平成20年2月15日(金) 午後2時~午後4時30分
教育審議会委員(18名)、専門委員(8名)、県教育委員(3名)、教育長、参事監、高校教育主査、関係各課長 他
(1)報告事項:各分科会・部会の開催状況について
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学校等教育分科会、特別支援部会
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学校運営分科会
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生涯学習分科会
(2)協議事項:中高一貫校の設置について
【事務局説明】
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前回の審議会で諮問がなされ、審議を具体的に部会の方で進めており、過去4回の開催をしたところ。
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中高一貫校については、平成16年度に一度検討委員会で検討し、まとめを行ったという経緯がある。設置の検討がストップしていた大きな理由は、中部に湯梨浜中・高等学校が開校されてその様子を見るということがあった。しかしながら、いつまでストップしているのかというご指摘があり、機運が高まったのであれば早めにやった方がいいのではないかということで急遽繰り上げて部会の方で審議いただいた。
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平成14年度、知事部局の企画部で検討がなされた経緯がある。結論として、二つの提言が出されており、一つは、いわゆるスーパーハイスクール鳥取版で、学びの要望に応えられる中高一貫教育。提言の二は、学ぶ喜び、生きる喜びを感じる中等教育学校。ゆったりと自分のペースで勉強ができる学校。
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当時の教育委員会内部の事情で、平成10年から16年度にかけて大規模な高校改革に取り組んでおり、当時28校の県立高校が22校にまで減るような大改革をやっている真っ最中であり、そのような中、機が熟していないということで動きがなかった。
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また、高等学校教育審議会での審議においても、メリット、デメリットを充分に勘案しながら検討する必要があるという提言をいただいている。
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平成16年度の鳥取県中高一貫教育検討委員会では、設置する中高一貫校の教育理念は、ハイレベルな学習と体験による人間性の向上によるリーダー育成。すなわち、高い学力を身につけた生徒が将来リーダーとして地域や日本、世界で力を発揮できる力をつけていくべきとある。また、設置形態は併設型で、設置場所は西部地区に米子北斗高校があるため、東部と中部への設置が望ましい。設置時期は、平成18年度以降になるべく早くに意欲のある高校に導入した方がよいという内容のまとめがなされていた。
【協議】
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教育理念に、歴史や体育など全ての教科をきちんと教えることを盛り込むことが必要。
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私立では大学進学を前面に出しているが、学習指導要領の逸脱はしていない。ただ、教科により手厚い指導の教科とそうでない教科はある。
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香川県の併設型中高一貫校の中学校の募集停止は、母体の高校の評価がそれほど高くないことが原因。一定程度人口を持つ地域の、実績のある進学校でないとうまくいかない。
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大学進学は十分条件だが必要条件ではない。高い学力を求める教育をしようということ。
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日本や世界のリーダーとして活躍できるという理念は必要。大学進学も大切だが、卒業後、鳥取に戻って跡を継ぐかが問題。県に企業を誘致し、受け皿作りを希望する。
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鳥取県も全国に伍していくことが必要。西部と中部に一貫校があるので、当然東部がよい。子どもの数も減り、新しく校舎を建てるのも難しいので、既存の施設を整備する方向がよい。子どもたちの能力を伸ばす環境を整えることが大切。
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県の教育レベルを上げるには、どこかに山が必要。他の学校のレベルも引っ張られて上がるので、中高一貫校の設置には賛成。教員を集め、育てていくことも大切。
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子どもたちに実体験が不足している。中高一貫校では、時間的に余裕が出てくるので、よい教育課程が作れると思う。
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具体的な計画作成の段階では、慎重に課題を整理しておくことが必要。方針の中にも、慎重に取り組む必要があることを明記すべき。
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特定の進学校に併設中学校をつくり教育理念を高めていくやり方かと思うが、シミュレーションをして問題点を洗い出し、それを小・中学校、地域で検討した上で進めることが必要。
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中高一貫校は、全国的にもコンセンサスを得てきている。県内の公立校にこういうリーダー養成の学校ができるのは、エポックメーキングとなり、よいこと。
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大学進学等、明確な目標を立てることは必要。知識だけではなく、別の面でもリーダーシップがとれるような、バランスのとれた生徒が育つカリキュラムを築き上げて欲しい。
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設置場所により、地域によって一時的に有利不利はあると思うが、そのうち、色々な所に反映していく。卒業後、他県で就職しても、いずれは鳥取に戻り、起業するような教育をして頂きたい。子どもたちに、将来の夢を託せるような教育をして欲しい。
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学力と人間力を併せ持つ子どもたちを育てる中高一貫校であるならよい。
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既存の高校と設置しようとする中高一貫校との違いは何か。既存の高校が不十分であるなら、その違いを明確に設置の理由に挙げることが必要。
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鳥取大学は幼小中の一貫教育を考えており、高校についても話がないわけではないが、地域や教育委員会と連携しなければ、附属高校を設置するかどうかの検討は進められない。
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中高一貫校は、卒業後、大学進学で他県に出て行く心配もあるが、鳥取大学が、医学部のように各学部が地域枠で地元生徒を受け入れるなら、地元の大学で学ぶことができる。
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多様な能力を6年間一貫した流れで教育すれば、すごいことができると思う。
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県内のある高校でも、体験的な活動を取り入れるなど知徳体のバランスも考えているが、進学指導もあり、ゆとりがない。6年間あれば、ゆとりを持って生徒を育てられる。部活動でも、進路を考えさせる上でも、長期的な展望を持って指導することができる。
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有名大学や専門性の高い大学を卒業し就職しても、早期退職する例があり、現在の学ぶ環境に対する危機感が必要。その意味で、中高一貫教育が出てきていると思う。
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人間力をつけながら、幅の広い、心豊かな人間を育てたいが、そのためには、学校のまとまった体制が必要。6年間なら教育課程を柔軟にし、読書、討論、ボランティア、コミュニケーション能力の育成、志の高さ、郷土に対する理解などに対応できる。
【今後の方針】
(3)説明事項:教育振興基本計画について
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教育振興基本計画の策定は、改正教育基本法の17条一項で、国が作成することを義務づけられており、第二項で地方公共団体は前項の国の計画を参考にして、地域の実情にあったものを定めるよう努めるものとある。国は、中央教育審議会に特別部会を設け検討中。
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本県も、21世紀鳥取県教育ビジョンや鳥取県教育委員会ミッションなども踏まえ、教育振興基本計画を策定したいと考えているところ。とりあえずスケジュールを来年度中に作り、県民の方々にパンフレット等を配布して啓発していきたいと考えており、審議会委員の方にも意見を伺いたいと思っている。また、タウンミーティングやパブリックコメントなどを踏まえつつ、最終的には教育委員会が策定していきたい。