水堰は、北条川の流域に大雨警報発令時など出水が予想される場合に倒伏させて、北条川放水路により海へ放流するようにしています。

 

通常時河川状況

 

洪水時河川状況

 

北条川での河川管理(北条川放水路関係)

 北条川及び北条川放水路に関係する河川管理として、以下のことを行っています。

(1)河川内伐開

(2)出水時の分水堰操作

(3)放水路河口部の閉塞対策(河口部砂州除去)

(4)上流部護岸越水状況の情報提供     

                            など・・・

しかし、各場所によって様々な課題があります。

各課題とAIによる解決方法

放水路 河口部

現  状:放水路から海へ放流するためには、河口閉塞している場合、砂州を撤去する必要があ

     ります。洪水前に的確に砂州撤去の判断をするため、現場又は監視カメラにて河口

     を監視し続けています。

課  題:河口砂州の監視と撤去の判断をいかに省力化するか。

解決方法:AIが監視カメラ画像から砂州が撤去すべき高さになったことを検知して知らせる。

 

(例:開口)

開口

(例:閉塞)

閉塞

放水路 分水堰

現  状:河川が今どのような水位状況なのか、常にカメラで監視して気象状況と予報を踏まえ

     て、分水堰倒伏の最適なタイミングを見極めて行動しています。

課  題:分水堰倒伏の判断をいかに適正化するか。

解決方法:降雨量予測データ等からAIが数時間後の水位を予測し、分水堰を倒伏すべき時刻を予

     測する。

分水堰

上流域 米里地区

現  状:越水が常に起こる場所では、カメラに映っている範囲が越水してから護岸兼用道路の

     通行止めを行っています。(危険!)

課  題:夜間は越水状況が確認しにくい。越水をいかに迅速かつ正確に把握し周知するか。

課題方法:AIが監視カメラ画像から越水したことを検知する。

上流域

今後の取り組み

 引き続き、冬期及び出水期間(6月~10月)を含めて試行運用をし、日々の管理にも使いながら実務上の課題を抽出してシステムの改良を進めます。

 このAI技術を活用したシステムを試験的運用から本格運用とするため、効果や実用性を確認していきます。

  

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